ジュニア選手権最終節、前節・早大戦への悔しさを晴らすべく、東海大学へ乗り込んだ。開始から相手のキックチャージや突き刺さるタックルで攻撃の起点を封じられる。12-0と後を追う展開で迎えた15分、スタメン復帰した石垣慎之介(政4・慶應志木)が敵陣を切り裂き、独走でトライ。和田健太郎(理2・清真学園)のコンバージョンも決まり反撃を開始する。40分、笠原大介(商4・慶應)が相手ラインアウトの乱れを逃さず好機を創出。24-12で前半を折り返す。
後半10分、安西良太郎(商1・慶應)のビッグゲインから石垣にパスが渡ると、そのままディフェンスを振り切りトライエリアに手を伸ばした。それでも最後まで攻守の噛み合いを欠き、69-17でゲームを終えた。
ジュニア選手権は4連敗と苦しいゲームが続いたが、ここまで積み重なった課題は今後を強くする糧となる。蹴球部は次戦、11月23日早慶戦へと照準を定める。
2025年11月8日(土)第47回関東大学ジュニア選手権大会カテゴリー1 対東海大学 @東海大学湘南校舎ラグビー場
⚫︎慶大 17{12―24、5―45}69 東海大⚪︎
第47回関東大学ジュニア選手権大会 | ||||
慶應義塾大学 | 2025/11/8(土) | 東海大学 | ||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
2 | 1 | トライ(T) | 4 | 7 |
1 | 0 | コンバージョン(G) | 2 | 5 |
0 | 0 | ペナルティゴール(PG) | 0 | 0 |
0 | 0 | ドロップゴール(DG) | 0 | 0 |
12 | 5 | 計 | 24 | 45 |
17 | 合計 | 69 | ||
慶應義塾大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 西澤 賢佑 | 178/109 | 文4 | 膳所 |
2 | 山中 悠伍 | 177/95 | 経2 | 慶應 |
3 | 廣瀬 宇一朗 | 180/107 | 環2 | 桐蔭学園 |
4 | 矢﨑 隼太 | 184/97 | 政4 | 県立千葉 |
5 | 笠原 大介 | 180/96 | 商4 | 慶應 |
6 | 本田 李成 | 179/90 | 政1 | 慶應 |
7 | 小川 和真 | 176/78 | 政1 | 茗渓学園 |
8 | 岡田 海世 | 185/96 | 環1 | 清真学園 |
9 | 森 航希 | 170/75 | 環3 | 桐蔭学園 |
10 | 和田 健太郎 | 168/73 | 理2 | 清真学園 |
11 | 大川 竜輝 | 172/85 | 理4 | 慶應 |
12 | 石垣 慎之介 | 175/84 | 政4 | 慶應志木 |
13 | 安西 良太郎 | 180/84 | 商1 | 慶應 |
14 | 草薙 拓海 | 177/87 | 政1 | 桐蔭学園 |
15 | 笠原 悠真 | 178/82 | 政3 | 慶應 |
16 | 安藤 佑真 | 174/84 | 政1 | 慶應志木 |
17 | 山中 優太郎 | 177/102 | 商4 | 慶應 |
18 | 渡邉 哲暉 | 175/106 | 政4 | 慶應 |
19 | 加藤 光 | 182/100 | 法2 | 慶應志木 |
20 | 柏木 秀太 | 166/84 | 経3 | 慶應志木 |
21 | 尾関 航輔 | 166/68 | 政1 | 慶應 |
22 | 青木 晟時 | 175/84 | 経3 | 本郷 |
23 | 江頭 駿 | 174/82 | 経4 | 慶應 |
東海大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 中尾 優人 | 182/112 | 体育2 | 栄徳 |
2 | 津田 仁 | 173/105 | 体育4 | 光泉カトリック |
3 | 小濱 由路 | 178/118 | 建築3 | 平塚学園 |
4 | 篠田 晃成 | 180/93 | 体育1 | 大阪桐蔭 |
5 | 永田 拳 | 182/99 | 体育2 | 東海大付属相模 |
6 | 藤原 蒼士 | 177/89 | 体育3 | 東海大学付属大阪仰星 |
7 | 細川 聖 | 182/100 | 体育3 | 黒沢尻北 |
8 | ヴィリアミ・マフィ | 180/105 | 体育4 | 東海大付属福岡 |
9 | 吉田 永遠 | 173/75 | 体育4 | 京都成章 |
10 | 廣田 真士 | 167/76 | 法4 | 報徳学園 |
11 | 正木 空馬 | 170/78 | 体育2 | 京都工学院 |
12 | 羽根田 陸 | 177/86 | 体育2 | 関西大学北陽 |
13 | 高﨑 大我 | 179/89 | 体育2 | 桐蔭学園 |
14 | 堀田 倭 | 176/82 | 建築3 | 長崎海星 |
15 | 福山 寛大 | 169/76 | 文3 | 関西大学北陽 |
16 | 佐々木 天雅 | 176/108 | 教養2 | 大阪桐蔭 |
17 | 垣田 基樹 | 168/98 | 体育4 | 東海大付属大阪仰星 |
18 | 阿部 輝 | 180/110 | 体育3 | 秋田工業 |
19 | 川嶋 凌太 | 182/99 | 体育4 | 目黒学院 |
20 | 平坂 亮輔 | 174/95 | 健康3 | 目黒学院 |
21 | 山田 莞大 | 170/78 | 法4 | 大阪桐蔭 |
22 | 奥田 泰進 | 174/86 | 体育4 | 東海大付属大阪仰星 |
23 | ミンドウラム マーカス廣紀 | 183/92 | 体育4 | 筑紫 |
慶大のスタメンには前節でトライを決めたSH森、スタメン復帰のWTB石垣が名を連ね、快晴の東海大学湘南校舎ラグビー場に乗り込んだ。
キックオフのボールをキャッチしたSO和田がエリア獲得にかかろうと蹴り上げるも、東海大によるキックチャージが決まり、開始直後から攻勢をかけられる。その後FWのアタックを防げず、先制トライを許した。5分にもラインアウトから展開されたパス回しを封じきれないまま、連続得点を献上してしまう。
慶大に好機が訪れたのは前半15分。自陣で東海大の猛攻が続くなか、石垣が見事にインターセプトをやってのける。ディフェンス不在の敵陣を一気に駆け上がった石垣がそのままトライを決める。和田が冷静にコンバージョンを決め、12-7と追い上げに成功する。
何とか同点に持っていきたい慶大は、BK陣のエリア展開とFW陣の安定したディフェンスで得点の機会を伺う。しかし27分、東海大のSO廣田が50:22を成功させると、東海大FWはラインアウトモールを形成。そのまま押し込まれ、再び点差を広げられる。31分にもトライを許し、スコアは24-7に。
40分、東海大優勢ムードのまま前半を終えようかという時に与えたラインアウトが崩れ、ボールをうまく拾ったLO笠原がディフェンスの隙を突きトライを沈める。24-12で前半を折り返す。


敵陣でのプレーを増やし、流れを持ってきたい慶大だったが、後半も先制したのは東海大だった。慶大が自陣でのノックフォワードを犯し、スクラムで押された勢いでトライエリアに走り込まれてしまう。
何度も敵陣に攻め込むも堅牢な相手ディフェンスに阻まれ中々得点に繋げることができない中、後半10分、慶大にビッグチャンスが訪れる。この試合ここまで縦の推進力を見せつけているCTB安西がビッグゲイン。ラックから石垣が自らボールを持ち出してトライエリアに突っ込んだ。石垣が今試合2トライ目を決める活躍を魅せた。

取って取られてのゲーム展開で中々追いつけない慶大。選手交代を敢行しながら多彩な攻撃を仕掛け続けるも、東海大ディフェンスの壁は高かった。石垣のトライを最後に、慶大のチャレンジは得点に結び付かない。そして東海大のFW、BK双方の攻撃を止められずさらに6トライを許し、69-17で試合終了のホイッスル。
ジュニア選手権最終節として望んだ一戦だったが、悔しくも大差をつけられての敗戦となった。この課題をチームに還元し、チームは次戦・早慶対抗戦へ駒を進める。
以下、選手インタビュー↓↓
――今日の試合を振り返って
セットプレーや小さいスキルの部分において、全部東海大学さんが上回っていたので、これだけスコアが開いてしまったのだと感じました。
――この試合、キャプテンを任されたことについて
自分はプレーで引っ張る方が得意なので、とにかく体を張ってチームを鼓舞するというところは意識してやっていました。
――失点が重なった要因は
相手の大きいFWが走り込んでくるようなプレーに対して、少し後手に回ってしまい、そこから相手がすごく速くボールを出してきたので、やっぱり外にスペースができてしまったかな、と。
――これでジュニア戦は全日終了。このジュニア選手権を振り返って
どれだけめげずに向上心持って取り組むかが大事だと思うので、まだ入れ替え戦が残っていますし、そこでは必ず勝って上のカテゴリーに残留できるように頑張りたいと思います。
――対抗戦は早慶戦、帝京大戦、それから選手権。ここからの意気込みを
本当にチームは一戦一戦成長していると思うので、ここからも現状に満足せずに、1日1日を大切にしながら練習積み重ねて、日本一という目標を達成したいと思います。
――今日の試合を振り返って
最初の入りもそうですし、全体的に相手の圧力を受けたまま80分間、最後まで自分たちに流れ持ってくことができなかったと感じています。
――2トライを振り返って
トライシーンに関しては、WTBっていうのはトライを取る仕事だと思っているので、最低限の仕事はできたのかなと思います。
――復帰明け、個人としての調子は
あんまりまだしっくり来てないなっていうのが正直なところです。もっと自分がチームを引っ張って、良くない流れの時に、自分の声で局面を打開して流れを変えたかったんですけど、そこまで今の自分では持っていけなかったので、そこが課題です。そこのレベルまで練習で持っていきたいと思います。
――今後チームとして早大、帝京大、その先へと続きます。今後に向けて意気込みを
本当にここからは負けられない試合しかなくて、1試合1試合がすごく大事になります。今日本当に情けない試合をしてしまったんですけど、1回切り替えて、まずワセダに向けて準備していきたいと思います。
(取材:島森沙奈美、髙木謙)


