慶應スポーツ新聞会

【フィギュアスケート】故郷の威信をかけて―近藤・奥山・鈴木が代々木で舞う! 国民体育大会

代々木に大勢の観客が集まった

代々木に大勢の観客が集まった

1月27~28日、国立代々木競技場第一体育館で第68回国民体育大会冬季大会フィギュア競技成年の部が行われた。各都道府県からの代表者2名が演技を競った今大会には、織田信成(関大大学院)や鈴木明子(邦和スポーツランド)ら、世界屈指のトップスケーターも出場。慶大からは近藤琢哉(商3)が東京都代表、奥山未季子(環1)が茨城県代表、鈴木伶奈(環1)が栃木県代表として選ばれた。男子では、近藤が総合10位となり、今シーズン最後の大会を締めくくった。また女子では、ショートプログラムで奥山が26位、鈴木が27位となり、上位24名が進出できるフリースケーティングには惜しくも進出できず。しかし、初めて国体という大舞台に足を踏み入れた彼女たちは、この経験を糧にさらなる飛躍を遂げてくれるに違いない。 

 

 

演技前、エールをもらう近藤

演技前、エールをもらう近藤

成年男子

・近藤琢哉(商3・東京都)

1月27日:ショートプログラム 52.11点 12位

1月28日:フリースケーティング 106.95点 10位

総合 159.06点 10位

※近藤と2位の中村健人(立教大)の活躍により、東京都は準優勝を果たした。

キス&クライの鈴木と演技直前の奥山 めったに見られないコラボレーション

キス&クライの鈴木と演技直前の奥山

 

成年女子

・奥山未季子(環1・茨城県)

1月27日:ショートプログラム 27.84点 26位

・鈴木伶奈(環1・栃木県)

1月27日:ショートプログラム 27.39点 27位

丁寧な滑りを見せる近藤

丁寧な滑りを見せる近藤

 

近藤は、3週間前のインカレと同じジャンプ構成でショートプログラムに臨んだ。3回転サルコウ‐2回転トウループ、3回転ループを鮮やかに着氷。最後のダブルアクセルも何とかこらえた。演技後半は、銀盤を大きく使って丁寧にステップを刻み、拍手をもらった。今シーズン最後の演技となった『Uncivilized World』。本人は、安定していないルッツジャンプとフリップジャンプを外したため「不本意」な部分もあったというが、他の選手の演技に影を潜めない、近藤の個性が光るプログラムを演じきった。ショートプログラム12位となり、翌日のフリースケーティングに挑むこととなる。

 

渾身のステップを刻む近藤

渾身のステップを刻む近藤

「及第点」―謙虚にそう語ったが、安定した『スラブ行進曲』は今シーズンの締めくくりにふさわしい演技だったのではないだろうか。前半の3回転ジャンプでバランスを崩すなどミスもあったものの、集中力を切らすことなくスピードに乗った演技を披露。後半、豪快なバレエジャンプを見せたステップに会場が沸いた。4分半の疲れを見せずに、ラストの3回転サルコウ‐2回転トウループのコンビネーションジャンプもやってのけた。演技後は、キス&クライで小さくガッツポーズ。結果、ショートプログラムから2つ順位を上げて10位となった。全日本選手権出場を逃し、「悔しさ」があった今シーズン。来シーズンはラストイヤーとなるだけに、近藤にとって最高のシーズンとなることに期待したい。  

 

 

マラゲーニャとは雰囲気の違う、美しいブルーの衣装

マラゲーニャとは雰囲気の違う、美しいブルーの衣装

初出場の国体、代々木のリンク、それに1番滑走。「緊張していて、何をやったか意外と覚えていない」。弾ける笑顔でリンクに飛び出していくことが多い鈴木だが、今大会では胸に手を当て落ち着かせながら、ゆっくりとポジションに向かう姿があった。2回転‐2回転のコンビネーションジャンプはきれいに着氷させたが、試合で初めて挑んだ3回転ジャンプは決まらず。だが美しいスピン、力強く刻んだステップなど、その他の要素をしっかりとこなした。27位となり惜しくもフリースケーティング進出を果たせなかったが、大舞台で堂々の演技。来年の国体では、ショートプログラムとフリースケーティングの両方を舞う鈴木が見たい。

 

 

演技後、リンクを離れる際に観客に深々と頭を下げた

演技後、リンクを離れる際に観客に深々と頭を下げた

 

鈴木と入れ替わりにリンクへ降り立った奥山。鈴木と同様に「すごく緊張した」というが、「学校の方とか友人がたくさん来てくれて声援を送ってくれた」。代々木に響き渡った応援が、奥山を支えた。前半は美しいメロディーに乗って、2回転‐2回転のコンビネーションジャンプとダブルアクセルを見事に成功。曲が重厚に転調した後半でも、2回転ジャンプを鮮やかに決めた。また、柔軟性を活かした奥山のスピンは、国体でもキラリと存在感を放った。結果は26位。フリースケーティング進出にわずか1.06点足りなかったが、「自分なりにいい演技ができた」。その瞳には、大舞台を乗り越えた確かな自信があった。  

 

 

(文:窪山裕美子、写真:櫻井悠平、脇田直樹)

 

 

  近藤琢哉(商3)  

近藤は、技術を基礎から見直している最中だ

近藤は、技術を基礎から見直している最中だ

ショートプログラム後…(今日の演技を振り返って)まだルッツ、フリップが安定していなくて、今回もインカレもサルコウとループという構成でやりました。そこは過渡期とはいえ、不本意ではあります。(明日のフリーに向けて)明日もやっぱりループまででやるという構成で、絶対ミスはできないので、一個一個を大切にしてやっていきます。(ショートプラグラムの振り付けがダンサーのKITEさんということだが、実際に滑ってみて)フィギュアでは今まであまりなかったようなエッセンスを最初に教えてもらいました。そこでやっぱりジャンプを入れたりとかで変わったりもしたんですけど、やっぱり元がちょっと変わった面白い振り付けだったので、面白いかなと思います。(東京都代表として出場した国体は、他の大会と比べて違いはあったか)あまりそこは気にしないようにしています。滑ることは同じで、一生懸命リンクの上でやろうと思っているので、あまり気にしてはいないです。    

演技前、リラックスした表情の近藤

演技前、リラックスした表情の近藤

 

フリースケーティング後…(今日の演技を振り返って)今日は昨日と同じで、ルッツ、フリップを抜いての構成だったんですけど、今練習もやっぱりそこまでしかできていなくて、という中での演技でした。でも、きっちりやれたので結構今の時点では満足しています。(国体の雰囲気は)結構例年だとインカレとかに似てアットホームな感じが多いと思うんですけど、今回はこういう大きな会場なのでそういう緊張感はありました。でも、やっぱりなかなかこういう大きいところでできることはないのですごく楽しかったです。(今シーズンの大会はこれで全て終わったが、来シーズンの目標は)ラストシーズンなので、今まで15年とかやってきたことを無駄にしないような一年にしたいです。いろいろ学校のこととか大変なこともあるんですけど、両立しながらベストを尽くしたいです。(堂々とした演技だったが)東日本選手権のときとかは、メンタルの部分でやっぱり自分に負けちゃったという思いがありました。練習なんかでもちょっと手を抜いたりとか、疲れてくるとどうしてもしたくなるんですけど、そういうのを絶対しないように心掛けました。そういう意味では、練習で積み重ねた自信がすごくあったのでいい演技につながったのかなと思います。2日間を終えて、国体全体を振り返って)やっぱりシーズン最後の試合だったので、全日本に出られなかった悔しさはあるんですけど、やっぱりどうしてもいいかたちで締めくくりたいという思いはありました。そういう意味では及第点ぐらいはできたかなと思います。次につながると思います。(良かった点は)今やっぱりスケーティングとジャンプを重点的にして、フォームを含めて変えていっている最中です。そういう意味で、例えば音があまりしなくなったとか、ジャンプがあまり力を使わないでなるべく技術で跳ぶようになったとか、ちょっとずつかたちになって表れてきたというのを実感しています。(織田信成選手など、トップスケーターと同じ舞台に立って)レベルの差はあるんですけど、一緒の舞台に立てるというのはすごく刺激になります。勉強にもなりますし、たくさんはこういうチャンスはないので、ありがたいと思います。

 

鈴木伶奈(環1)  

演技前、緊張した表情の鈴木

演技前、緊張した表情の鈴木

  今日の演技を振り返って)初めてのこの大きなリンクで滑って、しかも1番滑走ということで緊張していて、何をやったか意外と覚えていないです。(国体ということで他の大会と違ったこと)県の代表者が集まってきているので、全日本並みのレベルの選手が多い中、自分が滑りきれるか不安でした。(ジャンプについて)初めてトリプルジャンプ1個入れたんですけど上手く入らなくて。いつものダブルジャンプは綺麗にできたんですけど、新しく挑戦したジャンプが練習通りにできなかったので残念だなと。(ジャンプ以外は)スピンに関してはいつもより自分の回転数を数えることができたので満足しています。

 

 

 

 

 

 

奥山未季子(環1)

奥山は0.45点鈴木を上回った 来季も切磋琢磨する二人に期待だ

0.45点鈴木を上回った奥山 来季も切磋琢磨する二人に期待

(今日の演技を振り返って)初めての国体で、それも代々木体育館でやるということで、すごく緊張したんですけど、自分なりにいい演技ができたなと思います。(国体と他の大会との違いは)やっぱり有名な選手もすごくたくさん出ているので、その中で戦うには自分のできることを最大限やらないとついていけないんですけど、何とかここまでやってこられたので良かったです。(大きな声援があったが)学校の方とか友人がたくさん来てくれて声援を送ってくれたので、いい演技ができました。(インカレ後、どのような練習を行ってきたか)とにかく自信を持って演技に取り組めるように、何度も何度も曲をかけて、通し演技を重点的にやりました。

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