【ソッカー男子】 第9節 終了間際の失点で宿敵相手に黒星 早大戦

今節のスターティングメンバー

汗ばむほどの陽気の中、関東大学サッカー1部リーグ第9節が行われ、慶大は宿命のライバル・早稲田大と対戦した。前節の順大戦で劇的な勝利を挙げた慶大は、試合は立ち上がりに立て続けに与えたコーナーキックから早々に失点する。だが、近藤貫太(総1・愛媛FCユース)の今季5点目のゴールで前半のうちに同点に追いつく。しかし、両者意地がぶつかり合う中で後半終了間際にフリーの相手にヘッドで決められ万事休す。宿敵相手に勝ち星をあげることはできなかった。

 

2012/5/26(土)13:50KO   @市原緑地運動公園臨海競技場
慶應義塾大学1(1-1)2早稲田大学
【得点者(アシスト者)】得点者 2分   早大 田中進乃介(島田譲)、 26分   慶大 近藤貫太(磨見朋樹)、 88分 早大 石川拓(三竿雄斗)
◆慶大スターティングメンバー
GK 峯達也(政2・桐光学園高)
DF 岩田修平(総3・名古屋グランパスU-18)→HT赤木努(経4・大宮アルディージャユース)
DF 佐潟隆平(法4・鶴丸高校)
DF 長尾賢太郎(総2・ヴィッセル神戸U-18)
DF 保田隆介(法2・横浜F・マリノスユース)
MF 増田湧介(環2・清水東高)
MF 松下純土(総3・國學院久我山高)
MF 山浦公裕(商4・FC東京U-18)
MF 藤田息吹主将(政4・藤枝東高)
MF 磨見朋樹(文2・横浜FCユース)→71分森田達見(経4・川崎フロンターレU-18)
FW 近藤貫太(総1・愛媛FCユース)→80分平戸奨眞(法2・暁星高)
 

ゴールを喜ぶ選手たち

試合は前半立ち上がりから動き始める。バックラインのパスを取られたところからCKが立て続けに続き、3本目のCKで早大の田中に頭で見事に合わせられ失点。出鼻をくじかれる展開に。その後はなかなかゲームを支配できない慶大だったが14分に保田隆介(法2・横浜F・マリノスユース)がファーストシュートを放つと、松下純土(総3・國學院久我山高)が積極的な攻め上がりを見せるなど、徐々に攻勢に転じる。迎えた26分、「形ができた」(藤田息吹主将・政4・藤枝東高)というように、松下が右サイドの磨見朋樹(文2・横浜FCユース)へロングパスを出すと、これを磨見が絶妙のファーストタッチから中に走りこんだ近藤にパスを送ると近藤が右足を振り抜き同点ゴールを奪う。その後は両軍一進一退の攻防を見せる。37分に相手のクリアボールをカットした山浦公裕(商4・FC東京U-18)が体勢を崩しながら空いたゴールを狙うもこれは上手くミートせず枠の外へ。追加点は奪えないまま同点で前半を折り返した。

 

スタメン出場した岩田だが、負傷により出番は前半のみとなった

迎えた後半、負傷した岩田修平(総3・名古屋グランパスU-18)に代えて赤木努(経4・大宮アルディージャユース)を投入。慶大は前半からのいい流れそのままに48分には増田湧介(環2・清水東高)、58分には近藤がシュートを放つもゴールには至らず。なかなか決定機が作れない中で71分に磨見に代えて森田達見(経4・川崎フロンターレU-18)を送り出し、逆転を狙いにいく。77分にはゴールからやや遠い位置でFKを得て、これを赤木が蹴り中に合わせにいくも合わせることはできない。80分、近藤に代えて平戸奨眞(法2・暁星高)を投入し前線でのターゲットを作り逆転を狙う慶大だったがチャンスを作るもののシュートまで持ち込むには至らず。すると終了間際の88分に再び試合が動く。慶大の選手の足が一瞬止まったとき、右サイドからクロスを上げられゴール前にいた途中出場の石川に頭で決められてしまう。今季の慶大はここまで終了間際の劇的な得点が多いだけに、同点弾が期待されたが1-2のスコアで試合終了の笛は鳴った。

 
 
 
 

近藤は今シーズン5得点目を決めた

これまで今季は3試合も劇的な試合を見せてきた慶大であったが、今節はそれとはまったく逆の展開となった。また今節は「ちょっと不用意」(須田監督)というように開始早々と終了間際の失点を喫してしまい、課題も露呈した。しかし、長短のパスを織り交ぜたまさに「狙い通りの得点」(須田監督)を奪えたことは今後の攻撃に対する自信にもなるだろう。宿敵・早稲田に負けてしまったが、この試合で見えた課題を解消しこれからの試合につなげていきたいところだ。

 (記事:櫻井悠平)

 

 

 

 

試合後コメント

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)残念な結果だったんだけれども、素直に相手が地力があった。相手の方が強かったという印象かな、点差以上に実力の差はあるかなという印象ですね。(今日の出来自体は)出来自体は我々のやろうとしていることをやろうとしていたので、そのこと自体は非常に評価できるかなと思います。(ディフェンスからのロングボールが多かったが)前半はそんなに多くなかったと思うんだけれども、効果的なロングボールとかも前半はいくつかあったんだけれどもなかなか後半、我々が目指しているパスコースを作ってボールを動かしてというサッカーは後半は体力もなかったし、なかなかできなかったかなと思います。(スタート時は平戸選手を下げ、近藤選手を前に置く布陣だったが)ちょっとケガもあったので、平戸の場合は。(武藤選手は)武藤もケガしちゃったので。ケガ人も出てきたので、今日は元に戻したというか4-2-3-1に戻してやってという感じですね。ボールを持ったときはしっかりとビルドアップして、ボールをどんどん動かして攻めていこうということをやって。前半はさっきも言ったようにそこそこキーパーも使って数的優位を作って我々のペースだったと思うんですけど、なかなか後半は上手くできなかったかなと。体力的にもきつかったのかな。暑かったし。相手の方がきついかなと思ったんだけどプレスがきて。失点はもうちょっと不用意だよね、1分と、終了でしょ。時間帯が悪い、やっぱりそういうところで失点してしまうというのはまだまだ力のない証拠だし、逆に相手はそういうところで出来はどうか僕が評価するわけではないんだけれどもそういうところでしっかりと得点できるというのは力があるなと感じがします。(藤田選手はFW起用だったのか)FWというか4-2-3-1の真ん中で上がり目で。彼はよく今日は攻守にわたってやっていたと思います。(岩田選手のケガの状態は)まあ打撲なので、でも相当強く入ったみたいなので、これから確認してみます。(これまで劇的な試合が続いた中で、今日はいい流れで入れるかと思ったがなかなか波に乗れなかった)そうですね。最初のプレーというのが象徴しているのかなと。さっきも言ったんですけど最初と最後がああいう形で失点してしまうと本当に少しのミスかもしれないけれどそこを逃さない相手がやっぱり今日は良かったんじゃないかと思います。うちももちろんそのミスがいけないんですけど、そこをしっかりと突いて得点してくる相手の方が上だったなという印象です。(得点シーンはとてもきれいだったが)そうだね。パス交換から逆サイドに展開しての狙い通りの得点だったので。ああいう場面をもう少し増やしていかなければいけないと思います。(総理大臣杯に向けて)また新たな大会なので、新たな気持ちで、今度はトーナメント方式で一発勝負なのでまた戦い方も変わってくると思うので。あとケガ人もいるので今まであまり出てない選手、いきのいい選手、元気な選手を使って行こうと思います。

MF藤田息吹主将(政4・藤枝東高)

(早稲田戦でしたがどのような気持ちで試合に臨んだか)やっぱり特別な相手なのでそういう気持ちもありましたけどリーグ戦の一戦ということで。いつもと同じ戦い方をしようということをチームでは意識していました。(試合自体を振り返って)ずっと監督が相手どうこうというよりも、自分たちのサッカーをしようということを言われていて、勝ち負け関係なくまずそこを目指そうと。そこはある程度できたかなと思います。(1失点目について)立ち上がりで本当にもったいない失点だったので次までには改善したいと思います。(前線からボールをとりにいく姿勢が見られたが、指示があったのか)そうですね。今日はポジションが前だったので。前線から(プレスを)かけて自分たちの主導権を握るということを意識していました。(終始チェックが厳しかったと思うが)早稲田はディフェンスがすごくいいチームなのできつかったです。(これまで終了間際での得点が多かった中での終了間際の失点だがどういう心境か)監督がもう奇跡は起きないということを言われていたので、逆に今までよかった分こういうこともあるのか、と思います。(得点シーンはすごくきれいだったが)そうですね。自分たちが目指しているショート、ショートつないでロングで展開してそこから攻撃していくという形ができたと思います。(総理大臣杯に向けて)関東リーグがメインですけど、総理大臣杯もなかなか慶應は毎年勝てていないので本戦に進めるように頑張っていきたいと思います。(次のリーグ戦まで間が空くが、修正を加える点はどこか)まず自分たちのサッカーの質を上げることが1番だと思います。

MF山浦公裕(商4・FC東京U-18)

(今日の試合を振り返って)自分たちのやりたいサッカー、パスを回してしっかり主導権を握るサッカーはできたと思うんですけど、やっぱりチャンスもあんまり作れてなかったし、そういう部分は質をあげていかなきゃいけなかったと思う。それに、最後踏ん張れないところはまだまだやっていかなきゃいけないと思います。(久々のスタメン出場だったが、監督から言われたことは)左サイドで張るよりかは中に入って中盤のボランチ2人と一緒にゲームを作っていくっていうことをいわれていたので、低い位置ではボール回しはできていたとは思う。でも、もうちょい高い位置で、相手がこわがるというか、もっと前でいいボール回しができれば良かったと思います。(相手が早稲田ということで、この試合に懸ける思いも強かったのでは)リーグ戦の中でも早慶戦は僕たちにとっても本当に大きな試合ですし、ここ最近はずっとまけてなかったので悔しいですけど、まだ残り定期戦を含めて2試合あるんで、そこは借りを返せるように、またみんなで練習していきたいと思います。(次は総理大臣杯ですが、意気込みを)短期決戦というか、どれだけチーム全員でまとまって挑めるかで勝負は決まってくると思うので、もう一回みんなでまとまって、慶應らしいサッカーで全国に行ければいいなと思っています。

MF松下純土(総3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)試合全体を通して、基本的に自分たちのサッカーが出来たとは思うんですけど、正直言うと、早稲田の実力が僕たちより上だった問いのが感じています。個人的なことを言うと90分間走り切ることができなくて、途中で足がつってしまって、チームを引っ張っていくという立場にも関わらず、非常にふがいないというか、情けない試合だなというのは感じました。(1点目のシーンについて)監督からずっとサイドチェンジということを要求されていて、あのシーンでもたまたま僕のところに入った時に、逆サイド磨見がフリーでいたんで、思い切って蹴ったらつながって、それがゴールにつながったという感じですね。(改善点は)このシーズン通して、立ち上がりというのは、すごく悪いことが多くて、今日もそれが顕著に現れたなと感じています。最初に失点してしまうと、向こうが勢いづいてしまいますし、僕らも押し込まれてしまうので立ち上がりいかに僕らが相手のを押しこめるかが、ずっと課題だということを、選手間で話していて、特に今回はそれを意識していこうということだったんですけど、それがうまくいかなくて、やはり立ち上がりの所はもっと集中してやっていかなければと思います。(今後の試合にむけて)一回リーグが中断するので、また新たな気持ちでやっていきたいと思っていて、とりあえず、リーグ戦のことは一回頭から離して、総理大臣杯で全国に行きたいという気持ちはやはり皆強いので、そこにベクトルを合わせて皆で頑張って生きていきたいと思います。

MF増田湧介(環2・清水東高)

(今日の試合を振り返って)立ち上がり消極的になってしまって、最初のミスから始まってしまって、そこで失点してしまって後手に回ってしまったんですけど、前半は割と自分たちのサッカーを徹底して点も取れて、自分たちのサッカーができたんですけど、そのサッカーを後半も継続できなくて、どんどん運動量が落ちたところで相手の早い攻撃についていけなくて最後失点してしまって、それが残念でした。(今日は早慶戦でしたがどんな気持ちで臨んだか)一番負けてはいけない相手だったですし、ライバルだと思うんですけど、あんまり気負わずに1つのリーグの試合だと思って臨みました。(ここ数試合松下純土選手とボランチを組んでいますが)松下選手は自分でボールを引き出してくれてボールを動かしてくれて、自分はその分上手くスペースを空けて守備の準備をしっかりして、役割をしっかりとして2人で分担してできたと思います。(チームまたは個人としての改善点は)チームとしては今日はセットプレーやリスタートのところで、1点目はコーナーキックから、2点目はスローインからやられてしまって、そこのボールの切れたところで集中を切らさないことを徹底してやることと、個人としては今日の2失点目もそうなんですけど、自分が取り切れていれば失点に繋がんなかったと思うので、上手く攻撃しているときに守備の準備をしっかりして、相手の攻撃の芽を摘むというところを徹底していきたいと思います。(次節へ向けての意気込みは)ここで1回中断期間に入って2週間空くので、他の大事な試合もありますけど、またチームとして課題をしっかり皆で改善して次の試合に望んでいきたいと思います。

GK峯達也(政2・桐光学園高)

(今日の試合を振り返って)立ち上がりがうまく入れなくて、自分たちのキックオフからコーナーキックが三本続いて、ああいう形で失してしまって、そこからスイッチが入りました。ちょっと立ち上がりでうまく入れなくてこういう結果になってしまいました(立ち上がりで失敗した原因は)開始10秒くらいですぐ相手のコーナーキックになったのは、やっぱり集中し切れなかった部分があると思います。ああいう形でコーナーキックになってしまうのは良くなかったと思います。(その後の慶大の同点ゴールについては)あれはすごく練習通りというか、自分たちの形が出たと思います。(後ろからどんな指示を出しましたか)相手の9番と10番がいい選手なので、そこを抑えろという指示を出しました(後半膠着状態が続きましたが)1-1の状況だったので、そんなに慌てないで、うちがボールをもつ時間もながかったので、我慢をしていれば入るかなと思ってしまったんですが、そこで相手にやられてしまったので、残念です。(終了間際での被弾でしたが )相手がゴール前に人数をかけていて、数的不利の状況を作られてしまったので、どうしようもないというか走り負けてしまったなと思います。(試合全体を通して感じたことは)個人の能力の差は1-2という結果の差以上にあったと思うので、次の定期戦まで一ヶ月と少しありますが、個人個人がしっかりレベルアップして次は勝てればいいなと思います。(次節まではしばらく間が空きますが、どのような準備をしていきますか)チームとしては徐々にレベルアップできているし、やろうとしているサッカーもできてきているので、今までとやることは変えずにしっかりと自分たちのサッカーがだせるように準備していきたいです。

DF保田隆介(法2・横浜F・マリノスユース)

(今日の試合を振り返って)自分達のサッカーをやるということで、後ろからビルドアップしながらやっていたんですが、それが最終的にはゴールに向かうプレーが足りなくて、バックパスが多くなってしまったりしたので、ボール回すことは出来たんですが、ゴールに向かう姿勢が全然足りなかったかなと思いました。(前節から右サイドでの出場となっているが)右になれば攻撃参加を増やせるかなというのはあるんですけど、まだまだ運動量が足りないですね。(攻撃と守備はどちらに重点を置いているか)監督からは守備に重点を置いてやれと言われています。攻撃は無理しない程度に、チームのバランスを崩さないことを意識してやっています。(保田選手が第3節からスタメンに定着してからチームの成績が良くなっているが、これまでのリーグ戦を振り返って)僕が入ったからかは分からないんですが、みんな自信を持ってプレー出来るようになってきたので、そこは結果に少しずつ出てきているかなとは思います。ただ、失点自体は減っている訳ではないので、そこはもっと減らしていきたいなと思います。(総理大臣杯予選に向けて)チームとしてまだまだ甘い所があるので、トーナメントですけど変に結果だけを見ずに、内容の伴った試合をしたいと思います。

FW近藤貫太(総1・愛媛FCユース)

(今日の試合を振り返って)勝てなかったので悔しいです。(得点を決めたが)1点リードされた状況だったので時間的には良かったと思うんですけど、最終的には勝利につなげられなかったということはいま一つなのかな、と思います。(早慶戦ということで特別な思いはあったか)それは特になく、リーグ戦の一つであって、早稲田に勝っても勝ち点3ですし、他のチームに勝っても勝ち点3ですから、そういう意味ではいつも通り試合に臨みました。(早稲田の印象は)向こうからの慶応に対するプライドというのはすごく感じましたし、最後の「勝った!」という喜びとかを見ても、すごく向こうは意識しているんだな、と思いました。しかし、自分は特に意識することなくいつも通り試合に臨みました。(次節に向けて)今日勝ち点3を落としましたけど、最後の部分だったりとか、セットプレーからの攻撃だったりとか、2点ともヘディングでやられていて防ぎようのない失点ではないので、今後もそういうところを修正してしっかりと次の試合に臨みたいと思います。

 

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