【女子ラクロス】リーグ戦初勝利も垣間見えた課題 明大戦

慶大女子ラクロス部の本来の実力を発揮したと同時に、現時点での課題が見つかった試合だった。
8月23日に関東学生女子ラクロスリーグ対明大戦が明治学院大学横浜キャンパスヘボンフィールドにて行われた。結果は7-5で勝利。リーグ戦初勝利を飾ったが、決して快勝といえる内容ではなかった。

リーグ初勝利を飾った慶大

関東学生女子ラクロスリーグAブロック

2010/08/23(日) 12:40FO @明治学院大学横浜キャンパスヘボンフィールド

チーム 前半 後半 合計
慶應義塾大 7 0 7
明治大 2 3 5

アタックを仕掛ける加藤

前半の立ち上がり、慶大はMD善野主将(文4)、AT戸花副将(経3)を中心にボールを展開。相手ゴールに迫るも、オフサイドの反則を喫し攻撃のチャンスを潰してしまう。その後前節の悪い流れをひきずっていたのか中盤の競り合いの時にミスからボールを奪われる。そのまま自陣に攻め込まれてしまい、前半3分に明大に先制点を許してしまう。ただそこから「冷静になった」(善野)慶大が反撃を始める。前半7分、右サイドを駆け上がったAT高橋(総4)がAT佐藤(経2)にパスを繋ぎ、最後はMD加藤(文4)が落ち着いてシュート。早い段階で同点に追いつく。この得点を皮きりに慶大の怒涛のゴールラッシュが始まる。7分に相手反則から得たフリーシュートをAT木本副将(経4)が落ち着いて決める。さらに12分に高橋、17分にはMD谷北(環3)がどちらも自陣でボールを奪ってからカウンターアタックを決めてそのまま自分でシュートまで持ち込み点差を広げる。慶大は「ボールへの反応が先に出て、自分たちのプレーが出来て相手にプレーをさせていなかった」(大久保コーチ)と終始明大を圧倒。その後も得点を積み重ねて、前半を7-2で折り返す。

シュートを打つ戸花副将

シュートを打つ戸花副将


前半の勢いのままに攻め続ける後半。ダメ押し点が入るのも時間の問題かと思われたが、「暑さ」(大久保コーチ)という敵が慶大に襲いかかる。相手ゴール前でボールを回し続けるも、「シュートで決めきる部分で決めきれていなかった」(善野)。相手ゴーリーのファインセーブもあり、「反応が鈍ってきた」(大久保コーチ)アタック陣はなかなか追加点を奪うことが出来ない。さらに暑さはディフェンス陣の歯車をも狂わせる。「選手間の隙が出ることで敵にボールを拾われやすくなっていた」(大久保コーチ)と前半とは打って変わって相手のペースで試合が進行。明大は慶大のお株を奪うようなカウンターからの速攻で反撃の狼煙をあげ、スコアを7-5まで縮める。ただ苦しくなったところで頼りになるのはやはり主将。献身的なディフェンスで相手の猛攻を必死にブロック。G中曽根(商2)のゴーリーセーブも飛び出し相手の追加点を許さず、慶大がそのまま7-5で勝利。前半のリードを何とか守り切った形となった。

「逆に後半は悪い方が出ると考えていたので予想通りのゲームだった」(大久保コーチ)と暑さからか後半に課題が山積してしまった慶大。ただ戦っている相手も同じ条件。それを言い訳にすることは出来ない。次戦は早慶戦。早大には春に1点差で勝利しているが決して油断できない相手。FINAL4出場に向けて絶対に負けてはいけない戦いが続く。

By Kazuhiro Takai

コメント

大久保コーチ

(今日の試合を振り返って)いやな試合だったなと。一番自分たちの悪い部分が出そうだという心構えで臨んだ。前半の7-2というスコアは出来すぎというのは変だがいい方が出た結果。逆に後半は悪い方が出ると考えていたので予想通りのゲームだった。いい部分と悪い部分が出たゲームだった(前半はカウンターからの速攻が決まっていたが)いい形はすごく出ていたと思う。ボールへの反応が先に出て、自分たちのプレーが出来て相手にプレーをさせていなかった。後半は暑さから反応が鈍ってきてチームがバラバラになってしまった。選手間の隙が出ることで敵にボールを拾われやすくなっていた。そうすると焦るという流れになるだろうという予想がついていた。決まるところでシュートを決めていたらもっと楽になっていた(前の東海大戦と比べて改善できた点は)1週間で練習が3回と調整が2回だったのであまりはっきりとした修正は出来なかった。ただ戦い方の修正、敵に対して何をすべきかということは修正出来た(どういった点か)ディフェンスのスタイルが東海大と明大では違う。マンツーマンかゾーンかそれに対して何をすべきか。後はボールへの反応の仕方。ボールの囲い込みなどの練習を少ししていた(今日見つかった課題は)ディフェンスの時に追い込んでいたボールが落ちたところに次の選手が入っていけなかった。そこでボールを拾い返されて逆にディフェンスをさせられたということがあった。落ちたボールのスペースに対する対処が大事。後は流れが悪くなった時のオフェンスの作り方も課題。(次戦に向けて)次は早大戦で早慶戦という形になるので余計な緊張感とか、集客試合でスタンドがうるさくなる。だから選手が集中して自分のプレーを信じてやるしかなくなる。ベンチの指示もほとんど通らなくなるので選手がやるべきことをどれだけ徹底できるか次の試合のポイントになる。力はほぼ互角だと思うので、後はどれだけ強くプレー出来るかが勝敗を分けると思う。

善野主将

(今日の試合を振り返って)最初に失点をしてしまったのですが、前半はその後から冷静になりチームとしてボールへの反応をとりきれたことが7得点というところにつながったかなと思います。ただ後半は相手に少しボールの反応というところで負けていた分取られて押し込まれていたという部分があった。そこは暑い時間帯の中での修正点だと思いました(後半攻めきることが出来なかった要因は)シュート本数は結構うっていると思います。しかしそこをゴーリーセーブだとか相手にとられてしまったところがありました。あとはシュートで決めきる部分で決めきれていなかったです。全体的にボールへの反応がいけなかったのかなと思います(今日の自身のプレーは)0点です。シュートを決め切らなくてはならないところで決めきれなかったところが多いです。「ここぞ」という時、主将が点を取れなくてはならない部分で取りきれていなかった。やはり学生日本一というレベルに合わせて考えると0点かなと感じます(次戦(早大戦)にむけてコメントを)次の相手は早大なので早慶戦となります。集客試合でもあります。5月にも早慶戦はあったのですが、1点差で勝ったという状態なので、相手もかなりのプレッシャーを背負ってくると思います。そこに負けないようにしっかり慶大のボールへの速い反応というところを相手に負けずに発揮し、勝利を掴んでファイナル4、ファイナルへと進みたいと思います。

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