【アメフト】東大に快勝で有終の美を飾る/TOP8 第6節

アメフト

大学アメリカンフットボールリーグの最終戦、慶應義塾大学ユニコーンズは東京大学ウォーリヤーズと対戦した。慶大は第1Qから玉川雄基(環4・都立駒場)のFGで幸先よく先制するなど、17点を先取。その後も着実に得点を重ね、この試合で合計6つのTDを決めて快勝。リーグ最終戦を勝利で締め、有終の美を飾った。

 関東大学アメリカンフットボール大会 TOP8第6節 

@横浜スタジアム  11:00キックオフ

ここまでリーグ戦を1勝4敗で迎えた慶大は、リーグ戦最終節を何としても白星で飾りたいところ。第1Qは慶大の攻撃から開始されると、QB・水嶋魁(商3・海陽学園)からのパスが気持ちよく繋がり、水嶋自身のスクランブル等もありTDを狙える位置まで攻め上がる。ただTDまで残り約35ヤードとなった場面でまさかのロスト。しかし玉川雄基(環4・都立駒場)がFGをしっかりと決め切り貴重な先制点をあげる。その後流れを完全に手繰り寄せた慶大はさらに攻撃を続け、9分頃には残り2ヤードから水嶋の直接のランプレーと玉川のキックにより7点を追加。その直後は快足を飛ばして丹羽航大(総3・慶應)が魅せる。リバースのボールを久保宙(経2・慶應)から受け取った丹羽が、残り76ヤード付近から颯爽とエンドゾーンへと駆け抜けてTD。さらに玉川が安定のキックで1点をものにすると、1Qの終わりには東大に17点差を付けることに成功する。

FGを含む7本のキックを決めた玉川雄基

続く第2Qでも慶大の勢いは衰えることを知らない。1度は東大DF陣にインターセプトされかけてヒヤリとする場面を迎えるも、残り46ヤード付近から、QB・水嶋からのロングパスを丹羽がまたも見事に掴んでTD。玉川のキックでさらに1点を追加し、リードを24点に広げる。だがその後は一進一退の攻防が続き、両者譲らず無得点の時間帯に。東大の攻撃では鎌田泰成(政4・慶應)を中心とした執念のタックルで主導権をがっちりと掌握し、守備からも流れを渡さない。ただ第2Qが中盤に差し掛かると、慶大DFの一瞬の隙を突いて東大が華麗なパスで順調に陣地を拡大していく。残り1ヤードというところまで侵入を許すと、ランプレーとキックで7点を返される。縮められたリードを取り返そうと久保宙にパスを集めるも、東大DFの前にQB・水嶋が潰される場面もありそれ以上の得点は奪えず。24ー7、17点のリードで前半を折り返す。

ロングパスを見事にレシーブした丹羽航大

TDを決め、喜ぶ丹羽と選手たち

第3Qは、東大の攻撃でスタート。開始早々、東大にTDとキックで7点を返される。QB・水嶋魁が何度かランプレーを試みるが、東大守備陣も簡単には突破を許してはくれない。水嶋は左サイドに展開し、ゴールラインに迫ろうとするもなかなかパスが通らず。流れを掴むことができないまま、再び東大の攻撃へと移る。それでも、久保宙が見事なインターセプトをみせ、今度は無失点で慶大の攻撃へ。守備で勢いに乗った慶大は、東大守備に阻まれながらも着実にパスを繋いでゴールラインへと迫っていく。迎えた19ヤードからの攻撃。水嶋のパスが右サイドで待ち構えていた水野覚太(政3・慶應湘南藤沢)へと綺麗に繋がると、そのままTD。玉川雄基がキックも決めて慶大は7点を追加し、17点のリードを保って最終・第4Qへ突入する。

TDを決め、吠える水野覚太

今季のリーグ戦最終Qとなる第4Qも、QB・水嶋や水野を中心に攻撃を展開していく。そして、またも水野が右サイドでタッチダウン。玉川もキックをしっかりと決め、慶大はリードを21点に広げる。続く東大の攻撃をフォースダウンで抑えると、水嶋に代わって入ったQB・山岡葵竜(政2・佼成学園)が20ヤードからのランプレーでTDに成功。玉川がキックも成功させ、慶大はさらに7点を追加する。しかし、東大も黙ってはいない。直後の東大の攻撃では、ランプレー等でじわじわとゴールラインに迫ってくる。そして、7ヤードからの東大のランプレーを止めきれず、TDで6点を許してしまう。その後の慶大の攻撃では、QB・山岡のランプレーを中心に前進するが、得点とはならず。ただ慶大が築いたリードは大きく、リーグ戦最終節は東大に45ー20で勝利した。

意地のランプレーを見せた山岡葵竜

 

前回の立大戦では、攻撃力不足が露呈した慶大。それでも、1週間という限られた時間の中で練習を重ね、頭脳戦という側面では右に出る者がない東大を相手に6本のタッチダウンを成功させた。そして、見事45−20で東大に勝利し有終の美を飾った。慶大の最終順位は5位、無事TOP8残留を決めた。短期間での攻撃力不足解消は困難を極めるが、来季はさらにパワーアップした慶大アメフト部の姿を見られることを期待したい。今後も、慶大アメフト部の躍進から目が離せない。

(取材:長掛真依、佐藤光)

以下、選手インタビュー

水野覚太(政3・湘南藤沢)

――QBからのパスを受け、2つのTD(タッチダウン)を決めました。得点シーンを振り返っていかがでしょうか?

#0水嶋と何度も練習したプレーだったので決めることができて本当によかったです。オフェンスとして最後の最後で決めきれないという課題がずっとあったので、あそこで決めきることができたのはオフェンスユニットとしても大きな成長だったと思います。また個人的にもシーズン通して肝心のタッチダウンがなかったので最後の試合で2つ取ることができてほっとしています。

――チームに大きく貢献される活躍でしたが、ポジショニングや役割として、この試合で特に意識されたことを教えて下さい。

WRというポジションに所属する以上キャッチは当たり前、その上で試合のモメンタムを持ってくるビックプレーを起こすことが自分の役割だと認識しています。特に東大戦は目の前の相手との1対1の勝負になることがわかっていたので、高さとスピードという自分の武器を活かして目の前の相手を圧倒することを意識していました。

――来年はラストイヤーとなります。オフ期間に強化したい点を踏まえ、来季への意気込みをお願いします。

オフシーズンではフィジカルと細かいテクニックを磨きたいと思っています。シーズン中あたり負けたと感じることはあまりなかったですが更にフィジカルを強化しテクニックも磨けばどんな相手にも負けないレシーバーになることができると思います。来年はオフェンスでチームを勝利に導きます。

                           

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