今年も夏の早慶戦シーズンが、いよいよ幕を開ける。ケイスポでは、各部のプライドをかけた伝統の一戦をさらに盛り上げるべく、K-Project「夏の早慶5連戦」とのコラボ企画を始動する。
第2弾は、注目選手対談。水泳部水球部門副将・片岡秀治選手(経4・慶應・写真左)、バレーボール部主務・西村美葵選手(商4・慶應女子・写真右)の対談をお届けする。小学校時代を共にした、かつての旧友が体育会で再会。異なる競技、異なる環境の中でチームを率いる彼らが早慶戦に懸ける思い、ラストイヤーへの意気込みを語る。
♢早慶戦日程♢
6月8日(日)早慶バレーボール定期戦 @日吉記念館
6月29日(日)早慶対抗水上競技大会 @東京アクアティクスセンター
――自己紹介からお願いします!
片岡:水泳部水球部門に所属している片岡秀治と申します。今は副将をやっています。
西村:体育会バレーボール部女子部の西村美葵と申します。現在は主務を務めています。
――マイブームはありますか?
西村:最近はコーギーの動画を見るのにはまっていて、インスタのリールとかでずっと見てます。
片岡:コーギーね。犬ね。授業じゃなくて(笑)。
西村:犬犬(笑)。
片岡:最近は就活が終わって時間ができたので、一昨日ミッションインポッシブルの映画を見に行きましたね。はまっているものではないかもしれないですけど。
――お2人は古くからの仲とか
片岡:小学校が一緒で、6年間同じクラスでしたね。
西村:帰り道とかも一緒で、クラス替えもなくてずっと関わっている感じでしたね。
片岡:中高は変わってしまったので、喋る機会もなくなってしまったんですけど、大学の体育会でまたこう話せるようになりましたね。
――第一印象を覚えていますか?
片岡:昔から運動ができて、勉強もできたので文武両道でした。女子の中で1番背が高くて、背の順も近かったので喋るようになりました。
西村:秀治は、昔から優しかったなっていう印象があって、クラスの中心にいるイメージでした。水泳がとても早かったので、今水球やってるのが納得です。
――今の印象は
片岡:今はバレー部で大活躍ということで、変わってないなと思います。
西村:水球で活躍しているという話は聞くので、運動神経は変わらず良いなと思うし、人柄も良いままなんだなって思います。
――何か1つ思い出はありますか?
片岡:1つめっちゃ覚えているのが、小学校6年生のときに、部活が火曜日か木曜日だったんですけど、火曜日部活組で、屋上でずっとバレーをやってて、美葵が男子をぼこぼこにしていたのを覚えています(笑)。
西村:確かにそれは結構覚えています。火曜日に部活があるのが女子は2人しかいなくて。私のスパイクを水鉄砲とか火縄銃とかいじってきたのを覚えています(笑)。
――今でも交流はありますか?
片岡:今日の昼にちょうど早慶戦のビラ配りをやっていました。そこでたまたま会ったくらいですかね。
西村:そうですね。その前に会ったのは確か成人式くらいだったような気がします。
片岡:そうだね成人式。あとはついこの前、三田で1回だけすれ違ったくらい。
――競技を始めたきっかけは
片岡:高校から水球を始めて7年目になります。その前は3歳くらいの時からずっと競泳をやっていました。水球にした理由は、中学で競泳での限界を感じて、トップ層との差がなかなか埋まらなかったときに、大学生が中学生向けに水球教室を開いてくれて面白いなと思ったことが1つあります。もう1つ、仲の良い先輩が高校で水球部に入って、誘ってくれていたので、水球部を選びました。
西村:私は小学校のクラブ活動で球技をやりたくて、バスケとバレーで迷ったときに、バスケは走るのがきついかなと思ってバレーにしました。みんなが繋いで点を取ることが、すごい魅力的だなと思って、高校まで続けました。大学で続ける予定はなかったのですが、学生最後に週5日間出来るのが魅力的だなと思ったのと、中学の時に初めて見た早慶戦で、あの舞台に立てるかもしれないと考えたときに、3000人の前でプレーをするっていうのを目標に体育会に入りました。
――競技の魅力は何ですか?
片岡:水球は、知らない人が多いと思うんですけど、キーパー入れて7人で戦うスポーツで、一番の魅力としては、全員で攻めて全員で守ることです。バスケやハンドボールと同じで持ち時間はあるんですけど、短い時間の中でいかにシュートまでもっていくかであったり、ボールを捨てることでカウンターを防ぐとか、チームによって色々な戦術があるのが面白いなと思ってます。
西村:私はやっぱり繋ぎかなと思っています。ボールを3回で返さなきゃいけないという決まりがある中で、一瞬のタッチは個人の技術でも、1人では絶対何もできなくて、全員が合わさってようやく成り立つスポーツなので、みんなでやってると実感できることが魅力かなと思います。
――お互いの試合をご覧になったことはありますか?
片岡・西村:ないかもしれないです(笑)。
片岡:練習と被ってなかったら行くんですけどね、今年は行きたいな。
――ではお互いの競技の印象はどうですか?
西村:泳ぐのすごい大変そうだなと、水の中は蹴り合いとかもあるだろうし。
片岡:それは結構ありますね。激しいですね。掴み合いだったりとか、傷もつきますし。バレーも痛そうですよね。スパイクとかレシーブは。
西村:今はもう慣れましたね。蹴り合いとかよりは全然(笑)。
――お互いに聞きたいこと
片岡:試合前ルーティーンはありますか?
西村:前はバナナを食べてました。
――片岡選手は
片岡:ラムネで糖分と、レッドブルでカフェインを取ります。
西村:ラムネわかる、ラムネだわ(笑)。
――部活がある日の1日を教えて下さい
片岡:朝練が6時半から8時半くらいまであるので、朝5時くらいに起きて行って、ジムでウエイトトレーニングを1時間ちょっとくらいします。授業は4年生なのであまり無いから、家帰って熟睡して、また練習が夜6時から9時くらいまであるので。運動して寝てまた運動するっていう感じですね。
西村:私は午前中にバイトに行って、終わったら授業に行って、練習して、主務の作業とか色々やってを繰り返しています。
――今年の部の雰囲気はいかがですか
片岡:この代は上下間のコミュニケーションが活発になりました。日本1という今までになく高い目標を掲げてやっているのですが、全員が1つの目標に向かってる良いチームだなって思います。
西村:昨年から引き続き仲の良いチームという印象はあります。プレーについては、4年が特にバレーボールが好きなので、例年以上に勝ちにこだわっています。自分が1年生の時に4部に降格してしまったのですが、それを戻せるように3部昇格を目指していますね。今週の土曜日の試合で勝てば昇格できるので、今チームが1つになって良い状況だと思います。
(取材後、女子バレー部は5/31(土)に行われた試合で見事3部昇格を決めました!)
――体育会の1番の思い出は何ですか?
片岡:去年の早慶戦が自分の中では特に印象深いです。負けていたのですが、残り数秒で回してくれたボールを自分が決めて、32年ぶりの4連覇ができました。自分の中でもギリギリだったところから、勝利という喜びを分かち合えたのでよく覚えています。
西村:去年の秋リーグの初戦の、大学との試合が印象に残っています。昇格したチームに、フルセットで勝った試合なのですが、今までの中で一番良い試合をした実感があって、チーム全員が必死につないだボールを最後決め切るという形が、目指していた粘りのバレーを体現できました。去年の早慶戦も、結果としては負けてしまったけど、スポーツ推薦が多い早稲田をあそこまで追い詰めることができたのはここ数年で1番良かった試合だと思います。
――体育会に入ってよかったことはありますか?
片岡:運動が好きなので、週6で水球だけに打ち込める環境というのにはすごく感謝しています。
西村:同じくプレーができるっていうのと、一生の仲間ができたことが大事だなと思います。何でも話せるような同期がいるのは良かったなと思うところです。
――反対に大変だったことはいかがですか
片岡:朝練に最初慣れるのが大変でした。今だから言えますけど、高校の時は真面目にやっていなかったので(笑)、大学はじめはきつかったですね。
西村:私は今、プレイヤーをやりながら主務をやらせていただいているので、早慶戦の運営も、練習できるように環境を整えることも、諸々の作業を練習と両立させていくことが、大変だと思うことがあります。
――ラストイヤーへの意気込みをお願いします!
片岡:チームの目標としては4つあったのですが、1つは叶えられなかったので、残りの3つ、特に早慶戦5連覇と、日本1を絶対に成し遂げたいなと思います。自分としては2つあって、1つ目が後輩に何かを残すこと。おこがましいけど、体育会で先輩から受け取ってきた物以上を後輩に残すことが自分の役割だと思っています。もう1つはプレー面で、ディフェンスの中心的なポジションなので、要として自分の役割を全うできるようにしていきたいなと思います。
西村:私は今週の土曜日に必ず勝って3部昇格することと、早慶戦優勝を成し遂げたいと思っています。個人的には十数年やってきたことの集大成だと思うので、悔いなく、最後まで全力で出来ればなと思います。
――早慶戦はどんな舞台ですか?
片岡:高校の時にレベルの高さに圧倒されたことと自分もここで活躍したいと思ったことをずっと覚えていて、憧れの舞台なので、しっかり勝ちきって終わりたいなと思っています。
西村:勝利を飾れるように、1年間で一番大きな舞台なので、今までお世話になった方々に自分のプレーを見せるために、今までの自分をぶつけたいです。主務として運営メンバーとしても、3000人の集客を数字として達成できるように頑張りたいなと思います。
――早慶戦の見どころを教えて下さい
片岡:上級生はもちろん、1,2年生と若い選手も沢山出ると思うので、注目してほしいなと思います。
――注目選手はいますか?
片岡:1年生の上岡選手(=上岡歩睦・文1・西京)で。サウスポーなんですけど、昔から水球をやっていて、シュート力がチームの中でもトップレベルであると思っているので、そこに注目してほしいです。
――西村選手はいかがですか
西村:攻撃力、特にMBの動きがここ数年で一番良い代かなと思っています。個人としてはコンビを展開するセッターで主将の倉員(=倉員未羽・商4・慶應女子)と、OPの2年生・伊藤里実(理2・都立戸山)はレシーブ・スパイク共にチームの要だと感じているので2人に注目して欲しいです。
――早慶戦に向けて一言お願いします!
片岡:6月29日、5連覇に向けて、チーム全員で挑んで勝つので、ぜひ応援よろしくお願いします。
西村:6月8日に日吉記念館で、必ず良い試合を繰り広げますので、ぜひお越しください。
――お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!
(取材/記事:和田里咲、村田理咲)