【庭球(男子)】「王座」進出をかけたリーグ初戦で筑波大に痛い敗戦 勢いに呑まれ3ー6の黒星発進/2024年関東大学テニスリーグ 第1戦vs 筑波大

庭球男子

慶大ホーム・蝮谷テニスコートで幕を開けた、2024年関東大学テニスリーグ。ダブルス3本、シングルス6本の計9本を戦い、勝利数を争う。尚、関東大学リーグの戦績上位2校には、「王座」と呼ばれる全日本大学対抗テニス王座決定試合への出場権が与えられる。慶大男子は昨年度の「王座」で全国優勝を果たしており、「王座」進出、そして「王座」連覇を達成すべく大事なリーグ初戦に臨んだ。初戦の相手は、2部から昇格を果たし勢いに乗る筑波大。先に行われたダブルスでは、2組がタイブレークにもつれこむなど、序盤から白熱した展開となるが一歩及ばず1ー2。シングルスでも2ー4と負け越し、3ー6で筑波大に敗北。2024年関東大学テニスリーグは、悔しさの残る黒星発進となった。


2024年関東大学テニスリーグ第1戦vs 筑波大 

8月23日(金)@慶應義塾大学日吉キャンパス蝮谷テニスコート 

 

♢試合結果♢

慶大 ●3{D1-2、S2-4}6〇 筑波大

※ダブルス:3セットマッチファイナルスーパータイブレーク(最終第3セットは10ポイントタイブレーク制)

   D1 

 下村亮太朗(法4・慶應)・高木翼(総4・関西)

●1{6-4、3-6、10ー12}〇2         

髙妻蘭丸・山本律   

   D2

 有本響(総3・慶應)・菅谷優作(法3・慶應)

〇2{2ー6、6ー1、10ー8}●1

田中佑・山内日斗

   D3  

 脇坂留衣(環4・興國)・眞田将吾(環2・四日市工業)

●0{1-6、2―6}〇2

中村元・藤川侑志郎  

※シングルス:3セットマッチ 

 S1

 下村亮太朗(法4・慶應)      

●0{4-6、2-6}〇2

中村元  

 S2

 脇坂留衣(環4・興國)

●0{3ー6、2-6}〇2

田中佑

 S3

 菅谷優作(法3・慶應)

〇2{6-3、6ー4}●0

山本律

 S4

 有本響(総3・慶應)

〇2{6-4、6-2}●0

山内日斗

 S5

 安藤凱(法1・慶應)

●0{2-6、3-6}〇2

髙妻蘭丸

 S6

 高木翼(総4・関西)

●0{2-6、3-6}〇2

可児優希

 

※以下、試合終了順に戦評を掲載

♢ダブルス♢

  D3   

 脇坂留衣(環4・興國)・眞田将吾(環2・四日市工業)

 ⚫️0{1-6、2―6}〇2            

 中村元・藤川侑志郎        

D3は、脇坂・眞田ペア。第1セットは、序盤からデュースにもつれ込むなど激しい点の取り合いとなるが、あと1本がつながらず立ち上がりで5ゲームを連取される。その後1ゲームを返すも、コートの隅やセンターを突くコントロールショットに圧倒され、1ー6で第1セットを奪われる。続く第2セットは、左右への揺さぶりやネット際へのドロップショットに脇坂がうまく対応し、眞田のドロップボレーなどで得点を重ねるが、第1セットで勢いに乗った筑波大ペアを止めることはできず。第2セットも2ー6と圧倒され、1ー6、2ー6のストレートで敗れた。

ポイント間に話し合う眞田と脇坂(左から)

 

  D1 

 下村亮太朗(法4・慶應)・高木翼(総4・関西)

⚫️1{6-4、3-6、10ー12}〇2              

髙妻蘭丸・山本律        

D1は、下村・高木という主将・副将ペア。第1セットは、サーブで相手を崩し、前衛がポーチやスマッシュで仕留めるなど、慶大ペアは良い形で得点を積み重ねていく。そして、第4ゲームでブレイクに成功し3ー1とすると、そのまま6ー4で第1セットを奪取する。続く第2セットは、筑波大のダブルフォルトや慶大・下村のコントロールショットなどが重なり第3ゲームでブレイクに成功も、すぐさまブレイクバックされゲームカウントは2ー2。さらに、3ー4で迎えた第8ゲームでも筑波大にブレイクを許すと、そのま第2セットを落とし、試合は10点マッチのタイブレークへ。ファイナルセットは両者譲らず、5ー5、6ー6、7ー7と同点のまま10点に迫っていく。それでも、ミスを誘う高木の正確なショットで8ー7と一歩前に出ると、下村がバックサイドでのクロスラリーを制して9ー7とし、慶大のマッチポイントに。しかし、筑波大が粘りをみせ、10ー12でまさかの逆転負けを喫した。

笑顔でハイタッチを交わす高木と下村(左から)

 

  D2 

 有本響(総3・慶應)・菅谷優作(法3・慶應)

〇2{2ー6、6ー1、10ー8}⚫️1            

田中佑、山内日斗       

D2は、有本・菅谷の3年生ペア。第1セットの命運が分かれたのは第4ゲーム。慶大ペアは前に詰めて並行陣でプレッシャーをかけるも、ストレートやロブを抜かれてしまい1ブレイクダウンで1ー3。菅谷のサーブなどで意地を見せるが、筑波大ペースを打破することができず、2ー6でこのセットを落とす。それでも第2セットに入ると、菅谷の強烈なサーブやストロークで相手を崩し、有本が狙い澄ましたボレーを沈めるなど、慶大ペアがゲームを支配する。さらに、リターンエースなども光り3ブレイクアップで、0ー1から脅威の6ゲーム連取。6ー1で第2セットを制し、ファイナルセットへ。D1、D3の試合はすでにゲームセットを迎えており、両校部員と観客全員が見守る中で最終第3セットがスタート。1プレー1プレー白熱した展開を繰り広げ、7ー7の同点を迎える。そして、筑波大サーバーの足元をつく深いリターンで菅谷が相手を崩し、有本のポーチとスマッシュで8ー7とすると、そのままリードを守り切り、最後は菅谷が甘く浮いた球を決め切って勝利のガッツポーズ。フルセットの末、チームに大きな1勝をもたらした。

最後まで集中力を切らさなかった菅谷と有本  (左から)

 

♢シングルス♢

  S5

安藤凱(法1・慶應)   

⚫️0{2-6、3-6}2〇

髙妻蘭丸   

1年生の安藤にとって、初めて臨む「王座」進出をかけたリーグ戦。安藤のサーブから始まった第1セットは、互いにサービスから相手を左右に揺さぶり、フットワークの見せどころとなるラリー戦を展開する。第3ゲームでは、長身を活かした筑波大・髙妻のネットプレーに苦戦。サーブを攻略された安藤は、第3ゲームを含む2ブレイクダウンで2-6と第1セットを失う。続く第2セット、安藤は必死に髙妻のサービスゲームに食らいつき、ゲームカウント3-2とリードする展開に。迎えた第6ゲームでは、デュースに持ち込みブレイクのチャンスを作るも、高妻にフォアハンドのダウンザラインを刺され、惜しくもこのゲームを落とす。その後も、複数のゲームでデュースにもつれ込む接戦を繰り広げたが、あと一歩のところでゲームをものにすることができず、3ー6でゲームセット。ストレートで筑波大・髙妻に敗れた。

サーブを打つ安藤

 

  S4

有本響(総3・慶應)   

〇2{6-4、6-2}⚫️0

山内日斗  

S4は、D2でネットプレーの強さを発揮した有本。第1ゲームから、相手の逆をつくフォアハンドなどでブレイクに成功。第4ゲームからは徐々に相手のペースに引っ張られミスが目立つようになるが、第9ゲームで流れを引き寄せる大きなブレイクに成功し5ー4。セットポイントを迎えると、センターへのサービスエースでラブゲームとし、第1セットを締めくくる。続く第2セットでも第1ゲームでブレイクに成功するが、直後にデュースからブレイクバックを許す。それでも、2ー2で迎えた第5ゲームではしっかりと自分のプレーを体現し、再びブレイクに成功すると、長いリーチを活かしたサーブやネットプレー、相手コートを貫くストロークで4ゲームを連取。最後は、鋭角をつくボレーで相手を圧倒し、ストレート勝ち。ダブルスに続き、シングルスでも筑波大の山内を下した。

シングルスでも有本のネットプレーが光った

 

  S6

高木翼(総4・関西)    

⚫️0{2-6、3-6}2〇

可児優希  

S6は、D1で惜しくも筑波大ペアに敗れた副将・高木。ダブルスの悔しさを果たすべく臨んだシングルスでは、スライスやドロップショットも多用して緩急をつけながら相手を揺さぶる。しかし、第6ゲームでミスが目立ちブレイクを許すと、激しいラリー戦の末に2ー6で第1セットを落とす。第2セットは、3ー3の場面でブレイクのチャンスをつくるが、フォアサイドに走らされた高木は脚に違和感を感じたのか、その場から動けなくなってしまう。そのまま第7ゲームを落とすと、コートチェンジの際にケアを受けて再びコートに戻る。脚の違和感からか、相手の鋭いサーブや低いボールにうまく対応できない高木だが、「まだ終わってない!こっから!」という仲間の応援を力に、コースを狙い澄ましたストロークで相手のミスを誘うなど最後まで戦い抜いた。結果は、2ー6、3ー6のストレート負けだが、高木の懸命に戦い抜く姿が印象的だった。

苦しい中でも、最後まで戦い抜いた高木

 

  S3

菅谷優作(法3・慶應)   

〇2{6-3、6ー4}⚫️0

山本律   

S3の菅谷は、慶大のダブルス・シングルスがともに1ー2、計2ー4と後がない中で試合を戦った。第1セット序盤は競った展開となるが、第8ゲームでブレイクに成功して4ー3。サーブやサーバーの足元をつくリターン、ドロップショットなどを有効に使って相手のミスを誘い、6ー3でこのセットをものにする。第2セットは、第6ゲームでブレイクに成功して4ー2、さらにサービスゲームをキープして5ー2とリードを広げていく。その後は、筑波大・山本の得意な形に持ち込まれて2ゲームを連取され、5ー4と迫られるが、菅谷は最後まで落ち着きを失わず。スマッシュやリターンエースなどでブレイクに成功し、6ー4で第2セットを死守。ストレートで筑波大・山本を下し、慶大勝利へ望みを繋いだ。

多彩なショットで強さを発揮した菅谷

 

  S2

脇坂留衣(環4・興國)   

⚫️0{3-6、2-6}2〇

田中佑   

S2の脇坂は、立ち上がりからいきなりブレイクを許し0ー2とされるが、第3ゲームで3度にも及ぶデュースを制してブレイクバック。スピンやスライスなどをおり混ぜながら相手を崩そうと試みるが、うまく流れを掴むことができず3ー6で第1セットを落とす。第2セットも相手のペースに呑み込まれてしまい、5ゲームを連取されて0ー5。それでも、サービスエースなどで意地をみせ2ゲームを返すが、2ー6で悔しくも敗戦。ダブルスの悔しさを、シングルスで晴らすことはできなかった。

最後まで粘り強いプレーをみせた脇坂

 

  S1

下村亮太朗(法4・慶應)    

⚫️0{4-6、2-6}2〇

中村元   

S1の主将・下村の相手は、2023年度全日本学生室内テニス選手権大会の王者で、筑波大の主将・中村元。中村のサーブで始まった両校の主将対決は、第1ゲームから下村の針の糸を通すような繊細で強烈なバックハンドでデュースに持ち込む。両者譲らずいきなり5連続デュースとなるが、下村は惜しくもブレイクに失敗する。それでも下村は、サーブ&ボレーでテンポをつかみ、着実にゲームカウントを積み重ねていく。そして4ー5の場面、下村がドロップショットで相手を前後に揺さぶり、40-15と大きくリード。しかし、ネット際でのミスを誘うプレーから一気に逆転され、下村は第1セットを献上する。後がない第2セットは、スライスを軸に試合を展開する筑波大・中村のペースに徐々に呑み込まれてしまう。下村は、流れを掴むことができないままこのセットも落とし、ストレート負けを喫した。

S1は両校の主将対決となった

                          (取材:梅木陽咲、吹山航生、長掛真依)

 

 

♢選手コメント♢

主将・下村亮太朗選手(法4・慶應)

ーー初戦の相手は2部から昇格して勢いのある筑波大だったが

戦力的に見て絶対に抑えなければいけないところだったんですけど、自分が最初のダブルスで流れをつかめなくて良い流れに乗れませんでした。団体戦としてもチームに申し訳ない気持ちです。

 

ーーダブルスを振り返って

昨年のインカレで準優勝してからなかなか調子が上がらなくて、早い段階で負けてしまったり、やっぱり自分たちに不安を抱えた状態でした。ラストになりうる団体戦で、終始強い気持ちでプレーできたんですけど、やっぱり大事なところで簡単なミスをしてしまったり、どうしても引っ掛かり、最後に断ち切れない部分が出てしまったところが自分たちの弱さだったと思います。

 

ーーシングルスを振り返って

自分たちが劣勢で何とかチームを盛り上げなければいけないと分かっていたのですが、相手のペースでラリーをされて、自分のテニスができなかったのが悔やまれます。

 

ーー次戦の早大戦に向けて

負けてしまったのは仕方がないので次戦の早稲田戦でしっかり勝ち切って、望みをつなぐことが大事になると思うので。(早大は)タフなチームですけど、春の早慶戦では自分たちが勝っていますし、そこは自分たちの強さを信じて、最善の準備をして、もう一度切り替えて最初からやっていきたいと思います。

 

 

有本響選手(総3・慶應)

ーー初戦の相手は2部から昇格して勢いのある筑波大だったが

本当に勢いもありましたし、ぶつかってこられているなというイメージはあって。その勢いにダブルスから呑まれてしまって立て直せず、そのまま終わっちゃったかなというふうに思います。

 

ーーダブルスは2セット目以降、徐々に流れを掴んだように見えたが

1セットとられて正直後がなかったので。本当にやることを明確にして、自分の武器でいくしかない。1セット目は少し迷ってた部分もあって、そこでボレーとかのミスも結構目立ったんですけど、本当に2セット目以降はやることも決めるし、より丁寧にというか、一つ一つのプレーを丁寧にかつアグレッシブにしました。

 

ーー「やること」というのはボレーなどか

そうですね。基本的に自分たちのダブルスは、前でプレー、ボレーでプレーするスタイルなので、ストロークに圧をかけていって、壁になれるようにどんどん前に詰めていきました。

 

ーーシングルスは、スコアとしては余裕があったように見えたが

本当に初めてで。すごくリズムがとりずらい選手だったので、スコア的には簡単にはいきましたけど、試合の中身は結構納得いかないポイントとかも結構あって、そのなかでも最後しっかり我慢強くプレーして勝ちきれたのは大きかったかなと思います。

 

ーー次戦の早大戦に向けて

今日負けたことで本当に1敗がすごい響いてくると思うので、自分は、勝つのはもちろんですけど、チームが1本も落とさないようにチーム作りだったり動き方というところを意識して臨みたいなと思います。

 

 

菅谷優作選手(法3・慶應)

ーー初戦の相手は2部から昇格して勢いのある筑波大だったが

序盤から結構勢いつけてやってきて、去年2部から上がっただけあって勢いがあるなというのは思っていたんですけど。ところどころ結構緊張した場面で固くなってくれる部分もあって、そこを取りきれてれば多分スコアも楽になったのかなというのは思いますけど。実力のある選手も多いのでそこはうまく持っていかれたかなという印象です。

 

ーーダブルスは2セット目以降、徐々に流れを掴んだように見えたが

結構相手に合わせすぎた部分が、序盤は多かったかなというのは思っていて。そこはベンチコーチに原監督(=原荘太郎監督)に入っていただいて、自分たちのプレーに集中していこうというのを話した上で2セット目からは切り替えて、自分たちのプレーがあった上で相手がどう動いてくるかとかを見てプレーできたので、そこは2セット目からちょっと変わったところかなというのは思います。

 

ーーシングルスについては

相手も全然上手い選手だったので、相手の得意な形に持っていきすぎないということは結構意識してやっていて、そこが今回は結構うまくいったのかなというのは思いますね。

 

ーー終盤は追い上げられる場面もあったが

正直焦りましたけど、じっくりやっていけば自分の方に分があるなというのは思っていたので、追いつかれてからも落ち着いてプレーできたかなというのはありますね。

 

ーー終盤は疲労が出たのか

正直疲れもあって足が動かなかったりとか苦しかったですけど、ベンチコーチに入っていたヒリアーさん(=環4・ヒリアー慧将)とか後ろの応援の人たちがそこで鼓舞してくれたので、もう一回最後頑張れたなというのはあります。

 

ーー次戦の早大戦に向けて

明日1日オフがあって、練習して、2日後試合だと思うので、まず明日しっかり疲れを抜いて、また最善の準備をして、次こそは勝てるようにしていきたいなと思います。

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