35度に迫る灼熱の太陽の下、関東学生ラクロスリーグが開幕した。試合は序盤から青学大にペースを握られ、なかなかゴールを決めることができない。それでも第1Qに藤岡杏(法4・慶應女子)と三好香奈(法3・慶應女子)、第2Qでは片岡采香(経4・慶應湘南藤沢)が決め前半を3ー5で折り返す。後半第3Qは再び藤岡がネットを揺らすと、ここでエース•秋山美里(環3・日本大学)も決め、5ー6とする。勝負の第4Qは、秋山のゴールで追いつくと片岡もこの日2点目を決める。さらにリーグ戦初ゴールを安達心結(法2・日本大学)が決めて8ー6とする。慶大の勢いは止まることを知らず秋山がハットトリック、澤田彩子(文3・品川女子学院)、村山遥(経3・慶應湘南藤沢)も続くと、守備ではG古川琴音(法4・Life Preparatory Academy)が好セーブを連発した。第4Qだけで6得点を決めるゴールラッシュで慶大は勝ち点3を獲得した。
7月20日(土)9:40試合開始
@大井ホッケー競技場・サブピッチ
♢スタメン♢
AT#88 藤岡杏(法4・慶應女子)
AT#3 秋山美里(環3・日本大学)
AT#11 片岡采香(経4・慶應湘南藤沢)
MF#19 澤田彩子(文3・品川女子学院)
MF#71 三好香奈(法3・慶應女子)
MF#96 辻田直佑子(法3・白百合学園)
DF#64 大貫有澄(理4・洗足学園)
DF#14 松尾美咲(法4・慶應湘南藤沢)
DF#90 増田そら(文3・立教女学院)
G#1 古川琴音(法4・Life Preparatory Academy)
♢得点♢
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 2 | 1 | 2 | 6 | 11 |
青学大 |
| 2 | 1 | 2 | 8 |
慶大得点者 | 藤岡、三好 | 片岡 | 藤岡、秋山美 | 秋山美(2)、 | ― |
慶大が所属する関東学生1部リーグは、12の大学がAとBの2ブロックに分かれている。ブロック内上位2チームがファイナル4と呼ばれる関東学生ラクロスリーグ戦の準決勝に出場し、上位2校に与えられる全国大会出場権を賭けて争う。さらに北海道・東北・東海・関西・中四国・九州各学生リーグのファイナリストを倒すと、学生日本一となる。慶大は2022年に成し遂げた「日本一」の奪還を今シーズンの目標に掲げている。昨年度はAブロック3位でファイナル4にすら進めなかった悔しさを晴らすためにも、白星スタートを切りたいリーグ初戦の相手は、昨季Aブロック5位の青学大となった。
試合開始早々、自陣内でパスをカットされるとドリブルで運ばれ先制、その2分後にもゴールを許し、開始5分で0−2とされる。なんとか流れを引き寄せたい慶大は、三好•辻田直佑子(法3・白百合学園)•片岡がパスを繋ぐと藤岡がゴールネットを揺らし1ー2とする。すぐに1点を返されるも、大貫有澄(理4・洗足学園)•辻田•秋山が繋いだパスを三好が決め1点差に詰め寄る。古川の好セーブも光り、第1Qは2ー3で終える。
澤田のドローから始まった第2Qは、4分に慶大がFSを獲得するも相手Gの好セーブに阻まれ、得点には結びつかない。すると青学大にフィールド右側からドリブルで攻め込まれ、4点目を決められてしまう。慶大は相手ゴール前まで攻めるも最後の最後でパスが繋がらず、さらには5点目を決められ、2ー5とされる。それでも攻め続けた慶大は10分、ゴール裏にいた秋山からパスを受けた片岡がこれを決め3ー5とする。青学大にイエローが出されたところで第2Qが終了、勝負は後半へと託された。
2点のリードを許し迎えた第3Q。慶大は果敢に青学大を攻めるも、なかなかゴールネットを揺らすことができない。2分にはゴールを決められ、再びリードを3点とされてしまう。なんとか追い上げたい慶大は10分、藤岡がゴールを決めて1点を返す。するとこのゴールを皮切りに一気に流れを引き寄せた慶大は11分、澤田の絶妙なパスから秋山がゴールを決める。その後のFSは止められてしまうがもう一本シュートを放ち、良い流れを作って5ー6のまま第3Qを終えた。
その後迎えた運命の第4Q。慶大は1分、秋山の今日2本目となるゴールで早々に追いつくと、4分に片岡、8分にはリーグ戦初ゴールを安達が決め、8−6と逆転に成功する。12分にゴールを決められ1点差とされるも、14分に秋山、16分には澤田、18分に村山と怒涛のゴールラッシュで一気に青学大を突き放した。22分に1点を決められるも青学大の追い上げはここまで。スコアを11ー8とし、慶大はリーグ戦初戦を逆転勝利で飾った。
早慶戦に続き逆転勝利を収めた今試合。試合序盤は青学大の猛攻を受けるだけでなく相手の好守備に阻まれ、なかなか得点を決めることができなかった慶大。それでも最後まで諦めることなくフィールドを駆け回ると、第4Qは圧巻のゴールショーを見せた。試合終了のホイッスルが鳴ると選手たちは喜びを爆発させた。この日は尋常ではない暑さに見舞われ、選手たちの身体も限界だったに違いない。第4Qでは慶大DFが足をつるアクシデントに見舞われ交代を余儀なくされた。それでも選手はもちろん、スタンドに駆けつけた両校の保護者や部員らも最後まで声援を送り続け、大井は熱気に包まれていた。
「日本一奪還」を掲げる彼女たちの次の試合は、昨季Aブロック4位の成蹊大との一戦である。U20日本代表活動*と重なることで絶対的エース・秋山を欠く中、一つの山場とも言えるこの試合を彼女たちはどう乗り越えるのか。最終Qで見せた相手を圧倒する攻撃力で連勝を期待したい。
*2024年8月15日(木)〜8月24日(土)に香港で開催される2024 World Lacrosse Women’s U20 Championshipに出場するU20日本代表選手に、慶大からは秋山と葛西里保(医2・International School Manila)が選出されている。
次戦 :第36回関東学生ラクロスリーグ第2戦vs成蹊大
8/11(日) 13:10~ vs成蹊大
@駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場
(記事、撮影:林佑真、岡里佳)
♢選手コメント♢
安達心結(法2・日本大学)選手
――本日の試合を振り返って
最初はかなり点差をつけられて負けていましたが、負ける気はしていませんでした(笑)
――チームを勢いづける8点目を挙げた感想を教えてください!
リーグ戦初ゴールだったので、気持ちがこもったゴールだったと思います!
秋山美里(環3・日本大学)選手
――今日の試合を振り返って
慶應は(試合の)入りが、早慶戦とかもそうなんですけど、弱くてそれがもろにでてしまった試合だなって思います。
――自身の3得点についてどう振り返りますか?
前半全然決めてなかったので、自分のシュートチャンスが来たら絶対に決め切ろうと思って、ちゃんと決め切るシュートを打てたかなと思います。
――前半厳しいマークを受けたのを踏まえて後半に何か変えたことは?
前半はあまり自分の役割を果たせなくて、でも後半は自分の役割をしっかり果たしてチームに良い流れを持ってくる、と切り替えました。
――自分の役割とは?
大前提としてアタックなのでシュートを決めることと、周りに指示を出しながらも自分がしっかり動いてボールを受けることだと思っています。
――最後に今後の目標を教えてください。
今後はしっかり予選を勝ち切って、ファイナル4進出をしっかり決めたいと思います。
主将・横手希未子(法4・慶應女子)選手
――本日の試合を振り返って
立ち上がりが弱点になってしまっているのを感じました。ですが、馬力はあるので早慶戦の時と同じようにしっかりと後半で巻き返せたのは良かったです。
――早慶戦から2ヶ月が経ちリーグ戦が開幕しました。率直な感想を教えてください。
始まったなという感じです(笑)。早慶戦と違ってリーグ戦は勝ち負けで(ファイナル4から先へ)上がれるかが決まるので一戦一戦負けられない、重みを感じながらやっていけたらなと思います。
――次戦の成蹊戦に向けて
成蹊戦は代表活動と被るので、2人(秋山美、葛西)が揃っていない中でいるメンバーでやれるだけのことはやって、挑戦していけたらなと思います。