1月6~8日、宇都宮市スケートセンターで第85回日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)が行われた。大会初日の6日、女子Cクラスで柳澤薫(総2)が準優勝、女子Bクラスで奥山未季子(環1)が第3位に輝いた。また、団体においては、奥山とともに鈴木伶奈(環1)が健闘したため、慶大が見事女子Bクラスで優勝。これは、10月27日に行われた第6回東日本学生フィギュアスケート選手権大会(東インカレ)での優勝に続く快挙である。2013年最初の大会で、慶大スケート部フィギュア部門に明るい光がさした。
男子Cクラス
・廣澤聖士(環3) 34.94点 11位
女子Cクラス
・柳澤薫(総2) 38.30点 準優勝
・団体 4位
女子Bクラス
・奥山未季子(環1) 51.65点 3位入賞
・鈴木伶奈(環1) 50.17点 6位入賞
・団体 優勝
インカレという大舞台に最初に降り立ったのは、男子Cクラスの廣澤聖士(環3)。部員からハイタッチされ、送り出された。序盤はジャンプのミスが続く。しかし、曲がアップテンポに変わったところから、廣澤は「気合いを入れ直」した。演技後半、アクセルジャンプや3連続のコンビネーションジャンプは見事成功。最後のストレートラインステップでは、艶のある情熱的な滑りを見せ、廣澤の個性が光った。「明確な力の差を今回感じた」と語った廣澤は、さらなる上を目指して走り続ける。
続いて女子Cクラス。11月11日の交流戦で優勝した柳澤は、インカレでも頂点を狙って演技に臨む。曲が始まるとすぐ、3連続のコンビネーションジャンプに成功。自分でも「想定外」のジャンプだったが、冒頭から点数を稼いだ。その後も安定した滑りを見せ、美しいスパイラルには自然と拍手が沸いた。課題としていたスピンも「猛特訓」の賜物で成功し、フィニッシュ。だが、2位という最終順位が発表されると、「悔しい」の一言。1位との差は、わずかに0.12点だった。次回は、表彰台の真ん中でもっと輝く柳澤の姿に期待だ。
女子Bクラスの鈴木は、6分間練習からときおり笑顔を見せるなど、リラックスした様子だった。演技が始まると、丁寧で伸び伸びとしたスケーティングを見せる。2連続のコンビネーションジャンプで転倒するシーンもあったが、「最近の試合で跳べなかった3連続のジャンプ」を鮮やかに跳んで高得点を得るなど、収穫もあった。結果、鈴木の力強い演技は、団体優勝という輝かしい成績を導いた。次の大会は1月末に行われる国体だ。あまり時間はないが、さらに進化した鈴木のマラゲーニャが見たい。
演技前から緊張の表情を浮かべていた奥山。2本目のジャンプであるダブルアクセルで転倒してしまう。その後は「できるだけ点数を取れるように」と3連続のコンビネーションジャンプに成功。ジャンプだけでなく、美しくしなやかなスピンやステップで観客を魅了した。フィニッシュでは、前半の転倒のせいか、「自分の思うような完璧な演技ができなくて、ちょっと悔しい」と笑顔は見せず。それでも、奥山は28人中3位入賞を果たして表彰台に上がった。自身が満足できる最高の演技を目指して―。ここから、2013年の新たな闘いが始まる。
(文・写真:窪山裕美子)
廣澤聖士(環3)
(今日の演技を振り返って)前日の公式練習と6分間練習では調子が良かったので、やっぱり最初のアクセルでミスをしてしまったのが全てだったかなと思いました。そこからちょっとだけミスを引きずったんですけど、後半でやっぱり取り返せた分があって、点数的にも出ていたので、順位も満足しています。(後半はどんなことに心がけて立て直したか)良くも悪くも、練習の時からああいうことは結構想定内でした。ちょうど曲が変わって盛り上がるところで、一回気合いを入れ直そうというコンセプトのプログラムなので、頑張りました。あとステップに力を入れて最後まで頑張ろうと思いました。(大きな声援が聞こえていたが)そうですね。最初から先生の生徒さんで応援に来てくれている人が多かったので、その人たちを楽しませるように心がけました。(2013年最初の大会を終えたが、今年の目標は)明確な力の差を今回感じたので、もっと気合いを入れて練習していかなければいけないなと思いました。
柳澤薫(総2)
(2位おめでとうございます。今のお気持ちは)悔しいっていうのがやっぱりありますね。でも今までの練習が出せたので、それは良かったかなと思います。(優勝したいという思いはあったか)はい、ありました。無理ではないとは思っていたので、できるなら自分のベストを出して優勝したいというのはありました。でも、優勝した子(榎下瑛怜菜〈東洋大〉)とはすごく仲が良く、いつも練習とかでも会っているので、いいライバルでこれからも続けられるんじゃないかなと思います。(冒頭、交流戦では挑まなかった3連続ジャンプを跳んだが)3連続のコンビネーションは絶対入れようと思っていましたが、まさか最初に入れるというのは自分でも想定外でした。本当はアクセル-ダブルトウの予定が、1回目でバランスを崩してしまって、次がシングルになってしまったのでもう一つ跳んだ、という3連続でした。だから、挑戦という意味での3連続ではありませんでした。でも、コンビネーションが入ったのは良かったかなと思います。(交流戦では、スピンが課題と言われていたが)スピンはあれ以来猛特訓して、今回は良かったんじゃないかなと思います。でもやっぱり全体的にですけど、質の高いものができるようにこれからも練習したいと思います。(2013年の目標は)やっぱりスケーティングもそうですし、一つ一つ丁寧に質の高いものをできるように練習していきたいと思います。
鈴木伶奈(環1)
(今日の演技を振り返って)最近の試合で跳べなかった3連続のジャンプが入ったのは良かったです。だけど2連続のジャンプで転んじゃったのが予想外で、ちょっとそこでパニックになってしまいました。(転倒後の立て直しについては)あとは落ち着いて冷静になって跳ぼうと思いました。(成長した点は)コンビネーションが入るようになったことが成長したことだと思います。(2013年の目標は)3回転ジャンプとダブルアクセルを完璧にすることです。
奥山未季子(環1)
(今日の演技を振り返って)失敗しちゃったので、自分の思うような完璧な演技ができなくて、ちょっと悔しいです。これをバネにまた練習を頑張っていきたいと思います。(前半のダブルアクセルは転倒したものの、後半は成功させることができたが)転んじゃったのはあまり気にしないで、次のジャンプに集中して、できるだけ点数を取れるように頑張りました。(成長した点は)以前は一つジャンプを失敗すると、次も心が折れて失敗しちゃうことが多かったんですけど、最近はちゃんと立て直して次のジャンプが上手くできるようになったことが成長した点かなと思います。(2013年の目標は)初めて国体に出るのでその国体でフリーまで進むことと、7級を取ることです。
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