【テニス】堅実に駒を進めた慶大勢/関東学生新進テニス選手権大会 3月1日

庭球男子

2月27日より本戦が行われている関東学生新進テニス選手権大会。慶大勢で唯一16強に進出している高木翼(総2・関西)はベスト8の座をかけて鈴木久統(明大)と対戦し、見事勝利した。女子シングルスでは西飛奈(環1・白鵬女子)が快勝。こちらも順調に駒を進めた。

2023 年関東学生新進テニス選手権大会

3月1日(水)@大宮けんぽグラウンド

 

  • 男子シングルス

〇高木翼(慶應)

2 {6―4, 4―6, 6-3} 1

鈴木久統(明大)

試合開始後、高木はサービスエースを含むショートポイントを積み重ね、あっさり1ゲーム目をキープする。この勢いのまま試合が展開されるかと思われたものの、そこには明大が誇るサウスポー、鈴木が立ちはだかる。2ゲーム目以降は激しいラリーの打ち合いとなり、高木が強打を続けても、相手も臆することなくラリー戦に応戦してきた。両者一歩も譲らぬ展開が続くなか、4―4で迎えた9ゲーム目、高木のサーブがセンターへ突き刺さり、このゲームをキープ。後の第9ゲームを強気のリターンエースでブレイクして、第1セットを奪取した。

強気のストロークでラリーを制す

第2セットは打って変わってブレイクの応酬となった。高木のサーブに対し、相手が冷静に対応するようになり、ライジングショットによる速いテンポのラリーに高木は苦戦を強いられた。高木は泥臭さを発揮し、コートに返し続けるものの、相手の勢いに押し切られこのセットを落とした。

セットカウント1―1で迎えたファイナルセット、1ゲーム目からデュースが続く長期戦となる。3―2で迎えた6ゲーム目、高木は相手のサーブからの展開に翻弄され、1ポイントも取れずにキープされる。流れこそ相手に傾きつつあったが、「しっかり切り替えられた」という高木。7ゲーム目は強気のサーブからネットプレーを繰り出し、ポイントを4連取し返した。このまま畳み掛けるかのように8ゲーム目は、疲れを感じさせずに声を出しながらショットを繰り出し、デュースの末にブレイクに成功。高木はこのまま相手を振り切り、勝利を収めた。

第3セットまでもつれこんだ試合を制しベスト8に進出

 

  • 女子シングルス

〇西飛奈(慶應)

2 {6―3, 6―3} 0

南口(明大)

力強いバックストロークで1点ずつ確実に積み重ねた。両者は第1セット序盤からサイドいっぱいの鋭いストロークを放つ。ラリーを制して1ゲーム目をブレイクした西は、つづく2ゲーム目では2回のサービスエースを見せてキープ。試合はその後2ゲームずつ取り合う展開がつづいたが、前後にも相手を揺さぶった西がわずかに上回り第1セットを制した。

自身の武器であるバックストロークが今試合でも光った

第2セットも1ゲーム目をキープして先制する。その後のゲームは相手のストロークエースが続くも西は守備に徹さず「カウンターを狙う気持ちというのは常に持ち続け」た。押される展開でもフォア・バックを使い分けて相手を左右に振り回し、さらにネットプレーも繰り出して得点につなげる。2―2で迎えた5ゲーム目ではサービスエースを2回見せてキープ。その後はゲームを連取して5―2とし、最期まで正確なストロークで相手の隙をつき6―3で勝利した。

押される場面でも積極的に攻撃を繰り出した

 

(記事:野上賢太郎、五関優太)

 

以下、試合後インタビュー

 

高木翼選手(総2・関西)

——試合後の率直な気持ち

自分のシードの順位が5〜8シードで、今回勝ってベスト8になったので、シード順位をしっかり守れてよかったなというのと、相手も結構強い選手で、前日もストレートで勝って調子を上げてきていたので、最後しっかりファイナルにいっても体力負けせずに勝ち切れたというのはすごくよかったなと思います。

——激しいラリーや撃ち合いの中で意識していたこと

このコートは結構特殊なコートで、すごいボールが飛んでいったりするので、しっかり重いボールを打って相手に攻めさせないというのを意識してやっていました。

——普段から重いボールを打つ練習をしているのですか?

球出しだったりとか、ラリーの中で的を置いてそこに重いボールを打つという意識を持って練習しています。

——第1セットで長いラリーが続く中で、センターへのサービスエースが2本あったのも大きかったのでは

基本的には第1サーブは入れに行くというか、コントロール重視で打っていたんですけど、たまにそういうサーブを打つと効果的だったり、逆に打たないと普段のサーブを叩き込まれてしまうので要所要所でそういうサーブを打つように心がけています。

——相手より一球でも多く返すという気持ちが強く感じられました

自分は結構コートのベースラインから下がらずに、テンポを上げてラリーするテニスなのですが、その中で相手が打ち込んできた時に、しっかり相手に打ち込まれないような高さで返したりとかというのを意識していて、その一球でも多く返すというのも大学に入ってから結構できるようになってきたんですけど、一球でも多く返すというのは意識しています。

——第2セットはブレイク合戦でした

ずっとブレイク合戦で、相手にキープされたらそのセットを取られてしまうという状況だったので、結構自分の中ではナーバスというか、結構マイナスな感情でプレーしていました。

——第2セットを取られて、ファイナルセットに向けて気持ちの切り替えは

ボールチェンジするというのもあったし、トイレットブレイクも取ったので、そこでしっかり第1セットは何が良くて第2セットは何が良くなかったのかというのを、自分の中で整理してそれをファイナルセットでしっかり意識してプレーすることができたのが良かったのかなと思います。

——ファイナルセットの第6ゲームをストレートでキープされました。直後の第7ゲームを、ドロップショットやボレーを用い、ストレートでキープし返せたのも大きかったのでは

そうですね。簡単に取れれば取れるほど流れがこっちに来ると思うので、簡単に取られてしまったというところをしっかり切り替えて、すぐ取り返すことができたというのは大きかったかなと思います。

——続く第8ゲームでは声を出して鼓舞していました

ここでブレイクできれば、5−3にできるというのも分かっていました。第2セットのブレイク合戦から、ブレイクできるチャンスがあると分かっていたので、しっかり相手を圧倒するという意味もあって。相手からすればここをブレイクされて次キープされれば負けるという状況であとがない状況だったと思うので、そこをしっかり畳み掛けに行けたのが良かったのかなと思います。

——チームのスローガンが「Vitality」に決まりましたが、今シーズンの個人の目標、チームの目標を教えてください

昨シーズンは、シングルスがほとんど勝てなくて、思うような結果が出なかったので今年はしっかり単複共に全国で戦える選手になりたいなというのと、チームの目標としては王座優勝というのを掲げているので、チームの一員、メンバーとなってしっかり自分が勝利に貢献できるように頑張りたいと思います。

——相手選手も「鉄壁すぎる」と叫んでいました

AgStyle TennisというYouTube動画に、「鉄壁のディフェンス」というのが上がっているんですけど僕の、それで多分言ってて。それは王座からというか、元々そんな粘り強い選手ではなかったんですけど。大学に入って全国の舞台を経験していく中でこういうのが必要だなっていうふうに感じて、それから意識するようになったので、そこは相手にもプレッシャーがかかっていてよかったのかなと思います。

——次戦への意気込み

次勝ったら制限の選手と同じポイントが入って、結構順位も上がると思うので、次しっかり勝ち切ってベスト4に入りたいなと思います。

 

西飛奈選手(環1・白鵬女子)

――今日の試合を振り返って

きつい場面もあったのですが、良い流れのときは結構我慢強く自分らしく粘り強いプレーをできたり、最終的にはネットプレーを使っていける展開というのはすごい良かったと思います。最後我慢強くできたのが良かったと思います。

――バックストロークが得点につながる場面が多かったですが、ご自身の手応えは

自分はバックのストレートの展開というのが武器でもあるので、今日そこを使えていたのがすごい良かったと思います。

――中盤4ゲーム連取でリードを広げましたが、そのときのお気持ちは

自分の特徴として受け身になるとダメなので、守備の中でもしっかり攻める気持ち、カウンターを狙う気持ちというのは常に持ち続けてやっていました。今日もそれができたので、打たれてもしっかり最終的にはカウンターであったり、そういうのを常に狙っていけたので、そこが中盤とかはすごい良かったと思います。

――まもなく新学年ですが、部員としても選手としても今年つけたい力などはありますか?

2年生になるので後輩もできます。去年チームとしては王座優勝であったり、いろんな経験をさせていただいたので、チームの王座優勝という目標に向かって、自分はプレーでチームを引っ張っていけるようになりたいです。個人としてはまずはこの大会で単複もっと上位目指して頑張っていきたいと思います。

――次戦への意気込み

次も自分のやるべきことをしっかり整理して、もう一つ上に行けるように頑張りたいと思います。

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