開幕2連勝で1部復帰へ勢いに乗りたい慶大は、立大との一戦に臨んだ。第1セットはエース・入来晃徳(環4・佐世保南)のスパイクで得点を重ねるも、終盤の相手のブレイクが響いてセットを落とす。第2セットはMB陣の得点でリードを広げたが、終盤に連続失点を喫した。第3セットはサイドの攻撃が機能しセットを奪取したものの、第4セットでは序盤のミスが響き、セットを落とした。試合を通して個々の力は発揮されたが、勝負どころでの精度に課題が残った。
2025年4月13日(日)
春季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 @亜細亜大学
第2日 慶大×立大
得点 |
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慶大 | セット | 立大 |
21 | 1 | 25 |
25 | 2 | 27 |
25 | 3 | 19 |
22 | 4 | 25 |
出場選手 |
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ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
OH | 2 | 清水悠斗(総2・習志野) |
MB | 9 | 松山鼓太郎(商3・慶應) |
OP | 11 | 入来晃徳(環4・佐世保南) |
OH | 6 | 山口快人(経3・慶應) |
MB | 22 | 稲井正太郎(法2・慶應) |
S | 13 | 松田悠冬(商1・慶應) |
L | 4 | 今田匠海(政2・慶應) |
途中出場 |
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S | 15 | 久保田健介(商4・慶應湘南) |

OP・入来晃徳
第1セットは慶大の大エース・入来晃徳のブロックを弾き飛ばす力強いスパイクで幕を開けた。さらに入来のサービスエースも決まり、試合は序盤から激しい打ち合いに。S・松田悠冬(商1・慶應)の強気なトスワークで、慶大の強力打線が次々とフリーで打ち込むが、立大の粘り強いフロアディフェンスを前になかなかブレイクできない。一進一退の攻防を経て16-16、L・今田匠海(政2・慶應)の好レシーブが光るも得点につなげることができず、立大にブレイクを許す。セット終盤、入来がレシーブをものともしない強打を叩き込むも、数点が遠かった。点差を詰められず21-25で第1セットを落とした。

OH・清水悠斗(左)、MB・松山鼓太郎(右)
続く第2セット、L・今田匠海の強打レシーブで長いラリーを展開する。立大のコンビバレーにブロックが揺さぶられ、思うようなバレーができない中、MB・稲井正太郎(法2・慶應)が中央から決めた直後、代わって前衛に上がったMB・松山鼓太郎(商3・慶應)が同じ場所から得点。MB陣がクイックで奮闘する。さらに12-10の場面で、稲井が1枚で相手スパイクをブロック。17-16では松山がブロックで得点し、チームを勢いづける。慶大リードで20点台に突入するも、ミスが重なり23-24とマッチポイントを握られるOP・入来晃徳が意地の強打を繰り出すが、主導権は奪えず。25-27で第2セットも落とした。

OH・山口快人
後がない第3セット、流れを変えたのはOH・山口快人(経3・慶應)とOH・清水悠斗(総2・習志野)のOH陣。それぞれコースや緩急、相手ブロックを使った多彩な攻撃を組み合わせ、着々と得点を重ねる。さらにライトからはOP・入来晃徳の鋭いスパイクが相手コートを刺す。終始リードを守り、迎えたセット終盤。S・松田悠冬が2本のブロックポイントを挙げ、24-19。最後は入来が確実に決め、25-19で第3セットを取り返した。

松山の得点に盛り上がる選手
第4セットは、勢いそのままに慶大nスパイカー陣が躍動する。一方で立大のコンビネーションやディフェンスも光り、繰り広げられる攻防はこの日一番の盛り上がりを見せる。セット終盤までシーソーゲームを展開。OH・清水悠斗とOP・入来晃徳のスパイクを筆頭に得点を重ねるも、要所でのミスが響き、22-24。最後は立大の得意とするコンビバレーを前に、22-25で第5セットを落とした。
一部復帰を争う春季リーグで、痛い黒星を喫した慶大。選手たちの奮闘は随所に光っただけに、悔しさが残る一戦となった。
(取材:村田理咲、梅木陽咲)
▼以下、コメント
星谷監督
――今日の試合を振り返って。1、2セットを落とした原因は何だと考えますか
向こうがギリギリ何とか繋いだボール、慶大が上手くやれば簡単に処理できるようなボールをミスしてしまったと。最後繋げられればいいのですが、そのミスがそのまま失点になってしまったことが一番の要因かなと思います。
――3、4セット目は前半セットとは違うゲーム展開に見えましたが
3セット目は慶大が楽な形で相手がミスをしてくれていたので、そこが大きなところかなと。4セット目については、序盤の1、2点くらいまでは3セット目と同じ雰囲気で進んでいたところがあったのですが、1、2セット目同様、慶大のドリブルのミスとかダイレクトボールの処理のミスとかが目立ってしまったと思います。
――開幕2日間で生まれた課題や、選手に期待することを教えてください
新たな課題ではないのですが、勝つか負けるかといったヒリヒリした実践の場で自分たちの力を発揮するという難しさを、改めて経験したと思うので、生きるか死ぬかという状況でも力を発揮するために、普段からどういうことを心がけていったらいいかを学習して、強くなっていってくれればいいなと思います。あと今日は、練習してきたものが発揮されていた場面もたくさんあったと思います。ただ、特にレシーブといった簡単なボールの処理で、動きがぎこちなくなってミスしてしまうことがあるので、基礎技術を引き続き高めていく必要があるなと思います。
#11 OP・入来晃徳選手(環4・佐世保南)
――今日の試合を振り返って
ずっと相手に主導権を握られていて、こっちのいつもの戦略が発揮できていなかったです。後手後手に回ってしまっていて、その結果相手との差が生まれてしまっていたかなと思います。
――戦いにくかった部分は
オープンバレーのような高いトスに対しては自分たちの強みを発揮できるのですが、(立大は)速いコンビが多かったので、それに対するブロックやレシーブの位置取りができていなかったことが大きいと思います。
――4年生としてのコート内での声かけは、どんなことを意識していますか
とにかくマイナスを作らないこと。プラスの部分は自分たちで作っていける選手たちなので、調子がよくなってきたら全然良いのですが、逆にミスをしたときには、そのまま気持ちが下がってしまうチームなので、いかにケアするか、ということは意識しています。
――1ー3で敗れましたが、今日の試合での良かった部分はありますか
1セット取れて、0ー3で負けたわけではないということ。あとはある程度ブロックで触って、その切り返しで決められたのは良かったなと思うのですが、やっぱり課題をたくさん得られたのが一番良かったと思います。
――次の山梨大戦に向けて、意気込みをお願いします
3部から上がってきたチームですが、しっかりと準備をして戦っていきたいと思います!
#9 MB・松山鼓太郎選手(商3・慶應)
――今日の試合を振り返って
チームとしては、一部復帰ということに対してのプロセスとして思い通りではなかったかなと思います。精神的に弱いなとって、決めたいときにスパイクをふかしてしまったり、競ったときにサーブレシーブが相手に返ってしまったり、いつもだったら決められるところでミスをしてしまって流れをつかめなかったところが多かったと思います。個人としては、悠冬とのコンビが確立してきて、練習してきた効果を発揮できたと思います。でも、ミスは多かったのでまだ改善していきたいです。
――MBとして相手チームの攻撃について
時間差とか早いクイックがあったのでブロックしづらくて、普段チーム内で練習していない部分だったので、コミットとリードの判断をもっと早くするべきだったなと思います。
――効果的なサーブを打つために意識していること
サーブの調子で自分の調子が決まるので、良いサーブを打てるときはクイックもブロックもよくなるから、序盤はインパクトをしっかりして攻めたサーブを打てるようにしています。コースはアナリストから指示があった人に一直線に打っているので、それがはまって崩れてくれているのかなと思います。
――開幕2日間を振り返って
この冬で技術面は全体的に上がっているなという実感があって、ジャンプ力とかクイックの打ち分けとか、去年までは全然クイックが決まらなくて、自分の課題だったので、それが決められる様になったのは成果が出ているかなと思います。課題としては、まだブロックの左手の出し方とか、リードの判断とかは克服できていないので、リーグを通して経験を積んで、改善していきたいと思います。
――3年生として目指す選手像
後輩との距離が近いからこそ、厳しいことをいえると思うし、来年はもう4年生になるので組織を作っていくということを意識して、仲も良いけど、自分が締められるように後輩との関係を築いていきたいです。4年生を3年生がサポートできるようにしたいです。
――次の試合に向けて
日ごろの練習で意識が足りていない部分が今日の一番大きい敗因だったと思っているので、絶対にもう負けられないから、実力を発揮できるように1日1日を死に物狂いで頑張っていきたいです。