【バスケ】正念場の後半戦へ突入!貴重な一勝を手にした東洋大戦

大元孝文(環1・洛南高)は3Qに連続8得点を挙げ、チームを救った

2012/9/30(日)@東洋大学総合スポーツセンター

第88回関東大学バスケットボールリーグ戦 10日目 東洋大戦

リーグ戦10日目。リーグ戦は2巡目に入り、初日に対戦をした東洋大と再び相見えることとなった。3部から昇格を果たしてきた勢いのある相手だということもあり、一度は勝っていると言えども油断することは出来ない。結果的には決して譲れない白星を勝ち取るに至った慶大。しかし苦境に立たされる場面も少なからず見られたこの一戦は、選手たちの改善点を示すものでもあったと言えよう。

2012/9/30(日)@東洋大学総合スポーツセンター
第88回関東大学バスケットボールリーグ戦 10日目 東洋大戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 26 15 27 19 87
東洋大 13 30 15 22 80
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG ♯16 伊藤良太(環2・洛南高)
SG ♯18 大元孝文(環1・洛南高)
SF ♯8 蛯名涼(法3・洛南高)
PF ♯14 権田隆人(政2・慶應高)
♯7 本橋祐典(環3・佼成学園高)
 

権田隆人(政2・慶應高)は30得点・10リバウンドと大活躍

1Qの先制点を取ったのは東洋大。相手の勢いに満ちたオフェンスにやや翻弄される形で試合の幕は開けた。ゲームの入りで遅れをとった慶大であったが、前日の中大戦で復帰を果たした蛯名副将のガッツ溢れるプレーにより、チームは徐々に態勢を整え始める。本橋のセカンドチャンスを生み出すリバウンドや、大元の高精度なロングシュートが各メンバーの士気を高め、その後も伊藤・権田の二年生が得点を重ねて着実に点差を広げた。時折慶大のディフェンスに隙ができ、相手にアウトサイドから楽にシュートを打たせてしまう場面も見られたが、それらの失点をカバーする勢いで、一人ひとりが自分の役割を遂行し、このQでゲームの主導権を譲ることは無かった。1Q終盤に権田への絶妙なアシストを出すなどのプレーを見せた蛯名は、チームの機動力として存在感を存分に発揮した。順調な1Qは26-13というハイスコアで終了。13点のリードを保って臨んだ2Qは、一転して慶大のウィークポイントが目立つ展開となってしまう。序盤は伊藤が相手の乱れたパスワークを見逃さずスティールし、「自分達の持ち味であるディフェンスから速攻を始める」(伊藤)という言葉通りのトランジションバスケットがしばしば見られた。そのまま堅守速攻が機能して東洋大を圧倒するかと思われた矢先に、リバウンドの取りこぼしやファンブルも次第に見られるようになり、慶大らしいプレーが崩れ始めてしまう。ゴール下でのイージーシュートミスのほか、パスミスなどが響いて連続失点を被り、残り20秒にはついに相手のスリーポイントによって逆転されてしまった。試合終了間際に権田も負けじとスリーポイントを沈めるが、結局41-43と、相手にリードを許して前半を終えた。

桂竜馬主将(政4・国立高)は短い時間ながらもミスのない繋ぎでチームに貢献

2Qの不穏な流れを断ち切るべく後半に臨んだ慶大。必死の巻き返しを図るもファールやパスミスを連発してしまい、東洋大ムードになりつつあった。そんな中、権田がバスケットカウントを決め、さらには桂のアシストから伊藤が得点するなど、巻き返しの契機になるようなプレーも見られたが、冷静さを欠いた慶大はアウトサイドからもインサイドからも痛い失点を浴びてしまう。焦りが見られる状況下で悪い雰囲気を打開したのが、大元だった。積極的かつ敏捷な動きでスリーポイントやディフェンスリバウンド、速攻を量産するなど、ルーキーながらも多大な働きを見せつけた。これを契機に、その後も黒木がゴール下を確実に沈め、権田がワンフェイクで相手をかわし右0度のシュートを決めたように、終盤では冷静さを取り戻した慶大の姿を見ることが出来た。再び東洋大を引き離して3Qは終了。このまま逃げ切るため、4QQ開始直後から大元がスリーポイントを放つなど、選手たちには果敢な攻めの姿勢が表れていた。しかしながら徐々に慶大は疲れの色を覗かせるようになり、再びイージーミスを重ねてしまう。その上、シュートがしばらく決まらない時間帯に突入してしまい、瞬く間に3点差まで迫られてしまう。選手たちにとって最も苦しい状況がしばらく続いたが、ここで伊藤がバスケットカウントを決め、勝負あり。東洋大がファールゲームを選択するが、慶大もフリースローをきっちりと決め、慶大が7点リード。そのまま逃げ切り、二度目の東洋大戦は87-80というスコアで幕を閉じた。

「これを落としたらもう先は無い」(佐々木HC)という危機感のもとで、絶対に手放せない白星を手にした慶大。今日の勝利はモチベーションの点でも、最終結果への影響という点でも、大きな意義をもっていることは間違いない。しかしながら権田が「満足行く結果が得られているとは思ってない」と語るように、慶大のウィークポイントが露わになった一戦と言い換えることも出来る。次週の相手となるのは一週目で苦い惜敗を喫した法大と関学大であり、最終結果を左右する非常に重要な試合である。これらの相手を破るためにも、この東洋大戦で得た教訓を生かして、いかにレベルアップをするかが影響してくるはずだ。「2巡目の第1戦を白星で終われたというのはプラス」(大元)というモチベーションを胸に、今日に引き続き来週以降の試合でも白星を連ねることを期待したい。

(記事・埜村 亮太)

◆試合後コメント

佐々木三男HC

(中大戦後に、良いプレーの継続が出来ないと仰られたが、今日の出来は)今日も同じ。やっぱりもうちょっと引き離して、楽にプレー出来るところを自分達で作って相手にチャンスを与えないということを修正出来ていない。(二度目の東洋大戦だったが)多分これを落としたらもう先は無いということだと思うので、言ってみると最下位争いだから、そういう意味では相手もちょっとのびのびしたプレーが少なかったのかな。そういう意味で言ったら、一点でも勝たないと話にならないから、その中で少しこちらにキャリアがあったかな、という感じですね。(危うい試合展開が見られたが、その際の指導について)それは結局伊藤がボールを取りに行こうとしない訳ですよ。だからそれが一番いけないんです。あの子が運んだり、ゲームを作るように練習してるわけだから、あの子が休むから他の取れる試合も落としてしまっている。そこらへんを少し、徹底して指導しました。(来週の法大戦と関学大戦に向けて)まず、法政に勝たないと駄目です。法政に負けるようでは、また元に戻ってしまった感じなので。法政も今日の試合ではあまり良くないようなので、しっかり頑張らせます。

伊藤良太(環2・洛南高)

昨日中大とやった時に蛯名さんが戻ってきたことによってチームが引き締まり、流れが良くなったんですけど、ガードとして40分間通してゲームを作れてないとの指摘を先生から受けました。今日の試合に勝てたのは嬉しいのですが、ゲームをしっかり作るというガードとしての役目を果たせなかったことが反省点です。(洛南高校出身の3人がスタメンだったことについて)すごい嬉しい気持ちはありますし高校から一緒やってきた分、分かり合える部分があると思います。高校でやってきたことを3人で共通意識として持っているので、他のメンバーに伝えてどんどん向上していければいいかなと思います。(リーグ戦二周目について)一周目はディフェンスが悪く、何回か100点ゲームにされてしまって、ピックが遅かったりとかという反省点があったので、二周目は自分達の持ち味であるディフェンスから速攻を始めることを意識したいと思います。個人としては、蛯名さんが帰ってきたことによって少し周りが見えていかないといけないと思います。ガードとしての役割を先生からも言われているので、練習の時から厳しく、また自分から高めていかないと勝っていけないと思います。今日の試合とかはもっと離せると思いましたし、締めくくる部分でミスが出てしまったりシュートを決めきれなかったことを僕自身すごく反省してます。ガードがしっかりしてるといいチームになっていくと思うので、もっと練習していきたいと思います。(来週に向けて)リーグ戦を通じて二連勝ということがないので、ここで二連勝することが一番乗れるきっかけになると思ってます。なのでもう一回練習からチーム一丸となって、しっかり法政を見て、倒したいと思います。

権田隆人(政2・慶應高)

ターンオーバーが自分的には凄く多くて、課題の残る試合だったんですけど、二周目の入りの試合ってことで、負けられないって皆で言ってました。その中で一応結果が残せたってのは良かったのかなと思ってます。(チームとして意識したことは)この一週間とか、ディフェンス・リバウンド・速攻っていうのをチームで取り組んでて、一周目でそれが出来てないと先生からご指摘頂いていたんで、二周目は絶対にディフェンスも全部止める。リバウンドも皆で全部取るっていう風になってたんで、今日の試合ではそういう部分でも割と相手に勝ってる部分があったと思うんで、今後もこの感覚でディフェンスやリバウンドが出来たらいいなと思ってます。(個人的な課題は)やっぱりターンオーバーが多かったことが、自分的には不安定要素というか。ここ最近凄い増えて来ちゃっているんで、コミュニケーションのミスの部分でターンオーバーが増えているんで、パスを受けるレシーバーとのコミュニケーションっていうのをもう一度やり直さなければいけないのかな、と考えています。(2Qの苦戦の原因は)僕達がやろうとしているディフェンスが出来なくなってしまったことと、リバウンドを取られすぎたのかな、と思います。やっぱり、相手が凄い走ってくるっていうことも分かってたのに、それを止められず、アウトサイドのシュートもチェックが甘くなってしまっていました。相手のやろうとしていることを簡単にやらせた結果、ああいう風に詰まっちゃったと思うんで。改善出来る部分もあると思うんで、今日やられてしまった部分っていうのが、僕達がやらなきゃいけないこととイコールとなってると思うんで、この一週間またやり直さなきゃいけないなと思います。(来週に向けて)上向いてはいるんですけど、満足行く結果が得られているとは思ってないんで、先ず結果ということを一番大事にして、その中でも自分達がやりたいことっていうのをもっと体現出来れば、これから先チームとして結束感とかも出てくると思うんで、上級生を中心に頑張って行きたいと思います。

大元孝文(環1・洛南高)

(久々の勝利だったが、どのような気分か)1勝まで長かったです。昨日の中央戦である程度形のいいバスケができていたので、今日は2巡目の初戦ということでしっかりと慶応らしさを出していこうと望んだ試合でした。そういう中で勝ててよかったです。(個人的には調子は良かったと思うが)今日は今まで以上にリングに目を向けられていて、いつもだったらタフショットを打ってしまうところをドライブに切り替えてドリブルで中に切り込んでプレーができたので個人的には良かったと思います。ですけど、どうしても上背がないので中に切り込んでも簡単なシュートが打たせてもらえないので1Qと2Qはフィールドゴールのパーセンテージがよくなかったと思います。やっぱり速攻でスリーポイントを決めた中で、次のシュートが大きく外れてしまうのはシューターとしても甘い部分があったと思いますし、ルーキーとしてまだまだ経験が浅いところが出てしまったと思います。(2Qで追いつかれだしたときはどのような心持ちでプレーしていたか)本来だったら1Qのまま離せるゲームだったと思うんですけど、リバウンドを取られて速攻にもっていかれるという中で、どうしても選手たちが浮足立ってしまって軽いオフェンスやルーズなディフェンスという部分から追い上げられてしまったと思います。メンバーチェンジをしながら流れを変えていこうと考えていたんですけど、うまくいかなくて前半は大きく空けた点数を詰められてしまいました。(今後の後半戦への意気込みを)蛯名さんが帰ってきたのでチームのモチベーションもとても上がっていますし、2巡目の第1戦を白星で終われたというのはプラスのことなので、残り試合を課題やいいところから見つめ直して、レベルアップして来週からの後半戦に望めるように頑張っていきたいと思います。

黒木亮(環1・延岡学園高)

出だしは良かったんですけど、慶應の課題である2,3Q目の集中力が切れて、相手に追い付かれてしまうというのが2回ありました。ターンオーバーがなければもっと点差が開いていたかなと思います。ミスだったりターンオーバーをなくそうということを課題として来週からの練習でやっていこうと思っています。(2巡目が始まりましたが)駒沢に負けた後なんかはチームが沈んでたんですけど、朝早くみんなで集まってミーティングして意思疎通したりとそこからまたチームもだんだん切り替わってきたと思います。それに今は蛯名さんも戻ってきたので、一人ひとりの意識もより良い方向に変わってきたと思います。なので、2巡目は良い結果を残せると感じています。(蛯名選手が戻ってきたが)これまでと全然違います。リーダーシップをとれる蛯名さんが戻ってきたことで、やっぱり頼れるし、パスも良くきますし、何より体を張ってくれるプレイをしてくれるので、そういう細かい一つ一つのプレイがチームの流れを変えてくれるので心強いですね。(来週に向けて)これからの試合も自分の役割は今まで通りリバウンドとディフェンスです。今日もそうだったんですけど1対1のディフェンスに関してはまだ甘い部分が多いので、そこを課題として意識してもっとディフェンスを頑張っていきたいです。リバウンドに関しては今まで以上にボックスアウトが出来てると自分でも実感しているので、そこは継続してもっとチームに貢献していきたいと思います。

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