【バレーボール】早慶戦記念!活躍選手特集 バレーボール部女子 倉員未羽選手

バレー企画

6月8日に行われた第88回早慶バレーボール定期戦。女子部は「早慶戦優勝」を掲げて臨んだこの試合だが、試合前にメンバーに特に注目してほしい選手を聞いたところ皆が口をそろえて挙げた人物がいる。セッターを担う3年・倉員未羽だ。そして彼女は試合本番でチームの司令塔として期待通りの活躍を見せ、ライバル・早大との熱戦に寄与した。そんな倉員選手のこれまでのバレー歴から早慶戦を終えて思うことまで様々な面に迫ります!

 

「感動するトス回し」

倉員選手の強みはプレーをともにする部員が口にするように多彩な引出しを持ち合わせるトスワークだ。巧みなトスワークで相手を惑わせ、その技量は部員から「感動するトス回し」とも評されるほど。倉員がセッターを始めたのは中学校の頃であり、顧問の先生の勧めをきっかけに始めた。オーバートスを上げるのが苦手であり「セッターなんて絶対無理だ!!」と思っていた倉員だが、次第にセッターの奥深さにはまっていった。そして現在、仲間からも一目置かれる存在にまで成長を遂げたのだ。

多彩なトスワークだけでなく、プレー中頻繁に仲間に笑顔を向けることも倉員の特徴だ。チームをともにするリベロ・石田莉子(商4・慶應湘南)選手は「(コートの)前から安心させてくれるような選手なのでそこを推したい」と語る。司令塔ともいえるセッターの一挙一動はチームの雰囲気に大きな影響を及ぼすが、倉員の笑顔は一人一人がリラックスして実力を出し切れる環境を作り出しているのだ。
 

憧れの選手のあとを追って

目指す選手像として挙げたのは、中学生の時に見たという当時の大学生セッター。「すごい綺麗なトスワークとかハンドリングを見て『この人みたいになりたいな』」という印象を抱いたその選手とは植松彩香(平30・商卒)である。植松選手という明確な理想像を手に入れ、それ以降あとを追うようにひたむきに日々の練習に励み、現在の高い技量を獲得した。またどんな状況でも仲間に笑顔を向けるポリシーも植松選手を倣ったものだといい、「(常にネット際にいる)自分が一番みんなの顔を見てプレーできるからこそ、そこはしっかりできるようなプレイヤーになろうと思って」いるそうだ。
 

成長を止めない

早慶戦当日、倉員は周囲の期待通りセッターとして抜群の実力を会場にいる全員に見せつけた。期待されていたトスワークやサーブ面は、追い詰められた第3セットで特に実力を発揮し、厳しい展開の中でも攻めのトスワークで得点に貢献した。またその観察眼と俊敏性からブロックでも大いに活躍した。しかし試合後の振り返りでは「今日のトスに関してはもうほんとに30点と言っていいほどのレベルの低さだった」と自身のプレーを厳しく評価し、さらには「相手の強いスパイクに対して触ることはできても上げるのがなかなか難し」かったと話すなど試合後の分析に余念がない。一方では「(強みである)サーブに関しては2部相手でも通用するというのが分かった」と言い、自身のプレーについて改善すべき点と実力が通用した点を把握していることも持ち前の高い判断力と観察力がなせる業だろう。早慶戦という大舞台で様々なことを吸収した倉員は、秋季リーグ戦にてさらに成長した姿を見せつけること間違いなしだ。
 
多彩なトスや正確無比なサーブをはじめとしたプレーだけでなく、笑顔で周りを鼓舞する姿でもチームを引っ張る倉員選手。今後の活躍から目が離せない。
 
(取材:ウジョンハ、村田理咲、五関優太)
 

どんな時も「笑顔」を忘れない

 
 
倉員未羽(くらかず・みう)
2003年生まれ。161センチ。最高到達点262センチ。東京・慶應女子出身。商学部3年。姉の姿を見て自身もクラブチームの体験に参加したところ、バレーボールに惹かれ競技を始める。今年の早慶戦では初のフル出場を経験した。

 

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