12月14日、シティサーキット東京ベイにて行われた2025年度早慶対抗ジムカーナ定期戦。天候は雨、最低気温は2.7℃と厳しい寒さのなか行われた。1年生の部では東出尚樹(法1・小松)が44秒950のタイムで1位に輝き、進士充優(総2・Redondo Union High School)も女子部門で1位、さらに上野亜斗瑠(経3・慶應)が3年生ながら両校合わせて最速の40秒550を叩き出すなど、圧倒的な成績を残した慶大は合計タイム5分51秒900ー5分59秒580で総合優勝。アクシデントがありながらも、見事早慶戦7連覇を達成した。
2025年12月14日(日)@シティサーキット東京ベイ
学校別上位者合計タイム | ||||||||||||
慶應義塾大学 | PT・GP込み | 早稲田大学 | ||||||||||
学年 | 名前 | ベストタイム | MC DNF | 学年 | 名前 | ベストタイム | MC DNF | |||||
分 | 秒 | 分 | 秒 | |||||||||
1 | 東出 尚樹 | 0 | 44 | .950 | 1 | 本田 悠人 | 0 | 46 | .310 | |||
1 | 廣田 優 | 0 | 48 | .690 | 1 | 麻生 陸仁 | 0 | 49 | .740 | |||
2 | 梅村 燎 | 0 | 44 | .820 | 2 | 三国 洸太郎 | 0 | 44 | .270 | |||
2 | 進士 充優 | 0 | 45 | .940 | 2 | 渡邉 瑛太 | 0 | 45 | .860 | |||
3 | 上野 亜斗瑠 | 0 | 40 | .550 | 3 | 林 政樹 | 0 | 40 | .920 | |||
3 | 牛奥 弓月 | 0 | 42 | .190 | 3 | 関根 玲雄 | 0 | 43 | .210 | |||
4 | 谷 昇 | 0 | 41 | .560 | 4 | 吉田 太郎 | 0 | 41 | .490 | |||
4 | 吉田 航翼 | 0 | 43 | .200 | 4 | 園田陽大 | 0 | 47 | .780 | |||
合計タイム | 5 | 51 | .900 | 0人 | 合計タイム | 5 | 59 | .580 | 0人 | |||
※表は自動車部提供
7連覇をかけて挑んだ今回の早慶対抗ジムカーナ定期戦。シティサーキット東京ベイに設営されたコース1周のタイムを争う。当日の天候は雨。最低気温は2.7℃と厳しいコンディションのなかで戦うこととなった。普段の大会とは異なり、すべての部員に出場資格がある早慶戦。部員全員で早慶戦7連覇を目指す。

4年生からの走行となった今大会。主将の吉田航翼(理4・慶應)や副将の栁蒼太(総4・高槻)などを筆頭に安定した走りを見せた上級生。4年生では主務の谷昇(商4・青山)が41秒560のタイムで慶大のトップの座を飾るも、早大の吉田太郎(人4・早稲田摂陵)に0.26秒及ばず。

続く3年生の部では全日本ジムカーナ選手権で見事個人優勝をおさめた西村京夏(法3・田園調布雙葉)や上野亜斗瑠(経3・慶應)が躍動。しかし、早大の林将樹(社3=宝塚西)に惜しくも敵わず。勝負は1、2年生の結果に委ねられる形となった。

2年生の部が始まったところで、早大の車両が故障するアクシデントが発生。自走不可な状況となり、試合の公平性を保つため、両校ともに慶大が予備で保有していた黒色のヴィッツで走行することに。厳しい寒さのなか、予想外のアクシデントに見舞われるも、両校とも懸命に走り抜いた。

また、最終的に両校の代表選手2名が黒色のヴィッツで再度タイムを測定することとなった。再走では、またも谷が素晴らしい走りを見せるも、早大の吉田にわずか0.07秒及ばない。しかし、上野が両校最速の40秒550を叩き出し、早大の林に0.37秒差で勝利した。

最終結果としては、1年生の部では東出尚樹(法1・小松)が44秒950のタイムで1位に輝き、進士充優(総2・Redondo Union High School)も女子個人の部で優勝、さらに上野が男子個人の部優勝という結果に終わり、合計タイム5分51秒900ー5分59秒580で慶大が見事総合優勝。華の早慶戦7連覇を厳寒のなか掴み取った。

慶大の應援指導部も早大の応援部も雨に濡れながら、それぞれにエールを届けた今回の早慶戦。天候には恵まれなかったものの、早慶両校ともに力を合わせ最高の舞台を作り上げた。来年度の早慶戦8連覇に向け、さらには全関東、全日本での上位入賞に向け、自動車部は走り続ける。彼らはまだ止まらない。
(記事:塩田隆貴 取材:塩田隆貴、小野寺叶翔)
【試合後インタビュー】
◇主将・吉田航翼(理4・慶應)&◇副将・栁蒼太(総4・高槻)
ーー早慶戦を振り返って
今シーズンは、宿敵・早稲田との戦いで苦難の連続でした。正直なところ、負けたことの方が多かったと思います。だからこそ、早慶戦だけは絶対に譲れないという執念がありました。そこに加えて、伝統ある早慶戦における7連覇という重圧もかなりのものがありました。
その中で最後に勝ち切れたことは、今年のチームにとって大きな意味を持つと考えています。特に、下級生の部で大差をつけて勝利できたことは、来年、そしてその先へと繋がる良いアピールになったと感じています。

主将の吉田
ーー昨年の早慶戦から今年の7連覇に向けて、1年間どう取り組んできたか
早慶戦は全員が選手として走行します。特に例年は下級生の方で差が開くことが多く、今年は下級生の育成に注力してきました。
自動車部は普段の活動において、車に乗っている時間は非常に短く、大半を準備やメンテナンスに費やします。その中でも合間を縫って全日本シーズンでの日吉練習や、大会直前の練習でも、下級生に横に乗ってもらうなど競技に触れる機会をなるべく最大化し全体レベルの底上げを図りました。
特に早慶戦直前は、あえて上級生はサポートや指導に徹し、1・2年生が走り込める環境を徹底しました。この「下級生の育成体制」が、7連覇という結果に結びついたと考えています。

3年生の上野
ーー来年度、後輩に期待すること
連覇の重圧に囚われず、目の前の課題・大会に没頭し全員で走り抜けて欲しいと思います。
我々は1年で4つの異なる競技に取り組みますが、それらは分断されたものではなく、全ての技術は繋がっています。フィギュアの緻密さ、ジムカーナの正確性、ダートの対応力、耐久レースでのチーム力。それに加えて整備力や、車に対する知識など競技以外でもさまざまな技術が要求されるのが自動車部の活動です。これら全てを高いレベルで全員できるのが慶應の強みであり、早慶戦で勝てる理由だと思います。
早稲田は来年、今年の主力選手が多く残ることから、勝つことは決して容易くはありません。しかしながらこの慶應の強みを武器に来年も勝ってくれると期待しています。

