今年で第102回を迎える関東大学ラグビー対抗戦の早慶戦。「日本一」という高い目標を掲げる今年の蹴球部にとって、ワセダは超えなくてはならない壁だ。15年ぶりの勝利を掴むべく、秩父宮ラグビー場で伝統の一戦に臨んだ。
序盤から2トライを先制され苦しい立ち上がりとなるが、前半16分に敵陣でSH橋本弾介(法4・慶應)からオフロードパスを受けたNO8中野誠章(文2・桐蔭学園)がインゴールに飛び込みワセダに食らいつく。それでも赤黒の勢いを止められず、前半を7-35のビハインドで折り返す。それでも後半は持ち味である粘り強いディフェンスで徐々に立ち直ると、後半20分に流れるようなアタックから最後は途中投入のWTB石垣慎之介(政4・慶應志木)がトライ。反撃ののろしを上げる。更に後半27分にはFB田村優太郎(総2・茗溪学園)が相手のパスをインターセプトして独走。試合時間を10分残して2トライ2ゴール差に迫る。しかし最後は突き放され最終スコア21-49でノーサイドを迎え、今年も宿敵ワセダに敗れる形となった。しかし80分間「魂のタックル」を体現し続けた黒黄の戦士たちの戦いは終わらない。対抗戦の最終節となる帝大戦に向けて、そして大学選手権での「日本一」達成に向けて、更なる成長を続けていく。
2025年11月23日(日)関東大学対抗戦 対早稲田大学 @秩父宮ラグビー場
●慶大 21{7―35、14―14}49 早大○
関東大学対抗戦 | ||||
慶應義塾大学 | 2025/11/23(日) | 早稲田大学 | ||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
1 | 2 | トライ(T) | 5 | 2 |
1 | 2 | コンバージョン(G) | 5 | 2 |
0 | 0 | ペナルティゴール(PG) | 0 | 0 |
0 | 0 | ドロップゴール(DG) | 0 | 0 |
7 | 14 | 計 | 35 | 14 |
21 | 合計 | 49 | ||
前半16分 中野(T) 前半17分 小林(G) 後半20分 石垣(T) 後半21分 小林(G) 後半27分 田村(T) 後半28分 小林(G) | 得点者 | 前半7分 清水(T) 前半8分 野中(G) 前半12分 粟飯原(T) 前半14分 野中(G) 前半20分 栗田(T) 前半21分 野中(G) 前半27分 清水(T) 前半28分 野中(G) 前半38分 清水(T) 前半39分 野中(G) 後半31分 川端(T) 後半32分 野中(G) 後半37分 清水(T) 後半38分 野中(G) | ||
慶應義塾大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 井吹 勇吾 | 175/100 | 環2 | 桐蔭学園 |
2 | 渥美 和政 | 173/100 | 経4 | 慶應 |
3 | 中谷 太星 | 180/115 | 環2 | 東福岡 |
4 | 西野 誠一朗 | 184/92 | 法1 | 桐蔭学園 |
5 | 山﨑 太雅 | 189/105 | 商1 | 県立浦和 |
6 | 恩田 優一郎 | 175/100 | 政3 | 慶應 |
7 | 申 驥世 | 175/93 | 文1 | 桐蔭学園 |
8 | 中野 誠章 | 176/107 | 文2 | 桐蔭学園 |
9 | 橋本 弾介 | 169/76 | 法4 | 慶應 |
10 | 小林 祐貴 | 168/75 | 政1 | 慶應 |
11 | 伊吹 央 | 176/81 | 経4 | 慶應 |
12 | 今野 椋平 | 183/90 | 環4 | 桐蔭学園 |
13 | 安西 良太郎 | 180/84 | 商1 | 慶應 |
14 | 小野澤 謙真 | 180/90 | 環2 | 静岡聖光学院 |
15 | 田村 優太郎 | 174/80 | 総2 | 茗溪学園 |
16 | 藤森 貴大 | 173/99 | 経3 | 慶應 |
17 | 小川 士潤 | 172/100 | 経2 | 慶應 |
18 | 廣瀬 宇一朗 | 180/111 | 環2 | 桐蔭学園 |
19 | 岩垂 樹希 | 177/93 | 政4 | 慶應 |
20 | 持木 太心 | 180/95 | 総2 | 桐蔭学園 |
21 | 森 航希 | 170/75 | 環3 | 桐蔭学園 |
22 | 山本 大悟 | 174/85 | 環4 | 常翔学園 |
23 | 石垣 慎之介 | 176/80 | 政4 | 慶應志木 |
早稲田大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 杉本 安伊朗 | 176/105 | スポ3 | 國學院久我山 |
2 | 清水 健伸 | 178/96 | スポ3 | 國學院久我山 |
3 | 前田 麟太朗 | 177/110 | スポ2 | 桐蔭学園 |
4 | 新井 瑛大 | 179/105 | 教育3 | 大阪桐蔭 |
5 | 栗田 文介 | 184/102 | スポ4 | 千種 |
6 | 城 央祐 | 185/99 | スポ2 | 桐蔭学園 |
7 | 田中 勇成 | 166/87 | 教育4 | 早稲田実業 |
8 | 粟飯原 謙 | 180/92 | スポ4 | 桐蔭学園 |
9 | 糸瀬 真周 | 175/69 | スポ4 | 修猷館 |
10 | 服部 亮太 | 178/80 | スポ2 | 佐賀工業 |
11 | 山下 恵士朗 | 170/71 | スポ2 | 早稲田佐賀 |
12 | 野中 健吾 | 180/92 | スポ4 | 東海大大阪仰星 |
13 | 福島 秀法 | 183/95 | スポ4 | 修猷館 |
14 | 田中 健想 | 172/77 | 社学2 | 桐蔭学園 |
15 | 矢崎 由高 | 180/86 | スポ3 | 桐蔭学園 |
16 | 杉村 利朗 | 182/105 | 社学2 | 東福岡 |
17 | 山口 湧太郎 | 176/105 | スポ4 | 桐蔭学園 |
18 | 平山 風希 | 180/127 | スポ1 | 大分東明 |
19 | 小林 光晴 | 188/99 | 文2 | 福岡 |
20 | 松沼 寛治 | 177/93 | スポ3 | 東海大大阪仰星 |
21 | 川端 隆馬 | 162/66 | スポ1 | 大阪桐蔭 |
22 | 金子 礼人 | 183/91 | 法4 | 西南学院 |
23 | 鈴木 寛大 | 175/79 | スポ3 | 倉敷 |
11月23日、15164人の大観衆が詰めかけた秩父宮ラグビー場で、102回目のラグビー早慶戦が行われた。
ワセダのキックオフで始まった試合は、キックオフのボールをキャッチしきれず前方に落とし、更に直後のスクラムでアーリーエンゲージを取られるという慌ただしい立ち上がりで幕を開けた。日本代表からワセダに帰還し、即スタメン出場となったFB矢崎のランで自陣5mまで迫られるも、直後にパスが乱れ地面に落ちたボールを慶大FL恩田が拾いターンオーバー。恩田が泥臭いプレーで自身のノックフォワードを挽回し、慶大はSO小林のタッチキックで陣地を回復する。
直後の前半3分、ワセダのラインアウトを起点としたバックスのアタックに対し、今度はWTB小野澤の鋭いタックルでノックフォワードを誘発。序盤から、ワセダらしい素早いアタックと慶大らしい「魂のタックル」がぶつかり合う、伝統の一戦にふさわしい攻防が繰り広げられる。
しかし、直後のスクラムでコラプシングを取られると、ワセダボールの5mラインアウトからモールで押し込まれ、ワセダに先制トライを許す。
先制トライを許し立て直したい慶大は前半10分、ハイパントの競り合いで誘発したペナルティから、主将・今野のフリーキックで敵陣深くに侵攻し、得意のラインアウトモールからトライを狙う。しかし、ここでトライを奪いきれずにペナルティを犯し、陣地を回復されると、逆にワセダの猛攻を受け、追加点となるトライを許し0-14と点差を広げられてしまう。
このまま易々と点差を離されるわけにはいかない慶大は、試合再開直後からワセダに高強度の圧力をかけていく。すると前半14分、ワセダが蹴ったタッチキックが22mラインの外側のブレイクダウンから22mラインの内側に持ち込まれたとしてダイレクトタッチと判定され、慶大に千載一遇のチャンスが訪れる。リベンジとなったラインアウトモールで反則を誘いアドバンテージを獲得すると、ピッチの横幅を目一杯使ったダイナミックなアタックを仕掛け、ギリギリまで相手を引き付けたCTB今野からパスを受けたFB田村がディフェンスラインを突破。一気に敵陣5mラインの内側まで迫る。
すると、ラックからSH橋本が彼の代名詞でもあるラックサイドへのランでワセダの意表を突き、橋本の動きにいち早く反応したNO8中野がオフロードパスを受けてインゴールに飛び込んだ。更に小林のコンバージョンも成功して7点差に迫る。

しかしここからワセダの猛攻が始まる。SH糸瀬真周(スポ4・修猷館)とSO服部亮太(スポ2・佐賀工)のハーフ団による素早いゲームメイクと、小柄ながら今季赤黒軍団の武器にもなっているセットピースの2点に苦戦し、じわじわと自陣に迫られると、前半21分に中央を突破されトライを許す。前半26分にはCTBとしては対抗戦初スタメンとなった1年生・安西がビッグタックルを見せるも、直後の27分にラインアウトモールから更にもう1トライを追加される苦しい展開となる。
一刻も早く点差を縮めたい慶大は前半31分、自陣中央のブレイクダウンからSH橋本がラックサイドに仕掛けてラインブレイク、更に相手の背後を突くキックで一気に敵陣深くに迫る。
このキックはインゴールまで達し、ワセダのドロップアウトから再開となるが、この二次攻撃でLO西野が相手のベクトルを折る内へのパスを選択すると、このパスを受けた小野澤が切れ味抜群のステップで赤黒の防壁を切り裂き、25mほどのビッグゲインを見せる。ここからミスなく粘り強いアタックを続けると、ワセダのペナルティを誘発することに成功。再び敵陣残り5mでマイボールラインアウトを獲得する。しかし、このモールでもオブストラクションを取られ好機を逸する。
なかなか点差が縮まらない展開が続くと、前半終了間際の38分、ワセダのHO清水にハットトリック達成となるトライを献上し、前半を7-35とビハインドで折り返す。
明大戦のようにFW・BKともにここからさらなる実力を見せつけていきたい慶大は、HO渥美に代えて藤森を投入。今季ここまでチームトップのトライ数を記録するHOに期待が寄せられた。
慶大のキックオフで開始した後半。すぐに早大のノックフォワードを誘い、自慢のディフェンスでプレッシャーをかけていく。後半4分には、早大のコラプシングを誘発。桐蔭学園の同級生である井吹と早大3番・前田のマッチアップは、ここで井吹に軍配が上がった。しかし、その後のラインアウトでは慶大がペナルティを取られ、一進一退の攻防が展開される。
前に出るディフェンスでここまで得点を許さなかった慶大。自陣での我慢強さが功を奏したのは18分。早大選手のホールディングにより得たラインアウトでも、再び早大にペナルティ。敵陣22mラインでのラインアウトを冷静に成功させ、徐々に攻め込む。
崩れたモールからBK4人でパスが展開され、最後にボールを受けたのは、一番外側で待っていた途中出場のWTB石垣。そのまま相手ディフェンスをうまく交わし、トライを決めた。今季初出場となった「天性のトライゲッター」がこの大舞台で本領発揮。小林のコンバージョンも決まり、スコアは14-35と反撃を開始する。

慶大はその後も勢いを切らすことなくフェーズを重ね、小林の50:22成功でチャンスを繋ぐも、早大にスティールを許し、ハーフラインまで戻される。自陣22mライン付近まで押し込まれたところで早大CTB野中のパスを田村が見事にインターセプト。自陣から一気にゴールラインまで駆け上がり、スタンドのチームメイトにガッツポーズを見せた。ここでも小林が確実にコンバージョンを決め、21-35に。


およそ3分後、自陣深いところでフェーズを重ねる早大に対し、途中出場した持木の力強いタックルや相手をガッチリと掴む申の粘り強さで耐える。しかし俊敏かつ慎重な攻撃に耐えきれず、再び点差を広げられた。
逆転するためにこれ以上点を失いたくない慶大。今野が相手の隙を捕らえるタックルでペナルティを誘い、陣地を取り返しにいく。橋本のテンポの良いボール出しに応えるBK陣であったが、ここは早大の冷静な守りに阻まれ、再び自陣に戻されてしまう。ラインアウトから約10mモールで押し込まれ、得点を許した。野中のコンバージョンもここまで6本全て決まり、スコアは21-49となる。
2分のロスタイムが場内にアナウンスされた後半41分、相手のペナルティによって得られたスクラムから慶大は好機を創出。丁寧にパスを回してジリジリと敵陣に攻め入る。後半43分、この試合最後となるスクラムでは早大にペナルティを与え、慶大は最後まで集中力を絶やさない。その後ラックからSH森が石垣にパスを放ると、そのまま石垣がラインブレイク。得意の「相手ディフェンスを交わすラン」を見せる。
あとがない慶大は激しいブレイクダウンの中18ものフェーズを繋げ、ゴールラインまであと数mというところまで入り込んだ。一度途絶えたものの、ペナルティをみていたため今野のキックでプレーが再開。慶大ボールのラインアウト、ラストワンプレー。
秩父宮に詰めかけた観客が固唾を呑んで見守る中、伊吹や今野も入ったモールで気迫を見せる。トライエリアに辿り着いたと思われたが、最後は早大ディフェンスが意地の阻止を見せ、得点に結びつけることはできなかった。
日本代表選手を擁する早大にうまくディフェンスをこじ開けられた早慶戦。点差は付けられたものの、慶大は常にギアを上げ続け、最後の最後まで魂を見せた。申、西野、山﨑ら1年生FWの安定感はさることながら、MIP(モストインプレッシブプレーヤー)には安西が選出されるなど、フレッシュなメンバーの存在感が光った。一方で今季初出場の石垣、この日が復帰戦となった岩垂・山本をはじめとする4年生も、4年間の想いが詰まったプレーで観客を沸かせた。全員で繋げた秋季対抗戦最終節・帝京大戦への望み。この敗戦を晴らすため、慶大の次戦での力量に期待がかかる。
以下、試合後インタビュー↓↓
--今日の試合を振り返って
青貫監督:今日の試合のテーマは「先手」でした。先手を取ることを掲げて試合に臨んだ中で、逆に先手を取られてしまい、前半の初めからワセダに飲み込まれてしまった試合になりました。慶應がワセダに負ける典型的なパターンになってしまい、反省しています。ただ、来週にも試合がありますし、大学選手権もありますので、この敗戦を糧にして、更に成長をしていきたいと思っています。
今野主将:先程監督も仰っていたとおり、この試合のテーマは「先手」で、これは試合の入り方を意識するという意味でもありますし、80分間通してワセダ相手にアグレッシブなアクションを仕掛け続けて、先手を取り続けるという意味でもありました。しかし、前半はワセダのテンポの良いアタックに対して、自分たちの強みであるディフェンスで1歩引いてしまいました。後半は「やり返そう」という意識でスイッチを入れることが出来ましたが、逆転には及びませんでした。本日は負けてしまいましたが、自分たちの目標はあくまで「日本一」なので、今後も一歩一歩成長して、頑張っていきたいと思います。
--今日の課題は
今野主将:ディフェンスにおいて、ワセダのダイレクトプレーで走り込んで来るアタックというのは慶應では採用していないので、初見というか、慣れていない部分がありました。また、相手のキーマンである10番(服部亮太/スポ2・佐賀工)と15番(矢崎由高/スポ3・桐蔭学園)に良い形でボールを触らせないよう、2対1で対応するようなプランを用意していたのですが、そこが上手くいかなかったことが負けに繋がったと思います。また、大舞台で、緊張感がある中で、いつも以上にディフェンスラインの幅が狭まってしまったことで、外から破られやすくなってしまいました。緊張感に慣れて、より広いディフェンスラインを形成できた後半は上手く守れるシーンも増えたので、その部分には自信を持ってこの先にも臨んでいければと思います。
青貫監督:今野が言った通り、特に前半は「準備していたことが出せなかった」ということに尽きると思います。もちろんブラッシュアップも必要ですが、若い、経験が浅いという言葉を使いたくはないですが、早慶戦という大舞台で普段やってることができなくなるという部分は少なからずあったと思います。
--セットピースで後手に回った
青貫監督:上からは見えないプレッシャーがあったのかもしれません。特にスクラムでは普段やっていることが出来ていない部分だと感じました。成長が足りていないですね。
ーー4年間早慶戦に勝てなかったことを振り返って、また後輩に期待することは
今野主将:自分たちの代を「強い慶應が戻ってきた」と思わせるような代にしたいと常々思っていて、早慶戦をそのきっかけとすべく、4年生で一丸となって頑張ってきましたが、惜しくも届きませんでした。ただ、若いメンバーもたくさんいますし、大学選手権で結果を残すことで、その若いメンバーたちの自信にもなると思うので「126代から慶應は再び強くなった」と言ってもらえるように、残りのシーズン全力を尽くしたいと思います。
ーー2点差で敗れた明大戦から早慶戦までどのような準備を
青貫監督:慶明戦では自分たちの表現したいことをピッチで出せたので、敗れはしましたが自信を持てる試合でした。そのため、早慶戦では、積み上げてきた自分たちのいつも通りのラグビーを出す、そしてワセダに飲まれないよう先手を取る、この2点を抑えれば必ず勝てると思っていましたが、なかなか上手くいきませんでした。
ーー後半にスクラムの内容が改善した。どのような修正を加えたか
青貫監督:後半からフッカーを変えた以外の部分では、こちらから指示を変えるようなことはなく、徐々にいつも通りのスクラムに立ち返ることができたのではないかと思います。ただ一方で、今年の慶應のスクラムの課題の1つとして、対応力が弱いと分析しています。徐々に改善している程度では不十分で、いかに最初から相手のスクラムに対応して自分たちのやりたいスクラムを表現できるかという部分についてはもっと突き詰めていかなければなりませんし、今後の課題と捉えています。
ーー「ワセダのキーマンに対して2対1を作る」プランが崩れた要因は
今野主将:相手のテンポを止められませんでした。9番(糸瀬真周/スポ4・修猷館)10番(服部)からのダイレクトプレーでモメンタムを作られてしまって、外側で人数を余らせてしまったことが要因だったと思います。先程も言った通り、前半はディフェンスラインが狭かったので、10番からの長いパスに対してプレッシャーをかけるシーンが作れませんでした。ただ、失点後のハドルで「もっと横幅を広げてチャレンジングなディフェンスをしないと勝てない」という話をして、そこから徐々に改善されていったのではないかと思っています。
ーー小林祐貴(政1・慶應)のシーズン通しての成長をどう捉えるか
青貫監督:シーズン途中から10番の先発で使うことが増えていますが、9番(橋本弾介/法4・慶應)や12番(今野)との連携が増してきていて、徐々にチームにフィットしてきていますし、これがチーム全体のアタックの精度向上に繋がっていると思います。今日はもう少し彼にプレッシャーを与えずにプレーさせてあげたかったと感じています。個人でプレーをさせてしまいました。いずれにせよ、彼は素晴らしい才能を持っていると思います。
ーー小野澤謙真(環2・静岡聖光学園)を早い時間帯で交代した理由
青貫監督:石垣慎之介(政4・慶應志木)は今非常にコンディションが良いので、流れを変えるために早めに投入しました。小野澤に怪我などがあったわけではありません。
ーー今野主将、明大戦からどう切り替えて試合に臨んだか
今野主将:明大戦の終わり方は自分にとってとても悔しいものでしたし、正直何日か引きずってしまったのですが、周りの人がすごく親身に寄り添ってくださり、自分がどれだけ多くの人に支えられているのかを実感しました。チームの先頭に立つ者として、チームを引っ張っていかなければならないという強い気持ちを再び持つことができましたし、応援してくださる人たちのため、支えてくださる人たちのために頑張らなければと気持ちを切り替えることができました。
――初スタメンの感想は
もちろん緊張はしたんですけど、常に試合に出るつもりで練習をしていましたし、
Aチームの相手もしていたので、焦ることなく落ち着いてプレーすることができました。
――今日の試合を振り返って
ディフェンスではチームに貢献して前に出ることはできたんですけど、アタックでは全然強みを出すことができずにミスで終わるなど課題が浮き彫りになったかなと思います。
――MIPに選ばれたことについて
チームで試合をして、たまたま自分の立場が評価していただけただけなので、チームで獲ったMIPなのかなと思います。
--次戦最終節、大学選手権に向けて
シーズンを重ねていくごとにいいラグビーができているんですが、勝ち切れてないのが1番慶應の課題なので、しっかり結果にこだわることを日頃の練習から意識してやっていきたいと思います。
ーー今日の試合を振り返って
「先手」をターゲットにやってたんですけど、相手の方が前に圧力をかけてきて、それが前半顕著に出てしまって。前半ですでに試合を決めるようなスコアになってしまったのが敗因かなと思います。
ーービハインドの場面での起用に、監督やコーチ陣からはどのような言葉があったか
出る時は具体的に言われたことはないんですけど、自分は後半からのブースターというところで、ある程度負けている状況から盛り上げるアタックで(流れを)もってくるというのを意識していたので、そういったことを思って臨みました。
ーートライのシーンを振り返って
内側のBKの選手がつながって、しっかり形通りWTBまで繋いでくれて。自分としては置くだけのトライだったので。内側のBKの選手たちが良い形を作ってくれたなと思います。
ーー次節と最終節に向けて
来週帝京戦、そのあと選手権というところで、負けたら終わりなので。今日は負けてしまったんですけど、しっかりいい準備をして、チーム一丸となってやっていけたらと思います。
ーー今日の試合を振り返って
今日はチャレンジすることを目標にしていて。後半はアグレッシブにできたんですけど、前半は受けてしまったところがあったので、そこは悔しい結果になってしまったなと思いました。
ーートライのシーンを振り返って
今日は押し込まれてた展開が続いていたので、ディフェンスから仕掛けないと点が取れないと思っていたので。あのシーンは読めたので、いい読み合いが出来たなというのと、チームを勢い付けることができたのが、良かったなと思います。
ーー前半と後半で変わった点
前半はディフェンスの時間が長かったんですけど、後半は自分たちがボール持つことによって、アグレッシブにアタックできていて、自分たちでチャンスメイクはできていたのでそこは後半良かった点でした。ただ、点を取り切れなかったところは課題点かなと思いました。
ーー次節・帝京戦、そして選手権に向けて
帝京戦も自分たちが100%以上の力を出して、勝てるか勝てないかという相手だと思うので。今日いい収穫もあったと思うので、そこを上手く活用しつつ、帝京戦もチャンレンジしていきたいです。選手権は負けたら終わりなので、そこに向けてまだまだ成長できると思うので、今日から積み上げていければと思います。
ーー今日の試合を振り返って
チームとしてはやりたいことができなくて。後半そのやりたいことができてきた感じはあったけど、前半は受けることばかりで、それがしんどかったという印象です。
ーー対抗戦復帰戦が「最後の早慶戦」に。どのような気持ちで挑んだか
1ヶ月前の早大ジュニア戦で怪我をしてしまって、それでずっと試合に出れていなかった。ワセダにやられた(敗戦した)分はワセダで返す、とここに照準を合わせてやってきました。求められてることはできたと思うんですけど、もう少しチームに対してアプローチできたらよかったなと。
ーー具体的に「求められてること」とは
とりあえず一番ボールを持って、1mでも前に進むところ。それはできたかなと思います。
ーー次戦・帝京戦、その後の選手権に向けて
シーズンが深まってきて、どんどん「最後なんだな」と実感が湧いてきました。悔いが残らないように、勝ちにこだわりたいと思います。
早大 | 帝京大 | 明大 | 慶大 | 青学大 | 筑波大 | 立大 | 日体大 | 勝 | 分 | 負 | 勝点 | |
早大 | ⚫︎ 20-25 2T2G1PG1DG | 12/7 14:00 国立 | ◯ 49-21 7T7G | ◯ 59-12 10T3G1PG | ◯ 39-13 5T4G2PG | ◯ 78-0 12T9G | ◯ 59-7 9T7G | 5 | 0 | 1 | 32 | |
帝京大 | ◯ 25-20 3T2G2PG | ⚫︎ 17-21 2T2G1PG | 11/30 13:00 熊谷 | ◯ 62-7 10T6G | ⚫︎ 14-18 2T2G | ◯ 48-21 8T4G | ◯ 113-7 17T14G | 4 | 0 | 2 | 27 | |
明大 | 12/7 14:00 国立 | ◯ 21-17 2T2G1PT | ◯ 24-22 4T2G | ◯ 91-7 13T13G | ⚫︎ 24-28 4T2G | ◯ 76-7 12T8G | ◯ 43-12 7T4G | 5 | 0 | 1 | 30 | |
慶大 | ⚫︎ 21-49 3T3G | 11/30 13:00 熊谷 | ⚫︎ 22-24 3T2G1PG | ◯ 32-18 4T3G2PG | ⚫︎ 12-21 2T1G | ◯ 61-5 11T3G | ◯ 45-17 6T4G1PT | 3 | 0 | 3 | 21 | |
青学大 | ⚫︎ 12-59 2T1G | ⚫︎ 7-62 1T1G | ⚫︎ 7-91 1T1G | ⚫︎ 18-32 2T1G2PG | 12/6 14:00 熊谷B | ◯ 40-31 6T5G | ⚫︎ 21-26 3T3G | 1 | 0 | 5 | 11 | |
筑波大 | ⚫︎ 13-39 1T1G2PG | ◯ 18-14 3T1PG | ◯ 28-24 4T4G | ◯ 21-12 3T3G | 12/6 14:00 熊谷B | ◯ 64-3 10T7G | ◯ 99-7 14T11G1PT | 5 | 0 | 1 | 28 | |
立大 | ⚫︎ 0-78 | ⚫︎ 21-48 3T3G | ⚫︎ 7-76 1T1G | ⚫︎ 5-61 1T | ⚫︎ 31-40 5T3G | ⚫︎ 3-64 1PG | 12/6 11:30 熊谷B | 0 | 0 | 5 | 6 | |
日体大 | ⚫︎ 7-59 1T1G | ⚫︎ 7-113 1T1G | ⚫︎ 12-43 2T1G | ⚫︎ 17-45 3T1G | ◯ 26-21 4T3G | ⚫︎ 7-99 1T1G | 12/6 11:30 熊谷B | 1 | 0 | 5 | 10 | |
◎勝ち点の多い順に順位決定を行う。 ・勝ち:5、引分:3、負け:1、不戦勝:6点、不戦敗:0点、不成立:3点 ・負けても 7 点差以内ならば、勝ち点 1を追加。 ・3トライ差以上での勝ちならば、勝ち点1を追加。 | ||||||||||||
(取材:愛宕百華、島森沙奈美、塩田隆貴、山口和紀、髙木謙)

