【バレーボール(女子)】粘りのバレーでつないだ想い、勝利には届かず 悲願達成は後輩たちへ/第89回早慶バレーボール定期戦

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39年ぶりの悲願、早慶戦優勝へ。先日、春季リーグ戦完全優勝による3部昇格を決めた慶大女子バレー部が伝統の一戦を迎えた。会場は3000人を超える観客と、両校の応援指導部で、盛大な盛り上がりを見せる。第1セットは序盤に早大の強打で大きくリードを許すも、西村美葵(商4・慶應女子)や中村日南(看4・慶應湘南藤沢)が反撃。小栁ここ(看2・慶應女子)の好レシーブなど意地を見せたが、早大の勢いを止めきれず14―25で落とす。続く第2セット、大山若葉(経2・慶應女子)がブロックで食らいつくも、中盤に連続失点。再び14-15でセットを失う。第3セットは伊藤里実(理2・都立戸山)が躍動しリードを奪う。倉員未羽(商4・慶應女子)の巧みなトスと北村日向子(法3・法政第二)の速攻で理想的な展開を見せるが、終盤に早大の攻撃力に押され、17-15で悔しいストレート負け。大舞台での勝利は次のステージへ託された。


司令塔・倉員主将

 

2025年6月8日(日)

第89回早慶バレーボール定期戦  @日吉記念館

得点

 

 

慶大

セット

農工大

14

25

14

25

17

25

 

出場選手

 

 

ポジション   

背番号

名前(学部学年・出身校)

S

倉員未羽(商4・慶應女子)

OH

西村美葵(商4・慶應女子)

MB

北村日向子(法3・法政第二)

OP

伊藤里実(理2・都立戸山)

OH

中村日南(看4・慶應湘南藤沢)

MB

大山若葉(経2・慶應女子)

L

11

小栁ここ(看2・慶應女子)

 

2枚エース・中村

 熱気に包まれた日吉記念館。因縁の早慶戦は、第1セットから激しい展開となった。早大の鋭いスパイクが慶大コートに次々と突き刺さる中、流れを引き戻そうとエース・西村が力強いスパイクを決める。西村に代わって、前衛に上がった2枚エース・中村も力強いスパイクにフェイントも交えて得点。慶大の強力打線が打ち込むも、早大の粘り強い守備に阻まれ、5連続失点を喫す。7―15と大きくリードを許すも、西村の強打に、伊藤の鋭い攻撃で点を返すと、小栁の好レシーブも光り、ロングラリーを展開。倉員のコート外からのロングセットを中村が決めるなど意地を見せた。しかし早大の粘りと攻撃力に押され14-25で第1セットを落とす。

2枚エース・西村

 続く第2セット、序盤は大山のブロックポイントや、中村・伊藤のスパイクが決まり、ラリーを繰り返す展開に。西村の好ディグも飛び出し、慶大の粘りのバレーが光る。しかし中盤、痛恨の7連続失点で4-11と再び突き放される。ここでまた倉員がアンダーで上げた難しいトスを中村が相手ブロックを狙って得点。さらに西村の強打も続き、少しずつ点差を詰めていくが、早大のブロックを中心としたトータルディフェンスを前に、流れを断ち切れず。終盤もスパイクで応戦するが、14―25でこのセットも落とした。

新演出で登場するMB・大山

 

守護神・小栁

もう後がない第3セットは序盤から西村・中村の2枚エースと、期待の「隠れエース」伊藤も本領を発揮。倉員の的を絞らせないトスワークが相手ブロックを惑わせ、慶大が序盤からリードを奪う。さらに堅実な守備で、西村へとボールをつなぎエースが決め切るという理想的な形で10-7。しかし、ここで早大エースの3連続得点で10-10と試合は振り出しに。両校得意の粘り強い繋ぎでロングラリーを展開し、会場を盛り上げる。逆転を許し21-14、倉員の強気なトスワークで北村の速攻が決まるが、終盤にかけて再び早大が勢いを増す。小栁が守護神として好レシーブを連発し、最後は西村のスパイクで食らいつくも、勝負所でのブロックアウトを許し、17-25で第3セットも落とした。

「隠れエース」伊藤

 攻守にわたり見せ場をつくった慶大。4年生を中心とした全員バレーで強敵に食い下がったものの、早大の総合力に屈する結果となった。だが、随所に見せた下級生の活躍は確かな希望を感じさせた。敗戦を糧に、チーム倉員がどこまで進化を遂げるか。これからの慶大の逆襲に期待がかかる。

冷静なMB・北村

 

(記事:村田理咲 写真:梅木陽咲、河合亜采子、塩田隆貴、村田理咲)

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