【バレーボール】苦い記憶に打ち勝つ2勝目 1部復帰へ再出発/春季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 第3日 vs山梨大

バレー戦評

第2日・立大戦での敗戦から約1週間。1部復帰へ再スタートを切った慶大は、昨秋の入替戦で2部昇格を果たした山梨大との一戦に臨んだ。第1セットは、慶大リードから21ー21で同点に追いつかれるも、OH・山口快人(経3・慶應)のレフトスパイクで悪い流れを断ち切ると、そのまま25ー21で第1セットを勝ち取る。第2セットも競った展開となるが、途中出場のS・久保田健介(商4・慶應湘南藤沢)のサーブでブレイクに成功。ここで自信をつけた慶大が第2、第3セットも連取し、山梨大にストレート勝利。今季2勝目を挙げた。

2025年4月19日(土)

2025春季リーグ @大東文化大学東松山キャンパス総合体育館

慶大×山梨大

得点

 

 

慶大

セット

山梨大

25

21

25

21

25

13

出場選手

 

 

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

OH

清水悠斗(総2・習志野)

MB

松山鼓太郎(商3・慶應)

OP

11

入来晃徳(環4・佐世保南)

OH

山口快人(経3・慶應)

MB

22

稲井正太郎(法2・慶應)

S

13

松田悠冬(商1・慶應)

L

今田匠海(政2・慶應)

途中出場

 

 

L

緒方哲平(環2・日向学院)

15

久保田健介(商4・慶應湘南藤沢)

L

山元康生(法4・慶應)

第1セット序盤は、稲井正太郎(法2・慶應)を中心に得点を重ね、慶大が徐々にリードを広げる。しかし、試合が進む中で小さなミスからペースを崩し、どこか攻めきれないもどかしさと共に立大戦の苦い記憶が頭をよぎる。18ー14の4点リードからじわじわと詰め寄られ、21ー21で同点に追いつかれてしまう。ここで慶大はタイムアウトを挟み、立て直しを図る。コートへ戻る選手たちを、ベンチで戦うアナリスト・一木脩平(法4・慶應)、L・平山一之心(商4・甲南)らが鼓舞。直後のポイントでOH・山口快人がレフトスパイクでチームを勢いづけると、その後は山口と稲井のブロックポイントでブレイクし、25ー21で第1セットを勝ち取る。

安定した活躍を見せる稲井正太郎

続く第2セットは立ち上がりから競った展開となり、サイドアウトの数も増えていく。慶大は、バックアタックも織り交ぜながら攻撃の幅を広げて優位を保つが、14ー15でこの日初めて山梨大にリードを許す。その後も両者譲らず、試合は19ー19の同点に。それでも、清水悠斗(総2・習志野)のレフトスパイクで慶大が一歩前に出ると、ここで久保田健介(商4・慶應湘南藤沢)をサーバーに起用。采配が功を奏し、久保田のブレイクで勢いづいた慶大が25ー21で2セットを連取する。

サーブから流れをつくった久保田健介

第3セットは、MB・松山鼓太郎(商3・慶應)のクイックとOP・入来晃徳(環4・佐世保南)のライトスパイクが光る。さらに5ー4から、OH・山口快人のレフトスパイク、S・松田悠冬(商1・慶應)のブロックなどで5連続ブレイクに成功。10ー4と相手を大きく突き放すと、今度は松田のサービスエース、今田匠海(政2・慶應)のディグ、OH・清水悠斗のスパイクが光り、またも5連続ブレイクに成功。ダブルスコアで20点台に突入する。慶大は、積み上げた点差を糧に試合を運び、最後は清水のスパイクポイントでゲームセット。25ー13で第3セットを制し、山梨大に3ー0で勝利した。

松山鼓太郎のクイックが光った

「慶應が勢いに乗ったら怖い」そんな言葉を他大学の選手から、よく耳にする。この試合でも、誰かのワンプレーでチーム全体が大きく勢いづく場面があった。1部復帰へ負けられない戦いが続く中で、いかに自分たちで流れを手繰り寄せ、勢いに乗るのか。試行錯誤と経験を重ね、成長していく慶大バレー部の戦いに注目だ。

1部復帰へ再スタートを切った

(取材・記事:長掛真依)

 

▼以下、コメント(星谷監督、久保田選手、清水選手、松田選手)

星谷健太朗監督

ーー試合内容を振り返って

ちょっとミスが多く、相手にとってやりやすい状況を作ってしまったので、経験しながら上手い立ち回りを勉強していってもらえたら良いのかなとは思います。

ーー山梨大に向けてどんな準備をされてきましたか

作戦は当然ありますが、レシーブの部分で簡単に取れるボールに対応できない状況が多かったので、そこをしっかり立て直すということ。攻撃についてもSが合流して間もないので綻びが出てきているところもあるので、そこを安定的に合わせるという作業をしっかり取り組んできました。(試合では)ミスがちょっと多かったので、結果としては振るわなかったと思います。

ーー第2セット終盤以降、流れが変わった要因は

こっちがミスを減らしたというのが事実として起きていたことだと思うんですけど、ミスが起きないような精神状態で冷静にプレーをできたというのが思います。その起点となったのが、2セット目終盤の久保田のサーブ。あれは、結果としてブレイクをとってこっちが余裕を持ったシーンを作ることができたのでそれは大きかったかなと思います。

ーーバレーボールの試合を戦う上で、重要になる要素は

スキルと、戦術と、心情と、いくつかパフォーマンスの要素があると思うんですけど、それらがお互いにまたがって影響しあう側面が多分にあるので、何が何割ということは難しいです。ただ、戦術としてうまくハマることで心情的に自信がつき、結果力が発揮できるということもあると思うので、そういう意味ではスキル・経験のない我々にとっては戦術が占める割合は他大学よりも大きいのではないかなと思います。

ーー次戦以降どう戦っていきたいですか

能力はあるんだけど、それを発揮できない。主に精神面で発揮できないことが多いと思うので、立ち上がり、中盤、終盤、どのような構え方をして、どういう意識で振る舞っていったら自分たちが優位な精神状態で戦えるかというところを、今回の試合はうまくいかなかったですけれど、今回を経てまたレベルアップして次に繋げて、またその場でも経験し、成長し続けるということをしていきたいなと思います。

 

#15  S・久保田健介選手(商4・慶應湘南藤沢)

ーー第1、第2セットは、ベンチからどんな想いで試合を見ていましたか

第1セットから第2セット終盤までは結構競った展開だったので、ベンチから盛り上げられたら良いなと思っていました。

ーー競った展開になった要因は

こっちの攻撃がなかなか決まらない、エースの入来がちょっと不調そうだったりとか、みんな朝でなかなか乗っていないなという感じでした。

ーーどんなことを意識してコートに入られましたか

先週あまり良くなかったので、弱気にならず。コート内の選手があまり乗れていなかったので、起爆剤になれるように強気のサーブを意識していました。

ーーご自身のサーブはいかがでしたか

今日は良かったです。まずミスせず8割くらいで打つというのを意識していて、それができたので良かったです。

ーー1部復帰へ負けられない試合が続くと思いますが、苦しい場面を迎えた時にどう戦って乗り越えていきたいですか

競った試合はこれからもあると思うんですけど、そこで焦らずに自分たちのスタイルを崩さずに、自分たちのプレーができたらなと思います。

ーー次戦以降どう戦っていきたいですか

セット数とかも大事になると思うので、1セットも落とさないように頑張りたいなと思います。

 

#2 OH・清水悠斗選手(総2・習志野)

ーー試合内容を振り返って

序盤は先週の敗北がよぎり、ムードが思うように上がっていかないのを感じていました。ですが、だんだんそれぞれの良い色が出てきてストレートで取り切れて良かったです。

ーーこの1週間は、どんなことを意識して練習されていましたか

自分自身は新しいことに挑戦というよりも、一つのプレーの質を落とさないことにこだわってきました。コンディション管理にこだわりました。

ーーご自身のプレーを振り返って

攻撃はこれまで先輩方に頼り切りだったので、少しは貢献できているなと手応えを感じています。松田とのコンビも合ってきて、攻守ともにリズムを作れています。

ーー1部復帰へ負けられない試合が続くと思いますが、苦しい場面を迎えた時にどう戦って乗り越えていきたいですか

苦しい場面こそ笑顔で、本能のままにボールタッチしたいです。普段の練習は全力で頭を使って、本番で無意識にできるまで染み付かせていきたいです。

ーー次戦以降どう戦っていきたいですか

堅実なプレーに全力を注ぎます!

 

#13 S・松田悠冬選手(商1・慶應)

ーー試合を振り返って

まずチームとして勝ちきれたことはとても嬉しく思いますが、個人としては満足のいく内容ではなかったので、悔しいです。

ーーこの1週間は、どんなことを意識して練習されていましたか

ミスをしてこない相手に対してのディフェンスや、立教戦で機能しなかったブロックとサーブをよりフォーカスして練習しました。

ーーどんなことを意識してトスを上げていましたか

レフト陣の攻撃がよく通っていたのでそこを軸にしながら他の選手を活かす方法を考えてプレーしました。ここについては納得のいくプレーができていなかったので、技術、メンタルを整えてより上手くできるようにしなければならないと感じました。

ーー1部復帰へ負けられない試合が続くと思いますが、苦しい場面を迎えた時にどう戦って乗り越えていきたいですか

悪い時のストッパーを自分が担えるように、プレーはもちろんですが行動、言動でもチームが良くなる方向にコントロールすることが僕自身の役割だと思うので、そこを意識したいです。試合の中の苦しい局面というものは、試合でしか経験できない本当に貴重な経験になるので、それを楽しめるくらいのマインドセットが出来たら1番いいと思いますが、今は難しいのでチーム全員で支え合ってプレーできるようにしたいです。

ーー次戦以降どう戦っていきたいですか

支えてくれている先輩方やスタッフ陣、同期、応援していただいている全ての方々と、なんとしてでも1部の景色を見たいので、強い気持ちと責任を持って勝利にこだわってプレーしたいです。

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