【男子ラクロス】快勝もFINAL4へ課題残す/横国大戦

廣田らDF陣の攻撃参加も目立った

東大戦の悔しい敗北から3週間、慶大はリーグ戦最終戦となる横国大との対戦に臨んだ。 格下相手ということもあり控え選手主体でメンバーを組んだが、結果はもちろん内容が求められる試合だった。しかし慶大は序盤パスミスが相次ぎ流れに乗ることができず、中盤以降持ち直したものの、終わってみればスコアは15-7。目標としている20-10には届かず。FINAL4進出は果たしたものの、攻守両面で課題の残る試合となった。

関東大学ラクロスリーグ戦1部Bブロック

2011/10/11 9:30F・O@大井第二球技場

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q
慶大 15
横国大
 

1Qに3連続得点を挙げた平子

勝てばFINAL4進出が決まるこの試合、格下相手ということもあり慶大は大幅にメンバーを入れ替えて試合に臨んだ。前半序盤「いつもとは違うメンバー」(平子)での戦いの中、連携面で苦しみ、ミスを連発し先制点を許してしまう。それでも直後の4分にはAT平子(政4)が技ありのゴールで同点に追いつくと、7分、10分にも平子が決めて慶大がリードを奪う。そのままリードを広げたい慶大だったが、自分たちのミスで勢いのある攻撃を繰り出すことができない。13分のチャンスを相手ゴーリーに防がれてしまうと、15分、18分にはパスミスでチャンスを逃してしまう。1失点に抑え、激しいプレスでボールを奪っていった安定感のある守備陣とは対照的に不安定な攻撃陣はそのまま追加点を奪うことが出来ず、3-1で1Qを終了する。

2Qは開始早々MF粟田(経3)のゴールから慶大がボールを支配する。しかし前半同様ボールは支配するも、パスミスを連発しうまくシュートまで持っていくことが出来ない。逆に9分には横国大にロングシュートを決められ1点を返されてしまう。直後に慶大はタイムアウトを取ると「1つ1つのプレーに集中する」(平子)ということを再確認。そしてこのタイムアウトをきっかけに流れが変わる。ここまでほとんど見られなかったミドルシュートや、クリースの背後のスペースをうまく使った攻撃などが見られるようになり相手ディフェンスを苦しめる。10分にMF大山(経3)がゴールを奪うと、14分には平子が一人で持ち込み6-2とする。17分にもAT末永(商3)の華麗なダイビングシュートでゴールを奪った慶大はその後も追加点を奪い、8-2で前半を終えた。

突破を図る大山

迎えた3Q、目標としている20得点に向けて得点を量産したい慶大は5分に平子のゴールで幸先良くゴールを奪うことに成功する。このままリードを広げたいところだったが、横国大の反撃を受け始める。まず10分にゴール前からきっちり決められると、12分にはゴーリーの飛び出した後の無人のゴールにシュートを決められスコアを9-4とされる。その後は、再び慶大がペースを握り幾度となくチャンスを作り出していくが、相手ディフェンスに阻まれてゴールを奪うことができず、9-4で最終クオーターに突入する。4Q自分たちの目標スコアに向けて集中したい慶大だったが、前半同様パスミスが相次ぎうまく攻撃を仕掛けていくことが出できない。さらに、「ディフェンスがもっとボールを奪うべき」(DF廣田・商3)と振り返るように、前半は安定していた守備陣も相手から中々ボールを奪うことが出来なくなる。それでも平子や大山らの個人の力で得点を重ねていくが、対する横国大も慶大のミスに付け込み得点していく。18分にはディフェンス陣が完全に崩壊しこのクオーター3点目を決められる。終了間際にはカウンターから慶大らしいプレーで末永が1点を追加するが、時間も残り少なくここでタイムアップ。15-7で試合を終えた。

格下相手に15-7と圧勝を収めたとはいえ、内容面では乏しい内容で終わった慶大。控え主体のチーム構成とはいえ、目標としている20-10というスコアにも届かなかった。因縁の相手早稲田やリーグ戦唯一の黒星を喫した東大など、互角以上の相手にしっかりと勝っていくためには、主力の力のみならず控え選手たちの充足も大事な要素となってくる。平子選手は「1つ1つのプレーに集中し1個1個勝負に勝っていく」ということをチームの課題として挙げているが、こうした課題点を、主力メンバーだけでなくチーム全員がしっかりと意識して、FINAL4でもう一段レヴェルアップした慶大が見られることを期待したい。

                               By Daiki Ishizuka 

コメント

平子

(今日の試合を振り返って)いつもとは違うメンツで戦う中でチームとして細かいところ、そのミスの後に取り返すところ、相手より早く動き出してパスをだしシュートまで持って行って決めきるところを東大戦から意識してやっていまして、今回の面子でも心がけていたんですが、やはりまだまだ甘いなというのが印象です。(前半パスミスが目立ったが)いつもやってたメンバーとは違う組み合わせでやっていたこともあって、最初にそういうミスが起きるなということは想定してやっていたので、個人としてはいつもより足を動かしてパスをもらう距離を縮めたり、あと落ち着いてプレーするということを常に心がけるように意識していました。(2Q中盤から流れが良くなったが)いつも使ってるフォーメーションの片一方をスイッチして使ったんですけど、やはりそれ以外にも監督の方から一個一個のプレーに対して集中してやるというところを声かけていただいて、そういうところを意識してタイムアウトの後プレーできたというところが少し変化につながったんじゃないかと思います。ミドルシュートが増えたのも、一人一人がゴールに向かうという全体としての意識を持ち続けてきたことなのですが、それを一層意識したことだと思います。(最終的なスコアは)20-10で勝つということを目標にしていたので、やはりまだまだ足りないなと。そういうところの中で一本一本シュートを決めきるっていうところがまだまだ甘いのが、5点のところに現れたんじゃないかなと思います。(リーグ戦を振り返って)やはり技術の面以外の一つ一つのプレーに集中してやるであったり、目の前の相手に一個一個の勝負に勝つというところがチームとしてまだまだできていないので、リーグ戦を通してそこのところをFINAL4へ向けてやっていかなきゃなと思います。(FINAL4へ向けて)東大戦で勝てなかった要因というのは、一つ一つのプレーに集中し一個一個の勝負に勝つということでチーム全体の認識として持っているのでそこのところを徹底してやっていくことでFINAL4は絶対勝ちたいと思います。

廣田

(今日の試合を振り返って)主力がベンチ入りしないで横国戦を戦って、勝ちきれたことはすごく良かったです。ただ、勝ちきれたことは良かったんですけど、内容としては目標スコアに達していないのと、個人が社会人に対して通用するプレーが出来ていたかというとそうでもないので。個人でもチームでも課題は明確になっているので、今後の練習で集中していきたいと思います。(具体的にどのような課題がありますか)FINAL4や今後試合が続いていくうえで、一つ一つのプレー、パスやシュートのミスが全部引退に直結してしまうと思うので、精度を上げていきたいと思います。(後半の失点について)失点に関しては試合を通して7点なので想定の範囲内なんですけど、もっと失点どうこうよりも相手のゴールに近く高い位置で奪えないと前線につながらないので、オフェンスの点が足りなかった部分は、オフェンスが決めきれなかっただけではなくディフェンスがもっとボールを奪うべきだったと思います。(今までのリーグ戦の振り返りと、FINAL4への意気込みをお願いします)接戦が出来たのが東大戦しかなくてそこで強い相手に対して勝ちきれなかったので、FINAL4も接戦になると思うので、接戦での精神力やプレーの精度を今後もっと上げていきたいと思います。ここからは本当に負けが許されなくて、負けたらもう引退なので、試合に勝ちきることは大前提として、あとは東大には決勝で絶対にリベンジしたいと思います。

石黒

(試合を振り返って)主力が抜けた中でどれだけ戦えるかが今日の課題だったと思います。僕らみたいな主力ではない選手、今まで主力の選手に頼って戦ってきたことを再確認させられました。(主力選手がいない中で意識したことは)僕らは上手いわけではないので、ゴールへ向かっていこうとシュートを狙って行きました。それもあまり入らなかったんですけど、そういう姿勢でいくのが良いと思ってやっていきました。(2Q途中のタイムアウトからチームの攻め方が変わった印象があるが)チームとしての目標のグラウンドボールやスコアに達していなかったので、監督から「それをFINAL4で出すのか」と言われました。そこで相手を舐めていたのがあるのかと思って、修正しました。(パスミスが多かったが)みんな浮足立っていたというのが僕を含めてあったと思います。繋がらなかったのは主力がいないのとはまた違った雰囲気でしたね。FINAL4とかだったら主力でも、もちろん僕らでもそういったことはあると思うので、それを経験できたのは大きいと思います。(リーグ戦を通して出た課題は)自分で点を取れなかったことですね。シュートを決めきれないことです。チームとしては弱い相手には得点を付けて勝てるんですけど、東大に接戦で負けてしまったのはチームの弱さで、その弱さの原因は僕らみたいな主力以外の弱さでもあると思います。そこをどうにかしたいと思います。(FINAL4に向けて)リーグ戦では全然点を取れなかったので、リーグ戦ではFINAL4ではもっと点を取れるように狙っていきたいと思います。

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