【ラグビー】終盤に追い上げられるも 総力戦で逃げ切り2連勝/関東大学春季大会第4戦 対流通経済大学

ラグビー

 法大戦から一週空き、勝利の勢いを切らせたくない慶大。前戦に続き、「初黒黄」の選手を含む多くのメンバー入れ替えをし流通経済大グラウンドに乗り込んだ。注目は副将・山本大悟(環4・常翔学園)。開幕から全試合WTBでスタメン出場していたが、今試合はCTBで出場。2試合連続欠場の主将・今野椋平(環4・桐蔭学園)に代わり、どのようなゲーム展開を繰り広げるのか、期待がかかる。
 前半は先制に成功。トライの奪い合いの中、両チームともにコンバージョンゴールを確実に決め、21-14で前半を終える。
 後半は流通経済大に先制を許したものの、注目ルーキー・草薙拓海(政1・桐蔭学園)の初トライを始めとし、一挙に3トライを決める。その後3点差まで追い上げられるも、田村優太郎 (総2・茗溪学園)のトライでピンチを脱し、41-33と点差を広げ試合終了を迎えた。
 初出場にしてフル出場の山﨑太雅(商1・県立浦和)など多くの新戦力が存在感を発揮し、最終戦となる来月の青学大戦へ期待が膨らむ一戦となった。


2025年5月18日(日)関東大学春季交流大会 対流通経済大学 @流通経済大学第一グラウンド

◯慶大 41{21―14、20―19}33 流通経済大●

関東大学春季交流大会 第4節

慶應義塾大学

2025/5/18(日)12:00 K.O.

@流通経済大学

流通経済大学

前半

後半

 

前半

後半

3

4

トライ(T)

2

3

3

0

コンバージョン(G)

2

2

0

ペナルティゴール(PG)

ドロップゴール(DG)

21

20

14

19

41

合計

33

前半5分 田村(T)

前半6分 小舘(G)

前半11分 山本(T)

前半12分 小舘(G)

前半23分 小舘(T)

前半24分 小舘(G)

後半6分 石垣(T)

後半9分 草薙(T)

後半13分 藤森(T)

後半44分 田村(T)

得点者

前半9分 ティシレリ(T)

前半10分 青木(G)

前半20分 ティシレリ(T)

前半21分 青木(G)

前半37分 福本(T)

後半3分 山本(T)

後半24分 土井(T)

後半25分 紺井(G)

後半38分 ティシレリ(T)

後半38分 紺井(T)

慶應義塾大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

井吹 勇吾

175/100

環2

桐蔭学園

2

藤森 貴大

173/99

経3

慶應

3

廣瀬 宇一朗

180/107

環2

桐蔭学園

山﨑 太雅

189/103

商1

県立浦和

佐々木 一帆

180/97

経3

慶應志木

6

本田 李成

179/90

政1

慶應

岩垂 樹希

177/93

政4

慶應

8

恩田 優一郎

175/100

政3

慶應

9

杉山 雅咲

170/75

総4

大阪桐蔭

10

大川 竜輝

172/85

理4

慶應

11

石垣 慎之介

176/80

政4

慶應志木

12

山本 大悟

174/85

環4

常翔学園

13

小舘 太進

173/84

商4

茗溪学園

14

加藤 旭陽

166/80

政2

慶應義塾志木

15

田村 優太郎

174/80

経4

茗溪学園

流通経済大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学部学年

出身校

1

土屋 英慈

176/108

4

流通経済大柏

2

山本 陽生

177/102

4

札幌山の手

幸地 陸生

175/104

4

美里工業

福田 拓人

185/100

4

流通経済大柏

キム ボムソック 

187/108

2

Daegu Sangwon

和久田 漸

180/94

岡谷工業

豊田 晃清

180/92

3

流通経済大柏

8

ロケティ ティシレリ

191/124

ChanelCollege

9

幸妻 怜治

168/70

高鍋

10

青木 鴻志

172/78

流通経済大柏

11

加藤 アディナン

174/87

流通経済大柏

12

アンドリュー ヘイウォード

178/95

HastingBoy’s Highschool

13

中川 輝也

180/92

3

熊本西

14

小野塚 勇太

174/77

3

流通経済大柏

15

山崎 遥湊

182/87

2

流通経済大柏

慶應義塾大学

 

流通経済大学

98.6kg

FW平均体重

104kg

789kg

FW合計体重

832kg

178.5cm

FW平均身長

181.4cm

 

 筑波大戦の敗戦から見事立ち直りを見せ、ここで勝利の波に乗りたい大事な一戦としてアウェイグラウンドに乗り込んだ。前節の法大戦に引き続き、期待の「初黒黄」の選手が複数メンバー入り。全体としてフレッシュなメンバーと上級生メンバーが満遍なく起用され、慶大蹴球部のチーム力に期待がかかった。

5月中旬に訪れた猛暑日の中、流通経済大(以下、流経大)のキックで前半が開始された。開始後に繰り広げられたキックでのエリアの奪い合いから相手に与えたラインアウトをモノにし、慶大ボールでフェーズを重ねていく。一時、敵陣5mライン付近まで攻め込むも、パスミスをきっかけに戻されてしまう。しかし慶大優勢の展開は切らすことはない。

開始5分、敵陣5mラインでの慶大ボールのラインアウトを冷静に成功させる。モールから杉山がボールを出すと、慶大バックス陣が正確なパス回しを魅せる。後ろから走り込んできた田村大川からパスが渡り、そのまま相手選手の隙間を抜き、先制トライを奪う。前節までFBを務めた伊吹央(経4・慶應)に代わり、今試合から15番を背負う田村の活躍が光った。その後小舘が鋭い角度のキックでコンバージョンゴールを決め、7点を先制した。

続く7分、ラインアウトから流経大の隙をついてくる攻撃に押され、自陣トライライン付近まで攻め込まれる。そこで流経大ボールのスクラムを獲得され、さらに慶大はペナルティを犯してしまう。守備陣形が整う前に、No8ロケティにタップキックの後自らトライラインに突っ込まれる。コンバージョンも決められ、慶大の得点からブレイクし、その流れに乗った状態で得点を許してしまう。

失点後、悪い流れを断ち切るべく慶大のキックでプレーが再開される。約20秒間、両校のFW陣がモールでぶつかり合う。流経大のSHからSOにパスが回ったのち、フェーズを重ねられてしまうかというところで、山本がインターセプト。そのまま相手のいない敵陣を走り抜け、インゴールに飛び込む。ここでも小舘が確実にキックを決め、点差を稼ぐ。

連続攻撃を仕掛けたい慶大だが、自陣の深いところで相手のオフェンスにひたすら耐える我慢の時間が続いた。数分間にわたる慶大の粘り強さは実らず、流経大ボールのスクラムを起点にモールでそのまま押し込まれ、トライラインを明け渡す。開始21分時点で14ー14というスコアのシーソーゲームが繰り広げられる。

続く22分、相手のロングキックを受けた田村から、大川石垣へとパスが回る。石垣は鈍い角度をつけたランで相手ディフェンスを何枚も抜き去る。杉山のロングパス、山本のキックなどで攻撃の多彩さを披露するも、簡単には得点の機会を許されない。しかし直後の慶大も集中力を切らすことなく、ラックからボールが出ると、大川が相手選手を引き付ける間に上手くタイミングを合わせて走ってきた小舘の手にボールが収まり、相手ディフェンスの壁をものともせずトライを奪取した。コンバージョンも小舘が決め、チームスコアの過半数である11得点を一人で挙げる活躍で観客を魅了した。

その後は、ペナルティを誘発し合い、セットプレーが多く見られたが両校とも得点には結び付かず、戦況が動くことはなかった。そのまま21ー14で前半を終了する。

 

 

点差を広げ、確実な勝利に近づけていきたい慶大は、後半開始から橋本弾介(法4・慶應)草薙拓海(政1・桐蔭学園)和田健太郎(理2・清真学園)を投入。バックス陣から新しい流れをもちかける。

後半3分、流経大ボールのラインアウトから約15秒間モールで耐えるが、最後は流経大の力に押され得点を許し、2点差まで迫られる。

その後の6分、流経大によって放たれたロングキックを受けた和田から石垣にパスが回ると、一気に攻撃を仕掛ける。FW陣・BK陣双方の粘り強いゲインで流れを作り、最終的にはライン際を駆け上がってきた石垣がボールを受け、インゴールに飛び込んだ。

続けて9分、慶大ボールのスクラムで押す。素早く出されたパスから、恩田が相手の逆を突き、ゲイン。恩田に並走する形でライン際で顔を出した草薙に、敵陣10mライン付近でパスが回ると、そのまま独走。草薙の記念すべき春季大会初トライとなった。

さらに11分には、相手のペナルティを誘発し、チャンスメイク。慶大ボールのラインアウトからモールを形成し、そこから出た藤森が相手を引きつけながらも自力でボールを押し込む。3年生である藤森も春季大会初トライを決めた。

一挙3トライをあげ、スコアを36-19とした慶大だが、後半24分・38分に流経大に連続得点を許し、36-33まで追い上げられる。

44分、慶大の最後まで絶やさなかった攻めの姿勢が功を奏した。慶大ボールのスクラムから出たボールを草薙が前に進める。トライライン付近で一度フェーズが途絶えるも、最後にパスを受けた田村がインゴールに飛び込んだ。その後の流経大の追い上げも許さず、41-33でノーサイド。

FW陣・BK陣ともに終始低く相手に突き刺さるタックルで立ち向かい、後半は慶大優位のスコアを継続した。

今後は招待試合の早大戦、定期戦の同志社大戦を控える慶大蹴球部。さらにパワーアップした姿で最終節・青学大戦を迎えることとなるだろう。

 

(取材:鈴木拓己、髙木謙

記事:島森沙奈美)









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