前回の法大戦に勝利し、関東FINAL4進出を決めた慶大ラクロス部。Bブロック全勝で関東FINAL4へと繋げたいところ。第1Qはボールが落ち着かず両者沈黙を続けるが、9分。MF・大山颯輝(経4・慶應)が先制ゴールでこの沈黙を打ち破る。続く第2Qは開始早々、AT・鈴木孝人(法2・学習院高等科)が追加点を奪い流れを手繰り寄せると、MF・桐原怜音(政3・慶應湘南藤沢)にリーグ戦初ゴールが生まれ会場は歓喜に包まれる。このQに2点を返されるが、3年生エースのAT・福田天真(法3・國學院久我山)がこぼれ球を押し込み、4ー2で後半へ繋げる。第3Qは一転、両チームともに追加点を奪えないまま時間だけが経過していく。それでも第3Q終了間際、ゴール裏から旋回したAT・鈴木孝人が薄い角度から5点目を奪い、5ー2とリードを広げる。第4Qには、大山颯輝が2点、鈴木孝人が1点を追加し、いずれもハットトリックを達成。さらに追加点を奪い2桁勝利を収めたい慶大だったが、終盤に綻びが生まれ2点を献上。それでもリードを守り抜いた慶大が、8ー4で横国大に勝利した。
◇スタメン
AT
#3 池田朋史(商4・慶應)
#4 福田天真(法3・國學院久我山)
#52 鈴木孝人(法2・学習院高等科)
DMF
#51 福田崇斗(商2・本郷)
LMF
#17 関根瑠偉(政4・慶應)
DF
#5 峰岸諒(環3・慶應湘南藤沢)
#19 築地泰志(経2・本郷)
#83 力石達也(商2・学習院高等科)
G
#2 岩城敦大(法3・慶應)
FO
#99 増成琉之助(政4・慶應)
♢得点♢
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 1 | 3 | 1 | 3 | 8 |
横国大 | 0 | 2 | 0 | 2 | 4 |
慶大得点者 | 大山 | 鈴木孝、桐原、福田天 | 鈴木孝 | 大山(2)、鈴木孝 | ― |
第1Q開始のFOを増成琉之助(政4・慶應)が制し、試合は慶大ポゼッションで幕を開ける。しかし、パスミスやボールダウンにより、攻守が目まぐるしく入れ替わる展開に。そして開始9分、ようやく慶大にチャンスが訪れる。ゴール裏のAT・福田天真からパスを受けたMF・中西海(経4・海城)が相手DFを引き付けると、フリーになったMF・大山颯輝が力強いシュートで先制ゴール。守備では、G・岩城敦大(法3・慶應)がパスカットで攻撃へと繋げる。オフェンス陣はボールを回して相手ディフェンスを剥がし、好機を演出するが惜しくも追加点とはならず。それでも、残り40秒でポゼッションを獲得すると、MF・中西がゴール前に切り込みファウルを誘ったところで、第1Qが終了。1ー0で第2Qへと繋げる。

慶大オフェンスに火をつけ、ハットトリックを達成したMF・大山
横国大のマンダウンで幕を開けた第2Qは、開始間も無くして試合が動く。主将/AT・池田朋史(商4・慶應)からパスを受けたAT・鈴木孝人がそのままゴールネットを揺らし、2ー0とリードを広げる。続くFOでは、水本太一(経2・慶應)が今季初出場。相手ファウルを誘うが、惜しくもグラボをものにすることができない。G・岩城敦大のパスカットでポゼッションを奪い返すが、グラボから一瞬の隙をつかれて失点。再び1点差に詰め寄られる。我慢の時間が続く中、閉塞感を打破したのはMF・桐原怜音。相手ディフェンスを力強く抜き去ると、ゴール右前で渾身の一振り。桐原のリーグ戦初ゴールで会場が大歓声に包まれる中、得点板には「3」の数字が刻まれる。しかし、残り4分。慶大の反則からポゼッションが横国大に移ると、強靭なフィジカルで牙城を崩され3ー2。それでも、簡単には主導権を渡さないのが慶大の強さ。前半終了間際、AT・福田天真(法3・國學院久我山)がルーズボールをすかさず押し込み、追加点。4ー2の2点リードで試合を折り返す。

リーグ戦初ゴールを決めたMF・桐原
後半は、慶大の守備から試合がスタート。LMF・関根瑠偉(政4・慶應)とG・岩城敦大が巧みなクロス捌きで相手選手のシュートコースを逸らし、磐石の守備をみせる。慶大は、相手のボールダウンからAT・池田朋史、AT・浅尾洋佑(環4・慶應湘南藤沢)が立て続けにシュートを放つも、相手Gに阻まれて得点を奪うことができない。残り3分、G・岩城のセーブ、DMF・福田崇斗(商2・本郷)の厳しいマッチアップからポゼッションを奪還すると、アーセナル出身/期待の新星・鈴木孝人が躍動する。ゴール裏で相手ディフェンスの動きを見計らうと、薄い角度から振り向きざまにゴール。沈黙を打ち破る圧巻のゴールに会場が沸いたところで、第3Qが終了する。

リーグ戦で自身初のハットトリックを達成したAT・鈴木孝人
5ー2で迎えた、ラスト15分。立ち上がりから、慶大オフェンスが強さを存分に発揮する。先制ゴールを決めたMF・大山颯輝が、立て続けに2点を追加。リーグ戦初のハットトリックを達成し、リードを5点に広げる。さらに、岩城敦大に代わり出場したG・門井恒太朗(経2・本郷)のセーブから、LMF・関根瑠偉がボールを一気に押し上げると、ゴール前で待ち構えていたAT・鈴木孝人がゴール。スコアを8ー2とし、横国大を大きく突き放す。守備では、U20日本代表で最優秀選手に選ばれたDF・峰岸諒(環3・慶應湘南藤沢)が厳しいチェックで相手オフェンスをゴールに寄せ付けない。しかし、第4Q終盤に綻びが生まれ、1点、2点と失点が重なると、DF・峰岸も「終わり方!」と喝をいれる。苦しい締めくくりとなったが、リードを守り抜いた慶大が8ー4で横国大に勝利。リーグ戦全勝で関東FINAL4へ駒を進める。

3年生ながら慶大ディフェンスの中核を担う峰岸
▽以下、選手インタビュー(大山颯輝、峰岸諒、鈴木孝人)
ーーハットトリックの活躍でしたが、試合を振り返って
チーム全体としては、あまり集中力が続かなかったので、FINAL4では4Q全てでしっかり集中していきたいと思っています。個人的なところでは、初めてリーグ戦でハットトリックを取れたんですけど、まだまだ反省点があると思うので、そこを直して次に臨みたいと思います。絶対に勝利するので、ぜひ応援しに来てください!お願いします。
ーー今後に向けてさらに伸ばせるポイントは
自分の反省点としてはもっとチームを鼓舞できたと思うことです。今回はBチームのメンバーがかなりベンチ入りしていたので、もっと周りを巻き込む力が必要だったと思っています。
ーーFINAL4への意気込みをお願いします!
FINAL4なんかで負けていられないですし、絶対に勝利するので、ぜひ応援しに来てください!
ーー今日の試合を振り返って
元々2失点くらいに抑えて2桁得点を目指していた試合だったので、スコア面でもそうですが試合内容的にもあまり良い試合ではなかったと感じています。油断が生じてしまった試合でした。
ーーチーム全体のリーグ戦の活躍を振り返って
去年のAT・藤岡凜大さん(25政卒・現Stealers)やDF・小川健さん(25政卒・現FALCONS)のようなスター選手が引退して、当初はチームの強みがわからなかったのですが、リーグ戦を通してチームの強みと共に課題もわかってきたのでそこを修正してもっと強くなりたいです。
ーーご自身のプレーは振り返っていかがですか
リーグ戦の第2試合と第3試合の間にU20日本代表の活動があり、そこでの活動に参加したことで、それまで関根さん(=LMF・関根瑠偉/政4・慶應)にチームを引っ張ってもらうことが多かったのですが、だんだん自分の中でのリーダーシップ意識が強くなってDFリーダーとしてチームを引っ張って行くことができたと思います。
ーーU20日本代表での活動を振り返って
ラクロスを始める前には想像もしていていなかったことが経験できてとても楽しかったです。チームとしては目標としていた4位にはオーストラリアに敗北してしまったことで届きませんでしたが、MVPという形で評価していただいたことが嬉しかったです。
ーーFINAL4に向けての意気込みをお願いします!
同じU20日本代表選手だった奥山くん(=MF・奥山廉汰郎・明治学院大学3年)とのマッチアップで自分が奥山くんを止められるか、抜かれるかが勝負の分かれ目だと思うので、そこにぜひ注目してほしいです!
ーーハットトリックの活躍、特に2ゴール目は薄い角度から圧巻のゴールでした
2ゴール目は慶應が主に使っている戦術で、強くアタック出来ていないのが課題である中で、アタックした時にディフェンスが気を抜いているのが見えたので、自分で行けると判断して決めました。
ーー残りの2ゴールについても振り返ってください!
1ゴール目も人数有利な中でのセットプレーで、僕がスコアを決める位置どりで練習通りの動きをしたところ、池田さん(=主将/AT・池田朋史)がパスをくれてしっかり決められました。
3ゴール目は、ロングの関根さん(=LMF・関根瑠偉)がブレイクを作って上がってきた所で、僕に付いているディフェンスが関根さんにアタックして、その中で関根さんがパスをくれて、1on1の勝負でしっかりと決め切れました。
ーー出場も多かった今季のリーグ戦を振り返って
スタメンに起用して頂いたり、出場時間も多く与えてもらった中で、スコアを記録出来ていなかったので、何としても予選リーグで点を取りたいと思っていました。
ーー今後の試合に向けて一言お願いします!
まだまだゴールが足りていないので、攻撃を司るポジションであるATとしてもっとゴールを決められるように頑張ります!