シーズンのクライマックス、伝統の早慶定期戦。第2ピリオド終了時点で3―5と慶大は主将・笹山大智(法4・慶應)の得点などで追いすがっていた。しかし最終第3ピリオド、3つの失点を喫すなど引き離され、4―8で敗れた。
2023年1月7日(土)@東伏見ダイドードリンコアリーナ
| 1P | 2P | 3P | 計 |
慶大 | 1 | 2 | 1 | 4 |
早大 | 3 | 2 | 3 | 8 |
東伏見ダイドードリンコアリーナには86回目の伝統の一戦を見届けようと両校の応援団や多くの観客が詰めかけた。
華々しい開会式を経て始まったこの試合。序盤から光ったのはGK及川寿暉(経2・慶應)を中心とした激しい守備。早大が攻める時間が続いたが、集中した守備で得点を許さない。守備から流れを掴みたい慶大は4分、パワープレーのチャンスを得る。数的優位を生かし得点につなげたい慶大だったがシュートをなかなか打たせてもらえず。最初のチャンスを得点にはつなげられない。
その後は早大の猛攻は続き、10分に先制を許すと今度はキルプレーのピンチ。決死の守りでなんとか凌いだが残り3秒のところで失点し、2点ビハインドの苦しい展開となる。この重苦しい雰囲気を振り払ったのが主将の笹山だった。14分、相手の守備をすり抜け、自らシュート。パックは相手GKの肩口を抜け、ネットを揺らした。
その後失点し、迎えた第2ピリオド。慶大は開始1分、荘敬大(経2・慶應)が早々シュートを放つなどオープンな展開に。早大に追加点を許し一時3点のビハインドを負うが、攻め続ける慶大。27分、ゴール前の小島快(環2・慶應)がこぼれ球を詰める、田原輝志(経3・慶應)がシュートを放つなどゴール前で幾多のチャンスを迎えたが得点につながらない。辛抱強く攻め続けた慶大に29分、待望の追加点が生まれる。高い位置で奪った小島がシュートを放つと、パックは相手GKの股下を抜けゴールへ。
2―4とすると、35分、パワープレーのチャンスで副将、長谷部大地(政4・八戸)のパスを受けた荘(敬大)が鋭いシュートを決めさらに1点を追加。ついに1点差に詰め寄る。
その後1点を失い2点ビハインドで迎えた最終ピリオド、必死に追いかける慶大に徐々に疲れの色が見え始める。たまらずペナルティを犯し数的不利となり失点。その後はずるずると失点を重ねこのピリオドだけで3失点。終了間際、残り15秒というところで有馬龍太(経1・武修館)がシュート。主将の笹山、2年生の振津青瑚(政2・埼玉栄)、そして1年生の有馬とつないだ意地のシュートはネットに突き刺さり、1点を返して試合を終えた。
終わってみれば4―8。両チーム合わせて12得点が生まれ、観客は大いに沸いた。シーズンのクライマックスにふさわしい熱い戦いを見せた両校。試合後、ダイドードリンコアリーナは温かい拍手に包まれた。主将の笹山を中心に強豪ワセダに食い下がった慶大は下級生の多いチーム。来年以降への期待感を感じさせるゲームだった。
(取材:金子拓登、田中瑠莉佳、松田英人)