【ソッカー男子】総理大臣杯2回戦 悔しい敗戦で全国制覇の夢破れる

 

 7月6日(火)、堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンターメインフィールドにて、第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント2回戦仙台大戦が行われた。1回戦で快勝した慶大は、勢いそのままに仙台大相手に先制するも逆転負け。ベスト8でこの大会を去ることとなった。

第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント2回戦

2010/7/6(火)15:30 KO@堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンターメインフィールド

仙台大学3-2慶應義塾大学

{得点者}前半28分 横川達郎(慶大)、前半42分 佐藤世弥(仙台大)、後半20分 山崎航太(仙台大)、後半35分 佐藤世弥(仙台大)、後半41分 大塚尚毅(慶大)

前半、暑さからか立ち上がりの不安定な両チーム。DFラインでミスが目立ち、どこか締まらない雰囲気がスタジアムを包む。そんな中、序盤はボールをつなぐ仙台大が試合を優位に進める。15分、仙台大MF森田が黄(総3)を振り切りシュート。しかしこれはGK中川(総3)のビックセーブでピンチを切り抜ける。そしてこのプレーを境に試合の流れは一変する。「(ボール)動かせ」という李監督の指示のもと、慶大は23分にPA内中央で相手DFを引きつけた大塚(総3)から横川(総4)がシュート。これはバーを越えるが慶大ペースで試合は進む。そして迎えた28分、左に流れた深澤(理4)のクロスを仙台大DFがクリアミス。そのボールを拾った横川がシュートを放ち、ゴールネットを揺らす。慶大が待望の先制点を挙げた。その後、一進一退の攻防を続ける両チームであったが前半終了間際、自陣でボールを失った慶大はシュートまで持ち込まれ、これがゴール右隅に決まってしまい同点。1-1のドローでハーフタイムを迎える。

後半、追加点を奪い突き放したい慶大は13分、河井(政3)のFKから黄が頭で落としたボールを横川が受け、GKと1対1になるもシュートはバーの上。決定的なチャンスだったが、ものにできない。その後もこの日も前線で運動量豊富に相手DFを翻弄する深澤がクロスを上げ、中央で大塚が頭で合わせるもわずかにバーの上へ外れてしまう。ここでチャンスを生かせないツケが回ってきてしまった慶大。20分、PA内でボールキープされマークを見失った慶大DF陣は一瞬の隙を突かれ逆転を許してしまう。同点にしたい慶大は失点直後、川久保(理2)を投入し、局面の打開を図る。しかし迎えた31分、中盤の要である藤田がこの日2枚目のイエローカードを受け退場。慶大は10人での戦いを余儀なくされてしまう。そして流れは仙台大に傾いたまま、36分には追加点を許し2点を追う苦しい展開に。しかし41分、田中奏(環3)のクロスをクリアミスしたボールを大塚が拾い、強烈なシュート。これがゴール右隅に決まり、全国制覇に向けわずかな光が差し込んだ慶大。残り4分、同点にして延長に持ち込みたい慶大はカウンターでピンチを迎えるも三上(政4)を中心にDF陣が身体を張って、チャンスを待つ。そしてロスタイム、河井のFKから笠松(総3)がダイレクトで合わせるもGK真正面。試合はそのまま2-3でホイッスル。全国での戦いは、ベスト8で幕を閉じた。

先制するまではプラン通りだった慶大。しかし前半終了間際に得点を許し、「バタバタしてハーフタイムに入った」(河井)。これが結果的に後半開始直後のチャンスをものにできず、逆転を許す原因となったと言えるだろう。今季、先制点を取ることが慶大の勝ちパターンだったが、「追加点を取れないという大きな課題」(中川)も見えた。後期リーグ戦に向けて課題は多いが、総理大臣杯で得た経験やこの敗戦の悔しさを力に変えた時、「もう一度全国の舞台に立つ」(三上主将)という目標は現実のものとなるだろう。

                            By Daiki Yamamoto

コメント

李監督

(悔しい敗戦だが)ちょっと(悔いが)残る試合だった。(先制してプラン通りだったと思うが)1失点目がうち(慶大)のミスだったので、それはちょっともったいなかった。あと2点目もマークを見失ってしまって。そういうミスをしてしまうと勝ち切れない。(今日はここ数試合に比べ中盤を支配できなかったが)流れは悪くなかったが、そういう細かいミスがあると失点につながってしまう。(前半からボールを動かすよう指示していたが)ちょっと暑かったので、相手を動かして、90分もたないと思ったので、相手をうちの流れに持っていこうとした。もっと勇気を持って、間でボールを受けられるように動き出しとかそういう準備とかをすべきだった。そういうところが今日はよくなかった。(交代の意図は)相手のサイドバックを下げて、バイタルエリアを攻略できるかなと思って、後ろにスペースがなくなったので、そこでワンツーとか細かいパスでシュートまで持って行かなければいけないと思ってそういう選手を入れた。川久保は裏を取るためだったが、(藤田が)退場になってしまったので。(藤田選手の退場が痛かったか)まあそれだけではない。全体の中でなので。流れをうちの方へ持って来るチャンスもあったが、前半の失点とかまだまだ不安定だった。(中1日での試合だったが、昨日のトレーニングは)軽く回復トレーニングをして。メンバーはそのままだったので。どこも一緒だと思う。(前期が終了したが、今後の抱負は)この大会を通して我々の力がこれぐらいしかないということをみんなが認識して、後期に向けて準備したいと思う。

三上主将

(試合を振り返って)結果的に負けてしまったので、特に言い訳もなく仙台大の方がベスト4にふさわしかったと思う。(攻守の入れ替わりが激しい試合だったが)前半の終わり頃の失点はずっと警戒していたので、そこでやられてしまったのはまず一ついけなかったことと、前半の立ち上がりのチャンスを決められなかったこと、後ろがそれに耐えられなかったこと。全員に責任があると思う。(中1日で運動量も落ちてしまったが)そこは相手も同じなので、そこは相手との勝負なので負けてはいけないところだが、いつもより(セカンドボールが)拾えてなかったなという印象があるので、まだまだ気持ち的にも弱いなと思う。(後半の2失点については)それは自分たちの実力のなさ。気持ちも弱いし、集中力も持たないという、完全に自分たちの実力のなさだと思う。(全国の舞台で得たものは)得たものというか、まだ自分たちが甘いかということを痛感したというのが率直なところで、この夏もう一回鍛え直さないと後期は危ないんじゃないかなという危機感がある。(後期に向けて)下(降格)も見えているので、いい状況とは言えないが、この悔しさがあるので、もう一度全国の舞台に立つためにもインカレ出場というのは絶対果たしたいので、そこを目指してもう一回夏鍛え直したい。

中川

(試合を振り返って)悔しいです。決めるべきところで決めないとああいう風になってしまうということを実感した。(先制して、良い流れだったと思うが)(前期)リーグ戦の最終節と一つ前でも1点取ってから逆転負けしていて、そういうところでまた追加点を取れないという大きな課題があると思う。あと前半での失点は最近あまりなかったが、後半疲れてきてからの失点がすごく多くて、多分この4、5試合で後半だけで7、8点失点してしまっていると思うので、その辺は後期への課題だと思う。(後半2失点してしまったが)やっぱり流れというか(点を)決められなかったというのが大きかった。たぶん追加点を取っていたら2点、3点と取れていたと思うし、あそこまで決めきれないことが続くと流れは逆になってしまうものなので、失点というよりは追加点を取ることが大事だと思う。(全国の舞台で得たものは)チームの一体感というのはここ数日間で高まったと思うし、その面に関しては後期につなげられるかなと思う。全国を経験したのは関東でも数チームしかないので、その経験というのはすごく大きかった。(今後に向けて)やっぱり目標としてるのはインカレ出場なので、今のままでは達成できないので、まだ準備期間があるので、後半(運動量が)落ちてしまうというのがあるので、走り込んで、90分間通して戦えるチームを作っていきたい。

河井

(試合を振り返って)点を決めるところで決めないとこういう試合になってしまう。そんなに相手が強いわけではなかったが、負けてしまったので相手の実力を認めなくてはいけない。(先制点を奪い、プラン通りだったと思うが)先制点を奪うまではいい流れでできていたが、1点取られてちょっとバタバタしてハーフタイムに入った。ハーフタイムで修正して後半も何度かチャンスを作ったが、そういうところで決めていかないといけない。相手にチャンスをものにされて負けてしまった感じがする。(ここ数試合と比べて、中盤を支配できなかったが)中盤でセカンドボールを拾えなかったのが原因かなと思うのと、もう少し落ち着いてワイドを使ってもよかったかなと思う。(後半については)後半もそこまで悪い内容ではなかったが、相手に数少ないチャンスをものにされたという形で自分たちの自爆みたいな感じだった。(全国の舞台で得たものは)やっぱりこういう大会に出てくるチームはどこも強いので、しっかりした決定力とか、一つ一つのプレーというのをもっと大事にしないと、今日みたいにミスから失点してしまって勝てないというのが印象だった。(後期リーグに向けて)前期は結構長かったので、とりあえずリフレッシュして、僕たちはまだ下も見えているので、8月くらいからまたみんなでしっかりと準備して、インカレ圏内に入ってまたもう一度全国で戦えるように頑張っていきたい。

慶大メンバー

GK中川翔太(総3)

DF黄大城(総3)

DF三上佳貴(政4)

DF笠松亮太(総3)

DF田中奏一(環3)

MF大塚尚毅(総3)

MF藤田息吹(政2)

MF横川達郎(総4)→後半33分日高慶太(総3)

MF山浦公裕(商2)→後半23分川久保理(理2)

FW河井陽介(政3)

FW深澤良(理4)

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