【庭球(男子)】「日大戦に勝てば」アクシデントにも惑わされず勝ち取った大きな2勝目 「王座」進出へ望みを繋ぐ/2024年関東大学テニスリーグ 第4戦vs 法大

庭球男子

試合前の時点で1勝2敗と、「王座」進出のために後がない慶大。大会規定により法大の1セットダウンで始まると、幸先よくダブルスは全3本ストレート勝ち。続くシングルスも、法大の1セットダウンで開始。慶大は先に2勝を挙げ、単複9本のうち5本で白星をつけてチームの勝利を確かなものとする。シングルスでは、フルセットやタイブレークにもつれ込む競った試合もみられたが、しっかりと勝ちきり4ー2。計7ー2で法大に勝利し、「王座」進出へ望みを繋いだ。


 

2024年関東大学テニスリーグ 第4戦 vs 法大

9月4日(水)@法政大学多摩キャンパステニスコート

♢試合結果♢

慶大 〇7{D3-0、S4-2}●2 法大

※ダブルス:3セットマッチファイナルスーパータイブレーク(最終第3セットは10ポイントタイブレーク制)

  D1

下村亮太朗(法4・慶應)・高木翼(総4・関西)

〇2{6ー0、6ー2}●0            

大西洋平・新井翼

  D2 

有本響(総3・慶應)・菅谷優作(法3・慶應)

〇2{6ー0、6ー2}●0 

田嶋晴太朗・松本薫

  D3   

脇坂留衣(環4・興國)・眞田将吾(環2・四日市工業)

〇2{6ー0、7―5}●0

寺島拓斗・永井優輝

  ※シングルス:3セットマッチ 

  S1  

下村亮太朗(法4・慶應)

●1{6ー0、3-6、5ー7}〇2

新井翼

 S2

菅谷優作(法3・慶應)

●1{6ー0、4-6、1ー6}〇2

寺島拓斗

 S3

ジョーンズ怜音 (総1・第一学院四日市)

〇2{6-0、6ー2}●0

原田悠仁

 S4

眞田将吾(環2・四日市工業)

〇2{6-0、7ー6(11)}●0

橋本圭史

 S5

脇坂留衣(環4・興國)

〇2{6−0、6ー1}●0

山田麗生

 S6

安藤凱(法1・慶應)

〇2{6ー0、4-6、7ー6(8)}●1      

松崎稜太朗

※以下、試合終了順に掲載

♢ダブルス♢

大会規定により、法大の1セットダウンで試合開始

  D1   

下村亮太朗(法4・慶應)・高木翼(総4・関西)

〇2{6-0、6ー2}●0        

大西洋平・新井翼       

D1の下村・高木ペアは、第1ゲームから幸先よくブレイクに成功。続く下村のサービスゲームは、持ち前の強烈なサーブでノータッチエースを奪うなど、相手を崩してラブゲームとする。以降は、互いにサービスゲームをキープ。4ー2で迎えた第7ゲームでは、高木がフォアハンドのリターンでチャンスボールを誘い、甘く浮いた球を下村がハイボレーで沈めるなど、良い形でポイントを重ねて再びブレイクに成功。5ー2で迎えた第8ゲームは、デュースに持ち込まれるも、しっかりとキープしてゲームセット。下村・高木ペアは、6ー0、6ー2のストレートで法大のD1を下した。

フォアハンドが光った高木

 

  D2    

有本響(総3・慶應)・菅谷優作(法3・慶應)

〇2{6ー0、6ー2}●0            

田嶋晴太朗・松本薫       

D2の有本・菅谷ペアは、第1ゲームで法大のポーチやアングルボレーに苦戦し、法大ペアのキープから試合がスタート。第2ゲームは、ストレートを抜くアレーコートへのリターンエースや慶大のアンフォースエラーで法大ペアに2度のブレイクポイントを握られるが、最後は菅谷がサービスで意地をみせ、このゲームをキープする。第4ゲーム以降は、有本・菅谷の強みである”壁”のような前でのボレーやスマッシュが炸裂。ネットプレーで相手にプレッシャーをかけてミスを誘い、第5ゲームをブレイクして3ー2。第7ゲームは、有本のリターンでのアングルショットや菅谷のエッグボールでブレイクのチャンスを演出。8度のデュースを経て、最後は相手のダブルフォルトでこのゲームを勝ち切り5ー2。続く有本のサービスゲームを危なげなくキープし、6ー0、6ー2でD1同様にストレート勝ちを収めた。

この日はダブルスのみの出場だった有本

 

  D3     

脇坂留衣(環4・興國)・眞田将吾(環2・四日市工業)

〇2{6ー0、7―5}●0               

寺島拓斗・永井優輝        

D3の脇坂・眞田ペアは、立ち上がりからボレーでのミスが目立ち0ー40と第1ゲームから相手にブレイクポイントを握られるが、一気に逆転して1ー0。2ー2で迎えた第5ゲームでは、法大ペアのリターンエースなどが光り、1ブレイクダウン。それでも、直後のゲームで眞田のボレーや相手選手の足元をつくコントロールショットですぐさまブレイクバック。3ー3のイーブンとする。続く脇坂のサービスゲームは、デュースに持ち込まれて何度も法大にブレイクポイントを握られるが、脇坂のバックサイドでのパッシングや眞田のポーチで第7ゲームをキープする。その後も、両者譲らぬ一進一退の攻防が繰り広げられる中、脇坂がサーブで崩して眞田が前衛で決め切るなど慶大ペアが良い形でポイントを重ね、7ー5で第2セットを奪取。D3も6ー0、7ー5のストレートで法大ペアを下し、慶大はダブルス全3本で法大にストレート勝ち。ダブルス3ー0で、シングルスへと弾みをつけた。

ポイント間に話し合う脇坂・眞田(左から)

 

♢シングルス♢

大会規定により、法大の1セットダウンで試合開始

 S3

ジョーンズ怜音(総1・第一学院四日市)   

〇2{6-0、6ー2}●0

原田悠仁

S3は、9月入学のためにリーグ戦初出場のジョーンズ。第1ゲームからデュースに持ち込みブレイクポイントを握ると、強烈なフォアハンドを叩き込んでガッツポーズ。幸先良くブレイクに成功する。そして、国際大会への出場経験も豊富なジョーンズは、その実力を遺憾無く発揮。第2ゲームではサービスエースを連発し、危なげなくこのゲームをキープする。さらに、積極的なネットプレーで相手にプレッシャーをかけてミスを誘うなど、ポイントを積み重ね、立ち上がりから3ゲームを連取。その後は2ゲームを返されるも、テンポの良い打ち合いを制し、6ー2でゲームセット。6ー0、6ー2で、リーグ戦初出場を勝利で飾った。

9月入学でリーグ戦初出場のジョーンズ

 

 S5

脇坂留衣(環4・興國)

〇2{6−0、6ー1}●0

山田麗生   

S5の脇坂は、ここまでリーグ戦のシングルスに全試合出場し2勝1敗。この試合に勝利し、さらに勝ちを伸ばしたいところ。第1ゲームからブレイクに成功すると、危なげなく3ゲームを連取。直後の脇坂のサービスゲームこそブレイクを許したものの、終始相手を圧倒。ラリーの中では強打をスライスで凌ぐなど、低い軌道のストロークで相手のミスを誘い6ー1でゲームセット。試合が法大の1セットダウンで始まったことを踏まえても、1セットの中で脇坂が落としたゲーム数はわずか1。S5の試合時間はわずか39分と、脇坂の圧勝だった。この試合が終了した時点で、慶大がダブルス3本、シングルス2本を勝ち取り、慶大の勝利が確定した。

シングルスの失ゲーム数はわずか“1”の脇坂

 

 S4

眞田将吾(環2・四日市工業)   

〇2{6-0、7ー6(11)}●0

橋本圭史  

S4は、シングルスでまだ勝ちがない眞田。互いにキープでゲームを重ね、3ー3で迎えた法大・橋本のサービスゲーム。サーブで崩され0ー40と3ポイントを追う展開から、眞田が粘りをみせてデュースに持ち込むと、最後は角度のついたドロップショットが綺麗に決まりブレイクに成功する。しかし、5ー4で迎えた眞田のサービスゲームで相手にブレイクを許すと、そのまま相手に押されて6ー6のタイブレークにもつれ込む。タイブレークは、双方がスライスやスピンをうまく使い分けながら、ラリー戦を繰り広げる。一時は4ー2で眞田がリードするも、3連続失点で4ー5。それでも5ー5の同点以降、両者一歩も譲らず9ー9、10ー10、11ー11とポイントを重ねる中で、法大・橋本のダブルフォルトが目立ち始める。徐々に流れを掴んだ眞田は、左右にコートを広く使って相手を振り回し、甘く入った浮き球をドライブショットで決め切り12ー11。そして、長いラリー戦の末に、眞田の粘り勝ちで13点目を奪いゲームセット。6ー0、7ー6(11)で、チームに6勝目をもたらした。

シングルスでは初勝利の眞田

 

 S6

 安藤凱(法1・慶應)   

〇2{6ー0、4-6、7ー6(8)}●1

松崎稜太朗  

S6は、1年生ながらリーグ戦のシングルスは全試合に出場している安藤。序盤からラリー戦となったS6の試合は、4ー5で迎えた安藤のサービスゲームで相手にブレイクを許し、第2セットを4ー6で落とす。最終第3セットは、法大・松崎のコースをついたリターンやサーブなどが光り、徐々に相手のペースに呑み込まれてしまう。2ー2から3ゲームを連続で落とし、2ー5と後がなくなる。そんな中でも、安藤は落ち着きを失わず、脅威的な粘り強さをみせる。安藤はサーブから、前に前に、しっかりとコートに入って相手にプレッシャーをかけ、良い形で4ゲームを連取し6ー5。しかし、法大・松崎も簡単には勝たせてくれず、試合はタイブレークに突入する。タイブレークでも、5ー5、6ー6、7ー7と両者譲らず、白熱した展開に。一点を追うごとに、両校の応援にもより一層熱が入る。迎えた8ー8の場面、安藤が相手のバックハンドをつくダウンザラインで相手を走らせると、対角をつく完璧なドロップショットを沈めて安藤にとって3度目のマッチポイントに。そして、最後は安藤がサービスから前に詰めてボレーで決め切り、ゲームセット。6ー0、4ー6、7ー6(8)で、安藤が熱戦を制した。

活き活きとテニスをする姿が印象的だった安藤

 

  S2

 菅谷優作(法3・慶應)   

●1{6ー0、4-6、1ー6}〇2

寺島拓斗

S2は、今季のリーグ戦では明大戦のダブルス以外で負けがない菅谷。序盤から菅谷の強烈なフォアハンドや、バックハンドのダウンザラインが炸裂するも、法大・寺島のリターンエースなどに崩されると、いきなりブレイクを許して0ー2。それでも直後のゲームでブレイクバック。第4ゲームをキープして2ー2のイーブンとする。そして4ー4から相手がサービスゲームをキープして4ー5。さらに菅谷のアンフォースエラーが重なり、再びブレイクを許して4ー6で第2セットを落とす。相手のサービスゲームで始まったファイナルセットは、強烈なサーブで意地をみせ1ー1とするが、流れを掴めず。そのまま、6ー0、4ー6、1ー6で法大・寺島に敗れた。

フォアのドライブショットを打つ菅谷

 

 S1

 下村亮太朗(法4・慶應)

●1{6ー0、3-6、5ー7}〇2

新井翼   

S1は、ノータッチエースをとれるサーブとバックハンドが強みの下村。この試合も、サービスエースやサーブで崩してから、アプローチ、ボレーという良い形で着実にポイントを重ねて3ー3。しかし、下村のダブルフォルトから始まった第8ゲームで相手にブレイクを許すと、そのまま第9ゲームもキープされ3ー6でこのセットを落とす。他の試合が全て終了し、両校の部員をはじめ会場全員が見守る中で迎えたファイナルセット。互いにキープしながらも、サービスでのノータッチエースやトップスピンのかかったロブ、ドロップショットなど、随所で下村の技巧が光る。第4ゲームでは、バックハンドのリターンエースやダウンザラインなど、正確なコースをついたストロークでブレイクに成功。3ー1とリードを広げる。しかし、相手のブレイクなどもあり5ー5とされると、激しいラリー戦の末に直後の第11ゲームを落とし5ー6。続く相手のサービスゲームをラブゲームで落とし、6ー0、3ー6、5ー7で惜しくも法大・新井に敗れた。

下村のサーブでのノータッチエースは圧巻

 

                                    (取材:長掛真依)

 

♢選手コメント♢

主将・下村亮太朗選手(法4・慶應)

ーー法政の1セットダウンからでしたが、ダブルスは今季初勝利です

去年のインカレインドアで準優勝して、チームの柱となっていかないと、と自覚はしていたんですけど、なかなか結果が今シーズンは出なくて。リーグ戦も1戦目の筑波戦も2ー1で勝てそうなところで勝ちきれなくて、流れに乗れなくて。ずっと苦しい時間を過ごしていたんですけど、形はどうであれしっかり勝ち星をつけられたというところは良かったかなと思います。

 

ーーシングルスは競った展開でしたが、振り返っていかがですか

ちょっと身体がしんどい部分もあって、去年のリーグ戦では4ー4で(勝敗が)かかった時に勝った相手だったので、今年もしっかり勝ち切りたかったんですけど。今回は残念でしたが、しっかり日大戦に切り替えてやっていきたいなと思います。

 

ーーサーブやバックハンドでポイントを重ねている印象でしたが

自分の得意なプレーで攻めていこうというところもあって。サーブとバックハンドという得意なプレーが決まらなくて、なかなかポイントが取れなかったので、日大戦までにそこは修正していきたいなと思います。

 

ーーここまで第4戦を終えて2勝2敗ですが、戦いぶりを振り返って

1戦目の筑波戦も勝つチャンスがありましたし、明治戦は本当に勝たなければいけない相手に対して勝ちきれなくて、やはり悔いの残る戦いやもったいないところはあるんですけど、そこは仕方ないので、切り替えてやっていきたいと思います。

 

ーーラスト・強敵の日大戦への意気込みをお願いします。

日大戦に勝てば王座に出場できるチャンスがまだあるので、それをしっかり信じて仲間たちと最後まで戦っていきたいなと思います。

 

 

眞田将吾選手(環2・四日市工業)

ーーダブルスを振り返っていかがですか

1stセットは6ー0で色々アクシデントはあったんですけど、それに惑わされずに自分たちのプレーができたかなというのはあって。このリーグ戦が始まって、ダブルスでは2敗していてあまり良い流れではなかったんですけど、その中でも自分たちができるプレーをしっかり2人で合わせてできたのが良かったのかなと思います。

 

ーーシングルスは、第2セットでタイブレークの競った展開でしたが

前の明治戦でも、ファイナルセットで最後のタブレークであと1点取るか取らないかのところで負けてしまって、本当にそこで悔しい思いをしたので。その分、今日は思った以上に競ったんですけど、最後しっかり勝ちきれたことは次の日大戦にも繋がるかなと思っています。

 

ーー勝因はどこにあると思われますか

やはり、強気なプレーを意識してやれたことですかね。

 

ーーラスト・強敵の日大戦への意気込みをお願いします

シングルスに出るかは分かないんですけど、まずはダブルスでチームに勢いをつけて、チームで全勝する気持ちで頑張りたいと思います。

 

 

安藤凱選手(法1・慶應)

ーー法大の応援も背に白熱した試合内容でしたが、シングルスを振り返っていかがですか

相手の応援も結構大きな拍手とかはあったんですけど、相手は相手なので、それほど気にしていなくて。自分たちの応援や味方を信じて集中していたので、そこまで気にならなかったです。試合内容としては、中盤はかなり自分が引いてしまう場面もあったんですけど、後半は最後の大事な場面で自分を信じて攻めきれたので、それが勝ちに繋がったのかなと思います。

 

ーー1年生ながらシングルスは全試合に出場してきましたが

1年生なので緊張はあまりしないで、のびのびと自分のテニスを発揮して周りに良い影響を与えるというか、エネルギーを与えるということを常に意識しているので。それほど気負わず、自分のテニスをしようという感じで常にやっています。

 

ーー「自分のテニス」という言葉がありましたが、ご自身の強みを教えてください

強みは、フォアのクロスのエッグボール。相手を下げられるボールを作った中で、バックのストレートやフォアの逆クロスで展開して、どんどん前に行くというのが自分の強みなのかなというふうに思います。

 

ーーラスト・強敵の日大戦への意気込みをお願いします

日大、相手は強いんですけど。相手を気にするというよりも、自分たちが今できることを最大限発揮したら結果はついてくると思うので。仲間を信じて、自分を信じて、最後まで一本でも諦めずに自分たちの、チーム慶應のテニスを見せられればいいかなというふうに思います。

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