今年も「バスケの聖地」代々木第二体育館で開催された、早慶バスケットボール定期戦。超満員の観客席からは、両校の力強い応援が選手たちの背中を押す。第1Qは開始10秒、慶大のエース・河村さくら(文3・松陽)が早慶戦の幕開けを祝うスリーポイントシュートで先制点を挙げると、早大のアグレッシブディフェンスに苦しみながらも18−21。続く第2Qは、立て続けにパスカットからゴールを沈められ、得点が伸び悩み25ー48で前半を終える。第3Qは早大の高さを前に苦戦するが、ここでも河村さくらを筆頭に早大の高い壁を切り崩すと、中山璃音(文3・湘南)と砂山ひかる(政2・慶應女子)もこれに続き、46ー68で最終Qへ。第4Qは、島谷姫らら(環4・富山国際大)のスリーポイントシュートなどで得点を重ねるが、リバウンドからの速攻で立て続けに失点。最後は、4年生4人が揃って早慶戦の舞台を踏み、最後まで粘り強いプレーを見せるが、59ー92で早大に敗戦した。
2024/6/15(土) @国立競技場代々木第二体育館 | |||||
第82回早慶バスケットボール定期戦 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 18 | 7 | 21 | 13 | 59 |
早大 | 21 | 27 | 20 | 24 | 92 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
F | #5 伊熊そら (文4・慶應女子) | ||||
GF | #8 河村さくら (文3・松陽) | ||||
F | #12 中山璃音(文3・湘南) | ||||
SG | #14 岡部愛 (薬2・仙台第二) | ||||
F | #15 砂山ひかる (政2・慶應女子) |
大声援の中で幕を開けた早慶戦の第1Q、開始わずか10秒で慶大のエース・河村さくらがスリーポイントシュートを沈め、幸先よく先制に成功する。さらに、中山璃音のスリーポイントシュート、砂山ひかるのシュートが決まり、8−4。しかし、早大のアグレッシブなディフェンスと圧倒的な身長の高さに苦しみ、8ー15とリードを許す展開に。それでも粘り強いディフェンスからうまく攻撃へと展開すると、砂山、伊熊そら(文4・慶應女子)らのインサイドプレーも光る。さらに中山と岡部愛(薬2・仙台第二)がスリーポイントシュートを決めるなど追い上げを図り、18ー21の3点ビハインドで第2Qヘ繋げる。
慶大ボールで始まった第2Qは、立て続けにパスカットされ早大にペースを奪われてしまう。その後も、スリーポイントシュートを皮切りに着実に点差を広げられ、第2Q開始4分で10点差に。巻き返しを図りたい慶大は、砂山ひかるがファウルを誘い、フリースローで1得点。続いて、中山璃音からパスを受けた砂山のスリーポイントシュートが見事にリングをとらえる。残り1分半、またも砂山がフリースローで1点を決め、なんとか早大に食らいつく。さらに残り20秒でも、ゴール下の中山がバックレイアップシュートで追加点を挙げ、25-48で前半を折り返す。
エンドが変わった第3Q。慶大は序盤、早大が誇る193cmの長身ルーキー福王伶奈(スポ1・桜花学園)をはじめ早大の高さを活かした連続攻撃に苦戦。リバウンドの競り負けやパスミスが続き、流れを掴めない。そんな中チームを引っ張ったのは、やはり下級生の頃からチームを牽引してきたエース・河村さくら。幾度となくボックス内に切り込み、鋭いフェイントや華麗なステップで相手ディフェンスを翻弄。スリーポイントシュートや3本のフリースローを含め、このQだけで12得点。他にも、中山璃音のディープスリーシュート、相手のファウルを受けながらの砂山ひかるのレイアップシュートで応戦。得点直後の失点やカウンターでの失点などが目立ったものの、主将・山﨑日向(経4・慶應女子)をはじめとした粘り強い守備も随所で見られ、46ー68で最終Qへ。
迎えた最終Q、観客の声援を背に笑顔でコートに入る慶大。開始早々、慶大がファウルで早大にフリースローを与えると、さらにスリーポイントシュートで点差を広げられてしまう。それでも、岡部愛が体勢を崩されながら見事なスリーポイントシュートを沈めると、フリースローでも1点を追加し50ー72とする。さらにチームディフェンスを展開する中で早大のミスを誘うと、4年生の島谷姫らら、岡部愛、河村さくらがスリーポイントシュートを決め、着実に点数を積み上げていく。しかし第4Q後半は、早大の高さを活かしたリバウンドからの速攻で立て続けに失点。残り1分半の場面では、怪我で離脱していた石倉史菜(文4・国立)もコートイン。4年生4人が揃って早慶戦の舞台を踏み、最後まで粘り強く早大にゴールに迫るが、悔しくもここで試合終了のブザー。早大の壁はやはり高く、82回目の早慶戦は59ー92で幕を閉じた。
(記事・写真:長掛真依、記事:竹腰環、本橋未奈望、村田理咲)
▽以下、選手インタビュー
ーー最後の早慶戦、どのような思いで臨まれましたか
自分たちのチームはOB・OGの方々をはじめとして、他部活だったり、本当にいろんな方に支えていただいていて。自分たちの感謝を伝えられる一番の場所だなと思っていたので、自分たちがこれまでやってきたことを全力でやるだけだと思って臨みました。
ーーどのような作戦を想定されていましたか
やはり早稲田は1部ですし、自分たちより格上というところだったり、個人の能力が非常に高い選手が何人もいるので、ディフェンスからアグレッシブに戦うというのは作戦としてありました。
ーー実際に戦ってみていかがでしたか
通用した部分もたくさんあったなと思うと同時に、早稲田はやはり1個、2個先を見て速いパスを回せているところであったり、リバウンドの部分だったりがやはり強いなと思ったので。そういったところを、自分たちの糧にできたらと思います。
ーーどのような点で通用したと感じましたか
ここで一本守りたい、というところを5人で守り切ることのできたシーンがあったりだとか、要所要所でそういったプレーが成功したところはよかったかなと思っています。
ーーコートに4年生が揃う場面もありましたが
同期が揃ってプレーしたことはこれまでなかったので、一緒にコートに立つことができて嬉しかったです。
ーーリーグ戦に向けてどのように調整されますか
自分たちはまだまだ選手層の薄さであったりとかそういったところが結構大きいなというふうに思っているので。夏の練習を通してチーム全体として底上げもそうですし、自分たちはまだまだ、体力が足りない部分であったりだとか、スピードであったりだとか、そういったところは格上の相手とやったことで足りないところだなと思ったので、厳しい夏にしたいと思います。
河村さくら選手(文3・松陽)
ーー今年も大声援の中でスタメン出場、3度目早慶戦の舞台はいかがでしたか
緊張した部分はありましたが、観客席の応援もとても感じることができて、楽しかったです!
ーー先制ゴールに始まり大活躍、ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
スコア面では、得点は入れられたと思いますが、相手のディフェンスやプレッシャーの強さなど、個々の力の差は感じました。その中でも、通用した部分としなかった部分がハッキリ分かれたので、今後のリーグ戦に活かしていきたいです。
ーー試合全体を通して、チームのプレーとしてはいかがでしたか
チームとしては、いい試合だったと思います。「個々では力が及ばなくても、戦術で勝ちに行く」ということを意識してディフェンスなどの練習をしてきましたが、それが出せた試合だったと思います。
ーー早稲田のどこが強かったですか
1対1で構えられるとなかなかディフェンスを抜けなかったり、抜いたとしてもすぐカバーが来たり…全部が強かったです。その中でも1番強さを感じたのはフィジカル面でした。
ーーリーグ戦に向けてどう調整されますか
やりたいことが思うようにできない時間があったので、誰か一人の1対1に任せるのではなく、チームで良い方向に持っていくことを意識したいと思います。
ーー2度目の早慶戦、今年はスタメンでしたが早慶戦の舞台はいかがでしたか
去年は緊張して記憶にないくらいなんですけれど、今年は割と最初から緊張はしていましたけど雰囲気を楽しむことができて、楽しかったです。
ーーファウルを誘う力強いプレーでチームに良い流れをもたらしていました、ご自身のプレーを振り返って
格上の早稲田相手にファウルも取って一対一で出来たのはすごい良かったなと思うことですけど、やはりラストシュートだったり、フリースローだったり、決めるべきシュートを決められなくて。チームに点数を重ねられなかったのは反省点なので改善していきます。
ーーチーム全体の試合内容は
今までチーム2024が始まってからコーチに教わってきたことやチームルールを徹底してできた40分間かなと思うので。内容的には収穫のある、次に繋がるものだったんじゃないかなと思います。
ーー早稲田のどこが強かったですか
自分たちも徹底しなきゃいけない、シュート、ラストシュートを決めるとかリバウンドをしっかりとるとか、アウトするとか。そういう基本的なところが、まだまだ早稲田さんには届いていないのかなと思うので頑張っていきたいと思いました。
ーーリーグ戦に向けてどう調整されますか
チームで言われているルールを徹底するというところを夏の期間頑張っていきたいのと、自分たちはハードワークすることが大事だと思うので。ハードワークして、泥臭い慶應のバスケを体現できるように夏の練習を頑張りたいと思います。