前日に初勝利を飾り迎えた春季リーグ第5戦。会場の日吉記念館には多くの観客が訪れ熱戦を見届けた。第1セットをあと一歩のところで落とすも第2セットは大差で奪取。このまま勢いに乗りたいところだが、つづくセットは相手の守備が光り序盤からリードされると最後までその点差を埋められなかった。第4セットは切り替えを見せて序盤から主導権を握り、スパイクを積極的に放ち接戦を制す。最終セット、中盤で4点差をつけられるもチームでボールを紡ぎ1点差に迫ったが、最後は相手に及ばず慶大はセットカウント2ー3で惜敗した。
※ 掲載が遅くなり、申し訳ありません。
2023年4月23日(日)
春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦
第5戦 慶大×筑波大
得点 | ||
慶大 | セット | 筑波大 |
25 | 1 | 27 |
25 | 2 | 15 |
16 | 3 | 25 |
25 | 4 | 23 |
16 | 5 | 18 |
出場選手(サーブ順) | ||
ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
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OH | 1 | 島田航希(経4・慶應) |
MB | 8 | 芳賀祐介(環3・札幌北) |
OP | 3 | 渡邊大昭(商3・慶應) |
OH | 6 | 山口快人(経1・慶應) |
OP | 2 | 松本喜輝(環4・九州産業) |
S | 10 | 大槻晟己(総4・清風) |
L | 7 | 山元康生(法2・慶應) |
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途中出場 |
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OH | 11 | 入来晃徳(環1・佐世保南) |
第1セット、主将・島田航希(経4・慶應)のスパイクで勢いよく先制し、その後は競る展開が続くも島田・松本喜輝(環4・九州産業)・大槻晟己(総4・清風)の鉄壁のブロック、渡邊大昭(商3・慶應)のスパイクが決まり1点リードする展開となる。8―7の場面、松本はスパイクが相手ブロックに阻まれると今度は素早いスパイクで応戦。相手ブロックを引き寄せる前に鋭いボールを放ちまたしてもリードする。セット後半、今度は1点ビハインドの展開が続くも芳賀祐介(環3・札幌北)・渡邊のブロックで相手スパイカーにプレッシャーを与えて17―16とまたしても慶大が一歩リードする。終盤には筑波大の高速分離バレーが見られ、ここからは両者ブロックアウトを取り合う展開が続く。最後、またしても渡邊・芳賀がブロックで相手の攻撃を阻むもあと一歩ボールをつなぎきれず、25―27で惜しくも第1セットを落とした。
接戦の第1セットを落とした慶大。第2セットも序盤から競った展開が続き3ー3としていたが、ここから慶大はブロックなどが決まり3連続得点を決め、リードを奪うことに成功する。その後も相手スパイクで点を許しながらも、芳賀のブロックや渡邊の強烈なサービスエースで順調に得点を積み重ねる。15ー11と有利に進める中、このセットの流れを完全につかんだのは、L・山元康生(法2・慶應)のプレーだ。2連続で相手のスパイクを拾うと、さらに続けてスパイクを返して17ー11と差を広げる。流れに乗った慶大は、エースの松本や島田のスパイクで得点を奪うと、最後は芳賀がクイックを決めて25ー15でセットを取り返した。
第3セット、序盤から相手にリードを許す。渡邊・島田がスパイクを繰り出すもどちらも相手ブロックに阻まれ自陣のコートに落ちてしまう。0―4で慶大のタイムアウトを挟むがその後もブロックを超えることができず、さらに相手の素早いスパイク攻撃にも苦しむ。セット中盤、流れを引き寄せたのは松本だった。松本はスパイクを立て続けに決めて7―12とし、慶大のタイムアウトを挟んだ直後にはブロック、サービスエースにも成功して連続得点をあげる。ただその後も相手の素早いトスワークを前に追いつくことができず16―25でこのセットを終えた。
第4セット、接戦となるも慶大が一歩リードする展開が続いた。セット序盤から大槻のトスワークが光る。2―2の場面ではバックトスで松本との速攻を決めると、その後もバックトスでライト側の松本にボールをまわし、このプレーでも2点を決める。また守備面でも慶大が優位に立った。セット中盤には相手スパイクを山元が好レシーブ、チームでボールをつなげると最後は松本がブロックに成功。その後同点となる場面もあったが、渡邊・松本がスパイクを決めて再びリード。最後まで守備・攻撃の手を緩めず見事このセットを奪取し、勝敗の行方は最終セットに委ねられた。
迎えた最終セット。貴重な1点目は慶大が決めたと思われたが惜しくもアウトの判定が下る。慶大もすぐに芳賀のスパイクで追いつくと、前半は接戦を繰り広げたが、6ー6から連続失点を喫しコートチェンジ。一時はリードを4点に広げられたが、慶大選手は勝利への強い執念を見せた。13ー14とあと1点で負けが決まる場面では、ベンチに飛んだボールに主将の島田が食らい付きつなぐと、それをエースの松本が決めデュースに持ち込む。お互い相手サーブ時にしっかりとスパイクを決め切る白熱した展開が続く。しかし最後はコースをライン際への鋭く曲がるサーブに手が出ず16ー18で試合終了。強豪・筑波大相手に惜しくも届かなかった。ただ、芳賀と大槻のクイックが決まるなど良い点も見られただけに、次の早大戦での勝利に期待がかかる。
(記事:長沢美伸、五関優太、写真:上村真子、小田切咲彩、佐々木愛子、妻井安那)
以下、コメント
星谷健太朗監督
――今日の試合を振り返って
昨日に引き続きホームのなかで、観客の皆さんにたくさん来ていただいて本当にそのなかでプレーをさせてもらえたことがやっぱり何より嬉しかったなと思います。結果は振るわずでしたけれども選手を1名欠いたにも関わらず最後の最後までしっかりとやられていた筑波大学さんはさすがだなと思って、我々もまた次頑張っていきたいなと思っているところです。
――デュースの場面もいくつかありましたが、そこでの選手のプレーはいかがでしたか
皆んなその時その時のベストというのをいつも心掛けてもらってますけれども、それを体現できたシーンがたくさんあったのかなと思っています。
――特に最終セットの15点以降のプレーはどうでしたか。
そこもほんとになかなかこっちが万全な状態ではなかったものの、最後繋いだものを勝負しにいったりとか、そういうところでは結果ではなくプロセスのところで、しっかりやりきれたなと思っています。
――課題や反省点は見つかりましたか
課題についてはこれまでと同様なのですが、細かい繋ぎです。やっぱり6人それぞれがバレーボールたるものをできないと最後そこの穴による失点が積み重なって負けてしまうので、そこはやっぱり課題かなと思います。それとブロックです。ブロックについても自分たちの役割があり、それぞれのポジションでしたい手の出し方とか足の動かし方とかいうのがありますが、それについてはやりきれていないと思います。最後のところでもそこの差でやっぱり負けてしまっているので、細かいポイントですがそこの差がどうしても本当最後の最後で出てくるので、積み重ねて強化していきたいなと思っています。
――思い通りに行った部分はありますか
こちらの作戦に対してブレイクをしっかり取れたということは、良かった点かなと思います。
――次戦に向けて
結果はまだ1勝というところですが、これまでと変わらず我々のベストを出し切りたいなと思うので、ぜひ引き続き応援をお願いしたいなと思います。
島田航希主将(経4・慶應)
――今日の試合を振り返って
取れた試合だと思い、悔しいです。最後の集中力や弱気になってしまったことが、敗因だと思います。
――今後の課題は
全てを安定して、序盤から終盤まで同じようにプレーできるように集中力を切らさないことです。
――今後の山場は
山場は第7戦(5月7日)の明治大学戦です。
――次戦に向けて
今日の反省点や悔しさをばねに、次は絶対に勝ちたいと思います。
芳賀祐介選手(環3・札幌北)
――今日の試合を振り返って
筑波大学という昨年全日本インカレで優勝した強豪相手にフルセットという結果で、満足いく内容だったんですかね……勝ち切れなかったことが正直悔しいです。
――大槻選手とのクイックが決まりました
晟己さん(=大槻)とこの半年くらい合わせてきて、僕が1・2年生の時は頼りないばかりに先輩にあまり使ってもらえてなかった中で、効果的に使ってもらえたのは成長を感じているのですが、もっと効果的なクイックを増やせればいいかなと思います。
――意気込み
今春リーグは混戦しているので、1勝、1セット、1点が大事になってくると思うので、1点1点集中して取り切れるようにしたいです。
山元康生選手(法2・慶應)
――今日の試合を振り返って
記念館でのホームゲームということで皆んな気合いが入っていたし、昨日勝てて良い流れで今日臨めていました。なのですごい入りとか1・2セット目とかしっかり自分たちの乗りでできて良かったです。ただやっぱり最後の方で向こうの方が体力があったり、それから集中切れて大事なとこでサイドアウトが切れなかったり、最後の最後の爪の甘さとか、そこを戦い抜く力というのが筑波大学さんの方が高かったかなというのでまだまだ強くならなければいけないなと思いました。
――守備で大活躍でしたが、その点についてご自身の感想は
ディグは良かったのですがサーブレシーブがやっぱり相手に攻められて、自分の気持ち的にも乱されたとこがあったので、また切り替えてしっかり練習して再来週またリーグ戦再開するのでそこで頑張ります。
――これまでの試合を踏まえて意識したことはありますか
去年の春季リーグ出させていただいて、そこでは自分だけで精一杯になってしまったりとか、自分の役割を理解せずにプレーしてしまったのですが、今年の 春はしっかり自分がやるべきことをまず徹底してやろうというところで、そこは常に意識してできてます。ただ技術的にやっぱり追いついてない部分が多いので、そこは誰よりも練習して追いついていかなければと思います。
――今後改善したい点は
サーブレシーブで攻められる時とか、こっちが苦しい状況でのサーブレシームというのは、特に気持ちの整理もそうですし技術的な部分でももっと上にいかなければいけないなと思います。ディグもやっぱり誰よりも上手くなれるように、というのはこれからもやっていきたいと思います。
――次戦に向けて
昨日1勝ですけど1勝4敗でまだ全然負け越してるので一つでも多く勝てるように全力でぶつかりにいきます。
山口快人選手(経1・慶應)
――今日の試合を振り返って
最後まで戦えていたと思うのですが、最後チームとしては最終的に勝てなかったので悔しい結果でした。
――上級生の先輩方について
自分はどちらかというとサーブキャッチとかレシーブに専念というか、スパイクも打つのですが守備の面で関わってきたので、ほんとにそう思うと先輩方が最後まで打ち切ってくれると思うとすごい心強いし、レシーブあげたいなっていう気持ちはありました。
――同じポジションの島田選手などを見ていて感じることはありますか
塾高時代からの先輩で同じようなプレイヤーだと思うので、真似するというか、器用な選手だと思うので見習いたいと思います。
――チームに入って早々での起用ですがその点についてはいかがですか
最初はすごく緊張したのですが、今日5戦目で徐々に試合慣れしきて自分の本来のプレー本来のプレーどんどん出せられるようになってきたと思います。
――次戦に向けて
今1勝4敗なので1勝でも多く、レシープ面もそうだしスパイク面でも頑張っていきたいと思います。