【バレーボール】速攻光る全員攻撃バレーで因縁の日大を撃破! 昇格に一歩前進/秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 第7日 vs日大

バレー戦評

春リーグで敗れた因縁の相手・日本大学との一戦。1部昇格へ負けられない戦いに挑んだ慶大は、第1セット序盤から松山の速攻が冴えるも、終盤に負傷退場のアクシデントもあり、接戦の末に落とす。第2セットでは松田のサービスエースを皮切りに流れを取り戻す。ルーキー中島の速攻や入来の鋭いスパイクが冴えわたり、セットを奪い返す。続く第3セットは中盤でリードを許しながらも、山口や野口の粘りのプレーで食らいつくが、あと一歩及ばず。第4セットでは稲井・松田の多彩なコンビが光り、7連続得点で主導権を握ると、中島の速攻で勢いそのままにフルセットへ。勝負の最終セットは入来の強烈なスパイクと稲井のブロックで逆転。最後は松田がツーアタックを決め、15-12で激闘を制す。春の雪辱を果たし、1部昇格へ大きな一歩を刻んだ。


 

 

2025年10月11日(土)

秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦  @大東文化大学

第7日 慶大×日大

 

得点

 

 

慶大

セット

日大

22

25

25

22

23

25

25

21

15

12

 

出場選手

 

 

ポジション   

背番号

名前(学部学年・出身校)

S

13

松田悠冬(商1・慶應)

OH

10

野口真幸(商3・慶應)

MB

松山鼓太郎(商3・慶應)

OP

11

入来晃徳(環4・佐世保南)

OH

山口快人(経3・慶應)

MB

22

稲井正太郎(法2・慶應)

L

今田匠海(政2・慶應)

途中出場

 

 

S

15

久保田健介(商4・慶應湘南藤沢)

MB

中島昊(経1・慶應)

L

21

井上航(経1・慶應)

S

26

岩間 祥成(環2・成城)

 

 第1セット序盤、松山の速攻が連続で決まり幸先の良いスタートを切る。しかし直後、相手のサービスエースで流れを奪われ3-8とリードを許す。松山の速攻を起点に山口のスパイク、野口のバックアタックが続き、相手の堅守を崩していく。さらに松田のブロックが決まり7-9。松田の低く速いトスから野口が決め切るなど、多彩な攻撃で中盤まで2点差に迫る。粘り強いレシーブでロングラリーを展開するも、17-18の場面でチームを牽引してきた松山が負傷退場。代わって1年生・中島がコートに立つ。終盤は慶大エース・入来と日大エースによる打ち合いに。松田がフェイクセットで相手を翻弄し、今田の好レシーブも光るが、粘る相手の守備を崩せず21-24。稲井が強打をブロックするも、最後は押し切られ22-25。第1セットを落とした。

 巻き返しを狙う第2セットは、松田のサービスエースで始まる。稲井の速攻が立て続けに決まり、8-4とリードを広げる。松田がツーアタックとダイレクトを立て続けに決め、さらに流れを引き寄せる。松山に代わって出場した1年生・中島も鋭い速攻を相手コートに突き刺し、存在感を示す。MB陣の速攻とバックアタックが噛み合い、相手ブロックを翻弄。エース・入来が確実にスパイクを決め切り、終始リードを守る展開に。24-22で迎えたセットポイント、最後は松田のブロックが決まり、25-22でセットを奪い返した。

OP・入来

 第3セットは中島の速攻で先制。序盤からロングラリーが続き、白熱した展開となる。このセットも速攻が冴え、全員の攻撃が光る。しかし、相手の猛攻を前に7-7と振り出しに戻る。山口が安定したスパイクで得点を重ねるも、相手エースの勢いを止められず11-14とリードを許す。それでも山口がチームを支え、野口が粘りのラリーを制して17-20。サーブで起用された井上の好レシーブも流れを呼び込む。入来がエースとして意地を見せ21-22と迫り、稲井の速攻で23-24と食らいつくも、あと一歩及ばず。23-25で第3セットを落とした。

 後がない第4セット。入来が自ら相手エースをブロックし、流れを引き寄せる。打ち合いのロングラリーが続く中、一進一退の攻防を展開。6-6の場面から稲井の速攻を皮切りに7連続得点を挙げる。特に松田のスパイクとフェイクセットを織り交ぜた攻撃で相手を翻弄し、主導権を握った。セット後半は中島の速攻が冴えわたり、4本の速攻を決める活躍。山口、入来とともに攻撃陣をけん引する。勢いそのままに得点を重ね、25-21でセットを奪い返し、勝負の行方をフルセットに持ち込んだ。

S・松田、MB・中島

 勝負のかかった最終セット。入来・山口のスパイクが相手コートの穴を突き刺す。稲井のブロックで得点すると、野口もブロックアウトを奪う。中島の速攻が続き、入来がレシーブを吹き飛ばすほどの強烈なスパイクを叩き込む。今田のナイスレシーブも光り、拮抗した展開に。一時6-9とリードを許すも、入来のブロックで9-9と追いつき、そこから逆転に成功。稲井のブロックでラリーを制し12-11、入来のサーブで相手を崩すと、稲井の2連続ブロックで14-12と王手をかける。最後は松田が全員を欺くツーアタックを決め、15-12。フルセットの激闘を制し、慶大が貴重な白星をつかんだ。

 

(取材:長掛真依、村田理咲)

 

▼以下、コメント

星谷健太朗監督

――日大に見事勝利しました

大一番というのと、先週末の山梨大戦での敗戦があり、そこから終盤戦で気持ちを切り替えて対策をし、目の前の試合に立ち向かえるよう準備をしてきた中での一戦で、簡単なボールは一つもなかったんですれど、それぞれの努力が結実した場面がたくさんあり、その結果、日大さんという素晴らしいチームを相手に勝利することができて幸せな時間だったなと思います。

――フルセットで敗れた山梨大戦と、フルセットで勝った日大戦の

前回の反省をしっかり活かせたということだと思います。それは何かというと、体力面。身体的な体力、精神的な体力を事前にしっかり蓄えて、当日もそこを切らさないようにするというのをやり切れたのが一番大きなところだと思います。

――急遽出場となった、1年MB・中島昊選手の活躍もありました

まずは松山鼓太郎(MB/商3・慶應)がすごく頑張ってくれていて活躍もしていた中、怪我で離脱をしてしまい残念なんですけれども、その中で急遽中島が入らなければいけなくて。最初からフルスロットで持ち味を発揮してくれたので、素晴らしい準備と、目の前のプレーにしっかり意気込んで冷静な考え・判断で臨んでくれた。だからこそ、こうしてチームの勝利に大きく貢献できたんじゃないかなと思います。

――エースの入来晃徳選手に繋ぐだけでなく、他の選手の活躍も光りました

もちろんバレーボールは一人ではできず、常に全員が活躍する必要があるというのが今のバレーボールだと思います。入来は高さとパワーでチーム1の力量をもっていることに変わりはありませんが、それだけでは勝てないので、それぞれの選手が役割を果たすというのをできたからこそ勝利できたんじゃないかなと思います。

――残り4試合も気の抜けない相手ですが、どう戦っていきたいですか

コンディションを保ち続けるということが本当に一番だと思います。あとは経験の中で、どういうことが起きたらダメか、どういう状況を作り続ければ良さが出せるのかを体感をもって学んでいくと思うので、それを発揮できる環境、コンディションを整えていきたいと思います。

――応援してくださる方

学生たちも全力でやっているんですけど、良い時もあれば、悪い時もあります。悪いことが続けばもちろん苦しくはなりますけれど、最後まで希望を失わずに目の前のプレーを精一杯続けてくれると思うので、熱い応援をよろしくお願いします。

 

副将/OP・入来晃徳選手(環4・佐世保南)

――2年前の1部秋リーグ以来となる、日大戦勝利です!

日大にはずっと負けているイメージがあって、春も結構惜しいところで負けていたので、勝ち切れたというのはものすごく大きな経験かなと思っています。一方で、自分たちの弱点とかもまだまだ見えた試合ではあったので、総じて今後に繋がる良い試合だったかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返って

今まで、最後は自分に上がってくるというチームスタイルだったと思うんですけど、やっぱり他の快人(=OH・山口快人/経3・慶應)とか正太郎(=MB・稲井正太郎/法2・慶應)とか、あとは1年生もしっかり決めてくれて。あとはチームプレーで繋いで、繋いで、最後に自分が決めるということで責任も感じましたが、決め切れたことは良かったと思います。

――フルセットで敗れた山梨大戦と、フルセットで勝った日大戦

山梨の時は体力面で最後出し切れなかったというところに悔しさがあったので、今週はそこをとにかく意識して、休んで備えるということをやってきたので、努力の結果が出たのかなと思います。

――秋リーグをここまで振り返って

苦しい時とかも後輩たちが助けてくれて、すごく頼りになるなと感じています。ただ、その中で最後に自分にトスが上がってくる時に、みんなの頑張りに応えられている部分と、まだまだそうでない部分があるので、しっかり応えられるように自分としても成長していきたいなと思っています。

――残り4試合も気の抜けない相手ですが、どう戦っていきたいですか

夏にずっとやってきたブロックアンドレシーブというところで、それが体現できた試合ではしっかりセットも取れているし、できていない時は本当にボロボロになってしまうので、そこを安定して発揮できる「チームづくり」。あとは、最後に決め切るという「打力」の部分を改めて練習や試合の中で磨いていけたらなと思います。

 

MB・中島昊選手(経1・慶應)

――日大に見事勝利しました

1部復帰という目標を掲げる上でどうしても負けられない戦いだったので、勝ててホッとしています。

――フルセットで敗れた山梨大戦と、フルセットで勝った日大戦

試合内容は、ずっとみんなで「攻めよう、攻め続けよう」と話していたので、その姿勢が最終的に第5セットで結果につながったのかなと思います。

――急遽、途中出場という難しい中で安定したプレーが光りました

本当に、思ったより得点が決まって…(笑)。自分でもびっくりしたんですけど、1セット目で鼓太郎さん(=松山鼓太郎)がいきなり交代になってしまったので、よく分かっていなかったんですけど、出た以上はもうやるしかないので後先考えずに「やれることを全力でやろう」というマインドでプレーしていました。

――日大のプレーはどう写っていましたか

日大のセッターの特徴的にクイックを通したいというのがあったので、頑張ってクイックを止めようとしたんですけれど、なかなか止まらなかったのでそこが苦しかったなと。クイックを止められたら、もうちょっと楽に戦えたかなと思っています。日大のOP・髙島優作(=東京グレートベアーズ内定)さんがめっちゃ強かったです!(笑)

――1年生の塾高組(=MB・中島昊、S・松田悠冬、L・井上航)がコートに揃う場面もありましたね

塾高組でようやく3人で同じコートに立てたので、それはすごく嬉しく思います!松田とのコンビは、ずっと3、4年やってきていたので、そこはもう心配せず入れたなと思います。

――残り4試合も気の抜けない相手ですが、どう戦っていきたいですか

鼓太郎さんが戻ってこられるか分からないんですけど、その中でも自分が出た時に自分の役割、全力で攻め続けるというのを意識して残り全勝を目指して頑張っていきたいと思います。

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