2年前には、U-17朝鮮代表候補合宿に参加。プロを見据えて進学する大学では、開幕戦からスタメンを奪いたいと意気込みを語る。李監督も開幕前から期待を寄せる、注目の新入生CBにお話しを伺った。
―まず初めに、これまでのサッカー経歴を教えてください
小学生の時はFC多摩川ジュニアというクラブチーム、中学校の時は西東京朝鮮中、高校時代は東京朝鮮高でやっていました。ずっとDFです。
―高校時代の公式記録には、MFとも記されていましたが
MFもたまにあるんです、足りない時など。ポジションはボランチです。
―最初、なぜか金選手がFWという情報がありました
(笑)。今日の練習でも、「金、FWやってみない?」って言われて、センタリングの練習中にFWやったりしていました。遊びとかのゲームでも、FWやるのは好きなんですよ。
―FWへコンバートする可能性は
足遅いので(笑)。あんま考えてないです。
―では、慶應のソッカー部を選んだ理由、経緯を教えてください
AO入試をダメもとで受けてみて、入れたら入ろっかなみたいな感じでした。
―慶應が第一志望だったのですか
はい。ここ(慶應)だけで。あとは朝鮮大学ともいろいろ迷ったんですけど、やっぱりひとつでもレベルの高いところでやってみたいと思ったので、慶應大学に決めました。
―他にもサッカーが強い大学がある中で、なぜ慶應大学に進学しようと思ったのですか
特に(理由)はないですけど…はい(笑)。
―高校時代、ソッカー部の試合を見に来られたことは
試合は入学が決まってから行きました。一回だけ。リーグ戦の最終節(対中央戦●1―2)です。
―実際に入部して、外部から見ていた入る前のソッカー部のイメージと、入ってからのイメージとで異なるところはありましたか
入る前はみんな緊張感を持っていて、空気も重いのかなと思いましたけど、全然みんな楽しくにぎやかで、居心地がいいです。
―大学ではチームメイトが日本人ばかりの環境になることについて、戸惑いや不安などはありましたか
選抜チームとかにも入っていたので、別に違和感は全然ないです 。
―高校の時は主将をされていた
はい、キャプテンを。
―これまで、チームをまとめる役割になることは多かったのですか
いや、でもみんなが意識持ってまとまってくれたので、そんなに苦労はしていないです。
―大学に入って、自分がまとめる役回りだと感じることはありますか
キャプテンだったら、試合にも出られるんで、できればそういう役もやりたいなと思っています。でも、慶應大学のソッカー部のキャプテンというのは荷が重いので、やるからには覚悟が必要かなと思います。
―ご自身のサッカースタイルの特徴を教えてください
他の人に負けない闘争心、だと思います。
―ご自身が得意とするプレーは
球際の強さと、ロングキックと、ヘディングの強さです。トゥーリオ選手(田中 マルクス闘莉王)みたいに(前に攻め上がる選手)なりたいんですけど、体力的にきつい(笑)。
―東京朝鮮高時代とソッカー部のサッカースタイルを比較して、何が大きく違いますか
朝鮮高校は蹴って前から前から行くサッカーなので、つなぐサッカーをする慶應ではやっぱり最初は戸惑いもありましたし、難しい部分もあったんですけど、みんなひとりひとりが個人技を持っていて、レベルが高いので大丈夫でした。後ろでやっていても、高校の時よりも安心感を持ってやることができます。
大学へ来て、蹴らないでつなぐっていう難しさを感じています。でも、そこは慣れてくれば大丈夫だと思います。
―4年後や、将来のことについては考えていますか
プロはもちろん目指しますし、朝鮮代表にもなるのが自分の夢なので、今活躍している安英学(アン・ヨンハ)選手とか鄭大世(チョン・テセ)選手とか、目標はその人たちです。
世界的に見たら、イングランドのハーディナンド。闘争心むき出しのプレーじゃないですか。そういう気持ちの入ったプレーが好きです。
(金選手は、2年前の4月の終わりから5月の初めの15日間、朝鮮代表候補合宿に参加)
―日本でプレーするのと、朝鮮代表の選手たちとプレーするのでは、何が違いましたか
大きくは違わないですけど、一緒に練習やってて思ったのは、身体能力が高いっていうことです。技術的な面では、日本の方がひとりひとりは上手いと思うんですけど。
―1年生で先発の可能性がある選手として、監督から名前が挙がっています。周囲の期待も高いと思うのですが、ご自身のこれからの目標を教えてください
まずは怪我なくやること。で、やるからにはスタメンを目指していきたい。横の人はチームメイトでもあるんですけど、ライバルなんで、負けない気持ちで。
―となると三上選手、笠松選手と争うことになりますね。金選手の目から見て、このお2人はどのような選手として映りますか
自分には持ってないものを持っていますし、経験もあるので、一緒にやっていて上手だと感じますね。やっぱまだ自分の方が劣っているかなっていう不安も少しあります。
―具体的に劣っているかなと感じるところは
一つ一つのプレーとか動きを見てても、身体能力的にも自分より1コ上行っていますし、お2方とも全国大会とか、高いレベルでやってきている。自分はそういう大舞台あんまり経験してないですし、そういった部分で。
―では最後に、今年一年間の目標を教えてください
まずは怪我なく、積み重ねが無いと何もないと思うので、怪我なく毎日コツコツとやっていきながらスタメンを奪いたいです。試合に出ることです。
―具体的には、いつぐらいまでにスタメンを奪いたいと考えていますか
もう開幕戦から出る気持ちでやっていきたいなと思っています。
―金選手、お忙しい中ありがとうございました
By Shina Hatano
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