【ソッカ―男子】格下相手にまさかの敗戦。1回戦で姿を消す 東京国際大戦

一回戦のスターティングメンバー

慶大にとっては悪夢ともいえる試合だった。今年から名称も新たになった、アミノバイタルカップ2012第一回関東サッカートーナメント大会。3回戦まで進むことができれば、全国への切符を手にできるこの大会で、慶大はその1回戦で埼玉県リーグ1部に所属する、東京国際大学と対戦した。慶大有利と思われた試合だったが、相手の固い守備を崩せず0-1の完封負け。慶大は1回戦で姿を消すこととなった。

 

2012/6/2(土)15:10KO @時之栖スポーツセンター裾野グラウンドD
慶應義塾大学0(0-0)1東京国際大学
【得点者(アシスト者)】得点者 55分 東国大 川村誠也(福島遼)
慶大スターティングメンバー
GK 辻柾次(環4・近畿大学付属和歌山高校)
DF 赤木努(経4・大宮アルディージャユース)
DF 佐潟隆平(法4・鶴丸高校)
DF 長尾賢太郎(総2・ヴィッセル神戸U-18)
DF 香川佑介(商4・横浜FCユース)
MF 増田湧介(環2・清水東高)
MF 端山豪(総1・東京ヴェルディユース)→56分松下純土(総3・国学院久我山高)
MF 山浦公裕(商4・FC東京U-18)
MF 藤田息吹主将(政4・藤枝東高)
MF 澤根祐(商2・清水東高)→69分小林剛(環2・鎌倉高)
FW 平戸奨眞(法2・暁星高)→58分武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)
 

試合は序盤から、慶大が東国大ディフェンスに苦しめられる。藤田息吹主将(政4・藤枝東高)を中心にポゼッションを高めていくものの、きっちりとブロックを作り引いて守る東国大を崩すことができない。ボールをポゼッションしていた慶大だったが、PA付近でボールを取られ、逆に相手のカウンターを招いてしまう。この悪い流れを変えるべく、サイドへのロングボールを多用し状況の打開を図る。12分、18分と前線へのロングボールを送るが、これは合わず、シュートまで持っていくことができない。澤根祐(商2・清水東高)らのドリブル突破からシュートまでいくこともあったが、ゴールを奪うには至らず。結局、悪い流れのままほとんど見せ場を作ることはできず、スコアレスで前半を折り返す。

右サイドで存在感をみせた香川

 

早々と先制点を取り楽に試合を進めたい慶大だったが、後半開始早々失点を喫してしまう。10分右サイドを突破され中に切り込まれると、PA内でフリーの相手選手にラストパス。これを流し込まれ、先制点を奪われる。早い時間帯に追いつきたい慶大は、松下純土(総3・国学院久我山高)、武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)らベンチに温存していた主力を続々投入し、得点を狙いに行く。31分には、ゴール前でボールを受けた武藤が体勢を崩しながらシュート。これは、相手キーパーに当たりポストに弾かれてしまう。さらに終了間際、PKかというシーンもあったがホイッスルは吹かない。結局そのまま0-1で敗戦。選手たちは呆然とした表情で、ジャイアントキリリング達成に喜びを爆発させた東国大チームを、ただただ眺めるしかなかった。

 

今回の試合でスタメン出場を果たした辻

この試合は、「ほとんどボールを保持」(香川佑介・商4・横浜FCユース)していた。しかし、ボールは保持できていても、PA付近でアクセントをつけることができず、ボールを持たされていた時間帯も長かった。引いた相手との対戦は今後も予想されるだけに、これからそういった相手をどう攻略していくかが課題となろう。前期も残すところわずか2試合。この敗戦を「真摯に受け止め」(須田芳正監督)、一回り大きくなった選手たちの姿が見られることを期待したい。

(記事・石塚大樹)

 

試合後コメント

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)まずは、我々はそんなに強くないということですね。1部でやっているけれど、埼玉の1部のチームとそんなに違わないということを、その点を真摯に受け止めてトレーニングしなければいけないのかなと思います。(攻撃面で中々勢いに乗れなかったが)引いてくる相手を崩すのは難しいんだよね。その辺に苦労したよね。まあこういうもんだと思います。格下に引かれて。最初に点が入ってしまえば、いくつかチャンスが生まれて、楽な試合になったかもしれないんだけど、中々入らなくて最後うちのミスでやられて、まさにこういう試合はよくあることで。こういうところで勝てなかったのは、練習しかないのかなと思います。(引いた相手の対策をこれからどうするのか)もう少し、パスの質だったり、縦パスを入れるタイミングだったり、選手間の間であったり、その辺はいろいろあると思いますね。その辺はやはりどこの国に行ってもああやって引かれてしまうと、中々崩すのは難しいので。これからそういうチームもあると思うので、これからトレーニングしていくしかないと思います。(近藤選手について)怪我をしてしまったんですね。ユニバーシアードの選考会がありまして、そこで自分でやってしまったという感じですね。(次節に向けて)この大会はもう終わったんでね、逆にすっきりして、ある意味リーグ戦の方に集中することができるので、しっかりとトレーニングして、大事な試合なのでいい準備していきたいと思います。

MF藤田息吹主将(政4・藤枝東高)

(今日の試合を振り返って)正直すごく悔しいです。毎年格下相手に勝てない中で、今年は色々ミーティングをしたんですが、その成果が出なくて残念です。(引いてくる相手は今後も対戦していくが)基本的には、今日みたいにしっかりとつないでサイドから攻めることが、須田さんの目指しているサッカーであり、それを追及していきたいと思います。(攻撃が点に結びつかなかった要因)難しいですね。しっかりと守られたというのが印象として強いので。(リーグ戦に向けて)この大会は負けてしまったので、天皇杯はありますけど、リーグ戦一本でやることができるので、次の専修戦に向けて良い準備していきたいと思います。

DF香川佑介(商4・横浜FCユース)

(今日の試合を振り返って)今日の試合はほとんどボールを保持していて、それにも関わらずああいう形で失点してしまって。そこだけを気をつけようってチームで話していたにも関わらず、そういう失点してしまったことを非常に後悔しているという感じです。(一発勝負のトーナメントというのも今回の結果に影響があったと思うか)そうですね。中1日ということもあって、怪我をしている武藤だったり、そういう選手を途中からという形で使ったり、メンバーを少しいじりました。別にそれに関してメンバーの質が落ちたとかないと思うんですけど、トーナメント一発勝負の難しさっていうところが勝負を分けたと感じています。(今日のご自身の出来は)前半はマッチアップの選手にすこし翻弄されてしまって、不甲斐ないというか、そこでリズムを作られていたので、ハーフタイムで修正した。後半はほとんど抑えられていたし、前半はなかなか上がることができなかったんですけど、後半は少しバランスを見て上がることができました。ただやっぱり最初から相手は基本的に守ってカウンターで、そのカウンターの鍵となる選手を抑えなきゃいけなかったし、前半からそういうプレーをすべきだったと反省しています。(香川選手にとっては久々のスタメンフル出場したことは、今後につながるのでは)そうですね。今シーズン始まって一試合もでてなくて、やっとめぐってきたチャンスで、自分でもここで流れに乗って、早慶戦もありますし、リーグ戦もあと二節残っているので、自分でリズムを作りたかったです。でも自分にとって成長できたと思う反面、すごくチームに申し訳ないという気持ちでいっぱいです。(次の試合に向けて意気込みを)負けたからこそ、残り二試合に前期は切り替えて、そこで絶対勝ち点6をとれるように、二週間近くありますけど、良い準備をしていきたいと思います。

GK辻柾次(環4・近畿大学付属和歌山高校)

(今日の試合を振り返って)負けたら終わりっていうトーナメントで、相手のほうが、試合に懸ける思いっていうのが強くて、一点差という形で敗れてしまったのかなと思っていて、非常に反省しています。(トーナメント独特の難しさっていうのが今日の結果に影響したか)相手としては、うちが格上というか、格上とは思っていないんですけど、リーグがやっぱりこっちのほうが上ということで、相手も引いていた。一点差の試合をしてきていているという状況で、自分たちがうまく前半は0‐0で折り返したんですけど、 ああいう形でゴール前でディフェンスの選手に不用意に余裕を持ちすぎたプレーをさせてしまったっていうのが足元をすくわれた結果かなと思います。(次の試合まで間が空くが、どういった準備をしていきたいか)僕自身はリーグ戦はサブゴールキーパーという立場で、今回こういうチャンスをもらったにも関わらずチームを勝たせることができなかったということもありますので、とにかく次のリーグ戦はサブであっても、レギュラーで出たとしても、はたまたメンバー外れることになったとしても、全力で臨みたいと思います。

FW武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)

(振り返って)引いている相手に対して、自分たちはなんとかしてゴールを取らなくてはいけなかったんですけど、ゴールまでいけなくて、しかも自分たちのミスから失点してしまったので、そこは本当によくなかったと思います。(前半はベンチから見ていてどのように思いましたか)そんなに悪いプレーという感じではなかったんですけど、ゴールに対する勢いとかは弱かったと思いました。(後半では監督からどんな指示を受けて入りましたか)0-1という状況で、流れを変えることと、得点に結びつくプレーをするように言われました。でも下がりきった相手に対して自分の力不足というか、得点できなかったことが悔しいです。(下がった相手に対して攻撃していくことの難しさとは)スペースもほとんど無いですし、もらった後にすぐ何人も来てしまうので、うまくかわすことができなかったと思います。(リーグ戦再開に向けて、どう準備していきますか)リーグ戦の相手は去年優勝した専修なので、そこで気持ちを入れ替えて勝利出来ればいいなと思います。(7月の早慶戦に向けてはどのようにコンディションを上げていきたいですか)チームとしては本当にいいと思うので、まずリーグ戦で勝利して流れに乗って、二節しっかり勝利して早慶戦に臨めればベストじゃないかなと思います。

 

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