【ラクロス(男子)】「もう一度強い慶應を」日本一への旅路がついに幕を開ける 男子ラクロス部の「これまで」と「これから」/第36回関東学生ラクロスリーグ開幕直前特集

男子ラクロス

第36回関東学生ラクロスリーグが7月7日に開幕した。慶大男子ラクロス部は7月13日、ホーム・日吉陸上競技場にて明大・HUSKIESとの初戦に臨む。リーグ初戦を迎えるに際し、2023年11月に「文化放送スポーツスペシャル 柏原竜二の学ラン!」の番組内で行った対談の内容も含め、日本一への“REVIVE”をスローガンに掲げる慶大男子ラクロス部の「これまで」と「これから」をお届けする。

 

「日本一」の座に君臨してきた慶大男子ラクロス部

関東学生1部リーグでは、リーグ戦で結果を残した上位2チームに全日本大学選手権大会への出場権が与えられる。そして学生日本一に輝いたチームは、「ラクロス日本一」を決める全日本選手権大会へと駒を進める。慶大男子ラクロス部は、全日本大学選手権大会、全日本選手権大会ともに6度の優勝経験を持つ、強豪中の強豪。直近では、2021年・2022年に2年連続の学生日本一に輝き、2021年には社会人クラブチームを下して「ラクロス日本一」の称号を手に入れた。昨2023年は関東学生ラクロスリーグのFINAL4で悔しくも法大に敗れ、全日本大学選手権大会への出場も叶わず涙を呑んだ。

 

2023シーズン終了後、ラジオ番組で語った「日本一への思い」

2023年11月に「文化放送スポーツスペシャル 柏原竜二の学ラン!」番組内で、文化放送×ケイスポ×慶大男子ラクロス部のコラボ企画として、当時3年生の落合優椰(政4・慶應)・小川健(政4・慶應)と、弊会の長掛真依・重吉咲弥による対談の様子を放送した。慶大は番組放送の約1ヶ月前にFINAL4で法大に敗れ、すでに2023シーズンを終えていた。

落合は、2023シーズンを振り返り「本当に自分も含めて不甲斐ない戦いをしてしまったところがあったので、FINAL4で負けてはいけない、2年連続でそんなことをしてはいけないと思っているので。絶対に全日本選手権まで行って社会人を倒すというところまでを目標にして、そこから逆算してチームを1から作り直していきたい」とし、オフェンスについては「ATのメンバーが全く変わらない、MFも大きくは変わらないかなというところはあるので、引き続き培ってきた絆というかチームワーク的なところを引き継ぎつつ、強みをどんどん伸ばしていければ」と語っていた。ディフェンスについて、小川は「DFも大きくメンバーは変わらないので、よりレベルアップして(2024シーズンは)大学選手権でまず1位になって、社会人に勝つというところまでチーム全体で頑張っていきたい」と意気込んでいた。

 

〜チーム・藤岡の「日本一への旅路」〜

今年のチームの特徴

主将を務める藤岡凜大(政4・慶應)は、今年のチームについて「比較的、新4年の僕らの代が去年、一昨年とかから試合に主力で出ているメンバーが多いんですけど。かといって4年生だけのチームにならず、下級生の力と融合しながら。個々の技術が学生の中では高いチーム」だと話していた。

 

苦しい中でも、チームの可能性を感じさせた六大学対抗戦

慶大は3月から4月末にかけて、新体制発足後・初の公式戦である六大戦に臨んだ。立大、東大、そして昨年度慶大の3年連続学生日本一を阻んだ法大を破るも、早大と明大に敗れて3勝2敗。個の技術の高さゆえに練習強度が上がっている分、DF陣に怪我人が多発したこともあり、六大戦は苦しい戦いとなった。その中でも、藤岡凜大、落合優椰、田代豪(商4・慶應NY)、大類慈英(商2・慶應)らがハットトリックの活躍をみせるなど、慶大の強さも十分に感じられた。

主将・藤岡は「結構苦しんだローレースだったと思うのですが、ポジティブに捉えたら、普段は試合に出るチャンスを得られない人が試合に出て、苦しい場面を戦うという良い経験ができた…そういう意味では、リーグ戦に向けても、怪我した主力選手が戻ってきて競争が活性化してるので、とてもいいチーム状態だと思っています」と六大戦を振り返った。副将・佐藤孝紀(政4・慶應)も、「割と苦しい戦いが続いた中で浮き彫りになった課題があるので、改善すべきことをしっかりと対策して…もう一度強い慶應を取り戻すために、今年の『全日本選手権優勝』という目標に向けて頑張っていきたい」と前を向いていた。

 

5月の早慶戦では3連覇、早大を10ー4で下す

六大戦を終えた主将・藤岡凜大は「(早慶戦)3連覇を成し遂げて、ラクロスを初めて見に来る人、これまで応援してくれてきてくれた人達にラクロスのかっこよさ、慶應ラクロスの強さを体現できたら」と語っていた。その言葉通り、今年の早慶戦は藤岡や田代豪を中心としたベテラン揃いの4年生が試合の流れを手繰り寄せ10ー4。チームを3連覇へと導いた。藤岡、田代は六大戦に続きハットトリック、落合優椰と奥澤拓馬(商4・慶應)も最後の早慶戦の舞台でゴールネットを揺らした。こうして4年生が試合をつくる一方で、下級生の活躍も印象的だった。六大戦から存在感を発揮していた大類慈英、そしてG・岩城敦大(法2・慶應)の2年生コンビが初の大舞台とは思えぬ堂々のプレーで、鮮烈な早慶戦デビュー。G・岩城はそのスーパーセーブで幾度となくチームのピンチを救い、大会最優秀選手にも選出された。

慶大の強さと層の厚さを再確認できた他、六大戦の反省を活かして「リードしてからも攻め続ける姿勢」をチーム全員が共通認識として持ち、それがしっかりと結果に繋がったことはチームの自信にも繋がっただろう。主将・藤岡は、「あくまでここは通過点なので、これを糧にしてさらに日本一に近づけるように頑張っていきたい」と先を見据えていた。副将・小川健と奥澤拓馬も、昨年度FINAL4で敗れた悔しさを胸に、1年生の頃に経験した「全日本選手権優勝」をもう一度達成したいと力強く語った。

 

まずは「学生日本一」、いざリーグ初戦へ

2024シーズンの慶大は、関東学生1部リーグのBブロックに所属。同ブロックには、日体大、早大、明大、武蔵大、青学大と、強豪が名を連ねる。そして初戦の相手は、明大・HUSKIES。過去に全日本大学選手権大会でも優勝争いを繰り広げた相手であるだけに、初戦から熱い試合が予想される。リーグ初戦を勝利で飾り幸先の良いスタートを切れるのか、慶大男子ラクロス部の日本一への旅路がついに幕をあける。

                     (記事・写真:長掛真依)

【試合情報】

7月13日(土)15:00FO vs HUSKIES(明大)@日吉陸上競技場

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