10月27~28日、東大和スケートセンターで第6回東日本学生フィギュアスケート選手権大会が行われた。大会1日目の27日、慶大からは5名の選手が出場し、鈴木伶奈(環1)と奥山未季子(環1)が登場した女子Bクラスでは、慶大が見事団体優勝に輝いた。
男子Cクラス(※日本スケート連盟バッジテスト3・4級および各都道府県スケート連盟テスト部長による「3級エレメンツ2課題残し証明書」の発行を受けた者)
・廣澤聖士(環3) 33.34点 4位入賞
・団体3位入賞
女子Cクラス(※日本スケート連盟バッジテスト3・4級および各都道府県スケート連盟テスト部長による「3級エレメンツ2課題残し証明書」の発行を受けた者)
・柳澤薫(総2) 36.03点 3位入賞
・永渕真理子(経4) 22.53点 15位
・団体2位入賞
女子Bクラス(※日本スケート連盟バッジテスト5・6級)
・鈴木伶奈(環1) 53.17点 5位入賞
・奥山未季子(環1) 49.22点 8位入賞
・団体優勝
慶大スケート部の仲間たちから大きな声援を受けて、男子Cクラスの廣澤聖士(環3)が先陣を切った。冒頭、アクセルジャンプを何とか着氷。その後はフラメンコに乗って情熱的なステップを刻んでいく。演技後半でも、「いつもミスが出る」と練習で何度も確認していたアクセルジャンプや3連続のコンビネーションジャンプを決めた。流れを途絶えさせることなくフィニッシュまで持ち込んでいったその瞬間、足がもつれて転倒。苦笑いでリンクを後にした。「練習では調子が良かったが、本番では活かせなかった」とまだまだ満足していない。廣澤が理想とする、音楽と「調和」した演技が見られる日が待ち遠しい。
続いて女子Cクラス。「やり残すことなく今日を迎えた」―柳澤薫(総2)は、夏から行ってきた準備が功を奏し、19人中堂々の3位入賞を果たした。序盤からスピードに乗り、演技後半にも疲れを見せず2連続のコンビネーションジャンプを決める。ステップでは、得意とするスケーティングと長い手足を活かしたダイナミックな『火の鳥』を演じきった。それでも「緊張もあり、氷の状態も違ったので、いつも通りの演技ができなかった」と険しい表情を見せる。「さらにスケーティングスキルを磨いて、パーフェクトな演技を毎回試合でもできるように」と意気込んでいた。
柳澤と入れ替わりにリンクへ降り立った永渕真理子(経4)。大学生活最後の今季、インカレの予選も兼ねた今大会に懸ける思いは強かった。しかしその思いは「緊張」となってしまい、コンビネーションジャンプが決まらなかったり、2回転が1回転になったりなどジャンプの失敗が続く。ジャンプ以外では、得意とするスパイラルやレイバックスピンなどの要素を丁寧にこなし、葉加瀬太郎がつくり出す美しい世界観を表現した。次の大会は11月11日の交流戦。「気持ちを切り替えて頑張っていきたい」と雪辱を誓う永渕に期待したい。
そして女子Bクラス。奥山が25名中2番目に滑走した。冒頭の2連続のコンビネーションジャンプを鮮やかに決めて波に乗ると、次々とジャンプを跳んだ。演技後半になっても勢いは衰えず、壮大な音楽に合わせて体を大きく使ったステップを踏み、3連続のコンビネーションジャンプも成功。ポジションのきれいなビールマンスピンでフィニッシュし、8位入賞を果たした。この日の出来は「90点」と自身も納得のようだが、「目標は7級を取ること」であり、目線は上を向いている。さらなる躍進を遂げてくれるだろう。
大会1日目、慶大のトリを飾ったのは鈴木。練習中に何度も挑んでいた冒頭のダブルアクセルを成功させる。2度跳んだコンビネーションジャンプの後者こそクリーンにはならなかったが、演技後半2回転のジャンプを何度も決めた。「目線を下げないで堂々と胸を張ることだけを意識」したストレートラインステップでは、マラゲーニャを大人っぽく表現。5位入賞となり、女子Bクラス団体優勝に大きく貢献した。「もっと点数を上げられるようにジャンプの練習を頑張っていきたい」―歩みを止めぬ慶大のルーキーから目が離せない。
(文:窪山裕美子、写真:伊藤明日香)
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