【バレーボール】早慶定期戦直前特集 第1回 中河果子×板垣慧×河村歩奈×山木柊×西村美葵

バレー企画

第1回は早慶戦運営のみならずチーム運営の中核を担う主務の5名が登場。それぞれ男子部、女子部と、役職は同じでも立場が全く異なる皆さんに早慶戦への思いや今年のチームについてなど様々なお話を伺いました。

※この対談は5月26日にオンラインで行われたものです。

自己紹介・主務の仕事について

ーー自己紹介をお願いします

河村慶應義塾大学男子チーム渉外主務の河村歩奈です。早慶戦に携わるのは今年で4年目です。この4人には私のやりたいことやわがままをいろいろと聞いてもらっていて感謝しています。「主務」ではない立場にも関わらず、今回対談に呼んでもらえて嬉しいです!

西村慶應義塾大学女子チーム主務の西村美葵です。板垣くん(板垣慧・政経4=京都・洛南)とはあまりないのですが、果子ちゃんとは普段からたまに連絡を取る仲です!男子チーム主務の山木とは中学が一緒なので話しやすいです。

山木慶應義塾大学男子チーム主務の山木柊です。スタッフになったのは去年からなので、運営陣としてはまだペーペーですが、去年先輩や歩奈から吸収しているつもりなので、今年は運営1年目ですが集大成の大会にできたらいいなと思っています!

板垣早稲田大学男子部主務の板垣慧です。去年の早慶戦の運営から関わらせてもらって、最初に柊が言ってくれたようにみんなの仲が深まったのかなと思っています。今回が最後の早慶戦になるので、まずは全力で楽しみつつ、運営面でもしっかりサポートできたらなと思っています!

中河早稲田大学女子部主務の中河果子です。板垣と同じく去年も運営に携わって、いろいろと新しい試みをやった中で、今年は慶應さんにそれを引き継いでもらえているので、個人的にすごく嬉しいなと思っています。歩奈ちゃんと早慶戦を機に一緒にごはんに行くくらい仲を深められたのも嬉しかったです!

 

ーー普段からどのくらいの交流がありますか

山木このメンバーは去年の早慶戦からじゃない?歩奈(河村歩奈・経4=神奈川・慶應湘南藤沢)と果子ちゃん(中河果子・法4=東京・大妻)は前からあったかもしれないけれど。それぞれ役職をもって部の運営に関わるようになって、去年の早慶戦が終わった後7月頃に反省会をして、その時に次の早慶戦について理想を語り合った感じですね。

 

ーー運営陣は仲は良いですか

山木そうですね、オンラインだとちょっと伝わりにくいかもしれないですが(笑)。集まっての思い出はその反省会が最初で最後かなと思います。僕だったら試合会場で板垣と会うことはあるのですが。僕は高校まで関東1部リーグとか、大学までバレーを続ける選手と仲良くなれるキャリアではなかったので、他校で話せる選手がいることは貴重で。だからこそ、板垣とは、東日本インカレとか、全日本インカレでも当たったし、その時写真も撮ったよね?

板垣そんなこともあったね!

山木プライベートではお互い忙しくてあまり会えないのですが、試合会場で近況報告したりとか、運営の連絡をしながら雑談をしたりとか、それこそミーティングが終わった後に残って話したりとか、小さい思い出は割とありますね。

 

ーー早慶戦が終わったら皆さんでやりたいことはありますか

山木あまり先のことを考えられていないのでまだ分からないです。

河村私は新宿のコメダ珈琲で反省会をしたいと思っています!

山木・板垣:あそこ暑かったじゃん(笑)。

河村新宿のコメダ珈琲にはホワイトボードが置いてある会議室みたいな部屋があって、去年の反省会もそこでやったので、今年もそこでやります!

対談中の河村(慶大男子部・渉外主務)

 

ーー普段どんなお仕事をされているか教えてください

西村慶應の女子チームは渉外主務もマネージャーもいないので選手がそれらをやることになっていて、練習の運営だったり、早慶戦の運営やスケジュール管理、OBやOGの方々との連携だったり、部が円滑に回るためにするべきことを全て主務が担っています。その中で自分は選手もやっているので、選手と主務の両立というなかなかできない経験をすることができていると思っています。

山木僕も選手と兼任しているので、練習の時は練習をして、それ以外の時間を主務の仕事に使っているのですが、自分がやっている中で思ったのは、主務は選手の親っぽいというか。面倒を見てあげて、選手が気持ち良く練習に取り組めるような環境をつくってあげることが仕事でもありつつ、こういうチームにしたい、こういうことをやってみたいというような自分なりのチームの方向性も言えるポジションでもあると思っています。チームの世話をしながら育てているような感覚です。具体的な仕事の内容は西村が言ったように、練習の運営や試合のエントリー、会計、早慶戦の運営などをやっています。

板垣自分も選手兼主務という形でやっていますが、1個下の山崎(山崎喬平・スポ3=静岡・東)が副務で入っていて、マネジメントの面では山崎にお願いしているところも多いです。自分は選手寄りで普段やらせてもらっていて、外部との連絡や春合宿の計画などを一緒にやったくらいで、主務の仕事をすごくやっているかと言われるとそうではないのですが、柊が言ったように、全体を見ながら指示を出すところで、やっぱり選手が一番なので。選手が練習しやすい環境をつくることを大切にしていつもやっています。

中河私は3人とは違って完全にマネジャーとして部にいるので、裏方の仕事は何でも、例えば会計処理や外部との連絡などは全部自分がやっています。一方でもともと選手としてこの部活に入っていたので、人が足りなかったらパスの相手をしたり球出しをしたり、サーブを打ったりもするので、今は本当に何でも屋という感じです!

河村大きく4つあって、まずはみんなが言ったように練習に帯同して選手のサポートをしています。2つ目が、OB団体の会費を集めることで、これが渉外主務ができた背景でもあり、一番の使命です。3つ目が広報系で、これはSNSやホームページの管理を責任をもってやっています。4つ目が早慶戦などのイベントで主務をサポートすることです!

 

ーー早稲田と慶應で部の雰囲気が違うと感じることはありますか

山木勝手な印象ですが、早稲田は監督が主導の部分があるのかなと思っています。慶應は監督が企業に勤めていて平日は練習に来られないので、学生が中心にやっているところがあって。そういうところから雰囲気の違いは感じます。

板垣学生主体でOB会費を集めるところまでやっているところがすごいなあと思います。早稲田には渉外主務はないので、そのようなことはOBの中でやってもらっているから、そこは慶應だからこその独特の雰囲気なのかなと思います。あとは、早慶戦を運営するにあたって、慶應はOBOGの方とのつながりを重視するところが結構あるのかなと思っています!

河村たしかに早慶戦などイベントを運営する時に確認を取る順序は違うのかなとは思いますね。

山木選手の雰囲気の違いはあまりないんじゃない…?

中河女子は主に早慶戦でしか試合をしないこともあり、チームの雰囲気の違いはあまり想像がつかないですが、早慶戦では、部員全員で一丸となって戦ってるなという印象を毎年受けてます。

 

ーー主務と選手の両立について教えてください!スタッフに専念されている方はどのようなモチベーションで仕事をしていますか

中河私は選手ではないので、自分がボール出しとか、マネジメントの部分をやっていて、選手が勝って嬉しそうにしている姿とか、部員が喜んでいる姿を見ることがモチベーションかもしれないです。選手だった経験もあって、プレッシャーがある中プレーする部員の気持ちは少なからず分かっているつもりではあるので、それに対しての尊敬の気持ちと、選手たちが結果に喜んでいる姿を見られたらそれだけでいいかなという気持ちがあります。

板垣僕は選手と主務を兼任しているので、両立の面だと、やっぱり練習時間とそれ以外に関係なくたくさん連絡が来るので、練習を優先しながらも主務の仕事もしっかりとするというバランスの取り方が難しいなと思っています。慧さん練習していないな、と思われることがないようにしていますが、仕事が溜まってしまうと練習に出られないこともあるのでそれが難しいです。

山木僕も選手と主務をやっているので、大変さは板垣が言ってくれたのと同じかなと思います。練習の時は仕事をしないので、その分それ以外のところでの時間の拘束はあるし、あまり仕事している感じを外に出したくないタイプなので、ヒイヒイ言ってしまう時もあるのですが、選手たちからするとくどいかなと思って見せないようにしています。選手たちにあまりスタッフの仕事に気を取られてほしくないので、バレーボールだけをしていたらいい環境をつくりつつ、(自分がやっているということは)気にさせないところが大変かなと思います。

西村大変なのは、みんなが言っていたように時間のバランスを取ることで、練習時間以外に自分の時間が少なくなってしまうことは少しきついです。その中で、柊が選手たちに大変さを見せないと言っていたように、他の部員には自分がどんな仕事をしているかは分からないので、その点で孤独に感じる部分もあります。その大変さは部員と共有できないことが自分の中では結構大変かもしれないです。

河村私はみんなと違ってスタッフ専任ですし、今までバレーボールをしたことがなければ運動部に入ったこともないので、まずはこの部活に入れてもらえて有難いなという気持ちがあって。10年、それ以上もバレーボールをしている人もいて、みんなその集大成としてこの部活に入っているから、その夢を一緒に見させてもらえているという有り難さがずっと根本にあります。やりがいとしては、やっぱり選手から言ってもらえる言葉にあると思います。今この早慶戦の運営を頑張れている原動力になっていると思うのが、1年生の時に早慶戦に関わった時に、その当時の先輩から「スタッフの努力に負けられない」、「学生としてこんな経験ができるとは思っていなかった、一生忘れない」と言ってもらったことです。プレーではチームに貢献できないけれど、自分が全力で仕事をすることで、何か少しでも勝利に貢献できたらいいなというのが、綺麗事に聞こえるかもしれないけれど、モチベーションになっています。

対談中の板垣(早大男子部・主務)

チームについて

ーー部員だからこそ分かる、注目してほしい選手を教えてください

河村慶應では縦割り班があって、その中の自分の班の話なのですが、哲平(緒方哲平・環情2=宮崎・日向学院)が、慶應が大切にしている「揺らがず、とらわれず」のフローの精神を体現している感じがしていて、それを周りにも伝播させてくれる存在だと思うので、注目してほしいです!

山木今日この場にはいないのですが、1個下の林くん(林航大・商3=神奈川・慶應義塾)がこの早慶戦でスタッフとして急成長していると思っていて。例年よりも演出を頑張っている早慶戦なのですが、僕も隣を歩いてはいるけれど会場演出班のリーダーとしてみんなを引っ張ってくれているので、今回の早慶戦でその演出も含めて航大くんには注目してほしいなと思います。彼は早慶戦を観てスタッフをやりたいと思って部に入ってくれているので、僕にはない種類のやる気があるから、これからも伸びていくと思います。

中河注目してほしい選手は、2年のモサクまり(国教2=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)です。大学に入って初めてローテーションを知るというところからのスタートだったのですが、すぐにうちのほぼエースとして活躍するようになりました。もちろんプレーを見たらみなさん注目するとは思うのですが、バレー歴でいうと体育会の部活の中でこの短さはなかなかないと思うので、早慶戦のパンフレットにも載っていないこの情報を知った上でプレーを見てもらうとよりそのすごさが分かってもらえるかなと思い、私のイチ推しの選手です!

板垣1個下の副務の山崎です。最初に言ったように自分は選手もやっているので、試合のエントリーや大学の部活を運営している組織などとのやり取りも彼に任せていて、試合で結果を出すのは選手かもしれないけれど、そもそも試合に出られるのは彼のおかげなので、彼の頑張りが今年は輝いていると思っています。今回の早慶戦も、林くんと一緒に会場演出をやってくれているので、ぜひ注目してほしいです!

西村私も似たような感じになりますが、副務の坂本帆南(理3=神奈川・慶應湘南藤沢)です。去年の8月に入部して、去年の早慶戦には関わっていないので、初めての早慶戦で運営をしてくれているところで貴重な存在だと思っています。理工学部で頭も良くて、すごく仕事ができます。選手としてのプレーを見られるかはまだ分かりませんが、運営面ではすごく輝いているので、プレー以外の面で彼女に注目してみてほしいです。

 

ーー今年のチームの特徴は

板垣:今シーズンのチームの雰囲気っていうところで言うと、結構去年からメンバーが変わらずに残ったまま行けたので、今年は誰が出ても強いチームっていうところを売りにしてやってる部分があります。それこそリーグを通してもそうですし、黒鷲旗という大会がリーグ戦の途中にあったのですが、そこを通してもスタメンだけでなく色々なメンバーが代わる代わる出て、今年は選手層が厚いなっていうのが、雰囲気というか、今年のチームの特徴かなという風に思ってます。本当に早慶戦でも誰が出るかわからないというような感じで多分挑むことになると思うので、みんなで総力を上げて戦っていけるように練習を始めたいと思います。

中河:はい。春リーグの結果からいくと、2部で10位っていう、なかなか我々として勝てなくて、すごい苦しい期間で結果としても目指すものではなかったんですけど、新入部員が14名入ってきてくれて、すごく活気が溢れるているなと思います。元々いた部員が12名だったんですけど、その倍を超える部員が入ってきてくれたので、早慶戦は総力戦というところでベンチワークとか応援も含めて入ってきた部員とも一緒に勝ちに行けるように頑張っていきたいなっていう風に今チームで話してるところです。

西村:慶應の女子部は、早稲田とは違ってちょっとあんまり強くない4部に今いまして、まだリーグ戦は続いているのですが、今のところ全勝中で次の試合に勝ったら昇格というところまで来ております。昨年のチームと違うなと思うのは、結構攻撃力がある点だと考えておりまして、特にあとブロックがいいのかなと。例年よりブロックがよく、あとミドルのクイックが入れるのがすごいいい点だなと思います。また、主将の倉員を筆頭にすごい勝ちにこだわっているのがすごいいいところだなと。4年間在籍した中で1番勝ちにすごいこだわってるのが伝わるチームなのなのかなと思うので、今年の早慶戦は絶対に勝ちに行けるように頑張ります。

河村:慶應男子は2部で、この春リーグの結果は6位でした。昨年の春の入れ替え戦で2部に落ちてからずっと1部復帰を目標に掲げてやってきたのですが、その中で昨年の秋、今年の春では、なかなか目標から遠いところにあって。現在はチームとしても苦しいところにいるのかなっていうのが現状のところです。全体的に下級生が試合に出て、というチームではあるので、その中で4年生としてプレーじゃないところ、人間としてどう引っ張っていくかを現在考えています。強みとしては、メンタルトレーニング等に取り組んでいて、先ほどの話でもあった通り「フローの精神」であったり、調子が上がってくると爆発力があるチームかなって風に思います。早慶戦、早稲田も感じてくれてる部分だと思うんですけど、かける思いの強さには自信があるので、11年ぶりの勝利を今年こそ掴みたいなと思います。

山木:特に今シーズン後半で負けが続いてる時期はあったんですけど、その中でも選手たちは別に下向いてるなっていう印象は全然なくて。1試合1試合、目の前の試合、入れ替え戦がだんだん可能性がなくなっていくというかなり苦しい状況だったのですが、その中でも目の前の試合にかける思いが特に弱くなることもなく、1つずつ自分の成長のために試合をやるっていう気持ちをも持ちながらやってくれたなっていう風に思ってます。そして、慶應は楽しめてる時やっぱすごい強いので、さっきも(河村)歩奈が言ってくれた「Flowの精神」っていうこところですけど、早慶戦は今年はホームの開催ですし、1年で絶対1番楽しい試合になると思うので、早慶戦での慶應の爆発をちょっとご注目いただきたいなという風に思います。

対談中の西村(慶大女子部・主務)

ーー学生生活最後の年ですが、今年1年をどんな年にしたいか、そしてやってみたいことがあれば教えてください

板垣:結果じゃなくて過程にこだわってはいるんですけれども、目標である全カレ(全日本インカレ)での優勝を1番の目標に活動してるので、それに向けて今春リーグ、黒鷲旗と優勝はできたものの、まだまだ気を抜けない部分はあるので、そこには取り組んでいきたいなと思います。主務としてチームのマネジメント的な部分で言うと、今年は部として多くのことに取り組んでいます。お金的な部分でも早稲田が大学バレー界を引っ張っていくみたいな感じの動きを今年はしています。スポーツって資金が多く必要でかつ足りていないという現状があるので、より価値を高めて、お客さんがお金を払いたいと思える魅力あるものを作りたいというのが今年取り組んでみたいことです。

山木:チームとしては、今、板垣くんが早稲田が大学バレーを引っ張っていけるようになりたいっていう風に言っていましたが、僕としては、この前SproutCampとかもあって、男子だけになってしまいますが。SproutCampを経てやはり早慶の運営陣は日本一だという風に思っているので、そんな我々がSVリーグとか春高とかだいぶ盛り上がっている中、大学バレーはその一方あまり大きいメディアに取り上げられることもなく、ライトなファン層が少ないなっていう風に思ってるので、今年の早慶戦がそれを変える1個のきっかけになってくれればいいなと思っています。個人的にはケイスポさんの主務対談でもお話したのですが、僕も色々葛藤とかやりたいこともありながらも、選手もやって主務もやってという選択をしていて少なからずいくつか選択肢を捨ててやってきているので、納得ができるような1年したいと思ってます。

河村:学生でしかできないことは全部終わらせて卒業したいなっていうのが1個あるのと、もう1個がチームに名を残した、という野望があります。というのも、慶應バレー部の名簿を私は渉外主務としてよく見るのですが、基本的に名前しか名簿には記載がなく、男子チームの女子マネージャーは、女の人っぽい名前だったら、後から見てこの人は女子チームの選手だったのか、男子チームでマネージャーをしてたのかがわからない、というのがあります。だからこそ渉外主務としての「私」を残す、というのをができたらなっていう風に思っています。板垣くんが言ってたみたいなお金に関することもそうだし、広報に関すること、私が好きな慶應バレー部の魅力をより伝えることであったりとか、これからずっとチームが持続していくためには、やっぱりお金っていう要素は欠かせないと思うので。色々考えてることあるんですけど、 新しいことをして何かを変えるような存在になれたらなっていう風に思います。

西村:チームとしてはまだ私たちはまだリーグの最中なので、まず今週末の試合を勝ち切るというのはもちろんで慶應の最初の早慶戦のキックオフのミーティングで柊(山木)とかあゆ(河村歩奈)が日本一の大会を作りたいっていうのを言っていたの、すごい印象的だなって思っていまして。自分は保守的で、そんなに新しいことに前向きになれるタイプではなかったんですけど、こういう素敵な同期を持てたので、自分も日本一の大会を作れるような運営に携われていることに感謝しながら、あと2週間やりきりたいなっていうのを思っています。個人としては、小学校からバレーボールをやってきて最後の1年になっているので、後悔せずに、うまいわけではないんですけど、10数年のバレー人生をちゃんと締めくくれるような1年にしたいと思います。

中河:チームとしては2部で10位だったっていう結果をすごく受け止めていて、もっと勝ちに貪欲に、結果も求めていかなければいけないなとおもいます。これから早慶戦、東日本、秋リーグと続いていきますが、もっともっと技術もチーム力も磨いていかないとなというのが今のチームの現状かなっていう風に思います。

個人としては、このチームが始動した時からずっと言ってきてるんですけど、自分が4年間こう、早稲田の女子バレー部で過ごしてきて、本当にその年の4年生によって下級生3学年は左右されるというか、スローガン1つとってもそうですけど、チームの運営方法にしてもすごく影響を受けるなっていうのを個人的には感じているので、後輩たちの大事な1年預かってるっていう気持ちは今でもずっと思ってるので、そういう気持ちは絶やさずに、最後いい形で終われたらいいかなっていうのを思ってます。

対談中の中河(早大女子部・主務)

 

ーーお互いのチームに負けないところは

中河:多様性っていうところかなって思っていて。うちのチームは、大学から始めた子もいれば、さっき私が紹介したバレー歴が浅い子もいるけどレギュラーで活躍してたりとか、一方で春高を優勝して早稲田に入ってきた子もいたとか、本当にいろんな経歴のメンバーがいます。でも逆に多様性っていうのは、どのチームにも負けないかなって思ってます。

山木:選手層とか実力で言ったら劣るところはあると思うんですけど、うちのチームのみんなの貪欲さでは負けてないと思ってて。あまり実績もないし、高校時代名を上げた選手はいないんですけど、だからこその貪欲さというか、1部を経験してる選手もいるし、その上で今2部でやってて上を知ってるからこそ、今からここから這い上がりたいっていう気持ちは早稲田さんには絶対に負けないかなと思う。

河村:先ほど山木からもあったと思うんですけど、平日は監督がいらっしゃらなくてメニュー班であったりとか、キャプテン中心に日々のメニューを考えています。自分たちの弱みと向き合って、現状を見つめて、目標に到達するためにはどうするべきかで、それを分解してかつ言語化して監督に伝えてという、日々コミュニケーションが求められているので、平たく言うと自主性と言語化力は強みなんじゃないかなと思います。

西村:私たちのチームもそんなに春高とか出てるようなバレーをやってきた選手がいるわけではない中で、やっぱり早慶戦にかける思いっていうのは早稲田の方よりは強いのかなっていうのは思っていまして。プレー面ではやはり実力差があるのかなってのはすごい感じているのですが、やっぱり気持ちというか、パッションだけは今練習を通して、やっぱり早慶戦をすごい見据えて練習しているので、その点は勝っているのではないかなというのは思います。

板垣:本当に面白くなくて本当に恐縮なんですけど、実力っていう部分ではそれこそ名を上げてきたような選手方がいっぱいいらっしゃるので、そこでは勝てるかなというのはあるんですけど、だからこその使命感というか、春季リーグの閉会式でも積山さん(積山和明氏、全日本大学バレーボール連盟理事長)が早稲田のバレーが大学バレーを引っ張っていってほしいというのを言ってくださっていて、自分たちがそういう身にあるからこそ、普段の行動であったりとか過ごし方であったりとか、そういう部分からお手本になるようなところを目指せるようにという覚悟は勝っているのかなって思います。

 

早慶戦について

対談中の山木(慶大男子部・主務)

ーー早慶戦の運営において会場校の違いによって変わることはありますか

山木:会場校が当番校といって割とこう指導してやってくんですけど、方向性とか運営のコンセプトみたいなの考えてそこからは一緒に進めてくというやり方でそんなに変わりはないと思います。

 

ーー足並みが揃わないこと等はありましたか

河村:4年間で感じる部分があって。1年目は分からない部分も多かったのですがコロナ明け最初の大会っていうところで、試合を有観客で開くっていうだけで人が集まるっていうような、そんな大会だったんじゃないかなっていう風に思います。

私が2年生の時、慶應が当番校になった時に、結構あり方っていうのはガラッと変わったんじゃないかなっていう風に思っていて。

それこそ、一部チケットを有料にしたり、エンタメ要素を入れてみたり、他の会場設備にも力を入れる、予算をよりかけるっていうところがあったかなと思います。正直、その時は慶應主体で進めていたので、来年以降これが続いていくのかなっていう不安が、正直その時、中にいた人間としては思っていました。でもその次の3年生の時、早稲田が当番校の時に、それを大きく昇華させた大会を作ってくださったなっていう風に思っています。例を挙げるならば、全席有料化であったり、他にも会場演出の面とかお弁当とか色々なイベントもあって、そこ足並みが揃ったタイミングだったんじゃないかなと感じています。実際、今年の早慶戦は去年からこういう風に仲良くなれたからこそ、すごいやりやすいなっていうのがあって。運営の体制も慶應だけでリーダーをやって進めるってよりかは、慶應と早稲田が一体になってリーダーと副リーダーっていう形で各班の体制を整えているので、その点はよりまた今後足並みが揃っていくというか、毎年毎年進化したものを作っていけるような足掛かりになったんじゃないかなっていう風に思ってます。

 

ーー早慶戦運営のやりがいは

板垣:去年、3年生の時に結構主体的にやらせてもらって、飲食販売や全席有料化とかっていろんな施策をしていく中で、1番大きいのは去年2500人、その前3000人とかで、そんな人数の大会をまず作れるっていうことが多分学生の中では珍しいことで、それをやりきったっていうのが1つのやりがいでもあり、その中で観客が笑顔の空間を作り上げるっていうとこがね、1番やりがいかなっていう風に思っています。

中河:学生主体で、板垣も言ってたんですけど、4年間で学生では経験できないような規模感で主体となってできるっていうのはやりがいに感じましたし、昨年飲食販売をやったんですけど、0からものを作るっていうところで新しい歴史を自分たちで作れたのも1年経った今でもいい思い出ですし、実際にOBの方々とかからも直接の生のお声として今年の早慶戦楽しかったよって言ってもらえたのは、直接感じられたやりがいだったかなっていう風に思います。

河村:他の大会の部活に所属している友達が去年の早慶戦見に来てくれたんですけど、終わった後に1個言ってもらったのが「慶應バレー部がこんなに死ぬ気でやってんのに、俺ら生ぬるいって思ったわ」って言ってもらえて。明日から頑張る原動力じゃないですけど、背中を押すことができたこと、そして選手、観客双方に対して、学生では類を見ないような規模で背中を押せた、原動力になれたっていうのは、すごくやりがいだったかなって風に思います。

山木:僕がやりがいを感じる時は、自分が去年の夏からみんなで話しながらも頭の中で作ってた早慶戦がだんだん形になっていってるこの段階。1歩1歩踏み踏みしめるたびに、理想の大会に近づいてるなっていう思いがして。そういう時にやりがいを感じるし、新しい演出に関しても大学の事務と話していて、実現できたとしたら、慶應でやるイベントでは初めての例になるので、やりがいを感じるのかなと。

西村:私は、お客様の人数がこう数字として出るっていうのは、わかりやすいやりがいなのかなっていうのを感じておりまして。あまりプロに行くようなチームでもないので、学生のうちにこういう3000人近くの方の前でプレーするなんていう機会は普通に考えてできない経験なので、そういう経験を周りにさせられてあげるっていうのもすごいいいと思いますし、それを実際に感謝していただけるとか、お客様がそういう楽しんでいる姿を見れるっていうのはすごいやりがいに感じるのではないかなと。

 

ーー今回の早慶戦のこだわりポイントと意気込みを教えてください

西村:こだわりは慶應の中で今までやっていなかった新しい試みができるっていうのはすごいいいことなのかなっていうのを感じています。詳しくは後で2人(山木と河村)が話してくれるのかなと思うので、私からは意気込みとして早慶戦って年に1度で1番大きな大会出て、慶應女子としては1番かけている試合なのかなと思うので、最後の早慶戦で絶対に勝てるように死ぬ気で頑張ります。

中河:昨年も結構新しい試みをたくさんしたっていう自負はあるんですけどそれを超える新しい取り組みもたくさんあるので、私も体験する1人としてすごく楽しみにしてます。意気込みとしては、今年の慶應の女子部すごく強いっていうのは噂にも聞いてますし、まずは勝ち切ることにこだわりたいです。今までの戦績とか見ても、ここで黒星をつけるわけにはいかないっていう戦績だと感じています。早慶戦ならではの雰囲気も特に新入生には味わってもらいながらも、総力戦で戦い抜きたいです。

板垣:意気込みとしては最後の早慶戦になって早慶戦という部分で1番早慶のすごさというか、本当にこうやって繋がってるんだなっていうのを感じるものがあったので、それを感じつつ、出場する機会があったら、自分自身も3000人の前でプレーする楽しさを噛み締めつつ、後輩たちにもこんな人数の前でプレーできるっていうのはすごいことなんだよってことををなんだ教えつつ取り組みたいなという風に思ってます。

山木:新しい演出とか試みはもちろん、絶対にこの新しい企画が大学バレーを盛り上げるんだ。というこだわりのもとで、実現に至るまで壁は多かったんですけど、絶対にこれが正しいという強い気持ちで進めてきたところではあるので、そこ1個こだわりなんですけど。

運営面で言うと、去年の早慶戦のレセプションとか閉会式含めて、すごい大人の方たちが早慶の絆っていうのを強調されてたのが、僕的には印象的で。ずっとライバル関係みたいなのはわかってたんですけど、あんまり絆という側面から見たことがなかったので。例年の早慶戦の運営は両校の主務が引っ張ってるっていうか、その間で連絡とって、主務から話が下ってくるみたいなシーンが多いかなって思ったんですけど。そこは早慶の絆っていう話を聞いて、みんな運営の力あるし、主務からの指示を待ってるだけじゃもったいない子たちばっかりなので、運営の体制から、後輩たちが早慶で連絡を取り合って、自分たちで進められるような体制を今年は作ってみたので。今のところ成功してるかなっていう風に自分では思ってるんですけど、それが大きい大会を作れるんだっていうところを見てほしいかなと思います。

河村:今回の早慶戦としてのスローガンは継往開来(けいおうかいらい)というものを掲げています。これは「過去を受け継いで発展させながら、未来を切り開く」というものです。昨年の早稲田開催の早慶戦のスローガンも「継承と発展」で、それを受け継いだ形になるんですけれども、これをこだわりとして持っていきたいなっていう風に考えてます。継承の面でいくと、一昨年からエンタメ面も重視してより多くの人の心を掴みに行っていました。そしてその流れをより発展させていって、新しい企画にチャレンジしていまます。この4年間を振り返って、誰かが新しいものを考えた先に、より新しいものが重なっていくなっていう実感がすごくあって。その「新しさ」を途絶えさせないことが、次の新しさを生んでいくなと感じています。今年私も沢山わがままを言って、新しいことであったりとか、やりたいものっていうのを全部口に出すっていうのにはこだわってやってきました。それ全てが実現できるかどうかはわからないんですけれども、それで来年以降の発展の土台になっていけたらなっていうところがあります。もう1つこだわりとして、「神は細部に宿る」っていう言葉をすごく大切にしています。早慶戦1日通じて楽しかったっていう思いも、1つ何か気になることがあったら、それは崩れてしまうもろいものだと思うので。早慶それぞれが協力して運営しているからこそ、それぞれの多様性を持った視点で、それらの細部を取り逃さないっていうところは、最後までこだわって作っていけたらなっていう風に思います。最後までこの早慶バレーの魅力を皆さんに伝えられるように精一杯頑張ります。

ーーありがとうございました!

【取材、写真、編集】

 慶應スポーツ新聞会 長掛真依、村田理咲

 早稲田スポーツ新聞会 井口瞳、佐藤玲

対談後にはそれぞれWとKのポーズをしてくださりました!

 

◆板垣慧(いたがき・けい)※写真3段目

2003(平15)年7月13日生まれ。187センチ。最高到達点330センチ。京都・洛南高出身。政治経済学部4年。昨年は運営を主導し、たくさんの新規企画を作り上げてきた板垣選手。集大成となる早慶戦を『ラスト楽しむ』気持ちで盛り上げます!

◆中河果子(なかがわ・かこ)※写真1段目左

2003(平15)年7月24日生まれ。172センチ。東京・大妻女子高出身。法学部4年。ボール出しから会計業務まで、女子部を多方面で支える熱いマネジャー。普段と変わらず『全力で』、楽しみながら早慶戦運営も頑張ります!

◆山木柊(やまき・しゅう)※写真2段目左

2003(平15)年9月27日生まれ。174センチ。最高到達点327センチ。神奈川・慶應湘南藤沢高出身。文学部4年。選手として、主務として臨む最後の早慶戦。「当たり前のことを、当たり前に」主務の大変さを感じさせず、慶大男子部を支え続けているのが彼 の凄さ。

◆河村歩奈(かわむら・あゆな)※写真2段目右

2004(平16)年2月29日生まれ。神奈川・慶應湘南藤沢高出身。経済学部4年。慶大男子部で渉外主務を務め、1年時から早慶戦運営に携わる。慶大開催の今年は、こだわりの詰まった早慶戦になること間違いなし。熱い想いを秘めた河村の集大成を、日吉記念館で!

◆西村美葵(にしむら・みき)※写真1段目右

2003(平15)年6月19日生まれ。165センチ。最高到達点283センチ。東京・慶應女子高出身。商学部4年。エースと主務の両立を掲げて臨むラストイヤー。仲間がバレーボールに集中できる環境のため、奮闘しています。力強いプレーと運営姿のギャップにご注目!

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