【ラクロス(男子)】届かなかった日本一。強豪を前に敗退/リーグ戦FINAL4 vs法大

男子ラクロス

FINAL4に出場した慶大は強豪法大との一戦に挑んだ。ここまでのリーグ戦とは異なり、双方たくさんの観客からの応援が響いた。その中行われたい試合は第1Qを勝ち越したまま終わるが第2Qからは相手に流れを掴まれたまま大量の失点を許し、敗北。日本一という目標には届かなかった。

 

第35回関東学生ラクロスリーグ戦 vs法大 10月15日(日) @駒沢オリンピック公園第一球技場

 

♢スタメン♢

AT

#3 藤岡凜大(法3・慶應) 

#7 田代豪(商3・慶應NY)

#90 池田朋史(商2・慶應)

MF

#51 石村嶺(経3・慶應)

LMF

#17 塩原健司(法4・慶應)

DF

#22 小川健(法3・慶應) 

#16 奥澤拓馬(商3・慶應)

# 57 関根瑠偉(法2・慶應)

G

#92 浜地航太郎(経3・慶應)

FO

#63 村田陽世(環3・慶應)

 

♢得点♢

 

1Q

2Q

3Q

4Q

慶大

法大

慶大得点者

矢崎、池田

落合

池田

 

前回のリーグ戦から一気に気温が下がり、さらに雨上がりのバッドコンディションの中で行われたFINAL初戦。日本一を目指す慶大ラクロス部は法大との一戦に挑んだ。最初のフェイスオフは村田が勝ち切ると、お互い激しい攻撃を見せ始める。拮抗する両校だったが、先に好機を掴んだのは慶大。開始7分、石村からパスを受けた矢先が先制点を奪い取る。しかし流石FINAL、これだけで勢いに乗らせてくれるほど相手は甘くなかった。しばらく法大の攻撃が続くと、隙を突かれ1点を返されることとなる。その後、またも法大からの猛攻が続くも更なる点は許さない。なんとか流れを掴みたい慶大は残り1分で相手にフラッグが上がり、これを好機とする。相手ゴーリーとの駆け引きに勝った池田が1点を追加し2−1に。ここで終わるかと思われた第1Qだったが、終了間際ファールによってマンダウンとなり第1Qを終了する。

相手ゴールに食らいついた池田

 

このまま点差を離したい第2Qは法大からの攻撃で始まるが、獨協戦でも好プレーを見せた岩城敦大(法1・慶應)が敵のシュートを捌き続けた。しかし、敵のまくりシュートについに陥落。再び同点となる。ここで再び点を離し、流れを掴みたい慶大だったが、ゴール直後砲台からの猛攻に遭う。しかしここは石村が防ぎ、そのまま攻め上がる。この直後法大にフラッグが上がりマンアップのチャンスとなるがこの好機は掴めない。再び敵の攻撃となると相手に防御陣の隙を突かれ、逆転を許してしまう。その後は激しい攻防戦が展開される。これを制したのは慶大だが牙を剥くのは敵選手だけでなく濡れたフィールド。相手防御人を抜くことができず、点を決めることができずにいた慶大は再び失点。2−4と点差を離され、流れを掴めないまま第2Qが終了した。

強靭なフィジカルでDFに厚みを与えた関志翔

なんとか追いつきたい第3Q。開始2分慶大攻撃陣は意地を見せる。藤岡、石村とパスを回し、最後は落合が受け取ると、相手の隙をついた意地のシュートで1点を返すことに成功する。その後法大の怒涛の攻撃に苦しむが、しばらくはこれまでのリーグ戦には見られないほどの激しい攻防戦が繰り広げられる。防御陣も意地を見せ、相手のダイナミックな攻撃にも怯まず防ぎ続けた。しかし開始13分慶大マンダウンのピンチとなったところで、シュートを決められ、点差が2点に戻る苦しい展開となったところで第3Qは終了した。

 

最後まであきらめなかった

全国一を懸け、なんとしても逆転したい運命の最終Q。開始直後からこれまで以上に激しくなっていく攻防戦。慶大は強烈なシュートを喰らわせるもゴールを揺らすことはできない。何度もゴールにくらいつくが、どれも相手ゴーリーに防がれてしまう。それでも、慶大防御陣も相手にゴールを与えることなく時間が進んでいく。試合が動くのは残り6分。お互いパスカットをするスーパープレイを見せる中、ボールを奪った慶大からエース藤岡にボールが渡る。そして藤岡からボールを受けた池田が本日2点目のゴールを叩き込み4−5とし、選手や観客に勇気を与えた。ここで流れに乗りたい慶大はタイムアウトで落ち着きを取り戻しにかかる。応援陣はこれまでにない盛り上がりを見せ、選手たちも最後の踏ん張りにかける。ギリギリを攻めたシュートは敵ゴーリーに防がれ、攻撃されるも、間一髪で防ぐ。そんなお互い仕掛ける激しい攻防戦に慶大からは負傷者も発生する。それでもお互い諦めず攻撃しあっていたが、残り3分、敵の攻撃を防ぐとエース藤岡がボールを受け、タイムアウトを入れるが、ここでさまざまな判定が重なり審議に入る。ここで法大ボールの判定となり、マンダウンの状態で再び防衛に回る。そして一気に攻め上がってきた法大にさらなる追加点を決められ、慶大によるスティックチェックの申請がされるも、判定はフェアに。最後まで諦めることのない慶大だったが、その後2連続で点を決められ4−8とトドメを刺され試合終了となった。

(取材:岡澤侑祐、長掛真依、重吉咲弥 記事:岡澤侑祐 一部写真提供:ラクロス部)

 

♢選手コメント♢

主将・塩原選手

――今試合の感想

チームとしての総合力で負けたという感覚です。昨年2部から1部に昇格し、今年六大戦優勝、リーグ戦予選全勝と勢いに乗っている法政大学に対し、様々な展開を予想し勝利するためのプランをいくつも用意して今試合に臨みました。負けたら終わりという緊張感の中でも、いつも通りにプレーすることを大事にしようとチームに伝えました。振り返ってみると両チーム互角の試合展開だったと思います。その中で、ワンプレーの泥臭さ、勝利への執念など細かい部分の重なりが最後の結果に繋がったように感じます。

 

――今シーズンを振り返って

シーズン初めは六大戦の連敗から始まり、苦しい展開の連続でした。昨年度のトップチームからメンバーが一新され、一体感が欠如していて、目標に向かうためにどうすればいいのか自分含め全員が悩んだと思います。その中で、一人ひとりが今シーズンのスローガンであるSTRIVEを体現するために考え、行動した結果手にすることができた早慶戦勝利は忘れられません。目標を達成することはできなかったものの、リーグ戦の勝利を積み重ねていく過程で、一つの方向を向くことができるようになっていくチームがとても好きでした。

 

――大学生活を振り返って

高校生の頃にラクロス部主将としてチームを勝たせることができなかった悔しさから大学でもラクロスを続けました。入部当初、コロナの影響で満足に練習することができないばかりか同期に会うことすらできない状況が続き、自分が4年になった時のチームが不安でいっぱいだったことを覚えています。その後、運良く下級生の頃からトップチームに入れていただき、先輩方が何度もトロフィーを掲げる姿を見て、私も同期を勝たせなければならないという想いを常に持っていましたし、これが私のラクロスへのモチベーションでした。苦しいことや辛いことばかりだったけれど、この想いのおかげで4年間走り抜けることができたと思います。

 

――後輩へのメッセージ

部員全員が当事者意識を持つこと、これが何より大切だと思います。ラクロス部では基本的に学生のみチーム運営を行っていくため、高いモチベーションで部活に向き合っていなくても叱ってくれる大人はいません。個人個人がチームを勝利に導くために自分がすべきことを考え行動し続けることができた時、日本一に相応しいチームになると思います。4年間は長いようで一瞬で終わってしまうので、当事者意識を持って思考を止めずに過ごして欲しいです。

 

4年・松岡選手

――今試合の感想

法政戦に向けてチームで一丸となり、入念に準備してきただけに、敗北という結果におわり非常に悔しい。1Qは幸先よく先制点を奪い自分たちのペースで試合を進められたが、2Q以降相手に流れを奪われてしまった。

 

――今シーズンを振り返って

今シーズンはオフェンスリーダーという立場を担い、上手くいかず苦しい事も多かったが、振り返ってみると充実したシーズンを過ごす事ができた。チームとしては日本一を目標としていたがそれを達成できずに終わることになり、悔しさが残る。

 

――大学生活を振り返って

大学生活のほとんどの時間をラクロスに費やしてきたが、ラクロス部に入って本当に良かった。ラクロス部では、多くの信頼できる仲間と出会い、早慶戦のような普通の大学生活では経験する事ができない大舞台を経験する事ができ、濃密な4年間になった。

 

――後輩へのメッセージ

自分たちの代では日本一になる事ができなかったけれども、来年以降はまた良いチームを作り上げて、慶應ラクロスが日本一になる事を期待しています。

 

4年・麻生選手

――今試合の感想

勝つための対策・練習を何度も繰り返してきましたが、相手を上回ることができませんでした。法政に勝つ、法政に勝ってまだまだ日本一を目指すつもりでいたので、悔しさしかありせん。

 

――今シーズンを振り返って

六大学戦3連敗という最悪のスタートから、早慶戦勝利やfinal4進出など、日本一に向けて技術や雰囲気共に成長してきたところでの終戦に、やるせない気持ちでいっぱいです。個人的にも、チームへの貢献や戦力になれず申し訳ないシーズンになりました。

 

――大学生活を振り返って

コロナ禍での入学によって、大学生活が制限された代でした。そんな中、慶應ラクロスで4年間日本一を目指せたこと、この環境に感謝しています。一生忘れることのない大学生活になりました。

 

――後輩へのメッセージ

今年見ることのできなかった景色に、来年以降は辿り着いてほしいです。強い慶應を、王者慶應を取り戻して、大学生活を充実させてください。楽しむことは忘れずに。

 

3年・藤岡選手

――今試合の感想

ここの技術で相手を上回れなかったので、ここぞというところで流れを掴みきれませんでした。

 

――今シーズンを振り返って

最後まで例年の慶應の強みである個人技術が上がりきらなかったことは反省です。常に高い基準を見据えてチーム作りを行う大切さを痛感しました。

 

――来年への意気込み

強い個が集まって強いチームができる。この言葉を体現できるように、そして今シーズンの負けを無駄にしないように来年の日本一へ邁進します。

 

2年・池田選手

――この試合の感想

最初の先制点だったり、リードしている時の良い流れをそのまま最後まで継続できなかったと思います。法政のほうが試合の中で流れをうまく掴んだなと思いました。

 

――今シーズンを振り返って

チームとしては、強かった代が引退して不安もあったと思いますが、塩原さんや藤岡さんを中心に1年間かけて着々と強くなれたと思います。その中でfinal4で勝てなかったということは、あと一つや二つ何か足りないものがあると思うのでそこをうまくチームとして模索できなかったかなと思いました。

 

――来年への意気込み

 個人としてもさらにパワーアップして、チームで日本一になれたらなと思います。

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