【ラグビー】王者帝京に対し「前に出るタックル」を魅せる 大学選手権へつながる一戦に/関東大学対抗戦 第7戦 対 帝京大学

ラグビー

2023年12月2日(土)関東大学対抗戦Aグループ 対 帝京大学 @秩父宮ラグビー場

試合開始後、慶應のディフェンスも冴え、互いに得点が入らない状態が続く。均衡を破ったのは帝京、17分にラインアウトでサインプレーを使われ、奥井に先制トライを許す。26点に差を広げられスコアしたい慶應は38分、磯上のドロップゴールで3点を返し前半を折り返す。後半開始早速、慶應は対抗戦初先発の吉村がトライを決めるなど流れを掴んだかに思えたが、その後は帝京に得点を重ねられた。しかし、慶應は持ち前の低いタックルで前に出るという攻めの守りが成功し、収穫も多い一戦となった。

 

関東大学対抗戦Aグループ 第7戦

慶應義塾大学

2023/12/2(土)

14:00 K.O.

@秩父宮

帝京大学

前半

後半

ロスタイム:3分

前半

後半

トライ(T)

コンバージョン(G)

ペナルティゴール(PG)

ドロップゴール(DG)

26

28

10

合計

54

前半40分 磯上(DG)

後半1分  吉村(T)

後半2分  今野(G)

得点者

前半17分 奥井(T)

前半22分 小村(T)

前半23分 山口(G)

前半31分 尹(T)

前半32分 山口(G)

前半34分 李(T)

前半35分 山口(G)

後半9分  延原(T)

後半10分 山口(G)

後半24分 大町(T)

後半25分 山口(G)

後半42分 奥井(T)

後半43分 山口(G)

後半44分 五島(T)

後半45分 山口(G)

 

抗戦最後の相手は帝京。スタメンを大きく変え、6名が今季対抗戦初先発となった。主将の岡はブースター、副将の山田はメンバー外の中、三木がゲームキャプテンを務めた。その中で、どういう試合運びをしていくかがポイントとなった。

タックルを決める三木

前半序盤は互いに得点が入らなかった。この試合は全体的に帝京に攻撃される時間帯が長く、自陣に入られることも多くあったが、80分間通じて強烈なタックルを決め続け相手の攻撃を防いでいた。前に出るタックルという意味では、対抗戦7試合の中で最も冴えていたのではないか。帝京は大柄のFW陣で前に出て、BK陣で展開してトライを取り切ることを得意にしているが、序盤から慶應のタックルが光った。帝京が慶應のディフェンスの圧力を感じていたことを象徴するシーンがある。前半12分、大野が足を取られたのもあって、帝京が大きくゲインしインゴールまであと10メートルというところ、普段ならFWで当てに行くところで、アドバンテージも出ていないのにキックパスでトライを狙った。前に出るディフェンスを避け、先制へ一発勝負に出たとも考えられる。

その後も攻め続ける帝京に対し、中矢や樋口が膝下にタックルを刺していくが、一つペナルティを取られる。ラインアウトのスローを、最後尾の後ろに走り入ってくる奥井に投げるというサインプレーを決められ、先制トライを許す。しかしコンバージョンのチャージに成功、格上の相手に対し挑戦心を見せ、周りを勇気づける。

今野がPR・上杉を倒したシーン

22分、奥井や青木を懸命に止めるも、最後は小村に右端を走られ追加点を献上した。それでも、23分にはインプレー中でキックしようとする際、橋本が激しくプレッシャーをかけそれを阻止するなど、簡単にキックを蹴らせないというしつこいディフェンスも目立った。それもあってか帝京はボックスキック時、ラック後ろに3人、4人と普段より人数を多く配置させ、蹴りやすいようにしていた。25分ではそこに2人しかつけなかったので、中矢のチャージ成功につながった。しかし、そのディフェンスの中で帝京は得点を重ねる。31分には尹にディフェンスラインの穴を走られ、34分にはラインアウトの確保に失敗後、大町にゲインされ李にトライを決められた。

再三良いタックルが光った慶大

残り5分、26点差を追いかける慶大はスコアしたいところ。37分、22メートルライン手前から蹴った橋本のハイパントを大野がジャンピングキャッチ。敵陣に侵入すると、相手のノットローラーアウェイもありチャンスを拡大させる。残り5メートルと攻め込むと、ここでゴールポスト正面から磯上がドロップゴールを決め3点を返す。その後、残り時間で帝京がアタックをするも、村田が猛タックルでノックオンを誘い、ハーフタイム。最後を良い流れで前半を折り返した。

ダブルタックルを決める

ーフタイム後、先にグラウンドに姿を現したのは慶大。前半の良い流れそのままに、先にスコアしたいところ。今野のキックオフで後半が始まった。帝京が蹴ったボールを村田が好キャッチし、大野が走って前に運ぶと、橋本が前半と同様にハイパントを上げる。バウンドが味方し大野に入り、残り1メートルと迫ると、最後は吉村がインゴールにねじ込みトライ。先週の早慶戦でデビューした吉村にとって対抗戦初トライとなった。後半、1分経たずにトライを返し吉村は左拳を突き上げガッツポーズをすると、背番号の「3」が西日に照らされ、黒黄ジャージは黄金色に輝いていた。今野のコンバージョンも決まり、10−26と幸先の良いスタートを切る。

トライを決め、祝福される吉村

このまま流れを引き寄せたい慶應は、帝京のアタックに対して低いタックルを決める。帝京が奥井、江良を使い攻めてくるところを、本郷などFW陣が決死にタックルを決め、前進をまったく許さない。特に本郷は脳震盪の疑いがありメディカルチェックを受けたが、その直後は本郷が一番ハードタックルを喰らわせていた。後半8分こそ相手ボールのラインアウトとなり、サインプレーで延原にトライを決められるも、その後15分は再び得点の入らない状態が続いた。

膝下に突き刺さるタックル

24分に追加トライを許すも、そのリスタート直後、中山が帝京の岡に体を浮かせるほどの猛烈なタックルを決め、ペナルティを獲得。中山は大きな雄叫びをあげた。得点が欲しい慶應は、その後ラインアウトからモールを組み攻撃を仕掛けるが、相手のリアクションが速くノットリリースザボール。チャンスは続き33分、岡のジャッカルから敵陣に攻め込むと、今野のあげたハイパントを獲得した帝京陣を乗り越えボールを再獲得。相手のハイタックルもあり、ラインアウトモールで残り2メートルまで攻める。北スタンドから「こだわれ!こだわれ!」という声援を受け、フェイズを重ねるが惜しくもノックオン。逆に帝京はロスタイムに2トライを追加し、10−54でノーサイド。慶應は3勝4敗の5位で対抗戦を終えることになった。

ハイボールをキャッチする大野

の試合では、明治戦や早慶戦で課題でとなった序盤を含め、相手に長時間攻められながらも再三のタックルを決め、失点を防いでいた。タックルの成功率自体は他の試合も高かったが、タックルで「前に」出れていたという面では帝京戦が一番手応えを感じたのではないか。王者帝京がサインプレーを多用してトライを取っていたことからも、帝京にとっては慶應のディフェンスの圧力を感じていただろう。この試合ではディフェンスリーダーの三木がゲームキャプテンを務めたが、「ディフェンス」面で特に三木がチームを引っ張っていた成果とも考えられる。また、自身初得点でチームに貢献した吉村や磯上、我慢のタックルを決め続けた伊吹や村田など、新戦力の台頭という意味でも収穫のある一戦となった。欲を言えばもう少し長く攻撃し、得点を積み重ねたかったところかもしれないが、「ディフェンスから前に出るラグビー」が体現できた、良い対抗戦の最終戦となった。

慶應は、大学選手権初戦(3回戦)で天理と対戦することが決まった。天理は3年前に日本一を果たすなど関西で力のあるチームだが、臆することなく慶應らしいプレーを発揮して欲しい。慶應の目標は「正月越え(ベスト4)」。ここからはノックアウト形式となるが、目の前のプレーに一つ一つ集中し壁を乗り越え、国立に帰ってくる黒黄戦士に期待したい。

 

(記事:野上 賢太郎 写真:野上 賢太郎)

 

青貫浩之 監督

——対抗戦を通じての収穫や改善点はどこでしょうか

早慶戦に負け、大きなショックを受けました。その次の日、練習を無くしてミーティングを行いました。選手に対し、出来なかったことや課題より、自分たちが出来ていることを洗い出させました。その結果、自分たちの出来ていることとして、「エリア取り」と「ディフェンス」という2つのキーワードが出たので、そこを徹底させました。

——スタメンには対抗戦初先発の選手も多くいましたが、結果を残してくれました

今回は対抗戦の経験があまり無いメンバーを多く起用しました。そこにリスクがあるのは重々承知でしたが、それ以上のチャレンジをしようと思いました。岡主将については、勝つにしろ負けるにしろ、試合中盤のしんどい場面や終盤で主将がグラウンド上にいないというのはあり得ないと思っていました。あえて前半は主将なしで臨み、リスクはあったのですが、スクラムリーダーの中山大暉と、BKでは三木海芽が上手くリードしてくれて良いチャレンジをしてくれたと思います。新しいメンバーについても結果を残し、良い経験ができたのかなと思っています。

 

岡広将 主将

——グラウンド外から戦況をどのように見守っていましたか

チームの課題である前半の入りの部分は、良い成長を遂げていたと思います。自分がブースターというのは今季初だったのですが、声かけはもちろん、そして出場するときにはチームの流れを変えられるように臨みました。

 

慶應義塾大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

井上 皓介

176/106

経4

慶應

2

中山 大暉

176/102

環3

桐蔭学園

3

吉村 隆志

177/108

環3

本郷

4

シュモック オライオン

181/100

環4

Mount Albert Grammar School

5

中矢 健太

184/104

総3

大阪桐蔭

6

樋口 豪

174/98

文4

桐蔭学園

7

本郷 海志

171/93

経4

慶應志木

8

冨永 万作

187/102

商3

仙台第三

9

橋本 弾介

169/77

法2

慶應

10

磯上 凌

172/81

法3

青山学院

11

伊吹 央

176/81

経2

慶應

12

三木 海芽

167/83

総4

徳島県立城東

13

村田 紘輔

174/85

経3

慶應

14

大野 嵩明

177/80

法4

慶應

15

今野 椋平

183/86

環2

桐蔭学園

16

酒井 貴弘

169/98

商4

慶應

17

木村 亮介

173/103

環4

慶應

18

岡 広将

173/107

総4

桐蔭学園

19

浅井 勇暉

188/107

総3

仙台

20

田沼 英哲

176/94

総3

國學院久我山

21

森 航希

170/74

環1

桐蔭学園

22

山本 大悟

174/87

環2

常翔学園

23

笠原 悠真

178/80

政1

慶應

 

帝京大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

津村 大志

174/108

医療4

御所実業

2

江良 颯

171/102

医療4

大阪桐蔭

3

上杉 太郎

176/113

医療4

熊本西

4

岡 大翔

190/108

医療4

京都成章

5

尹 礼温

185/104

医療4

大阪朝鮮

6

青木 恵斗

172/110

医療3

桐蔭学園

7

奥井 章仁

178/105

医療4

大阪桐蔭

8

延原 秀飛

182/104

医療4

京都成章

9

李 錦寿

174/80

医療3

大阪朝鮮

10

井上 陽公

175/81

経済4

京都工学院

11

高本 とむ

182/86

医療4

東福岡

12

大町 佳生

172/82

教育2

長崎北陽台

13

戒田 慶都

180/86

医療4

新田

14

小村 真也

180/89

医療3

ハミルトンボーイズ

15

山口 泰輝

177/90

医療4

長崎北陽台

16

當眞 蓮

174/100

医療3

流経大柏

17

梅田 海星

177/113

医療3

秋田工業

18

森山 飛翔

180/108

医療1

京都成章

19

藤井 慎太郎

185/105

経済4

日本航空石川

20

ダウナカマカマ カイサ

183/112

医療1

大分東明

21

上村 樹輝

167/70

教育3

京都工学院

22

本橋 尭也

182/85

医療1

京都成章

23

五島 源

174/85

教育3

尾道

 

慶應義塾大学

 

帝京大学

101.2kg

FW平均体重

106.8kg

813kg

FW合計体重

854kg

178.3cm

FW平均身長

180.4cm

 

◎交替/入替

慶應義塾大学

種別

時間

IN

OUT

入替

後半17分

17・木村

1・井上

入替

後半17分

18・岡

3・吉村

入替

後半17分

20・田沼

7・本郷

入替

後半17分

22・山本

13・村田

入替

後半27分

23・笠原

10・磯上

入替

後半28分

16・酒井

2・中山

入替

後半30分

19・浅井

4・シュモック

 

帝京大学

種別

時間

IN

OUT

入替

後半15分

16・當眞

2・江良

入替

後半25分

17・梅田

1・津村

入替

後半25分

20・カイサ

5・尹

入替

後半25分

23・五島

14・小村

入替

後半31分

18・森山

3・上杉

入替

後半31分

21・上村

9・李

入替

後半31分

22・本橋

10・井上

入替

後半39分

19・藤井

8・延原

 

 

帝京大

明大

早大

慶大

筑波大

立大

青学大

成蹊大

勝点

 

帝京大

 

 

———

 

43-11

6T5G1PG

36-21

5T4G1PG

54-10

8T7G

73-0

11T9G

83-0

13T9G

80-0

12T10G

117-5

19T11G

 

7

 

 

0

 

 

0

 

 

34

 

 

明大

 

11-43

1T2PG

 

———

 

58-38

9T5G1PG

66-40

10T8PG

40-21

6T5G

97-7

13T11G

87-7

13T11G

93-12

15T9G

 

6

 

 

1

 

 

0

 

 

30

 

 

早大

 

21-36

3T3G

38-58

5T5G1PG

 

———

 

43-19

6T5G1PG

38-35

6T4G

64-7

10T7G

54-17

8T7G

70-7

10T10G

 

5

 

 

2

 

 

0

 

 

24

 

 

慶大

 

10-54

1T1G1DG

40-66

6T5G

19-43

3T2G

 

———

 

18-21

3T1PG

28-21

3T2G2PG

31-20

4T4G1PG

46-16

7T4G1PG

 

3

 

 

4

 

 

0

 

 

14

 

 

筑波大

 

0-73

 

21-40

3T3G

35-38

5T5G

21-18

3T3G

 

———

 

68-10

10T9G

68-0

10T9G

73-7

11T9G

 

4

 

 

3

 

 

0

 

 

20

 

 

立大

 

0-83

 

7-97

1T1G

7-64

1T1G

21-28

3T3G

10-68

2T

 

———

 

28-10

4T4G

28-21

4T4G

 

2

 

 

5

 

 

0

 

 

10

 

 

青学大

 

0-80

 

7-87

1T1G

17-54

2T2G1PG

20-31

2T2G2PG

0-68

 

10-28

1T1G1PG

 

———

 

43-7

7T4G

 

1

 

 

6

 

 

0

 

 

5

 

 

成蹊大

 

5-117

1T

12-93

2T1G

7-70

1T1G

16-46

2T2PG

7-73

1T1G

21-28

3T3G

7-43

1T1G

 

———

 

 

0

 

 

7

 

 

0

 

 

1

 

◎勝ち点の多い順に順位決定を行う。(並んだ場合は勝利数で決定)

・勝ち:4、引分:2、負け:0、不戦勝:5、不戦敗:0、不成立:2

・負けても7点差以内ならば、勝ち点1を追加。

・3トライ差以上での勝ちならば、勝ち点1を追加。

 

◎会場について

桐生…森エンジニアリング桐生スタジアム

三郷…セナリオH三郷

足利ガス…足利ガスグラウンド

きたかみ…ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ

いわき…ハワイアンズスタジアムいわき



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