【アメフト】「まだ足りなかった」土壇場で同点TDも…“ラスト3秒”に泣き開幕2連敗/関東学生1部TOP8第2節vs東大

アメフト

開幕戦では明大に敗れ、悔しい黒星発進となった慶大。2年連続となる甲子園ボウル出場を目指し、東大に勝って勢いに乗りたいところ。試合は、QB・山岡葵竜(政4・佼成学園)、RB・山内啓耀(経4・慶應) がTDを決めるなど4年生がチームを牽引し、前半を14-7で終える。しかし、第3Qに2本のTDを許して、最終Qを前にビハインドを負う。それでも、第4QにはWR・青木健将(環2・慶應)が同点のタッチダウン。土壇場で21-21の同点に追いつく。ラスト3秒。慶大ベンチ、そして観客が祈るように見守る中、東大選手の蹴り上げたボールは皮肉にもゴールポストの間を悠々と通過する。歓喜と言葉にならない悔しさが交錯する中、試合終了。勝利まで、僅かに及ばず。21ー24で、開幕2連敗となった。

9月14日(日)@アミノバイタルフィールド

 

慶應義塾大学

UNICORNS

東京大学  

WARRIORS

第1Q

第2Q

第3Q

14

第4Q

21

24

試合は慶大の攻撃からスタート。WR・若月伶士郎(商3・慶應)、RB・山内啓耀が立て続けに陣地を稼ぎ、フレッシュを獲得。ファンブルによる大きなロスを背負いながらも、QB・山岡葵竜からWR・若月へ29ヤードのロングパスが繋がり敵陣9ヤードまで迫る。すると直後のプレー。QB・山岡は相手ディフェンスを軽々とランプレーでいなし、先制のタッチダウンを成功させる。K・北村朔也(商2・宇都宮短大附属)がトライフォーポイント(以下、TFP)のキックも決め、7ー0。守備では、主将/LB・横手謙太朗(医4・慶應)の素早いタックルなどでフレッシュを与えず、東大を4thダウンに追い込む。東大のフォルススタートにより、東大の5ヤード罰退で4&14からやり直し。ここで、パントキックのキャッチに回ったRB・田中玄樹(理2・本郷)が東大選手のファウルを受け、東大はまたも15ヤードの罰退となる。そして、慶大オフェンスが敵陣34ヤードに侵入したところで、第1Q終了を迎える。

キックを決めたK・北村朔也

続く第2Qは、慶大の攻撃で再開。ロングパスで敵陣5ヤードまで迫ると、QB・山岡葵竜からハンドオフを受けたRB・山内啓耀がそのままタッチダウン。ここでも、K・北村朔也が冷静にキックを決め、リードを14点に広げる。さらに、東大のファンブルからターンオーバーで敵陣侵入を試みるが、ここでパスが通らず痛恨のインターセプト。このプレーで掴みかけた流れを断ち切られると、第2Q中盤以降は東大にじわじわと陣地を押し戻されていく。残り1分を切った場面では、36ヤードのランプレーからタッチダウンを許し7点を返される。直後のキックオフリターンではWR・飯塚奏太(経4・慶應)が15ヤードを返し、RB・山内がランプレーでフレッシュを獲得。ここで前半終了のホイッスルが鳴り、14ー7で前半を終える。

QB・山岡葵竜(左)とRB・山内啓耀(右)

ハーフタイムでうまく立て直しを図りたい慶大だったが、第3Q最初のシリーズで7点を許し14ー14の同点に追いつかれてしまう。それでも慶大は、RB・橋口塁(経3・慶應湘南藤沢)が23ヤードのキックオフリターンを成功させ、RB・山内啓耀がランプレーで28ヤードを獲得。その後は着実に前進し、3&2の場面では敵陣36ヤードからWR・青木健将(環2・慶應)へのパスによるタッチダウンを狙うが、悔しくも成功とはならず。4thダウンでパントキックを選択し、堅実に陣地回復を図る。そして、タッチバックで迎えた東大の攻撃。序盤は、主将/LB・横手謙太朗やLB・倉田直(理4・南山)らがQBへのタックルを成功させるなど、東大の前進を最低限に抑える。しかし、シリーズ終盤。中央突破で立て続けにフレッシュ獲得を許すと、残り3秒でタッチダウン。14ー21とされ、この試合初めてのビハインドを負い最終第4Qへ。

存在感を発揮したRB・橋口塁

ラスト12分で1ポゼッション差。逆転を狙う慶大の攻撃は、推進力で存在感を発揮するRB・橋口塁の9ヤードの前進で順調なスタートを切る。さらに3&8と追い込まれた場面では、QB・山岡葵竜が意地のランプレーで9ヤードを進め攻撃権を死守。ランプレーとパスをうまく使い分けながら着実に陣地を獲得していく。そして敵陣に大きく侵入すると、山岡からWR・青木健将へのパスが決まりタッチダウン。この日幾度も悔しそうな表情を見せていた青木のナイスプレーにより、土壇場で21ー21の同点に追いつく。残り4分25秒。慶大は東大攻撃を最短で終わらせ、攻撃の時間を残したいところ。LB・倉田直が圧巻のロスタックルを決めるなど全力で東大を抑えにかかるが、的確なランプレーとパスプレーに翻弄され、立て続けにフレッシュを許してしまう。ズルズルと押され続ける中、刻一刻と時間は進んでいく。東大はタイムアウトで時間を止めながら着実に陣地を稼ぎ、残り3秒でゴールラインまでは4ヤード。慶大ベンチ、そして観客が祈るように見守る中、東大選手の蹴り上げたボールは皮肉にもゴールポストの間を悠々と通過する。歓喜と言葉にならない悔しさが交錯する中、試合は終了。勝利まで、僅かに及ばず。21ー24で、開幕2連敗となった。

TDを決めたWR・青木健将

(記事・取材:長掛真依、神戸佑貴、取材:中原亜季帆、小野寺叶翔、吾妻志穂、髙木謙)

 

▽以下、選手インタビュー(QB・山岡、WR・青木、0)

QB・山岡葵竜(政4・佼成学園)

ーーご自身のプレーを振り返って

ただただ、チームを勝利に導けなかったという点に尽きるのかなと思います。

ーー何度か失敗していた、WR・青木健将選手へのパスで同点に追いつきました

もちろんレシーバーのことは全員信頼していますが、青木はフィジカルにも脚力にも特に信頼のおけるレシーバーですし、普段から練習してきたプレーだったので良い結果につながって良かったと思います。

ーー次戦・中大戦への意気込みをお願いします!

全く落胆している余裕もないですし、今年のTOP8は実力が拮抗しているので、早稲田とか法政、来週戦うことになる中央に勝って全日本に向けてひたすら取り組むだけだと思います。

 WR・青木健将(環2・慶應)

ーー試合内容を振り返って

最初のシリーズは調子が良くて、良い入りができたと思います。ただ、中盤に失速してしまうのがチームの課題で、今日はそこから流れを取り戻すことはできたんですけど、少し遅くて届かなかったなという感じです。

ーータッチダウンもありましたが、ご自身のプレーを振り返って

WR目線としては、パスでオフェンスを助ける、前に前に進めるというのが役割なので。僕自身はこれが初戦で、パスも通せたり、タッチダウンも取れたので良い出だしではあったんですけど、チームを勝たせられなかったのでそこはすごい悔しいです。

ーー次戦以降、もっと伸ばしていきたい部分は

毎シリーズ惜しくて、どこか小さいミスで勢いが止まってしまうので「なぜそうなって、どこが悪いのか」今はまだ分からないですけど、しっかり持ち帰って反省して、練習して、アナライズして、自分たちの弱みを強みに変えていきたいと思います。

ーー次戦・中大戦への意気込みをお願いします!

もっとタッチダウンたくさんとるので、チームを勝たせられたらと思います!

DB・千葉陽太(環4・鎌倉学園)

ーー試合を振り返って

この週間、やるべきことはやってきたつもりでしたが、東大の方がそれを上回る形となったということで、自分たちの至らなさを感じます。もっとやるべきこともあったのかなと思いながらも、やるべきこと全てをやってこの日を迎えたので、難しいなという感情でいっぱいです。とにかく、この試合の結果を引きずらずに次の試合に挑めたらなと思います。

ーー前回から修正したポイントは?

自分は、前回と今回でポジションが全く違っていて、やるべきことが全く違いました。その中で与えられたことをきっちりこなそうとやってきたんですけど、まだ足りなかったなというのが率直な感想です。 

ーーディフェンス組織全体として意識していたことは

とにかく集まってワンチームで止めようっていう点を掲げてこの週間やってきたので、そこはできていたかなと思います。

ーーファンの方々へ、次節に向けた意気込みをお願いします

いつも多大なる声援をいただき本当にありがとうございます。次節に向けてこの応援を無駄にしないように、この応援に応えられるように、ディフェンス全体で、我々年生や後輩たち含めチーム全体で勝ちをもぎ取れるよう頑張ります。

 

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