【ラクロス(男子)】ラクロス男子20歳以下日本代表候補に慶大から6選手  8月の世界大会で“ベスト4”へ/第4回練習会

男子ラクロス

World Lacrosse Men’s U20 Championshipが、2025年8月に韓国・済州島で開催される。国内各地の大学から精鋭が集う、ラクロス男子20歳以下日本代表チーム。第4回練習会(4月20日)には、慶大から6名の選手と2名のスタッフ(うち1名は25年卒)が招集された。今、彼らは日本ラクロス界の未来を背負い、世界の舞台で躍動すべく着実に成長を続けている。今回ケイスポは、第4回練習会の様子と、慶大選手・スタッフ、HC・山本大介氏へのインタビューをお届けする。彼らは、代表活動を通して、何を得て、何を想うのか。ぜひ、最後までご覧いただきたい。

【ラクロス男子20歳以下日本代表とは】

1月からの選考を経て、現在は大学生45名(うち補欠・練習生23名)が活動中。6月には最終メンバーが決定され、8月の世界大会へ挑む。目標は、アメリカ・カナダ・オーストラリアという“3強国”の壁を破り、ベスト4になること。チームコンセプトは「SPEARHEAD」。これは、“一番槍”として道を切り拓き、後に続く世代の先頭に立つという覚悟を意味する。注目が高まる中、4月20日に行われた第4回練習会では、慶大のOFMF・岸敬太郎(政3・慶應)、DF・峰岸諒(環3・慶應湘南藤沢)、AT・佐藤仁一郎(政3・慶應)、AT・末安成葉(経2・慶應)、OFMF・福田崇斗(商2・本郷)、FO・水本太一(経2・慶應)の6名が名を連ねた。またスタッフとして、TR・佐藤映(理3・慶應)、津村絵美子(25年卒、MG)もチームを支えている。2027年に日本で開催されるWORLD LACROSSE世界選手権大会、2028年のロサンゼルスオリンピックを控え、大きな盛り上がりを見せているラクロス界。彼らが、その「新章」の主役となる可能性は十分にある。

 

【第4回練習会&新歓イベントレポート】

練習は、2人1組のペアで互いに目標を共有する「宣言タイム」からスタート。体幹やアジリティトレーニングで身体を温めた後は、パス練習や対人練習を実施。練習の最後には紅白戦も行われた。全体を通して和気藹々とした雰囲気がありながらも、チームコンセプトである「High Intensity(高強度)」の言葉通り、適度な緊張感に包まれていた。

 

練習後のインタビューで、HC・山本大介氏は「この世代は8月の世界大会までの時間が限られている。だからこそ、“どんな場面でも高い強度でプレーし続ける”という意識が必要なのです。60分間、絶え間なく接点を持ち、切り替えを早くし、練習の間の移動時間もタイトにする――その積み重ねが、世界の壁を越える鍵になると思っています」と語っていた。「High Intensity」の実現に向けては、フィジカルとスキルの両側面を強化することが必要不可欠だ。山本氏は「技術・フィジカルの課題はまだ多いですが、選手たちは確実に成長している。その成長している部分をしっかり固め、さらに上を目指していきたい」と前を見据えていた。

温かくインタビューに応じてくださった山本HC

また練習会の後には、新入生を対象とした【2025年ラクロス男子20歳以下日本代表×FRESHMAN PROJECT】の新歓イベントも行われた。紅白戦やミニゲーム、クロスなしの1on1など、初心者でも楽しめる企画が満載。代表選手と直接交流できる貴重な機会に、多くの新入生が笑顔で参加していた。さらに、上級生向けには代表コーチ陣による指導企画も実施。参加者はHC・山本氏をはじめとするトップコーチから直接アドバイスを受け、より高いレベルのラクロスを体感した。

円陣を組む選手たち

ラクロス男子20歳以下日本代表練習会と、ラクロスの魅力を伝える新歓イベントが融合した一日。ラクロス男子20歳以下日本代表は、“3強国突破”という未踏の目標に向け、挑戦を重ねる中で着実に歩みを進めている。

(取材:長掛真依、牧瀬藍)

 

▽2年生インタビュー(※第4回練習時点。写真の背番号と、正式な背番号が異なります)

#48 AT 

末安成葉 選手(経2・慶應)

 

#51 OFMF

福田崇斗 選手(商2・本郷)

 

#63 FO

水本太一 選手(経2・慶應)

 

 ーーこれまでラクロス男子20歳以下日本代表の練習会に参加してみて、いかがですか

福田:強度の高い選手たちと一緒にプレーできて、すごく良い刺激になっています。


末安:周りは3年生が多い中で、僕たち2年生はまだ実力的に及ばない部分もあるんですけど、そこに食らいついていく姿勢が磨かれて、良い経験になっています。


水本:レベルの高いコーチや仲間と練習できて、とても良い成長の機会になっていると感じています。

 ーー慶應での練習と代表練習の違いについて教えてください

福田:他大学の選手たちと一緒にやることで、文化や価値観の違いをすごく感じます。それぞれの大学に個性があって、練習自体がすごく楽しいです。


末安:慶應で良しとされているプレーが代表ではNGだったり、逆に代表で推奨されるプレーが慶應では通用しなかったりします。そうした違いに適応していく力が試されていて、それが鍛えられていると感じます。


水本:今までは内部進学で顔なじみの選手とやってきたけれど、代表では初対面の人が多く、そこから1つのチームを作っていくというのが新鮮で面白いです。

ーーご自身の代表内での役割や強みを教えてください

福田:自分はフットワークやアジリティを評価されていて、OFもDFもできるプレーヤーとしての役割を求められています。「High Intensity」の体現者になれるよう意識しています。

末安:自分はショットのスピードや決定力が持ち味なので、シューターとしてシュートを決めるポジションで貢献したいと思っています。


水本:FOというラクロス特有のポジションで、試合の流れを作ったり得点に直結するプレーを求められているので、そこで力を発揮していきたいです。 

ーー6月の代表決定に向けて、もっと伸ばしたい部分は

福田:基礎的な部分がまだまだ足りないと感じているので、クロスワークやショット、戦術の理解などをさらに深めていきたいです。


末安:体格的にまだ小さいと感じるので、もっと体を大きくして、強くなって、当たりの強さを活かして得点できるようになりたいです。


水本:基礎技術や、代表の方針である「High Intensity」へのコミットがまだ十分ではないと感じているので、結果に繋げられるように努力していきたいです。

ーー意識している代表メンバーはいますか

福田:この2人(末安・水本)です。やっぱり同じ大学・同じ学年なので、どうしてもプレーに目がいきますね。

末安:同じ慶應の3年生・岸敬太郎くんです。圧倒的な技術力とフィジカルの強さがあって、自分の目指すべき存在だと感じています。


水本:ライバル視しているのは、早稲田大学の3年生富田隼平くん(商3・県立大和)です。同じFOのポジションで実力も拮抗していて、しかも早稲田なので、自然と対抗心が芽生えます。

ーー今後、代表活動の中で楽しみにしていることは?

末安:この3人で、8月のU20世界大会に出場することが一番の楽しみです。

福田:同じく、この3人で済州島に行けたら最高ですね。


水本:慶應のみんなと一緒に世界の舞台を経験したいです。

ーー最後に、意気込みをお願いします!

福田:いろんな人の想いや悔しさを背負って、代表練習生として全力で頑張りたいと思っています。


末安:同じく、多くの人の思いが自分の背中に乗っていると思うので、それを胸にプレーしていきたいです。


水本:応援してくれているみんなのために、しっかり結果を出せるよう頑張ります。

 

▽3年生インタビュー(※写真の背番号と、正式な背番号が異なります)

#1 OFMF(OFリーダー)

岸敬太郎 選手(政3・慶應)

 

#5 DF(DFリーダー)

峰岸諒 選手(環3・慶應湘南藤沢)

 

#31 AT

佐藤仁一郎 選手(政3・慶應)

 

ーーこれまでラクロス男子20歳以下日本代表の練習会に参加してみて、いかがですか

:いつもは慶應大学内での練習しかしていませんが、代表練習では他大学の選手と触れ合える貴重な機会なので、すごく楽しく参加させてもらっています。

佐藤:自分はこれまで留学していたため、今回が初めての参加になりますが、練習の強度がとても高くて、みんなと一緒にプレーできてとても楽しいです。

峰岸:普段は対戦相手として戦っている選手たちと、チームメイトとして練習できるというのが新鮮で、すごく楽しいですね。

ーー佐藤選手はイギリス留学中もラクロスをされていたそうですが、イギリスのラクロスはいかがでしたか

佐藤:社会人クラブチームに所属していたのですが、日本と比べて体格が大きい選手が多くて、正直きついなと思うこともありました。ただ、日本で培ってきたスピードやアジリティは通用したので、とても良い経験になりました。

ーー慶應での練習と代表練習の違いについて教えてください

:さっきも話しましたが、他大学の選手が加わることで、多様な考え方や感じ方に触れられて、それが自分の成長につながっていると感じます。

佐藤:慶應の練習はどちらかというと型が決まっていて、それを徹底的にやり込むスタイルです。一方で代表の練習は、いろんなバックグラウンドを持った選手が集まるので、多様な発想やプレーがあって、とても刺激になります。

峰岸:全国から選ばれた選手たちなので、それぞれの戦術理解や考え方が異なります。ただ、その中でも「練習の間を詰める」など、誰でもできるけど実際にやるのは難しいことを全員が高い意識で取り組んでいるのが、U20代表(=ラクロス男子20歳以下日本代表)ならではだと思います。

ーー慶應から6名の選手が選ばれていますが、どう感じていますか

:率直に嬉しいですね。

峰岸:ラクロスは日本で最初に慶應が導入したという“パイオニアの誇り”があります。主将からもシーズンの始めにその話がありました。この代表の人数を見ても、慶應が一定の実力を持っていることが分かると思いますが、この現状を維持するだけでなく、さらに人数を増やせるようなチームになっていかないといけないと感じています。

ーーご自身の代表内での役割や強みを教えてください。

:代表ではOFリーダーを任されている。自分からOFを引っ張って、強度や得点など、結果につながる部分に一番こだわっていきたいです。

佐藤:自分は海外でプレーしてきた経験があるので、チームに新しい刺激を与えられたらと思っています。

峰岸:DFリーダーを任されているので、まずはDFを引っ張るという役割を全うすること、そして昨年のニューヨーク遠征での海外選手との対戦経験を活かして、チームに還元していきたいです。

ーー岸選手・峰岸選手は、それぞれOF/DFのリーダーを務められていますが、チームの状態についてはどう感じていますか

:仲の良さもありますし、プレーの強度や質も、練習を重ねるごとに良くなってきています。まだ課題は多いですが、コーチ陣とともに、8月までには世界と戦えるOFを作り上げていきたいと思います。

峰岸:DFも同様に細かい課題はたくさんありますが、長妻頼毅さん、水田裕樹さん、山本大介さんといったコーチの皆さんが親身に指導してくださるので、少しずつ成長できている実感があります。 

ーー今後、代表活動の中で楽しみにしていることは

:やっぱり世界と戦える8月の本大会ですね。みんなで作り上げたチームで、勝ちたいです。

佐藤:遠征や大陸予選で日本代表と戦う機会があると聞いていて、それがとても楽しみです。

ーー最後に、意気込みをお願いします!

:世界に渡り合えるOFを作って、勝ちたいと思います。ぜひ応援よろしくお願いします!

佐藤:日本のラクロスを代表して、世界にその存在を見せつけたいと思います。応援お願いします!

峰岸:自分たちは世代の代表であり、慶應の代表でもあるというプライドを持って、絶対に優勝を目指します。応援よろしくお願いします! 

 

スタッフインタビュー

スタッフ

佐藤映TR(理3・慶應)

 

ーーどんな想いで、ラクロス男子20歳以下日本代表のスタッフに応募されましたか

ラクロス部でマーケティング部門の中のクリエイティブ部門に所属して、インスタグラムの運営に携わっていて、スポーツの観戦が好きで日本代表に携わりたいなというのはずっと思っていたところを、日本代表のPRやTRの募集がかかったので、応募して、日本代表に関わらせてもらえるなら、これからオリンピックもありますし、日本で大会も開催されるので、そういうところにぜひなんらかの形で関わっていけたらなと思って応募しました。

ーー実際にどんなお仕事をされていますか

インスタグラムの投稿を作ったり、フィールドで写真を撮ったり、リールを作ったり、今日は新歓のイベントもやっているんですけど、そのイベントのビラを作ったりしています。

ーー慶大から6名の選手が選考を進んでおりますが

普段とは違う一面を見られて嬉しいなというのも一つありますし、それこそ高校から一緒にやっている友達もいて「やっぱり慶應のプレーヤーたちは上手いんだな」と思いながら、いつも見ています。

ーーお仕事をされる中でのこだわりはありますか

選手のふとした瞬間を収めたいなというのももちろんあるんですけど、ヘルメットで顔が見えにくい分、選手の顔が見えるシーンだったり、ラクロスの動きがよく見えるシーンを撮りたいなと思っていつもファインダーを覗いています。

ーー最後に、意気込みをお願いします!

PR部門とはいえ国内スタッフなのでチェジュ島には行けないんですけど、その中でできる最大限のサポートをして、選手たちのモチベーションにつながるサポートができたら良いなというのと、今後も日本代表活動に携われていけたら良いなと思います!

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