体育会レスリング部の創立90周年祝賀会が9月21日、銀座の交詢社で行われた。会場にはOBOGや他大学レスリング部監督、レスリング協会関係者や慶應高校レスリング部のほか、パリ五輪レスリング女子68キロ級で銅メダルを獲得した尾﨑野乃香(環4・帝京)も出席した。
銀座の交詢社を貸し切って行われた祝賀会には総勢90名が集まり、思い出話に花を咲かせていた。尾﨑が舞台に上がると会場内から大きな拍手が送られた。尾崎に続いたのは高校レスリング部主将・岡澤ナツラ(3年)。高校レスリング部は今年4月に行われた令和6年度関東高等学校レスリング大会県予選において出場した部員5人全員が各階級で優勝した。続く5月には令和6年度県高校総体レスリング競技の学校対抗戦において57年ぶりに優勝する快挙を達成。さらに6月に行われた第70回関東高等学校レスリング大会においても57年ぶりに優勝を決めるなど今波に乗っている。中でも岡澤は昨年行われたアジア・ユース大会で優勝、今年8月のインターハイでも優勝し塾高レスリング部の躍進に大きく貢献している。
♢コメント全文♢
尾﨑野乃香(環4・帝京)
みなさんこんにちは。本日はこのような90周年祝賀会に来ることができて本当に嬉しく思っています。そしてみなさんもお集まりいただきありがとうございます。私は今回パリオリンピックに出場して銅メダルを獲得することができました。本当にみなさんのおかげだと心から思っています。ですが、やはり金メダルを獲得したかったという思いはすごく強くあります。今までの頑張りを否定したくはないですが、金メダルへ届かなかったということを重く受け止めてこれからの4年間しっかり頑張っていきたいと思っています。私がここまで来るには自分だけの力で到底及ぶことはなくて、本当にみなさんの支えがあったからです。練習環境の部分でも神奈川大学の吉本監督であったり、東洋大学や韮崎工業高校に行かせていただいたりと沢山の方のおかげで私は今ここに立っていると思っています。本当に72年ぶり、北野先輩(北野祐秀選手:1952(昭和27年) ヘルシンキオリンピックでフライ級銀メダルを獲得)以来のオリンピックでメダルを取ることができて本当に嬉しく思っています。私は次のロサンゼルスオリンピックに向けて頑張ると決めているので今後とも応援よろしくお願いします。ありがとうございました。
岡澤ナツラ(3年)
慶應義塾高校レスリング部の主将を務めさせていただいております、岡澤ナツラです。本日は90周年祝賀会にお集まりいただき誠にありがとうございます。90周年という長い歴史は、数多くの選手の努力やOBの方々の熱い情熱によって支えられてきたものであると僕は思います。塾高レスリング部の今季の活動は4月に行われたJOC杯でカテゴリーを問わず全員が3位入賞という結果からスタートしました。そして5月に行われたインターハイ県予選では57年ぶりに本戦への団体戦出場を決め、翌月行われた関東大会ではポイント制の団体戦で57年ぶりに優勝することが出来ました。また、8月に行われたインターハイでは学校対抗戦では3回戦で昨年全国2位の自由ヶ丘学園に3-4で惜敗してしまい、自分たちの目標であった全国制覇を成し遂げることはできなかったのですが、個人戦では3年生である自分(岡澤)と瀧澤勇仁が決勝進出を決めて、14年ぶりに優勝することが出来ました。インターハイの団体戦であったり、さまざまな国際大会への参加であったり、諸外国への遠征であったりといろいろな経験が出来たのはスカウトをしていただいた吾田さん(前監督)や現監督である大山さん、顧問である宮阪先生、そして手稽古を受け入れていただいている各大学関係者の方々やOBの方々のご協力のおかげであると考えています。結びになりますが、10月に行われる国スポでは自分たちの代で行われる最後の大会になるので、自分と瀧澤は二階級制覇を成し遂げ、未来のレスリング部にいいバトンを渡せるようこれからも日々の練習に努めてまいります。ご清聴ありがとうございました。
(記事、写真:塩田隆貴、岡里佳)