7月9日から11日にかけて行われた東日本学生選手権新人戦。2日目の10日には慶大から多数の選手が出場。高校時代は重量挙げ部だったという則政大和(法1・慶應)が男子フリースタイル79㌔級で見事優勝。また笹沼拓己(政2・淑徳)が男子フリースタイル61㌔級で銀メダル、近藤大朗(総2・名古屋)が男子フリースタイル79㌔級で銅メダルに輝くなど、これからのレスリング部の躍進にますます期待が高まる大会となった。
2025年7月10日(木)@駒沢体育館
〈男子フリースタイルA70㌔級〉
昨年の秋季東日本学生選手権大会では見事金メダルに輝いた出久根慈英(経3・St. Mary’s International School)。初戦は鶴大和(育英大)と対戦するも、自身の持ち味を活かしきることができず、わずか2分でテクニカルフォール負けを喫した。

初戦敗退に終わった出久根
〈男子フリースタイルA79㌔級〉
昨年の秋季東日本学生選手権大会では準々決勝で1分持たずに敗北した近藤大朗(総2・名古屋)。初戦は相手の棄権で突破すると、続く準々決勝では序盤に相手を押し出し3点を奪うと、最後までその3点を守り抜き準決勝進出を決めた。

準優勝に輝いた近藤
準決勝では明治杯にも出場した松尾直哉(国士大)と対戦。すぐさまペースを崩されると、第1ピリオド中盤でテクニカルフォール負け。惜しくも決勝進出とはならなかったが、銅メダルを獲得し表彰台入りを果たした。
〈男子フリースタイルB61㌔級〉
吾田鉄司監督(97卒)と同じ國學院久我山高等学校出身の飯澤山太郎(文1・國學院久我山)。初戦は河野晃大(東大)と対戦。腰のケガの影響もあり、思うようにプレーできず、第2ピリオド開始直後にフォール負け。デビュー戦は悔しい結果に終わった。

1回戦敗退に終わった飯澤
天田陽希(理2・慶應志木)は7㌔減量し、挑んだ今大会。今泉勇人(中大)と対戦するも、怪我明けで本来の力を発揮することが出来ず。試合終了間際にテクニカルフォール負け。普段の練習ではいい動きを見せていただけに、悔しい敗戦となった。

悔しい結果に終わった天田
ジョセフビート(経2・St. Mary’s International School)は初戦、大出陽暉(東海大)と対戦。1分過ぎたところで見事フォール勝ちをおさめ、2回戦進出を決めた。しかし、続く2回戦では天田(慶大)を倒した今泉(中大)に翻弄され、2分でテクニカルフォール負けを喫した。

2回戦敗退に終わったビート
小林怜楓(商1・東京学芸大学付属)は初戦に藤井慶大(東海大)と対戦すると、見事に相手の体勢を崩し、わずか2分でフォール勝ちをおさめる。しかし続く2回戦では村松鉱輔(東農大)に2分足らずでフォール負け。準々決勝進出とはならなかった。

2回戦で敗れた小林
昨年冬の早慶戦では無念のフォール負けだった笹沼拓己(政2・淑徳)。初戦は序盤から相手を圧倒し、試合終了間際にフォール勝ちをおさめた。続く2回戦では飯沢(慶大)を破った河野(東大)と対戦。この試合も相手の攻撃に動じることなく試合を進めると第2ピリオド開始直後にテクニカルフォール勝ち。準々決勝へ進んだ。準々決勝では坂本啓(東大)と対戦する。試合開始直後から自分のペースで試合を作り、わずか1分でテクニカルフォール勝ち。この階級で唯一の決勝進出を決めた。

準優勝の笹沼
決勝では小林(慶大)を破った村松(東農大)と対戦する。決勝はいままでの試合とは一転して、相手ペースで試合を運ばれると、1分過ぎたところでフォール負け。優勝とはならなかったものの、新人戦で見事に銀メダルを獲得し、今後の躍進の弾みとなる大会結果となった。

今後の活躍にも期待だ
〈男子フリースタイルB70㌔級〉
慶應義塾高校應援指導部出身の松村朝矩(政1・慶應)。初戦は小野浩斗(東海大)と対戦。序盤から優位に試合を進め、第1ピリオド終了間際にテクニカルフォール勝ちをおさめた。続く2回戦では大迫泰生(東大)と対戦するも、相手の攻撃に上手く対応することが出来ず、フォール負け。準々決勝進出とはならなかった。

2回戦敗退に終わった松村
2回戦からの出場となったアメフト部出身の深澤瑛太(法1・慶應)。初戦は橋本善永(国基大)と対戦するも、序盤から相手に圧倒され、なんとか粘りを見せたが、4分経過したところでテクニカルフォール負け。悔しい結果に終わった。

2回戦敗退に終わった深澤
同じく2回戦からの出場となった慶應義塾高校野球部出身の立川泰勢(商1・慶應)。初戦は藤田虹(国武大)と対戦し、4点を取り意地を見せる。しかし、15点を取られテクニカルフォール負け。

2回戦敗退に終わった立川
重量挙げ部出身の則政大和(法1・慶應)は準々決勝からの出場。初戦は序盤に一気に8点をもぎ取りポイント判定勝ち。続く準決勝では2-0と接戦を制し、決勝進出を決めた。

未経験出身ながら優勝した則政
決勝は押野健太郎(立大)と対戦。序盤から優位に試合を進めていき、試合開始終了間際に一気に得点を奪い、テクニカルフォール勝ち。持ち前の身体能力を活かした見事な試合運びで金メダルに輝いた。試合後には「いつかは岡澤や瀧澤に追いつきたい」と語っていた則政。今後の活躍にも期待したい。

将来有望な大型ルーキーだ
(記事:塩田隆貴 取材:塩田隆貴、柄澤晃希)
【選手インタビュー】
◇則政大和(法1・慶應)

見事金メダルに輝いた則政
――今の率直な気持ちは
同期の岡澤ナツラ(法1・慶應)や瀧澤勇仁(経1・慶應)に憧れてレスリング部に入ったので、彼らに少しでも近付けたと思うと嬉しいです。それから1年生のうちの目標だった新人戦優勝を達成できて良かったです。
――レスリングを始めた時期は
高校時代は重量挙げ部だったんですけど、(昨年)11月に当時クラスメイトだった瀧澤の影響で体験入部をしました。やってみると結構面白かったので、新しいことにチャレンジしようと思い、大学レスリング部に入部することを決めました。
――レスリングを始めてから成長を感じたところ、今日感じた手応え
もともと重量挙げをやっていたし、トレーニングが好きで筋トレをよくやるので、それがフィジカル面で今の自分につながってきているように感じます。
――今後の目標
(現在の79㌔級から)74㌔級に階級を落として、早慶戦やリーグ戦でチームに貢献したいです。
【試合結果】
〈男子フリースタイルA70㌔級〉
1回戦
●出久根慈英(慶大)[VSU 2:22=2-13]鶴大和(育英大)○
〈男子フリースタイルA79㌔級〉
準々決勝
○近藤大朗(慶大)[VPO 6:00=3-1]堀池建太(中大)●
準決勝
●近藤大朗(慶大)[VSU 1:46=0-10]松尾直哉(国士大)○
〈男子フリースタイルB61㌔級〉
1回戦
●飯澤山太郎(慶大)[VFA 3:00=10-18]河野晃大(東大)○
○笹沼拓己(慶大)[VFA 5:58=12-2]渡部颯人(東海大)●
●天田陽希(慶大)[VSU 5:46=0-11]今泉勇人(中大)○
○ジョセフビート(慶大)[VSU 2:06=10-0]大出陽暉(東海大)●
○小林怜楓(慶大)[VFA 1:18=6-0]藤井慶大(東海大)●
2回戦
○笹沼拓己(慶大)[VSU 3:25=11-0]河野晃大(東大)●
●ジョセフビート(慶大)[VSU 2:06=0-10]今泉勇人(中大)○
●小林怜楓(慶大)[VFA 1:41=0-9]村松鉱輔(東農大)○
準々決勝
○笹沼拓己(慶大)[VSU 1:13=10-0]坂本啓(東大)●
決勝
●笹沼拓己(慶大)[VFA 0:55=0-6]村松鉱輔(東農大)○
〈男子フリースタイルB70㌔級〉
1回戦
○松村朝矩(慶大)[VSU 2:37=12-0]小野浩斗(東海大)●
準々決勝
●松村朝矩(慶大)[VFA 4:09=1-8]大迫泰生(東大)○
●深沢瑛太(慶大)[VSU 4:23=0-10]橋本善永(国基大)○
●立川泰勢(慶大)[VSU 5:06=4-15]藤田虹(国武大)○
〈男子フリースタイルB79㌔級〉
準々決勝
○則政大和(慶大)[VPO 6:00=8-0]ヌーズバームノア開善(日体大)●
準決勝
○則政大和(慶大)[VPO 6:00=2-0]藤海來(立大)●
決勝
○則政大和(慶大)[VSU 5:44=17-4]押野健太郎(立大)●
〈男子フリースタイルB+79㌔級〉
決勝
●淺野考太(慶大)[VFA 0:24=0-4]桶浦雄大(国武大)○
〈スコア見方〉
(例)[VSU、4:30=11-1]
・VSU→勝利方法、詳しくは下の図を参照
・4:30→試合終了時間(この場合は試合開始から4分30秒後に試合終了)
・11-1→試合終了時の点数(フォールによる勝利は点数を問わない)
VFA | victory by fall フォールによる勝利 |
VIN | victory by injury 負傷棄権による勝利 |
VCA | victory by 3 caution 警告3回による勝利 |
VSU | victory by technical superiority テクニカルフォール(10点差) |
VPO | victory by points ポイント判定勝ち |
VFO | victory by forfeit 不戦勝 危険試合による勝利 |
DSQ | disqualification 罰則による失格 |
2DSQ | double disqualification 両者失格 |