第25回関東ラクロスリーグ戦(男子) 開幕戦
2012/8/15(水)14:00F.O@駒澤陸上競技場第二球技場
チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 1 | 4 | 2 | 3 | 10 |
早大 | 3 | 1 | 3 | 0 | 8 |
試合は、序盤慶大は苦しい戦いを強いられる。6分にミスから早大に先制点を許すと、その後も立て続けに失点し、いきなり0-3と突き放されてしまう。一方の慶大オフェンス陣は早大の厳しいチェックに苦しめられ、なかなか攻撃のチャンスをつかめない。しかし、17分に粟田隆宏(経4)のシュートが決まり、なんとか1点を取り返して1Qを終える。
続く2Q。慶大の攻撃が調子を上げ始める。4、5分に田中篤志副将(政4)が得点を奪いたちまち同点に追いつくと、8分には相川駿主将(法4)が相手から奪ったボールを素早く前線に運び、パスをつないで最後は中村大樹(経3)がランニングシュート。この見事な連携からのゴールが決まり逆転に成功する。その2分後には再び田中副将が追加点。一気に早大に2点差をつける。さらに、1Qで早大の攻撃に手を焼いていた守備も安定。中でもこのQから入ったゴーリーの安藤圭祐(商2)が好セーブを見せ、早大にゴールを割らせない。終了間際に失点はするものの、5-4と1点リードで前半を折り返す。
点差を広げたい3Qだが、開始早々に同点に追いつかれる。それでも5分、波に乗る田中副将がこの試合自身4点目となるゴールを決めると、続いて相川主将が自陣から一気にクリース前に走りそのままシュート。これが決まって再び2点差に。この後、相手の堅い守りに阻まれ得点を奪えずにいると、足が止まってきた終盤、そのスキを突かれて失点。再び同点とされてしまう。昨季の学生王者がさすがの粘りを見せ、3Qは終了する。
同点のまま迎えた4Q。初めは守備に追われる時間も多かったが、再び安定感を取り戻した守備が得点に結びつく。7分、中村がディフェンスでのカットから一気にクリース前に持ち込みシュート。これが決まると、その後は早大の激しい攻撃をしのぎ試合は終盤に。すると15分に加藤亮平(経4)が強烈なシュートを決め、さらにラスト3秒で岡本遼也(経3)も得点を奪ってダメ押しの10点目。最後は失点ゼロに抑え、10-7と慶大の勝利に終わった。
中々勝つことのできなかった早大との「リーグ戦の中で一番大事な試合」(田中副将)で苦しみながらも勝利した慶大。だが、「目標は全日本選手権優勝」(岡本・経3)というように目指すところはまだ先にある。それを考えれば今回の試合内容は満足と呼べるものではないだろう。とはいえ、初戦で昨季の学生王者を倒したことは今後のリーグ戦への「弾みになる」(相川主将)はず。夢の日本一に向けて、慶大ラクロス部が大きな一歩を踏み出した。(記事・吉山祐未)
以下選手コメント
DF相川駿主将(法4)
(今日の試合を振り返って)早慶戦で引き分けて、練習試合でも引き分けて迎えた今日の試合だったので、因縁とも言える試合で勝ち切れたのはすごく良かったです。でも、あくまで僕たちの目指しているところは学生王者ではなく日本一、全日本選手権優勝なので、最初のステップで去年の学生王者を軽くいなせたことはみんなにとっても弾みになるんじゃないかなと思っています。ただ、これは通過点です。(リーグ開幕戦で早稲田との対戦だったが)早稲田は走れるチームなのでそれに対して走り勝てるようにトレーニングもしてきたし、あとはフィジカルで絶対負けないということは徹底していたので、それがグラウンドでも表現できてよかったと思います。(自身の得点シーンについて)ほとんど覚えてなくて気持ちで決めたようなものです。あの点差の中で自分がああいう得点をすることで、チームに勢いをつけられたのならば、良かったかなと思います。(守備について意識した点は)基本的には練習でやったことを試合でできれば勝てると思って臨んでいたので、特別なことはやらず練習でやったことをグラウンドの中で話し合ってひたすら積み重ねたという感じですね。(今後への課題)勝利という結果ですけど、試合内容としてはちょっと良くなかったです。学生相手にこれだけ競ってしまったというのも僕らの目指しているところからすれば良くないことなので、これからもっと社会人を意識してチームを作り直せたらなと思っています。
AT田中篤志副将(政4)
(今日の試合を振り返って)早稲田戦というのが、リーグ戦の中で一番大事な試合で、それを勝ち取ろうということをずっと思っていて、自分が良かった、悪かったということではなくて、勝ちきることができたのは、チームの成長につながったのではないかなと思います。(自身たくさんのゴールを決めていたが)たまたまです。早慶戦からATとして起用されることが多いですが、これからもこのポジションでやることになると思います。自分たちは、守備をしないので、得点を取らなければ意味はないと思うので、そこは意識してやっています。(初戦が早大戦ということでどういう準備をしてきたのか)この試合に照準を合わせてずっとやってきたんですが、やはり僕たちが目指すべきところはここでは無くて、社会人のチームだと思っています。もちろんこれまでは、早稲田を目標にやってきていたのですが、目指すべきところはもっと高くしていくべきだと思います。(早大戦に勝利してどういう気持ちか)この瞬間に関しては、ほっとしているという気持ちで一杯です。(次節以降に向けて)ここで終わりではないですし、次節以降自分たちのやるべきことというのをしっかりとやって、日本一になるべく、精進していきたいと思います。
DF岡本遼也(経3)
(早大に勝った感想)一応目標は全日本選手権優勝なので、早大に対してそこまでがっつり備えていたわけではありませんでした。ですが、去年のファイナル4や今年の春の早慶戦で勝ちきれなかったことがあったので、素直に嬉しいです。(試合をふりかえって)前半は相手に結構点を取られてしまい、去年や早慶戦の嫌なイメージが湧いてきて不安でした。でも自分たちのやってきたことをやっていったら、だんだんと点が取れてきて、いい流れにできました。途中から安定してプレーできたと思います。(自身の意識していた点は)今年のチームは4年生が多く、そこそこ経験は積んでいるチームだと思います。ですが開幕戦であり、注目もされる舞台となると、あまり皆慣れていない、と僕は思っていました。そこは僕や相川さんなど慣れている人たちでチームを引っ張っていけたらいいな、と思いました。(自身の出来)出来は40点です。僕には普通にプレーすることは求められていないと思ったからです。僕にはボールを奪うことだったり、いちはやくオフェンスにつなげることなどが求められていると思います。そのなかで今日自分がボールを奪っているというシーンが全然なかったです。ボールをつなぐことはやっていたんですけれども、求められている仕事ができなかったところが悪かったと思います。(合宿で強化した点などは発揮できたか)グランドボールに対しては、合宿の成果が出たかと思います。それ以外の点については合宿より前からずっと、12月の全日本選手権の舞台を目標にしてスケジュールを組んできました。前々から培ってきたものが、少しずつ出せてきているのではないかと思います。(リーグ戦、今後の抱負)社会人を含めた大会の全日本選手権で優勝することを掲げているので、これからの試合でだんだんと全日本選手権に向けた準備をしていけたらいいな、と考えています。
G安藤圭祐(商2)
(第2クオーターからの出場でしたが)控えからのスタートだったので、いつでも行けるように準備しろと監督やコーチから言われていたので、しっかり準備して、いつでも行けるようにということだけ考えていました。(途中出場の直後に逆転、流れを変えたのでは)僕はシュートを止めろと言われて止めただけなので、流れは点を決めてくれたオフェンスの人たちのおかげだと思います。(今日の試合を振り返って)慶應は毎回、尻上がりというかスロースターターで試合の入りが悪いので、そこを今日は意識して、入りから頑張ろうという共通認識を持っていました。その結果、入りがよく、最初からいい流れで後半は尻上がりに上がっていきました。すごくいい試合展開だったと思います。(今日のリーグ戦初戦まではどのようなことを)日本一を取るという目標が根本にあって、リーグ戦の日程を見ると、今日の早稲田戦が一番大きな山だったので、それに向けて合宿でもフォーカスしてやってきました。(若き守護神として、今後の活躍にも期待が懸かりますが)そういう気負いをせずに、目の前のシュートを止めて、しっかりオフェンスにつなげるだけだと思います。
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