【Last message】レスリングに発展と成長を 技術で部を支えた熟達者/4年生特集「Last message〜4年間の軌跡〜」 No.23・松居俊伍(レスリング部)

レスリング

24年度に引退を迎えた4年生を特集する「Last message~4年間の軌跡~」。第23回となる今回はレスリング部の松居俊伍(環4・敦賀気比)。高校時代からしっかりと実績を残していた松居。「レスリングを頑張る人たちをサポートしたい」そんな一心で慶大に入学した彼の歩んできた4年間を振り返る。

 

福井県出身の松居。幼少期からレスリングを始め、高校は地元の名門校である敦賀気比高に進学。全国高校生グレコローマンスタイル選手権大会では優勝、インターハイ個人では3位の成績をおさめるなど、圧倒的な実績を持って慶大に入学した。オリンピック出場や強豪校で全国制覇を目指すのではなくて、強豪校ではないチームで未経験者をサポートし、レスリングという競技に恩返しがしたいという気持ちから慶應義塾大学を選んだという。しかし、入学当初はコロナ渦ということもあり、思うように練習が出来ない日々も続いた。また、サポートに徹することで自分自身の練習時間が減り、自分と他大学の選手との実力差が日に日に縮まっていくことに焦燥感を覚えたという。自分のアイデンティティともいえるレスリングとどのように向き合っていけばいいのか。松居は自身のレスリング人生について何度も思い悩んだ。

葛藤もあったという松居

そんな松居が一番喜びを感じた瞬間は慶大レスリング部の活発化であると語った。「自分がなによりも良かったなと感じたことは慶大レスリング部の人数が増えたことで。自分が入学した2020年はちょうどコロナ渦にあって、部活も出来ないですし、人数も10人もいないような状況で、寂しい環境からのスタートだったので。アニメじゃないですけど(笑)徐々に仲間が増えていって、このレスリング部が徐々に盛り上がりを見せて、どんどんこれから強くなるぞという活気が出てきたことが一番嬉しいことだなと思っています」と話した。

まるでアニメのようだった

レスリングの魅力について尋ねると「レスリングを18年間続けてきたので、この質問はもう何十回も聞かれてきたことではあるんですけど(笑)競技的なところで言うと、やっぱりその格闘技でありますし、個人スポーツ、1対1の勝負なので、度胸だったりとか、『やってやるぞ』っていう精神力はすごく身につくかなと思ってます。自分が努力しなければ負けますし、自分自身に勝てばそれが結果に出るところが面白いところだと思ってます。あとは少し細かいところになるんですけど、レスリングはいろんな技があって、自分の得意技であったりとか、そういったものの組み合わせで、試合で成り立っていくんですけど、それが全く同じことはなくて、いくら戦略を立てたからと言って、試合の中で臨機応変に組み立てていかないといけない。そういった何万通りある組み合わせを瞬時に組み立てていって、勝利につなげていく、1点、2点を取りに行くっていう、そういう頭脳戦みたいなところもすごく面白いポイントなのかなと思っています」と答えた。

強さだけを追い求めることは簡単だ

最後に「強さだけを追い求めることは簡単なので、慶大レスリング部の雰囲気の良さを崩さずに技術的な面でも成長していってほしい」と語った松居。4年間のレスリング部生活を通して技術面で成長するのはもちろんのこと、人間的な面での成長も欠かせないと話した。後輩のためにサポートに徹した松居。その技術と熱量は必ずや後輩に受け継がれていく。

(記事:塩田隆貴)

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