セッターへの転向
経済学部に通う山口快人選手(経2・慶應義塾高校)。中一からバレーを始め、アウトサイドヒッター(OH)として、主にレフトのポジションを務めてきた彼だが、今季からセッターも兼ね、その活躍に期待が高まっている。山口選手が星谷監督からセッターを勧められたのは今年の2月。関東1部で戦っていくためにはブロックが重要であり、チームにより高さを出すための案だった。話を聞いた当初、山口選手にとってセッターは初めてのポジションであり、驚きもあったが、次第にその魅力を知っていったという。また、実際の試合でも、山口選手がセッターを担うことでチームのブロックが強化され、昨年に比べてより相手レフトのスパイクを阻むことができるようになっている。
春季リーグ戦について
セッターとして出場した春季リーグ戦。高さを生かしたトスワークやブロックプレーがはまりリーグ戦中盤の専大戦では見事な一勝に貢献した。リーグ戦中は「トスを上げることに精一杯だった」と振り返りつつ、一方で「いろいろなポジションを知っているという点で冷静にプレーできてる」という一面もあると話す。ポジションだけでなく下級生とともにプレーするのも去年とは異なる点だ。チーム全体のことをある程度は気にしなくてよかった去年と比べると、今年はさらに「(個人としても)勝敗の責任がついた」と感じているという。
早慶戦に懸ける思い
高校生の時から早慶戦を観戦し、「日本一の早稲田相手にこれほど戦えている」と慶大バレー部の強さに尊敬の念を抱いていた山口選手。そして昨年、ついに自らがその憧れの舞台に立った。日吉の記念館開催ということもあり、会場が歓声で満ち溢れていた中、その空気に飲まれてしまい、自分の中では何もできずに終わったと振り返る。昨年からポジションが変更し、プレーの技術もさらに磨きのかかった山口選手。昨年の反省を活かし、「今年は色々なところに目を向けて自分のプレーに集中したい」と意気込む。
今年で2年目、セッターとして出場するのは初めての早慶戦。「どんな形でも喜び、どんな形でも得点する泥臭さ」がチームの魅力であり、勝敗の鍵を握ると語る。当日の注目ポイントは「実力の100%以上が発揮される爆発力」だという。また、「自分の可能性は無限大」と語り、「早慶戦パワー」により練習以上の実力を引き出したいと意欲を表した。セッターとしての山口選手の活躍に注目だ。
(記事:和田里咲、五関優太)