4月29日(水祝)第74回早慶アメリカンフットボール対抗戦 @駒沢陸上競技場
毎年4月29日に開催される早慶アメリカンフットボール対抗戦は、第74回大会を迎えた。今年も例年通り駒澤陸上競技場で行われ、試合前のセレモニーでは、両校が校旗を掲げて勢いよく登場。伝統ある早慶戦らしい一幕で幕を開けた。慶大は10年ぶりの勝利を目指してこの一戦に臨んだが、前半は早大オフェンスに圧倒される展開となる。第3Q後半から徐々に流れを引き寄せ、追い上げを見せたものの、及ばなかった。最終スコアは7ー20。悲願の勝利はまたしてもお預けとなった。
この日、慶大の司令塔を任されたのは、QB・岡俊輝(法4・都立西)。初の早慶戦という大舞台に臨み、そのプレーに大きな期待がかかる。慶大オフェンスから始まったこの試合、岡のスクランブルやRB・田中玄樹(理3・本郷)を中心としたランプレーでリズムをつかみかけるも、ミスからターンオーバーを喫する。対する早大はラン、パスを織り交ぜながら着実に前進。主将のDL・天野甲明(政4・鎌倉学園)やDB・西田悠真(政2・慶應)がプレッシャーをかけるも、開始4分40秒、34ydのFGを決められ、先制点を許した。その後も慶大はランプレーを軸に攻撃を組み立てるが、思うように前進できない。対する早大は主将RB・長内一航(文構4・早実)のランなども相まってじわりと前進。DL・篠原晴(経3・慶應湘南藤沢)の好タックルも見られたが、主導権を奪い返せないまま、第1Qを終えた。


ディフェンスの未来を担う2年生DB・西田
第2Qは開始早々、再び早大にFGを決められ、0ー6とリードを広げられる。反撃に出たい慶大は、RB・田中玄樹のランを軸に前進を試みるも、早大ディフェンスの前に思うように進めない。守備陣はDL・天野やDB・玉井翼(経3・慶應)、LB・松岡尚吾(環3・鎌倉学園)らの絡むロスタックルで、勢いづける。攻撃ではターンオーバーの好機を得ながらもミスが重なり、流れを引き寄せきれない。一方の早大はラン・パスともにリズム良くゲインを重ね、鋭いパスでTDを奪取。慶大は一気に突き放される展開となった。それでも第2Q終盤、あとがない状況でLB・井口知治(政2・慶應)が鋭いタックルを決めると、続くプレーではパスブロックにも成功。連続ビッグプレーでチームを救い、反撃への望みをつないだ。

ディフェンス陣のビックプレーが光る(右・井口)
後半戦も、早大オフェンスの勢いは止まらない。前半同様、テンポ良くパスとランを織り交ぜながら着実に前進し、ランでTDを奪取。慶大はさらに点差を広げられる展開となった。それでも慶大も引き下がらない。ここから徐々に反撃の狼煙を上げていく。QB・岡がRB・田中にハンドオフし、勢いよく1st downを更新。ターンオーバーを喫する場面もあったが、ここからLB・渡辺晴(経4・慶應)が存在感を示す。残り1分を切った場面で相手QBをサックすると、続く2プレーでもLB・渡辺が絡むビッグプレー。苦しい展開の中でも、チームのモメンタムを切らせなかった。

RB・田中玄樹は関学戦に引き続き好調を維持
徐々にチームのボルテージが高まる中で迎えたラストQ。その最初のプレーで魅せたのがRB・須藤大樹(理3・慶應)。ハンドオフを受けると、そのままエンドゾーンまで駆け抜け、62ydのTDランを成功させる!
チームにとってこの日初得点であり、新チームとしても記念すべき対外試合初得点となった。続くTFPはK・北村朔也(商3・宇都宮短大附属)が冷静に成功させ、7ー20とする。

RB・須藤大樹は62ydの独走!!
するとその直後にはディフェンスで主将のDL・天野が意地のQBサック!反撃の狼煙(のろし)を上げる。






主将・天野の渾身のQBサック!
ターンオーバーからはRB・田中が軽快なランで前進。一連のプレーで勢いづきたかったが、最後まで早大の壁は厚かった。14年ぶりの早慶戦勝利とはならなかった。
試合後には、毎年恒例で両校の優秀選手が表彰される。慶大の優秀選手に贈られるジョセフ・レスティック杯は、LB・渡辺晴に授与された。試合の流れを変えるキープレーを生み出し、チームに勢いをもたらした活躍が高く評価された。

表彰を受けるLB・渡辺晴
4月に入り2試合を消化したUNICORNSだが、強豪相手にプレーがかみ合わない場面も見られる。それでも、昨年の主力が多く抜けた中で経験の浅い選手が多く出場機会を得ており、この日の前半も相手オフェンスをエンドゾーンまで到達させず、FGに抑えた点は評価できる。チームは着実に成長の跡を示していると言えるだろう。次戦はアミノバイタルフィールドで行われる同志社大との定期戦。慣れ親しんだグラウンドで、今季初勝利をつかみ取りたい。
(戦評:水野 翔馬、写真:神戸 佑貴、塩田 隆貴、竹腰 環、神谷 直樹、柄澤 晃希)
ーー今日の試合を振り返って
ワセダの方が堅実にオフェンスもディフェンスも繋がっていて、僕たちの方がまだムラがあるという点でこの結果になってしまったのかなと思っています。
ーー第3Qでは自身のビッグプレイが続いた
正直、リーダーということもあって、最初からそういうプレイがしたかったんですけど、後半になったらギアが上がってくるという感じで、タックルは出来ましたけど、今後は試合の早い段階からリーダーとして引っ張っていきたいです。
ーーこれから連戦。意気込みを
ここから連戦が続いて、チームとして成長をし続けないといけないと思うので、まずはケガなく、みんなで練習して、課題を1個1個潰していくのが大事なのかなと思います。

ーー早慶戦を振り返って
序盤はミスが多くて、自滅で自分たちに流れを寄せつけれなかったというのは課題ですけど、後半上手く修正して、TDを決めれたというのは一つ自信を持って良いのかなと思っています。
ーーTDについて
オフェンスラインもレシーバーも含めて、全員がブロックできていたので、正直、もう自分は走るだけだったんですけど、オフェンス全員で獲れたTDだと思っています。
ーー今後の意気込み
オフェンスの話になるんですけど、徐々に徐々に良くなってきているので、連戦中も積み上げていって、シーズンに最高の形で入れるように頑張っていきたいと思います。

ーーラストゲームとなる早慶対抗戦。この一戦を試合前にはどのように捉えていたか
実は幼少期の頃にここで早慶戦を見て憧れを抱き、中学受験をして慶應の附属校に入学したという縁がありました。春のオープン戦の一つではありますが、個人的に思い入れがあったので、チームとして勝ちたかったというのが正直なところです。ただ、日本一という長期的な目標を置く上では通過点でもあるので、先ほども言ったように、力を発揮できたところとできなかったところをしっかりと把握して、次の試合に生かしていきたいです。
ーーご自身のプレーについての総括
私はずっとDLをやっていて、昨年急遽OLを始めることになりました。昨年は転向して1カ月で早慶戦に出場したこともあり、なかなか自分の力が発揮できなかったのですが、今年はしっかりとOLとして学んで、タッチダウンを取ることもできました。自分自身の本来の力を、今日の試合では発揮できたのではないかと思っています。
ーー今日の試合全体を副将の目から振り返って
先週の関学戦に引き続きですが、経験を積んでいてある程度形になっているポジションは力を発揮できている一方で、レシーバーやバック陣など下級生が主体となっているポジションはまだ経験が浅く、そういった部分の課題が顕著に出ました。今後も春の試合が続いていく中で、このようなシチュエーションは続くと思いますが、成長痛として捉え、秋に向けて試合で出た反省を振り返ることをチームとして習慣化していけたらと思っています。
ーー副将から見た今日のオフェンス陣全体の評価は
改善点としては、ワイドレシーバーやQBといったスキル陣のコンビネーションがまだまだ足りていなかったところです。一方で良かった点としては、今年はランプレーに対して非常に自信を持っており、そこはしっかりと力を発揮できた部分もありました。その強みを伸ばしつつ、この春は10試合ほどあるので、若手がしっかりと成長できるようにしていきたいです。今回は残念な結果でしたが、これからまた頑張ってやっていきたいと思っています。
ーー今日の試合を振り返って
良いところもあれば、悪いところもあったという感じで。RBユニットとしては、僕じゃなくて須藤の方が、一発TDを獲ってくれたんですけど、全体としてまだまだTDを獲りきれていないというのが課題なので、考えて練習していきたいなと思いました。
ーー新チームはランが多用されている印象がある
まだまだ、ワイド(レシーバー)の方が、噛み合っていないところからランで出さないといけないというのは自覚していたんですけど、それでも分かっていても相手もその予測はしていると思うんですけども、それでも止められないように頑張りたいと思います。
ーー前戦の関学戦から、自身を起点にオフェンスが進んでいる印象があるが調子は
僕的には、好調だとは思っていないんですけど、今日も当たった後のことを意識していて、それは僕的には徹底できていたのかなと思うので、あと一発、抜けた後の独走とかができたらいいなと思っています。
ーー連戦が続くが、意気込みを
ランで得点獲って、勝てるように頑張ります!

ーー試合を振り返って
悔しいですね。チームとして春の一つ目のゴールに早慶戦があって、そこに全力でやってきたんですけど、上手くいかず負けてしまったことが悔しいです。
ーー第2Qの最後に立て続けに良いプレーがあった
オフェンスがターンオーバーしてディフェンスにめちゃくちゃ負担をかけていたので、その怒りを糧に良いプレーができました。
ーーここからゲームが続くが、目標は
ビッグプレーばかり取り上げてもらえるのは嬉しいですが、自分自身としてはミスばっかりしていて、プラスの面とマイナスの面を合わせてマイナスになるくらい良くなかったので、ここから春の試合で成長してシーズンでしっかりとスタメンで出られるように頑張りたいと思います。


