秋リーグも4戦目に突入し、もうすぐ折り返し。慶大は、1部最速復帰に向けて負けられない戦いが続く。試合は、OH・入来晃徳(環3・佐世保南)を中心にポイントを重ねて25ー23で第1セットを勝ち取ると、続く第2セットではOH・内田克弥(環4・松江高専)がオールラウンダーの実力を発揮。内田が攻守で存在感を放ったほか、MB・松山鼓太郎(商2・慶應)のブロックも光り、25ー18で慶大が2セットを連取。しかし、慶大のサーブレシーブでのミスに加えて、クイックを中心とした立大の時間差攻撃に呑み込まれ、第3、第4セットを連続で落として試合は想定外のフルセットに。絶対に落とせない第5セットだが、立大の勢いを止められず手に汗握る展開に。11ー10から立大に4連続ポイントを許し、3点ビハインドで相手にマッチポイントを握られる。1点も落とせない慶大は、内田のスパイクでまずは12ー14。ここで、1年生ながら早慶戦でも活躍したL・緒方哲平(環1・日向学院)がピンチサーバーとしてコートに入る。そして、主将のOH・渡邊大昭(商4・慶應)のスパイクと相手のミスで同点に追いつくと、S・山口快人(経2・慶應)、MB・芳賀祐介(環4・札幌北)のブロックポイントで16ー14。慶大が5連続ポイントで意地をみせ、開幕4連勝を飾った。
2024年9月15日(日)
秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦
第4戦 慶大×立大
@大東文化大学東松山キャンパス
得点 | ||
慶大 | セット | 立大 |
25 | 1 | 23 |
25 | 2 | 18 |
17 | 3 | 25 |
22 | 4 | 25 |
16 | 5 | 14 |
出場選手 | ||
ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
OH | 11 | 入来晃徳(環3・佐世保南) |
OH | 12 | 内田克弥(環4・松江高専) |
MB | 8 | 芳賀祐介(環4・札幌北) |
S | 6 | 山口快人(経2・慶應) |
OH | 1 | 渡邊大昭(商4・慶應) |
MB | 22 | 稲井正太郎(法1・慶應) |
L | 4 | 今田匠海(政1・慶應) |
途中出場 |
|
|
MB | 9 | 松山鼓太郎(商2・慶應) |
S | 15 | 久保田健介(商3・慶應湘南藤沢) |
L | 3 | 緒方哲平(環1・日向学院) |
OH | 2 | 清水悠斗(総1・習志野) |
第1セットは、入来晃徳のサービスエースもあり2ー0と順調な滑り出しをみせるが、立大の時間差を駆使した攻撃にタイミングを崩され競った展開に。それでも、入来や内田克弥のスパイクなどでリードを保つ。セット中盤には、慶大のサービスミスから相手の4連続ポイントで12ー13と逆転され、慶大はタイムアウトをとる。慶大応援の「もう一回、やり直し!」という声と共に試合が再開。タイムアウト明けには、主将・渡邊大昭のフェイントで同点に戻すと、チームのムードメーカー・松山鼓太郎がコートイン。松山がサーブで相手を崩すと、S・山口快人のツーアタックで14ー13。再びリードを取り戻す。入来を中心に得点を重ね23ー19とするが、慶大のミスが目立ち23ー22の1点差に。追い込まれた中でも最後はMB・稲井正太郎(法1・慶應)が決め切り、25ー23で第1セットを勝ち取った。
第2セットも競った展開となるが、渡邊大昭の強烈なレフトスパイク、慶大の“オールラウンダー”内田克弥の攻守での活躍が光る。6ー6以降は、慶大の3連続ポイントで9ー6と立大をつき離し、途中出場のMB・松山鼓太郎もブロックでポイント。パスが乱れ、一時は1点差に迫られる場面もあったが、MB陣の粘り強いブロックや入来晃徳のスパイクでしのぎ20ー15。20点以降は、内田のスパイクやサービスエースで着実に得点を重ねる。慶大のセットポイントでは、山口快人がスパイクの軌道を見極めてブロックの手を降ろすと、スパイクはアウトの判定に。山口の好プレーもあり、25ー18で慶大が2ゲームを連取する。
ストレートで立大を下し開幕4連勝としたい慶大だが、クイックを中心とした立大の時間差攻撃に苦戦。序盤から相手に主導権を握られ、リードを許す展開に。慶大は、内田克弥のレフトスパイクなどで追い上げを図るも、1点だった立大との点差は2点、3点と徐々に開いていく。さらに、サイドアウトやパスの乱れで3連続ポイントを許して11ー16の5点ビハインドを迎えると、ここで慶大がタイムアウト。相手の流れを断ち切りたいところだが、慶大のパスの乱れに加えて、レシーブ力のある立大が慶大のスパイクに対応し始め、相手のペースに呑み込まれてしまう。7点に開いた点差が大きくのしかかり、17ー25で第3セットを落としてしまう。
フルセット突入は避けたいという慶大の心境とは裏腹に、第4セットも立大のクイックに翻弄されてしまう。慶大のサービスミスも目立ち、6ー9の3点ビハインドで慶大がタイムアウト。相手の流れを断ち切れないまま、第3セット同様に10ー15と5点を追う展開となり、慶大が早くも2回目のタイムアウトをとる。なかなか点差が縮まらない中でも、相手のサービスミスを契機に途中出場の清水悠斗(総1・習志野)のスパイクや山口快人のサービスエースで19ー21の2点差とすると、たまらず立大もタイムアウト。ここから一気に追い上げを図りたいところだったが、立大の勢いを止めることは出来ず。22ー25で第4セットも落とし、勝敗は運命のファイナルセットに託される。
絶対に負けられない慶大と、勢いに乗る立大。第5セットも、両者譲らず手に汗握る展開となる。主将・渡邊大昭や内田克弥のレフトスパイクでポイントを重ねながらも、やはり時間差を絡めた立大の攻撃にブロックが対応しきれず。さらに、立大のディグの対応力も相まってラリー戦に。そして、両者均衡したまま10点台に突入し、迎えた11ー10の場面。相手の時間差攻撃を前にブロックが機能せず、慶大はタイムアウト。それでも立大の勢いを止められない慶大は、相手に4連続ポイントを許し11ー14。3点ビハインドで、立大のマッチポイントを迎える。1ポイントも落とせない慶大は再びタイムアウトをとり、一人一人がやるべきことをチームで確認する。慶大に残された道は、最低でも3ポイント連取で同点に追いつくこと。勝つためにはそれ以上のポイントが求められる。そして、部員たちも肩を組み祈るような気持ちで見守る中、迎えたタイムアウト明けの1本目。ここぞの大一番で、内田が持ち味の強烈なレフトスパイクを決め切り、まずは1ポイント。12ー14の場面では、早慶戦などプレッシャーのかかる場面でも活躍をみせた緒方哲平(環1・日向学院)が、この日もピンチサーバーとしてコートに投入される。緒方が相手コートにしっかりとサーブを収めると、L・今田匠海(政1・慶應)が繋ぎ、渡邊のスパイクで13ー14。直後のポイントでは、相手のスパイクがアウトになり慶大が3ポイント連取に成功し、14ー14の同点に追いつく。さらに次のポイントでは、緒方がサーブで相手を崩すと、S・山口快人が1枚で相手のスパイクを止め15ー14。流れを大きく引き寄せる山口のブロックで、慶大がマッチポイントを迎える。そして、再び緒方のサーブでプレーが開始すると、ここまで苦しめられてきた立大の時間差を絡めたクイックを芳賀祐介(環4・札幌北)が1枚で仕留めてゲームセット。緒方のサーブ、そして全員の気持ちで繋いだ意地の5連続ポイントにより、16ー14で開幕4連勝を飾った。
苦しい試合展開の中でも、リザーブメンバーやスタッフをはじめ、チーム全員で声を掛け合って戦う姿が印象的だった。タイムアウトやセット間に入ると、平山一之心(商3・甲南)がミスをした選手に駆け寄って声をかける姿も。4戦目にして苦しい戦いとなったが、今回の勝利を自信に、課題を成長に変えて、残りの試合も“塾バレー部らしく”戦い抜いて欲しい。
(取材:長掛真依)
▼以下、コメント
星谷健太朗監督
ーーフルセットにもつれ込みましたがなんとか勝ち切りました、試合を振り返って
昨日に引き続き連戦ということでしっかりと自分たちの良い状態で準備しようというところで臨んで、そこは十分良かったと思うのですが、立教さんの一人一人が上手で最後の運をもぎ取って勝ち取った、そういう試合だったんじゃないかなと思います。皆さんの応援のおかげで勝てたと思います。ありがとうございます。
ーー第3セット以降で崩れてしまった要因は
サーブレシーブが返らなくなってしまったことだと思います。
ーー追い込まれながらも、最後に勝ち切れた要因は
最後みんなが諦めそうなところで、L・緒方哲平がしっかりとサーブで繋いで相手のミスを誘った、そこが勝負の分かれ目だったのかなと思います。
ーー緒方哲平選手は、今年の早慶戦でも相手のセットポイントなど大事な場面でピンチサーバーとして起用されていましたが
彼ならできるなと信じての起用です。メンタルもそうですし、技術としても。技術がないと空回りしてしまうので、技術もあるしメンタルもあるということで、彼しかいないと思って託しています。
ーー第4、第5セットは選手たちにどんな声をかけていらっしゃいましたか
想定以上に相手にやられている中で、どうしても負けを意識してしまってだんだんとやることが固定化されてしまっていたので。そこは我々の原点である“楽しくやろうよ”というところと、プレーとしては相手が良いパスを返した時のクイックをからめた攻撃(での失点が多かった)だったので、そこに対してのブロックのつき方を、アナリストと考えを擦り合わせながら指示を出しました。
ーー春リーグの成績が下位のチームから順に当たっていますが、相手が強くなってきているという感覚はありますか
あまりそこは感じていなくて。それぞれのチームにそれぞれの特徴があると思います。一人一人がうまい選手が揃っているのが2部リーグだと思うので、どこが下位とかというのは紙一重のところなんじゃないかなと思います。
ーー次戦・青学大戦に向けてどう調整していきたいか
まずは疲労をしっかりと回復させて、また良いコンディションで試合を迎えられるように頑張りたいと思います。課題についてはたくさんありますが、優先順位をつけて克服して、さらに成長できるようにやっていきたいなと思います。
内田克弥選手(環4・松江高専)
ーーフルセットにもつれ込みましたがなんとか勝ち切りました、試合を振り返って
これが実力かなと思います。ただ、バレーボールはミスのスポーツなので。最後にミスをせず、相手のミスを待てたから勝ち切れたのかな思います。
ーーレフトスパイクやキャッチでチームを支えていましたが、ご自身のプレーとしてはいかがですか
スパイクは、相手は2枚ブロックが来ていて、最後は止められてしまったんですけど、オーソドックスに打ったり、落としたり、緩急をつけたスパイクが打てて良かったです。サーブレシーブに関しては、僕以外の入来や清水のカバーの仕方はもう少し考えていかなければいけないなと思います。
ーーここまで4戦を終えてもう直ぐ折り返しですが、手応えは
先週までは自分のプレーというところが出ていなかったのかなと思うんですけど、だんだん2部についても分かってきて。これから、どんどんチームとしても上がっていけるんじゃないかなと思います。
ーー次戦・青学大戦に向けてどう調整していきたいか
やはりサーブレシーブのカバーや返球率を改善するというのと、2部は時間差を絡めた攻撃が多くてそれにやられてしまったので、そこに対応できるようにブロックも修正していきたいなと思います。
山口快人選手(経2・慶應)
ーーフルセットにもつれ込みましたがなんとか勝ち切りました、試合を振り返って
1、2セット目は連取できたんですけど、3、4セット目を取られてしまって。チームとして少し焦ってはいたんですけど、なんとか勝ち切れて良かったのかなと思います。
ーー勝ち切れた要因は
個人のプレーとしては、自分のサーブが結構入っていたので。そういった、自分の良いところを活かして、うまく自分のリズムで試合を展開することができました。
ーーファイナルセットでは、15ー14と勝利を大きく引き寄せるブロックポイントもありましたが
4セット目はブロックでなかなか触れていなかったので、(ファイナルセットの局面では)待っていただけなんですけど運良くブロックできて良かったです。
ーー夏の期間も経て、セッターとして成長や変化は感じていますか
あまり自信はないですけど、春リーグよりはセッターとして戦えていたのではないかと思います。
ーー終盤、トスを上げる際に意識していたことは
克弥さん(=環4・内田克弥)が(慶大の)着火剤みたいなところがあるので、克弥さんに託そうという思いはありました。
ーー次戦・青学大戦に向けてどう調整していきたいか
今日みたいな試合が続くかもしれないですけど、自分たちのやるべきことをチームで確認して。あとは、身体のコンディションもそうですし、気持ちのコンディションもしっかり整えて次戦に挑みたいなと思います。