【What is ○○部?】勝利にこだわる2025年に 新体制が語るバスケ部の魅力/File.12 バスケットボール部男子

バスケ男子

慶大の体育会を深掘りしていく連載企画、「What is ○○部?」。第12回はバスケットボール部男子!今回ケイスポはバスケットボール部主将・廣政遼馬(経3・福大大濠)、副将・椎橋遼生(政3・國學院久我山)、島本海丸(総3・正智深谷)、そして主務の江畑尚音(経3・慶應義塾)の4人にインタビューを行った。来年度への意気込みや、知られざるチームの魅力に迫る。

 

――他己紹介からお願いします!

椎橋廣政:廣政遼馬くんという、どちらが苗字だか分からない名前ですが(笑)。経済学部の新4年生です。彼は僕の知り合いの中で「1番ストイックな人」です。コート内ではすごくストイックです(笑)。コート外になると、ちょっと抜けているところも多いですが、そこのギャップが彼の魅力だと思っています!彼が、今年度の主将を務めてくれます。チームにとっては、プレー面でもそれ以外の面でも「精神的支柱」であり「エース」なので、彼がいなければチームは成り立たないと言っても過言ではない。そんな存在だと思います。

 

廣政島本:総合政策学部 新4年生の島本海丸くんです。役職にはついていませんがチームを支えてくれる存在で、魅力は「思ったことをしっかり伝えられる」ところです。その根源には「チームのため」という一つの強い意志があるので、そこは主将を務める自分にとってはすごくありがたい存在です。たまに言い合いになることもありますけれど、彼がいなければ「チームにどうやって働きかけられるのか」というより良い意見は導き出せないと思うので、頼もしい存在です。

 

島本椎橋:法学部政治学科 新4年生の椎橋遼生くんです。来年副将を務めていただくのですが、彼のコート上での魅力は「客観的に」物事を捉えられる点です。僕とか廣政が熱くなってなかなか気づけない部分に対して、冷静な視点から指摘をしてくれるのが彼の魅力ですので、副将としてもその部分に期待したいと思っています。他の部分の紹介としては、すごいタワーマンションに住んでいて(笑)。バスケットボール部の楽しみとして、彼の家にみんなで集まってパーティーをするという行事があるので、またぜひ誘って欲しいです!

副将・椎橋遼生(政3・國學院久我山)

 

――皆さんがバスケを始めたきっかけと、バスケ歴を教えてください!

椎橋:僕は小学校3年生の時に、健康診断のグラフが「このままだと命に関わる」というレベルの肥満で…(笑)。親がもともとバスケをやっていたこともあって、半ば強制的にバスケを始めることになってから10年以上続けています。その頃から背は高かったです。(椎橋選手の身長は190cm)他のスポーツに関してはサッカーをやっていたのですが、ボールの落下点が分からずヘディングさえもできなかったので、消去法でバスケになりました。

 

廣政:僕が初めてバスケットボールに触れたのは、4歳の時だと思います。当時アメリカに住んでいたのですが、現地でバスケをする兄について行っていたのがきっかけになります。本格的に始めたのは日本に引っ越してきた11歳くらいの時なので、バスケ歴は約11年になります。

 

島本:僕は椎橋よりも1つ年上で廣政と同い年なのですが、保育園の時に『ROOKIES』というドラマが流行っていた影響で本当は野球をやりたいと思っていたんです。ただ、親に「外は暑くて応援に行けないから、インドアスポーツにして」と言われて、『スラムダンク』を読んでカッコ良いなと思って始めたのが小学校3年生の時です。そこから12年くらいになります。

 

――続いて、慶大バスケ部の魅力を教えてください!

廣政:OBOGが全力でサポートしてくれて、気にかけてくれる。すごく協力的です。

 

島本:金銭面もそうですし、それ以外の生活面、メンタルの部分でも、いろいろなところでサポートしてくださるのが「慶應らしさ」だと思います。

 

椎橋:真面目なことで言うと「学生スタッフ」の存在は大きいと思います。彼らが体育館を取ってくれたりして、僕ら選手は「バスケだけに集中できる」環境を作ってくれているのが他の大学の部活動にはあまりないことだと思うので。そこが、慶應のバスケ部の一つの特徴かなと思います。

 

廣政:先輩と後輩の仲が良いところだと思います。僕と島本が一つ上の代と年齢が同じなのと、一つ上の代に寛容な方が多かったのがきっかけで仲が深まったのかなと思います。それによって、学年問わず話しやすい雰囲気が生まれて、その空気感がチーム全体にも浸透しているのかなと思います。

 

島本:魅力がありすぎて、ちょっと言い切れないというのはありますけれども…(笑)。一学生として感じた魅力を語るとすれば、僕の場合は部活動と勉強が結びつく場面が多いのも慶應の魅力かなと思っています。例えば、SFCでは「組織論」「チームづくり」「リーダーシップ」などの授業があるので、そこで得た知識を実際に部活動に還元できたり、逆に部活で得たフィードバックを授業に活かしたりできるのが、慶應ならではの魅力かなと思っています。

 

廣政:あとは「話しやすい関係性」があるからこそ、学年関係なく「チームがどうやって勝つか」をみんなで議論できるというのはすごく強みだと思います。学生に限らず、社会人スタッフとも議論を重ねて最適解を出せるという点は大きな魅力だと思います。

 

椎橋:そうだね。あとは体育館が綺麗で、シューティングマシーンがある。施設や環境が充実している点も魅力だと思います。

 

――新4年生はどのような学年ですか

椎橋:良い意味で「自己主張が激しい。」自己主張ができる学年だと思います。僕らの代は7人いて、廣政と島本の他に2人、計4人が年齢は一つ上。しかも、廣政と島本はアメリカ国籍を持っていて、もう1人スペイン国籍を持っている人がいるので「自己主張が激しい」です。一方で、それくらいオープンな関係ではあるので「これを言ったら嫌われるかな」と不安になることもなく、思ったことを言い合えるのが一番の特徴だと思います。良い言い方をすれば「自分を持っている」ということですね。

 

島本:みんながそれぞれの「軸」を持っていて、そこにプライドも持っている。そして、お互いを尊重できるだけの言葉を持っている。その前提があるからこそ、納得できるまで議論できる関係性があるのだと思います。だからこそ、議論した後には全員が結果に対して心から納得しているし、そこからは同じ方向を向いて再スタートできる。良い意味で妥協はしない学年。妥協はせずにしっかり議論をして、ぶつかり合って、道を見つけようとする学年だと思います。

島本海丸(総3・正智深谷)

 

――同期との思い出はありますか

椎橋:うーん…バスケだけじゃなくて、何気なく一緒に過ごしている時間が思い出ですね。練習中は厳しいことも言い合いますが、コートを出た瞬間に恋愛の話で盛り上がったりして(笑)。

 

――昨シーズンを振り返っていかがですか

廣政:自己主張はできていたと思いますが、もっとチームのことを考えられたら良かったなと思います。日頃の練習で言うと、より一回一回の練習で結果にコミットするべきだったなと思っています。そういった詰めの甘さが、結果がついてこなかった一つの原因だと思うので、そこは大きな反省点です。ただ、その反省があるからこそ、今年はさらに結果にこだわろうと思っています。

 

椎橋:個人としては、「自分なりの貢献の仕方」を早い段階で確立して、よりチームに貢献できたら良かったなとは思います。廣政以外は、おそらく自分がどうチームに貢献するのかという役割をあまり確立できないまま、今年を終えてしまったのではないかなと思っています。そこが課題であり、自分たちの心のモヤモヤなのかなと思います。

 

島本:僕は3年目にして、ようやく学業と部活動の両立のペースが掴めてきました。その反面、やはり自分のキャパに限界はあったので、個人的にもチームに対してもまだまだできることはあるなと反省しています。今年こそはやりきりたいという気持ちが強いです。

 

――チームとしての目標を教えてください

廣政:春シーズンの目標は早慶戦で勝つことです。例年以上に早慶戦での勝利を追求するべきだと思っているので、それが一番の目標になりますね。

 

椎橋:秋シーズンは、リーグで優勝して(2部に)昇格することです。これは毎年掲げているのですが、僕たちは3年間達成できずにずっと悔しい思いをしてきた代なので。何が何でも絶対に成し遂げたいと思っています。

主将・廣政遼馬(経3・福大大濠)

 

ーーあと数ヶ月で1年生も入ってきますが、新入生へのメッセージをお願いします

椎橋:まずは合格おめでとうございます!冗談抜きで、慶應のバスケ部に入りたいと言ってくれる人は全国にたくさんいるんです。でも、実際は受験で落ちてしまう人も多くて…。だからこそ、バスケ部に入ってくれることはチームとしてもすごく嬉しいですし、下級生に期待しています。ただ、去年と比べて部員数が2倍くらいに増えているので、中途半端な気持ちで入ると思うように練習に参加できなかったり、活躍できなかったりすることもあると思います。ただ、無名の高校から今Aチームで試合に出場している選手もいますし、「自分は無理かも」と思わずに、覚悟と気合いさえあれば大丈夫です。 そういう「気持ち」を一番大事にしているのが僕たちの部活です。頑張る人にはみんな優しいし、努力や想いを否定する人なんていません。興味のある人はぜひ入ってほしいです!

 

廣政:来年は特に、全員が勝利にコミットする組織でありたいと思っています。一緒に勝利を全力で求めにいきたいという人は大歓迎ですし、ぜひその覚悟を持って入部してほしいです!

 

島本:受験、本当にお疲れさまでした!バスケ部一同、皆さんに会えるのを楽しみにしています。

 

廣政:勝利を目指す中で新たな楽しさも見つかると思います。それは言葉で伝えるより、実際に体験してもらう方が伝わるはずです。全力でバスケを楽しめる環境が整っているので、ぜひ入部を考えていただきたいです。

 

島本:バスケ部の魅力って、人それぞれ違うと思うんです。 同じ部活にいる仲間でも、それぞれが感じている魅力は全然違うんですよね。4年間で自分なりのバスケの魅力を見つけていくのも、すごく楽しくて面白いことだと思います。「この魅力があるから入りたい」と思ってくれるのもいいけど、とにかく本気でバスケに向き合って、その中で自分なりの魅力を見つけていくのもいいんじゃないかと思います。


――数ある道の中で、(サークルではなく)なぜ体育会バスケ部を選ばれましたか

椎橋:やはり早慶戦が魅力的でした。僕は父がバスケ部だった影響で早慶戦を見に行って、規模の大きさに衝撃を受けました。代々木体育館が埋まって、1本シュートを決めるだけで自分たちの声が聞こえなくなるほどの大歓声があがるのは、その場に立つ選手だけでなく、観客として参加するだけでも心が揺さぶられる瞬間があると思います。あの舞台でプレーできるのは、バスケ人生で一番の名誉です。

 

――たしかに代々木の空気感は圧巻ですよね

廣政:学生スタッフが(運営を)本当に頑張ってくれているので、頭が上がりません。

 

島本:早慶戦に来てくださる観客の方々はなかなか気づかない部分だと思いますが、学生スタッフや社会人スタッフ、ベンチ外のメンバーが本当に大きな支えになっています。僕自身、ここまで強い帰属意識やチーム愛を感じたのは、バスケ人生12年間で初めての経験でした。その背景には、チームのために行動してくれているたくさんの仲間たちの存在があるので、ぜひそういったところも見てほしいです。

 

実は今回の取材には、チームからの信頼も厚い主務の江畑尚音さん(経3・慶應義塾)にも急遽ご参加いただきました!

主務・江畑尚音さん(経3・慶應義塾)

 

――他己紹介(椎橋江畑

椎橋:経済学部3年生の江畑くんです。彼も私と同じくらい勉強ができない人ですけれど、本当に彼がいないと(バスケ部は)回らない。彼は自分が頑張っているのを隠そうとするんですよ、僕らプレーヤーに気を使わせたくないから。どれくらいかと言うと、僕らが同期でオフにディズニーランドに行った時に、彼はトイレで部活の仕事をしていたというくらい真面目です。僕ら選手は、自分のために、自分が活躍してキラキラしたいからという理由でバスケ部に入ってくると思うんですけど、段々それがスタッフのために頑張りたいというように変わって来ました。それぐらい彼は頑張ってくれていますし、すごく顔に出るんですよ。「今日めっちゃ老けてんな」みたいな(笑)。あと、学生コーチの有村悠希(新経4・川越東)も大変だと思います。2人(=廣政、島本)が輝かしいキャリアを持っていてバスケットの知識がいっぱいあるので、「練習をもっとこうしたい」という思いが募っていくけれど、練習を決めているのは社会人コーチで。そこのすり合わせがすごく難しいのですが、有村という学生コーチが間に入ってくれて、僕らの関係を取り持ってくれたので、彼にも頭が上がらないです。本当にスタッフがいなかったら、僕らはバスケができていないし、早慶戦も開催できないし、体育館で運動もできなくなるし、スタッフがいなければ終わってしまうと思います。

 

――大学で体育会バスケ部のスタッフになろうと思ったきっかけを教えてください!

江畑:自分は塾高(=慶應義塾高校)から大学へ上がったのですが、塾高では選手と主務の両方をやっていました。高校の時はすごくキツくて、コロナの影響で出さなくてはいけない書類の量がすごく増えて。選手としては、一番早く体育館に行ってもシューティングを打ち始められるのが一番最後になるくらいでした。そういった中でも、高3の時にやっていた主務の仕事がすごく楽しかったなという記憶があったんです。なんでかなと考えた時に「答えのない問いに対して、自分が頑張って手を動かして答えを見出していく」みたいなことにすごくワクワクするし一番楽しいなと思ったので、大学4年間を懸けてみようと思いました。

 

――ディズニーランドの話は本当ですか

江畑:あまり胸を張って言うことではないですけれど、本当です。やはり早く返した方が良いメールとかもある中で、みんなもトイレ行ってて自分もトイレに行ってるし、そのままサーっと書いてポンと送れば特に何も問題はないので本当にやりました(笑)。

 

――スタッフとして活動する上で、1番のモチベーションは

江畑:2つあります。1つは、自分の仕事が成果として現れる時です。例えば今年の早慶戦は消防法の限度スレスレまでたくさんのお客さんに来ていただいたんです。日本の大学バスケ界でもここまで人が集まる大会は少ないので、その運営に携わられていることは大きなやりがいでした。もう1つは、すごく接戦で「これどうなるんだろうな」という試合の時に、同期が得点して試合をひっくり返した時です。うちの同期は、部員が一部抜けたりして人数が少なかった時期も多くあった波乱な代ですけれど、その中でも最終的に全員が戻ってきてくれて、各々が全力で練習をして、結果を出して。やはり我慢してきた思いも強いからこそ、成し遂げられた時の達成感、自分がやったわけではないけれどそこに思いを馳せると、それがすごく大きなモチベーションになります。

 

――スタッフさんである江畑さんの目線から見た、慶大バスケ部の魅力を教えてください!

江畑:社会人になった時に、この部に入って良かったなと1番実感するかなと思います。バスケ部には、OBOGも含めて男子と女子ですごく仲が良いという特徴があります。部活を引退した後も先輩方に本当にフラッと話を聞きに行けるとか、相談ができるとか、これって人生においてすごく大きな財産かなと思っています。現役男女・OBOGを含めた「強い繋がり」がバスケ部の良いところかなと思います。

 

――最高学年としての1年間は、どのようなシーズンにしたいですか

島本:まだ個人としての目標は具体的に決まっていませんが、チームとして目指したいのは「トライアンドエラーができる雰囲気」を作ることです。そのためには4年生が、下級生にとって「挑戦しやすい環境」を作ることが大切だと思っています。挑戦した結果、うまくいかなかったとしても「それは4年生の責任だ」と言えるくらいの寛容さを持つこと。そして、逆にうまくいった場合には、「これは下級生のおかげだ」と言えるような4年生でありたいです。そういった姿勢がチームの文化として根付いていけばいいなと思っています。それが今年の裏テーマというか、目標のようなものですかね。

 

椎橋:僕はまず勉強を頑張ります!その上で、部活については、チームの足りないピースをしっかりと俯瞰できる選手になりたいです。特に廣政と島本がチームを引っ張ってくれている一方で、そこについていけない下級生や実力のある選手たちもいると感じています。だからこそ、そういったメンバーを励ましながら、後ろから押し上げるような役割を果たしたいです。

 

廣政:この3年間たくさんの試合に出させてもらう中で感じたのは、やはり結果を出さないと評価されないということでした。主将として、結果にこだわる姿勢は一番大事にしなければいけないと思っています。もちろん自分自身が結果を出すことは前提として、これからは周りをどんどん巻き込んで、チーム全員で勝つことにこだわりたいです。

 

江畑:結果を出したい。めちゃくちゃ頑張りたいとか、良い雰囲気を作りたいという思いもありますけれど、やはり自分たちが1番求めているのは「勝つ」ということ。そこを達成できるように「なんでもやる」という気持ちで頑張ります。

 

――インタビューは以上です。ありがとうございました!

ポーズを相談する4人

(取材:本橋未奈望、長掛真依、大泉洋渡)

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