立大、同大、関学大との第56回四大学フィギュアスケート定期戦で団体総合7連覇という快挙を成し遂げた慶大スケート部フィギュア部門。今回は6名の選手にインタビューを行い、四大学戦の振り返りや今後の意気込み、部員が感じる慶大フィギュア部門の雰囲気をお届けする。
第56回 四大学フィギュアスケート定期戦
5月27日(土) @KOSE新横浜スケートセンター
※選手のレベルによりA~Gクラスに分かれて行われる。Aクラスが最上位
※所持級は数字が大きい方が高いレベル。日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)に出場できるのは3級以上
※インタビューは6月、練習をしているリンクおよびオンラインにて実施しました。選手個人の写真は練習時に撮影
♢結果♢
団体総合優勝(7連覇)
女子総合優勝
男子総合3位
♢部員成績♢
女子Aクラス
3位 久保田美佳(経3・クリスチャンアカデミーインジャパン)
5位 大谷理麗花(薬2・広島女学院)
女子Bクラス
1位 中島葵(商3・豊島岡)
2位 木下あかり(政4・頌栄女子)
5位 大黒美奈(商4・筑波女学園)
6位 橋本翼沙(文1・慶應女子)
8位 勝長ゆめみ(政2・仙台第二)
女子Cクラス
3位 高橋澄礼(文3・神奈川総合)
7位 古村和佳菜(文1・目黒日本大学)
女子Dクラス
2位 渡部美遥(理3・桜蔭)
5位 伊藤澄香(法3・都立富士)
男子Dクラス
1位 瀧沢匡平(商3・筑波大附属)
女子Eクラス
1位 酒巻美海(文3・慶應女子)
2位 石黒利奈(法4・東大教育学部附属中等)
女子Fクラス
1位 中村杏(政3・慶應湘南藤沢)
3位 中村玲美(法4・大妻)
女子Gクラス
1位 山永絵里香(文2・横浜双葉)
2位 三宅冴佳(理2・桜蔭)
5位 武山結衣(商2・神戸女学院)
8位 茅一州(経2・WLSA Shanghai Academy)
主将・木下あかり選手(女子Bクラス2位)
――試合を振り返って
級を10年ぶりに1つ上げて臨んだ初の試合で、自分はチャンレンジする立場だったのですが、結果としては満足しています。前回の試合からレベルアップもできました。構成も変わってジャンプの数も増えたので、今までとは少しレベルアップした構成で、点数を上げることができました。自分ができることができたので悪くはなかったと思います。ただ、自分が目指しているところがインカレに予選を突破して出場して本戦で入賞することで、それにはまだ足りない部分がたくさんあったので一つずつ課題をクリアしていきたいです。
――団体総合が7連覇
団体戦が今回の試合だけなのでみんなが団体戦であることをすごく意識した状態で、自分のためにというよりチームのためにという思いを強く持っていたという意味では団結力があったのではないかと思います。
――良かったところと改善点
良かったところはできるジャンプとスピンを無事にほとんど成功させられたことです。ジャンプ7個とスピン3つなのですが、自分ができないジャンプ以外は全部できたことが良かったなと思います。できなかったところとしては、できが悪くなかった分、体力に影響が出て最後の方ちょっとつまずくこともあったことで、練習の時からノーミスに近い演技ができたらなと思います。
――練習で取り組んでいること
安定しないダブルアクセルを安定させることと滑り自体をよくすることです。具体的にはスピードをより出すことと表現力を付けることです。音を一つ一つ表現することに取り組んでいます。
――級が上がったことについて
課題が変わるので、プログラムの時間が3分から30秒伸びて3分半になり、周りのメンバーのレベルも高いです。昨年のインカレは前の級で優勝し安定して上位に入っていた立ち位置でしたが、(級が上がって)自分の立ち位置が全く分からない状態での試合だったという意味では、気持ちの持っていき方が違いました。
――目標としている選手像
私はカップル競技のアイスダンスもやっているので、そこで培った要素と自分のシングルスケーターとしての要素を掛け合わせた良さが出せる選手になりたいと思っています。常に見ている人を飽きさせないスケーターになりたいと思っています。
――残り少ないスケート競技人生
昨シーズンがこの(スケートをやってきた)17年間で一番スケートに対して真剣に向き合えた年でした。そこで学んだことを生かして最大限自分ができることを、まず頭で考えて安定して残りの期間頑張り続けたいと思っています。モチベーションにムラが出たりしないようにやるべきことをやった上で、自分の限界値を上げてベストを更新していければいいなと思います。
――意気込み
インカレで表彰台にのぼれるように頑張ります!
久保田美佳選手(女子Aクラス3位)
――四大戦を振り返って
連覇が懸かっている試合は個人的にはプレッシャーを感じますし、チームにも貢献したいという気持ちも強くなるのでメンタル面ではチャンレンジグなところもありましたが、みんなで力を合わせて連覇することができたのはすごいうれしく思います。団体戦の良いところは、常に部員はお互いのことを応援していますが、より一層お互いを応援できて団結力が上がる試合だと思うので、部としてより一層仲良くなれたと思います。
――個人戦と雰囲気は違うか
全然違いますね。個人の試合でも同じくらいお互いのことは応援するのですが、雰囲気が違います。やっぱり個人戦は自分の順番の近くになると自分の演技だけに集中する感じにはなりますが、団体戦では他の人の演技もより一層集中して見ます。「この人はここがうまい」とか深く見られると感じています。
――ご自身の結果を振り返って
ジャンプでミスがあったり、細かいところは今後直していかないといけないと思うのですが、何よりも楽しく踊れているということは部員の応援があってのことです。試合が楽しいと思えるのはみんなのおかげだなと思っています。今回の演技は納得いかないところもありますが、楽しくできたことはプラスだと思うので今後に生かせていけたらと思います。
――練習で意識されていること
基礎が大事だと最近思っていて、小・中学生の頃はジャンプやとりあえずスケーティングという感じでしたが、大学生になって何がどう何に影響するのか、何が大事なのかを考えながら滑るようになりました。例えばジャンプを良くしたいのならジャンプの事だけを意識するのではなく、スケーティングも関わってくるので、ジャンプのことを意識しながらやるスケーティングの練習も取り組むようにしています。
――大学生になって考え方を変えてみて
大学生になって勉強も増えましたが、スケーティングがちょっとでもしっかりするようになると数日滑れない環境になってもリカバリーが早いと感じるので、期末期間など長期的にスケーティングから離れることがあっても復帰は早いなと思いますね。自分の所持級が高校から変わっていないので、目に見えた成長が難しいと思うのですが、「スケートを滑る」という感覚が大好きなのスケーティングスキルにも集中して、それが自分のジャンプにも影響するウィンウィンの状態が良いなと思います。
――スケートを始めたきっかけとここまで継続している理由
もともとテキサス(アメリカ)に住んでいて、そこで教室に友達と行ったのですが、泣かずに滑り切ったのが私だけだったということもあって、当時の写真とかもあるんですけど(笑)。日本に来て何のスポーツをしたいか母に聞かれてスケートと言ったそうで、私は全く覚えていないんですけど(笑)。気が付いたら人生スケートになっていて、そのままがむしゃらに小・中とやってきましたが、高校生の時に挫折もありました。1回本気でやめるというところまで考えて引退宣言をしたぐらいですが、母と、やっぱり何かをずっと続けるということに意味があるという話をしました。たとえうまくいかなくても、技術が全てじゃないということもありますし、何か好きなものを1つ見つけてそれを生涯自分のものにしていくということは、いろいろな面で役立つと言われました。いろいろ考える時間もあり、そこからスケートに対する気持ちが変わりました。前は「所持級を何級にしたい」とかで、その時は6級でしたが7級を高校生の時に取りたかったのですが4年かかっていて全然取れなかったです。「スケート楽しくないじゃん」となりましが、自分のスケートの関係性を見つめ直して、スケートは結果が全てではなく、滑る感覚が好き、スピンを回っている感覚が好きということがあるだけで続けていいんだと思いました。そういう風に見るようになって頑張ろうと思えるようになった半年から1年後くらいにやっと7級に受かったので、本当に典型的すぎる感動ストーリーです(笑)。大学で部活に入ったのも新しい経験ですね。今まで部活じゃなかったので、部活でスケートをする楽しさを味わえていますし、ここまで来たら引退まで走り抜こうかなと思っています。
――今の慶大の環境は
私は大好きです。部活が好きで、個人競技なのに一人じゃないというのが本当に大きいなと思っています。例えば細かいことでも意見をいつでも聞ける相手がいて、それをオブラートに包んだことではなく、ドストレートに言ってくださる方々がたくさんいます。先輩方も、自分は先輩になる代になってきてはいますが、ストレートに意見を言ってくださったりするので、いろいろな人のいろいろな形の意見が聞けます。試合での応援も大きく、みんなお互いを本気で応援していて、例えば練習の前後にその日の目標や感想を言っているのですが、そういったお互いの技術を向上させるために話し合いができる場もたくさんあります。それも氷上だけでなくトレーニングもそうですし、メンタル面でも何でも話し合い・相談ができる仲間です!
――素敵ですね
改めて思いました(笑)。恵まれているなと。
――今年の目標
今年は3年生で気付いたら競技生活残り1年半になってしまったので、新しいジャンプを取得したいです。今までずっと新しいトリプルを取得していないので、今年が新たなジャンプを降りられるようになりたいです。あと後輩の育成に取り組みたいです。大学から始めてもスケートは楽しいなと思います。
個人的にはインカレ出場です!Aクラスになると、ラインがあまりにも高く、本田真凜選手(明大)とかと同じカテゴリーになるので厳しいのですが、頑張ります。
大黒美奈選手(女子Bクラス5位)
――四大戦を振り返って
部として目標に掲げているインカレと、四大戦の連覇記録を達成できたのはすごく良かったなと思っています。その背景には今まで安定して成績を残している男子部員がいて、その方たちが2人卒業したので、今年は出場した男子部員が少なかったです。フィギュアだと男子部員がすごく得点源なので、得点源の選手がいない中でも女子だけでいかに点数を稼ぐかが今回ネックでした。しかし、全てのカテゴリーで好成績を残せたので、そこのカバーも問題なく行えて優勝できたのはすごく良かったと思います。慶應は他の大学に比べると上の級(5級以上)が弱い部分もあるのですが、悪い成績ではなく安定して良い成績が残せたのは、オールマイティーな部活で良かったと思います。
――団体戦は今回の試合のみ
毎回の大会部員全員で応援するということはあるのですが、自分と同じクラスで出場する選手もいるので、全員が心を一つにという点では団体戦では他の大会と比べて団結力を感じました。それがすごい力になりました。フィギュアは最後は一人で戦わないといけないスポーツなので、気持ちの維持、前向きに最後まで滑ることができたのは今回の大会ならではだったと思っています。
――個人の演技を振り返って
私はフィギュアは小学校の時にかなり一生懸命やっていたスポーツでオリンピック選手を夢見てやっていたのですが、途中で病気でやめました。そこから所持級をはく奪にならずにずっとスケートをやってきた人と戦うことはすごく難しい部分もありました。そんな中でずっとスケートをやってきた選手とは、踊ること対しての心の余裕、3分半滑り切ることへの余裕が違いました。体力も他の選手に比べたらないですし、本当は魅せるスポーツだから「魅せる」という気持ちをもう少し持てたら良かったかなと思います。
――入部のきっかけは
病気が中高6年間で完治したのが大きかったですが、その他にはスケートを小学生の時にやっていた時に、家族を巻き込んで全員で戦っていたスポーツでしたが、それが病気で急に追いかけていた夢が断たれて、やりきれない気持ちで終わっていたのが心に残っていました。もう1回フィギュアに向き直して、このスポーツに出会って良かったなと思える良い締めにするため大学でもう1回挑戦できたらという思いで始めたということも大きいです。
――慶大フィギュア部門の雰囲気は
他の大学のスケート部だと大会に出るために所属していて、部練もあまりないという部活が多いです。慶應は個人競技をチームでやることで、全体で強くなっていこうという思いでやっています。一般的にはスケートは個人競技なので、スケートを誰かと一緒に励まし合いながら鼓舞し合いながら頑張るというスポーツという考えがゼロだったので、そこは全く新しかったです。アドバイスし合いながらチームで強くなっていくという空気感はすごく新しかったですし、チーム競技でチームのメンバーでやるというよりもより相手を思いやる気持ちを大切にしているからこそできることなので、そこが素敵だと感じています。
――今意識されていること
氷上で滑る時間を一定以上長く取るのは難しく、貸し切りの時間以外で滑るのは難しいので、オフアイスの時にどういうトレーニングをするかが大事になると思います。私の場合は持久力が6年間(病気で)何もやっていなくて課題があるので、長距離を走る練習や3分半滑り切るのに体力が必須なので走って体力を付ける練習です。また、体づくりも大切だと思っています。筋力もいるのですが、あればあるだけいいというものではないので、そこをうまくジャンプやスピンなど技を決めるために必要な筋肉はあとどれくらいなのか、逆にどれくらい落とさないといけないか、体づくりというところも意識していきたいと思っています。
オンアイスの話をすると、氷上に乗る時間はそんなに取れないので、より効率的な練習ができるように自分自身でもいろいろ工夫しないといけないと思っています。指導内容を記録して自分でノートを作ることや、自分自身でビデオで分析して新しいことを実践し、またそれを分析してということをひたすら繰り返していく練習をしていこうかなと考えています。
――卒業後はスケートを続けますか
休みの日に滑れたらいいなとは思っています。完全に断ち切るよりかは、趣味程度で続けられたらと思っています。
――スケートの魅力は
スケートの楽しさは改めて考えると難しいのですが、フィギュアは魅せるために技術面と表現面どちらも必要なスポーツなのでそこの両立が難しいですが、だからこそ面白いのかなと思っています。美しさとダイナミックさが両方ある選手が評価されるので、自分の個性を生かしつつどう表現するか、形にするかです。本当に同じやり方の選手はいないですし、その人の感性を使ってその人が感じたことを表現するスポーツなので、そこでも人それぞれ表現の仕方が違うのはすごい面白いなと思います。
――残り半年、目標や意気込みは
結果としては6級でインカレ出場が目標です。その中には試合で結果を出すのとはまた別のところでも、一人のフィギュアスケーターとして「この人の演技を見たいな」と思わせるような、スケートができる選手にもなりたいなと思っています。また、なかなか成果は出せていない競技人生ですが、最後まであきらめずに走り続けるという姿勢を見せられる選手になりたいなと思っています。
滝沢匡平選手(男子Dクラス1位)
――試合を振り返って
自分がプログラム・演技を新しいものにした最初の試合だったので、何とか最後まで演技を途切れさせずに滑り切るということを目標にしていました。それは達成できたと思います。その中で最低限の要素を実施できたので、優勝できたのだと思います。
――具体的に良かったポイントと改善点は
良かった点はアクセルジャンプが2本入ったことです。得点源のジャンプなのでそこが2本入ったのは良かったです。改善点は、ダブルサルコウが抜けて1回転になってしまったことと、最後のコンビネーションスピンを失敗してしまったところです。
――団体戦はこの試合のみ
自分の点数が総合得点に入る上に、男子の出場選手は少ないので自分の点数が大きく反映されることが分かっていたのでプレッシャーもありましたが、それを力に変えられるようにしたいと思っていました。団体戦ならではの雰囲気は感じました。
――普段の練習で取り組まれていること
先生によく言われることで、失敗した時になぜ失敗したかはいつもみんな考えると思うのですが、「成功した時になぜ成功できたのか」を考えるようにしています。(今まで)そう考えていなかったのでですが、そういうように考えることが大切だなと思うので、最近に意識しています。
――この間の試合で良かったアクセルの要因は
いつもできているジャンプなので、入るときに落ち着いて入ること、曲に任せていると焦ってしまい飛び急いでしまうことが多いので、それがないようにしっかり腰を止めて飛ぶことを意識してうまくいったのだと思います。
――スケートを始めたのは
この部に入ったときに始めました。
――1年ちょっとでの成長は
始めた時はよちよちでした。フィギュアスケート見ることが大好きだったのですが、憧れのフィギュアスケートを始めて愕然としました。テレビで見る4回転とか……あまりの差とフィギュアスケートは難しいんだという(憧れや想像との)乖離にびっくりしました。ちょっとずつ自分が知っている技やジャンプができていくことに楽しさを感じていて、1年間大変なこともありましたが、ずっとポジティブに楽しい気持ちでやっていけたので、この程度には成長できたと思います。
――目標とする選手像は
今は初心者始めにしては上手だね、と言われることが多いんじゃないかと思いますが、そうではなく、来年の終わり、引退が近い頃にはそもそも「滝沢先輩は上手だな」と後輩に思ってもらえるような、周りからもう一回見たいなと思ってもらえるような演技ができる選手になりたいと思っています。(OBの先輩のように)ジャンプ、スピンもありますがスケーティングも含めて全部そろった演技のできる記憶に残るような選手になれるようにしたいです。
――今年の目標
バッジテストで3級を取って東インカレ、インカレに出場することと、今年中にバッジテストの4級を取るという2つです!
酒巻美海選手(女子Eクラス1位)
――試合を振り返って
私としては何回目かの四大戦だったのですが、うれしいことに昨年度は出た試合ほとんど優勝することができたのですが、四大戦だけは西の(大学の)選手に負けてしまって2位だったの気になっていたのですが、今年は勝つことができて良かったです。また、3年生になると自分の結果だけを気にするわけにもいかなくなってくるので、全体として連覇を重ねられたことも良かったと思っています。
――団体戦と個人戦の違い
個人戦でも部員たちはお互いの演技を応援しているので空気感の違いはないのですが、いつは級によって目標が変わってくるのでみんなそれぞれ違う方向を見て練習もしているし、試合も出ています。団体戦になると一つ同じ目標ができるので、結局演技をする時は一人なので個人戦の側面はあるのですが、みんなで一緒に戦っているという気持ちはあります。
――自分の演技を振り返って
良かったポイントは私のプラグラムはスピンが2つ入っているのですが、そのうちの片方のスピンが試合の2週間くらい前から全く入らなくなってしまっていて、私のクラスで勝つにはスピンは2つ入れないと厳しいので、スピンだけは絶対に入れないといけなかったです。試合直前まで自分で撮った動画を見ながら何回も何回も「この入り方じゃダメ、この入り方でないといけない」と思って練習して本番入れることができたので、落ちついて取り組めたのは良かったです。改善点はいっぱいありすぎて一つにまとめるのが難しいのですが(笑)……私はジャンプがとにかく苦手で、とりあえずこなしたりということはできるのですが、「すごく高いジャンプだね」、「軸の良いジャンプだね」とほめられるようなジャンプはできないので、そこがずっと課題です。これからシーズン入っていって2級クラスはインカレには出られないのでインカレに出られる3級以上を目指すにあたって、ジャンプが安定することがとにかく大事になってきます。今回の試合は問題のジャンプがパンクしたり着氷が乱れたりミスがあったので、その辺が反省点だと思います。
――普段の練習でもジャンプを中心的に取り組まれていますか?
私はまんべんなくやるタイプなのですが、だからこそジャンプを集中的に練習する選手が多いので、その選手たちと比べると飛べないなと思います。
――ご自身の強みは
スピンもですが、スケーティングの点数を高く付けていただいているので、スケート技術になるのかなと思います。
――スケートを始めたのは
ちゃんと始めたのは高校1年生です。
――始めたきっかけは
小学校の時に数年ちょっとだけやっていたのですが、高校に入った時にスケート部があると聞いて、せっかくだしやってみようと思い、再開しました。
――今の慶大の環境は
女子高だったのですが、高校の時の部活は遊びの面が強く、練習するなら個人でちょっとやっている人もいるけど、という緩い部活でした。大学に入って切磋琢磨できる環境ってすごいなと思います。自分の練習がうまくいかなかったときにアドバイスをし合える関係もそうですが、何よりもお互い自分の練習があるのでいつもアドバイスをしているわけにはいかないですが、同じ空間で練習しているとパッと見て「あの人あれやっている、こんなにがんばっている。じゃあやろう」となる環境で、個人競技だけどみんなで練習できることが良いなと思います。
――今年の目標、意気込み
目標は級を上げて東インカレないしインカレに出場することです。意気込みは……私は高校3年生の時に2級を取ってそこからずっと級を上げられないままきているので、あと2回しかチャンスが残されていないので今年こそは(級を上げて)東インカレに出たいという気持ちがすごくあります。
三宅冴佳選手(女子Gクラス2位)
――試合を振り返って
プログラムを作って1ヶ月もたたない中での試合だったので、滑り切ったことは良かったと思いました。ジャンプについては、全てできばえ(点)をいただいたので、練習通りうまくいったことは良かったです。しかし、滑りこんでいなかったというところでスケーティング面で課題が残ったのと、スピンを失敗してしまってノーバリューになってしまったことが一番悔しいです。
――今大会は団体戦
初めての試合だったので、団体戦と個人戦の違いは分からなかったのですが、「団体戦だからこう」という感覚はなかったです。
――入部のきっかけは
小学生の時に少しやっていて、(大学)1年生の時に(部に)入ろうか迷ったのですが、勇気が出ませんでした。ただ、大学で何もしていないのはよくないと思い、2年生から始めようと思い勇気を出して始めました。
――具体的に良かったことと改善点を教えてください
ジャンプは高さも流れも良かったと思うので、ジャンプに関しては自分的には満足ですが、それ以外が課題だと思っています。スピンも抜けてしまったこともですが、スケーティング技術もプログラムを滑り込めていなかったので、ぎこちない感じになってしまったのが課題です。これから滑り込んで、もうちょっと滑らかなスケーティングになるように意識しようかなと思います。
――今取り組んでいることは
スピンとジャンプもだんだん難しいジャンプを飛べるように練習しています。
――練習中に意識していること
足元を見がちなので、できるだけ視線を上げて、練習でも見られている意識を持って堂々と滑れるように意識しています。
――目指す選手像は
トゥルソワ選手(ロシア)というすごいジャンプを飛ぶ選手です。女子なのに男子並みのプログラム構成なのでかっこいいなと思い、ジャンプをスルスル飛べるような選手になりたいです。
――今後の意気込み
3級を取得し、3級か4級のインカレで優勝したいです!
(取材:長沢美伸)