汗ばむ陽気の中行われた、第95回早慶レガッタ。昨年の三種目敗北という結果を受け巻き返しを期した慶大は、第二エイトで勝利を収めたものの、対校エイトと女子エイトでは惜しくも敗れた。「逆襲」へ向け、さらなる努力を誓った。
2026年4月19日(日)
第95回早慶レガッタ @隅田川
日本最古の対校競漕大会として、毎年4月に隅田川で開催される春の風物詩・早慶レガッタ。「三大早慶戦」とも称される、伝統の一戦だ。昨年の早慶レガッタ、慶大は対校エイト・第二エイト・女子エイトのすべてで敗北を喫し、早大の7年ぶり完全優勝に終わった。今年のスローガン「逆襲」を胸に、王座奪還へ向けて厳しい練習に励んできた。
女子エイト
◆試合結果
タイム:1着 早稲田大学(4分00秒00)、2着 慶應義塾大学(4分15秒55)
艇差:3艇身
◆出場クルー
シート位置 | 選手名 | 学年・出身高校 |
C | 石川恵奈 | 商4・東洋英和 |
S | 武者夢果 | 政3・学芸大付属 |
7 | 梅原瑠菜 | 政2・慶應女子 |
6 | 岩井咲嬉 | 法3・立教女学院 |
5 | 佐藤亜美 | 文3・渋谷幕張 |
4 | 髙木真保 | 商2・慶應女子 |
3 | 笠原愛美 | 経4・慶應湘南藤沢 |
2 | 田中咲都奈 | 政2・慶應NY |
B | 亀山佳奈 | 経2・慶應女子 |
37年ぶりの優勝を目指した女子エイト。しかし結果は早大に3挺身差をつけられての敗戦。悲願達成は来年以降に持ち越しとなった。
レースは序盤から動いた。スタート直後、慶大はオールで水を十分に捉えきれず、空回りする形となり、早大にいきなり半艇身のリードを許す。中間地点の言問橋を通過した時点でその差は2艇身に拡大。焦りから下半身を使った力強い漕ぎが発揮できず、リズムは最後まで噛み合わなかった。

37年ぶりの勝利を目指した女子エイト
対する早大は、昨年のインカレ女子総合2位の実力をいかんなく発揮。終始8人の息を揃え、後半に入ってもレートを落とすことなく安定した漕ぎを展開すると、慶大を寄せ付けず、そのままフィニッシュ。慶大は最終的に3艇身、約15秒の差をつけられた。

3挺身の差をつけられ敗北
それでも、女子部員9人全員が欠けることなくスタートラインに立ち、1000メートルを漕ぎ切り、女子戦の歴史をつないだこと。そこには大きな価値がある。出場すらも危ぶまれる状況だった。主将・笠原愛美(経4・慶應湘南藤沢)の下での新体制の慶大は、コックスを含めわずか9人。1人でも欠ければチームが組めない状況だった。「全員でスタートラインに立つこと」、そして「連敗を止めること」を目標に練習を積み重ねてきた。

リベンジに期待がかかる
来年は9人中7人が残る。積年の敗戦の悔しさと先輩たちが紡いできた勝利への闘志を胸に、女子クルーの挑戦は続く。
第二エイト
◆試合結果
タイム:1着 慶應義塾大学(14分05秒84)、2着 早稲田大学(14分10秒52)
艇差:1・1/2艇身
◆出場クルー
シート位置 | 選手名 | 学年・出身高校 |
C | 和田隆之介 | 政3・慶應志木 |
S | 小糸源 | 環4・慶應NY |
7 | 古舘弘光 | 経4・慶應 |
6 | 三野剛生 | 経4・慶進 |
5 | 藤森隆成 | 法3・慶應 |
4 | 佐々木健太朗 | 商2・慶應 |
3 | 山田侑 | 経2・慶應 |
2 | 牛場龍之介 | 理2・慶應 |
B | 木村祐陽 | 経4・仙台第三 |
第二エイトは、惜しくも対校エイトへの出場が叶わなかった9選手にとってのもう一つの晴れ舞台。慶大は昨年、互角の展開を見せるも4連覇を果たすことはできなかった。昨年水上で悔しさを味わった三野剛生(経4・慶應)をはじめ、4人の四年生が中心の布陣で挑む。春の陽光に包まれ、澄み渡る青空が広がる隅田川。まさに両校の意地と誇りがぶつかり合う一戦となった。
レースは序盤から白熱した展開。700メートル地点の両国橋通過時点では、わずかに早大が前に出る。しかしJR総武線鉄橋を過ぎたあたりから、慶大がじわりと追い上げを見せた。蔵前橋ではついに横一線に並び、レートはほぼ互角のまま、わずか0.7秒ながら慶大がリードを奪う。

序盤から白熱した展開をみせた
その後も主導権は激しく入れ替わる。厩橋では再び早大が前に出るが、駒形橋では慶大が差し返し、吾妻橋では再度わずかにリード。まさに追いつき追い越されの白熱した展開となった。「2年ぶりの勝利」を目指す慶大と、意地を見せる早大。両校のプライドが水上で火花を散らす。終盤、言問橋付近で両校ともにレートを引き上げ、勝負は最終局面へ。桜橋を前にして、慶大がついに1艇身抜け出す。昨年の悔しさを胸に刻み、冬の厳しい練習を乗り越えてきたクルーが、最後の力を振り絞り見事勝利。

4連覇を逃した昨年からの巻き返しを見せた慶大
フィニッシュ後、クルーは声をあげてガッツポーズ。激戦を制した慶大は、接戦をものにし、見事35勝目を挙げた。長い冬の努力の先に待っていたのは、確かな勝利だった。

勝利した慶大第二エイトクルー
カヌーエキシビション
◆試合結果
タイム:1着 慶應義塾大学B(2分06秒77)、2着 慶應義塾大学A(2分07秒62)
艇差:1/3艇身

カヌーエキシビション
早慶レガッタでは例年、カヌーエキシビションが開催される。今年は、慶應義塾體育会端艇部カヌー部門から8漕手が出場した。四年生同期の宮﨑祐也(文4・関東学院)、長谷部晴彦(文4・都立豊多摩)、小林慶次郎(経4・慶應志木)、佐々木琢磨(経4・関東学院)の4人で構成された黄色の艇「FREUDE」と、主将・大久保龍(法4・開成)と3年生の石井蒼馬(理3・小松川)、加藤遥人(法3・城北)、橋本昌樹(商3・春日部)の4人で構成された慶應カラーの艇「SIEG125」による、男子フォアの校内対抗が行われた。コースは言問橋から桜橋上流の500メートル。結果は、接戦を制したFREUDEが勝利を収めた。

「FREUDE」

「SIEG125」
対校エイト
◆試合結果
タイム:1着 早稲田大学(10分45秒54)、2着 慶應義塾大学(10分55秒49)
艇差:4艇身
◆出場クルー
シート位置 | 選手名 | 学年・出身高校 |
C | 坂田健太郎 | 法4・慶應 |
S | 阿部憲太 | 商3・慶應 |
7 | 林和央也 | 政2・慶應志木 |
6 | 吉田伊吹 | 法2・慶應志木 |
5 | 白石健人 | 総3・今治西 |
4 | 谷水祐仁 | 環3・慶應 |
3 | 橋爪一樹 | 法2・慶應 |
2 | 岩本流空 | 商4・慶應 |
B | 髙尾礼士 | 経4・慶應 |
「逆襲」を掲げ、3年ぶりの勝利を狙う慶大対校エイト。対するは昨年インカレ優勝を果たした王者・早大。その実力を改めて示すのか、あるいは慶大が雪辱を果たすのか。注目の一戦は、波の高いコンディションの隅田川で幕を開けた。

王座奪還を目指す対校エイト
アウトレーンの慶大は、軽やかなリズムでスタートを決める。しかし、外側にわずかに流される場面もあり、序盤から繊細なコントロールを強いられる展開となった。700メートル地点の両国橋では両校ほぼ横並び、レートも大きな差はないが、わずかに早大が前に出る。両国橋を越えたあたりで、早大が一気に仕掛け、1艇身リード。レートもやや高く、主導権を握る。スタートで差をつけられた慶大にとっては、ここからいかに巻き返すかが問われる展開となった。


昨年王者の早大に対し、今年は第二エイトで慶大が勝利。その勢いも背負い、食らいつきたい慶大だが、蔵前橋通過時には徐々に差を広げられる。レートはほぼ互角ながら、艇速で上回る早大に対し、差を詰めきれない苦しいレース運びとなった。吾妻橋通過時点で、その差は2艇身以上。なおも懸命に追いすがるが、流れを変えるには至らない。最終盤まで粘りを見せたものの、差を縮めることはできず、最終的に4艇身差でフィニッシュ。慶大は無念の敗北を喫した。

「逆襲」することはできなかった
試合後のインタビューで主将・岩本流空(商4・慶應)は、今回の早慶レガッタを通して得た手応えと今後の課題に関して、「『逆襲』のスローガンを果たしきることはできなかったと考えている。一方でこのスローガンを掲げて取り組めたことは一つの成果。まずは第二エイトの9人が勝利を収めたことを誇りに思い、ありがとうと伝えたい」と述べた。

インタビューに答えた主将・岩本流空(商4・慶應)
「逆襲」を掲げ挑んだ一戦は、あと一歩勝利には届かなかった。しかし、第二エイトの勝利も含め、チームとしての底力は確かに示された。王者・早大の壁は依然として高い。その差をどう埋めるか――次なる戦いへ向けた課題と悔しさが、はっきりと刻まれるレースとなった。
取材:大塚隆平、蕭敏星、塩田隆貴、竹腰環、石黒結文、小野寺叶翔、神谷直樹、髙木謙、根本佳奈
記事:大塚隆平、竹腰環、蕭敏星


