第2戦の相手は、昨秋のFINAL4で苦戦を強いられた一橋大。開始5分に悔しくも先制点を献上するが、失点直後のFOで増成琉之助(政4・慶應)が瞬殺でポゼッションを勝ち取ると、華麗な連携からゴール前の主将/AT・池田朋史(商4・慶應)が速攻を決め1-1。さらにAT・福田天真(法3・國學院久我山)が第1Q終盤、第2Q開始直後にゴールを決め3ー1とする。守備では、DMF・福田崇斗(商2・本郷)の厳しいチェックや、G・岩城敦大(法3・慶應)の神セーブが炸裂。岩城の好セーブからポゼッションを獲得すると、MF・大類慈英(商3・慶應)がゴールネットを揺らし、4-1で前半を終える。第3Qに1点を返されるが、またも池田と福田天真がスコアを重ね、6-2でラスト15分へ。最終第4Qでも福田天真がこの試合4点目を奪い、7-2。最後まで主導権を握り続けた慶大が7-2で一橋大を下し、開幕2連勝を飾った。
◇スタメン
AT
#3 池田朋史(商4・慶應)
#4 福田天真(法3・國學院久我山)
#52 鈴木孝人(法2・学習院高等科)
MF
#0 山田洸土(政4・慶應NY)
LMF
#17 関根瑠偉(政4・慶應)
DF
#5 峰岸諒(環3・慶應湘南藤沢)
#16 増田友翔(経4・慶應)
#84 泰松基紀(経3・海城)
G
#2 岩城敦大(法3・慶應)
FO
#99 増成琉之助(政4・慶應)
♢得点♢
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 2 | 2 | 2 | 1 | 7 |
一橋大 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 |
慶大得点者 | 池田、福田天 | 福田天、大類 | 池田、福田天 | 福田天 | ― |
第1Qは開始5分、相手ATにゴール左サイドからランニングシュートを決められ、先制を許す。それでも、今季初スタメンを飾った増成琉之助が失点直後のFOで圧勝。ゴール前で待つ主将/AT・池田朋史の手に渡ったボールは、一瞬にしてゴールネットへ突き刺さる。この同点弾が契機となり、ゲームは慶大の流れに。ポゼッションを奪われた場面では、副将/DMF・石川叶大(経4・慶應)が厳しいチェックでボールダウンを誘い、LMF・関根瑠偉(政4・慶應)が完璧なロングパスで縦に切り込み会場を魅了。慶大ポゼッションで迎えた13分、AT・鈴木孝人(法2・学習院高等科)のシュートから、こぼれ球を福田天真が押し込んで勝ち越しに成功。守備では、DF・増田友翔(経4・慶應)を中心にDF陣が好守を見せ、失点を1に抑える。

先制点を決めた池田(左)とアシストの増成(右)
2ー1で迎えた第2Q。試合を動かしたのは、またも福田天真だった。開始直後、太夫勇人(医4・慶應)からパスを受けた福田天真はゴール左サイドから強烈なシュートを叩き込み、3-1。一時は慶大ファウルで数的不利の状況に置かれるが、開幕戦に続き慶大DFが組織力を存分に発揮する。DMFの福田崇斗(商2・本郷)は厳しいマッチアップで一橋大の攻撃を封じ、バースデーボーイのDMF・山田洸土(法4・慶應NY)が何度もクリアラインを突破。さらに守護神・岩城敦大が軽々と神セーブを連発し、スタンドの仲間からは「いつもありがとう」の声も。すると12分、慶大は岩城のビルドアップから、パスを受けたAT・大類慈英(商3・慶應)が相手選手を交わしてジャンプシュートを叩き込み、4-1。オフェンスの安定した攻撃とディフェンスの堅守により、3点リードで試合を折り返す。

軽々とスーパーセーブを決めるG・岩城
後半開始のFOは、慶大の反則で一橋大にポゼッションを献上。約3分に渡り、守備を強いられる展開となる。DMF・福田崇斗を中心に相手選手のシュートコースを潰しにかかるも、慶大DF陣との距離を取られた一瞬の隙にゴール左から鮮やかなシュートを決められ4−2。その後もパスがうまく繋がらず、ポゼッションを握りきれない時間帯が続く。苦しい場面では、岩城のファインセーブや一橋大のシュートミスに救われる。それでも、第3Q中盤にAT・池田が主将の意地を見せる。パスを受けた池田はゴール前で相手DFを軽々といなすと、ゴール右前から会心の一撃。待望の追加点で5ー2とリードを広げ、流れを再び手繰り寄せる。さらに大混戦の末に池田がボールをスクープすると、MF・中西海(経4・海城)のアシストで福田天真が3度目のゴール。6ー2と一橋を突き放したところで、第3Qが終了する。

素晴らしいマッチアップを見せた福田崇斗
第4Qも、増成のFOから幸先の良いスタートを切る。すると、パスを受けた福田天真が自ら切り込み、7ー2。この試合4得点目、全Qでゴールを決めた福田天真に、今度はスタンドの仲間から「慶應にいてくれてありがとう」の声。守備では、途中出場のG・門井恒太朗(経2・本郷)が見事なセーブを連発し、会場を大いに沸かせる。また20歳以下日本代表でDFリーダーを務めるDF・峰岸諒(環3・慶應湘南藤沢)を筆頭に、堅守で相手選手をゴールに寄せ付けない。また終盤のオフェンスはメンバーが大きく入れ替わり、20歳以下日本代表にも選出されているAT・佐藤仁一郎を起点に、MF・山崎将英(法3・慶應志木)やAT・浅尾洋佑(環4・慶應湘南藤沢)らが立て続けにシュートを放つも、ゴールとはならない。最後は、峰岸がグラウンドボールを敵陣に押し戻したところで試合終了のホイッスル。最後まで主導権を握り続けた慶大が勝利を掴み、開幕2連勝を果たした。

門井が指揮を執り、勝利の「若き血」を歌う
(写真・編集:長掛真依、記事:牧瀬藍、竹腰環)
▽以下、選手インタビュー:池田朋史、増成琉之助、関志翔、福田天真
ーー試合内容を振り返って
事前に自分たちが立てたゲームプラン通りに試合を進められたので、良かったかなと思います。
ーーどんな試合を想定されていましたか
暑いので第1Qから慎重に、あまりリスクを取らず自分たちのポゼッションをとって、自分たちの流れにしていこうと話していて。その、“あまりリスクを取らないオフェンス”がうまくハマったかなと思います。
ーー2ゴールの活躍でしたが、ご自身のプレーを振り返って
久しぶりに得点取れたので嬉しいですけれど、もっと取れましたね。最近は消極的なプレーが多かったと思うので、そこをもっと積極的にゴールを狙えたのが良かったと思います。オフボールの運動量でしっかりアドバンテージを取って、オンボールのオフェンスに繋げることができれば相手の押し上げの出遅れも使えたかなと思うので、そこができればもっと良いプレーができたかなと思います。
ーーここまで、チームとしての完成度・手応えは
ディフェンス・オフェンス共に完成度は上がってきているので良いかなと思うんですけれど、社会人と練習試合した時には全然歯が立たなかったので、満足せずに進めたいなと思います。
ーー次戦・立大戦への意気込みをお願いします!
日本一へ向けて圧倒しなければいけない相手だと思うので、しっかり大差つけて勝ちたいと思います。
ーー今日の試合を振り返って
本当はもっと苦戦する想定だったんですけれど、思うように流れが運んだので良かったかなと思います。
ーー試合の中で意識されていたことはありますか
前への推進力というのが課題で、試合を通して自分も春海(=FO・鈴木ケン春海/商4・慶應NY)もブレイクっていう、ボールをとって前に上がってオフェンスに繋げるという形で、得点に絡めたので良かったかなと思います。
ーー1ゴール目のアシストを振り返って
最初から一橋に1点取られてちょっと雰囲気が悪かったので、もし自分が流れを変えられたらなと思ってブレイクしたら池田がちゃんと決めてくれたので、良かったかなと思います。
ーー最高学年ですが、FO組織については
後輩の育成が難しいですね。後輩を試合に出したいんですけれど、ベンチもカツカツで。後輩を育てて、なんとかリーグ戦に出場させて次の代に繋げられたらなと思っています。
ーー今季はどう戦っていきたいですか
やっぱり社会人が最後のゴールなので、社会人を基準に調整していきたいです。学生に勝っても一喜一憂せずに、日頃から社会人を想定した練習もそうですし、試合でもあまり満足せずにガツガツ頑張っていきたいなと思います。
ーー試合後の率直な感想をお聞かせください
ひとまず安心したんですけれど、危ない場面がいくつかあったので。勝ちましたけど、次の試合に向けて気を引き締めたいと思います。次の試合が8月末で結構期間が空くので、しっかりと時間をかけて準備を重ねて油断せず臨みたいです。
ーーDMFを務められていますが、一橋大戦に向けて守備ではどのようなことを準備されてきましたか
慶應のショートスティック陣が相手のオフェンスのパスコースを限定したり、ゴール前でシュートを打たせないようにしたり、“スライドを飛ばす”(一人一人がマークについた相手に責任を持って守備しきる)ことを意識してやっていました。ただ、上手くいった場面もあれば、1Qの1失点目みたいに上手くいかない場面もあったので、今回浮き彫りになった課題を整理して、次に活かしていきたいと思います。
ーー前半は比較的ロースコアな展開になりましたが、意識されたことは
ロースコアの展開では、些細なミスが失点に繋がったりするんで、とにかくチーム内で事前に話し合っていたことを1つ1つ徹底して、守り続けることを意識していました。
ーー第3Q前半には数的不利の状態で守備をする場面もありましたが、心境は
そこまで受け身にはなっていなかったと思います。AT陣が割と今回は良い感じで点を決めてくれていたので、「この先も決めてくれるだろう」と彼らを信じてプレー出来ていたと思います。
ーーラストイヤーとなる今季の目標をお聞かせください
僕がやっているショートスティックのDMFは試合では輝かないポジションなんですけど、守備が上手くいった前回の日体大戦のように積極的にボールダウンを狙いに行くプレーなどでチームに貢献し続けることで、ショートスティックでもしっかり守れるということを体現していきたいです。
ーー最後のリーグ戦、どう戦っていきたいですか
僕らはBブロックにいて、反対のブロック(Aブロック)が拮抗してだいぶ盛り上がっているんですけど、そんなことには動じることなく、しっかりブロック1位通過をできるように残り3試合を戦うだけです。個人としては、ファイナル4のような勝負所でもいつもと変わらず自分のプレーを貫くことができればと思います。
ーー今日の試合を振り返って
昨年FINAL4で苦戦した一橋大学だったので少し怖さはあったのですが、攻守ともに慶應のリズムで試合を運べたので良かったです。
ーー4ゴールという素晴らしい活躍でしたが、振り返っていかがですか
1Q、自分のミスから失点を許してしまい流れを悪くしてしまったので、なんとか取り返そうと思っていたので取り返せてよかったです。もっと決められるシーンはたくさんあったので次戦以降に向けて決め切る力をつけたいと思います。
ーー一橋戦に向けてオフェンスではどのようなことを意識されましたか
オフボールで優位性を取るということを意識していました。良いシーンはありましたが、今後もっと精度を上げていきたいと思います。
ーー今季はどう戦っていきたいですか
僕たちは社会人を倒しての全日優勝を目標として掲げているので、学生相手には全試合ダブルスコアをつけて勝ちたいと考えています。
ーー次戦、立大戦への意気込みをお願いします!
次戦の立教大学は春の六大学戦で勝つことができなかったチームなので、リベンジしたいです。