【バレーボール】ニューヒーローがチームを救い3連勝! 法大戦

ブロックに跳ぶ星谷⑥と佐藤⑰

ブロックに跳ぶ星谷⑥と佐藤⑰

昨日の国士大戦ではストレートで勝利し、2連勝で良い流れに乗っている慶大。今回の相手は今季好調の法大だ。第1セットから本来の力を見せることが出来ず終始苦戦したものの、フルセットの末勝ち点を奪うことが出来た。

4月28日(日)春季関東大学男子1部バレーボールリーグ 第6戦 慶大×法大 @東海大学湘南校舎総合体育館

得点
慶大 セット 法大
20 25
26 24
21 25
25 15
15 10
今季勢いに乗る法大との一戦。第1セット、序盤からワンタッチを繰り返し、益田(政4)や星谷(理4)が確実にスパイクを決めるものの、法大ペースに持っていかれる展開に。サーブのラインジャッジミスや、柳田(環3)とリベロ野瀬(環2)がお見合いしてしまうなど普段起こらないミスも見られ、14-18とリードを許してしまう。さらにこの後ブロックアウトが3本連続で続き、最後は柳田がスパイクとサービスエースで2連続得点するも及ばず、慶大は20-25で第1セットを落とす。

なかなか流れを掴めなかった慶大

なかなか流れを掴めなかった慶大

第2セットも慶大らしさは見られない。いきなり益田と岡田(商4)がサーブレシーブでお見合いすると、柳田がキレのあるバックアタックで悪い流れを断とうとするものの、法大のスパイクに対しレシーブミスを連続で繰り返し、「マークされていた」(宗雲監督)岡田のスパイクはことごとくブロックされ、なかなか普段の姿を取り戻すことが出来ない。しかし11-15となったここでタイムアウトをとると、流れが変わる。稲田(環3)が持ち味のクイックで2連続得点すると、柳田もレフトからのスパイクで2連続得点。この後はスパイクミスが何度も見られる場面もあったが、このセットを落とすと後がなくなる慶大は気持ちで競り勝ち、26-24で第2セットを奪う。

続く第3セット。本来の調子を取り戻した岡田がスパイクを連続で決め、慶大ペースに持っていけるかと思われた。しかしこのセットでも法大のスパイクやブロックに圧倒され、さらにサーブミスやレシーブミスを繰り返し、結局21-25で落としてしまう。

後がなくなった慶大は、新たに佐藤(環2)を第4セットの始めから起用する。この佐藤がチームの流れを変えることとなる。序盤はスパイクミスを何度も繰り返し、「力が入りすぎた」という佐藤もスパイクミスをしてしまう。しかしここでタイムアウトをとり気持ちを落ち着かせると、佐藤が仲間を鼓舞。どこかムードが上がらなかったチームに笑顔が見え始め、雰囲気も明るくなる。すると柳田がここぞとばかりにスパイクを連続で決め、佐藤自身も気迫のこもったスパイクでチームに貢献し、完全に法大の勢いを封じる。最後はブロックで2連続得点し、稲田がクイックを決め、第4セットは25-15の大差で奪う。

苦しみながらもフルセットの末に勝利をおさめた慶大

苦しみながらもフルセットの末に勝利をおさめた

第5セットも勢いは止まらない。法大のスパイクに圧倒される場面もあったものの、第4セット中盤までのようなミスはほとんど見られなかった。ピンチサーバーで出場した吉田(環2)はサービスエースを決め、同じくピンチサーバーとして出場し、公式戦初出場となった池田(環1)も確実にサーブを決め、今後につながる要素もあった。第5セットは15-10で奪いセットカウント3-2で試合終了。フルセットに及ぶ激闘の末、勝利を手にした。

序盤苦戦し「ハラハラした」と宗雲監督も語るものの、なんとか勝ち星を手にした慶大。勝利のキーマンはやはり佐藤だろう。「何をやっているか分からないくらい夢中でした」と語るが、佐藤が声を出すことでチームの雰囲気が変わり、それぞれの選手の表情も変わったことは目に見てとれた。「3月の時から良いムードを持っていた選手だったので、こういうときに使おうと思っていた」(宗雲監督)と、以前から高い評価を受けていた佐藤。今後の活躍も期待される。しかし「自分たちが良い流れになることばかりを考えていた」(宗雲監督)、「劣勢の時にどれだけ自分たちで自分たちを鼓舞していけるかが今後の課題」(岡田)と監督や選手が語るように、悪い流れになった時にチーム全体でどのように盛り上げて流れを変えることが出来るか、というのが今後の課題となった。明日の相手は「正直格上」とエース柳田も恐れる強敵中大。この一戦が優勝を狙うためのカギとなる試合であることは間違いなく、「今週の3連戦が何よりも大事」(岡田)と選手たちも気を引き締める。ただ宗雲監督も語るように、選手たちにはプレッシャーを感じずにのびのびとプレーしてもらいたい。今回のように明るい雰囲気でプレーすることが出来れば、強敵中大にも太刀打ち出来るはずだ。3連勝で波に乗り、リーグ戦後半に臨んで欲しい。

(記事・杉本理沙、写真・西野英樹)

監督・選手コメント

宗雲監督

(今日の試合を振り返って)なかなか調子が上がらない、エンジンがかからない中で、途中出場の佐藤選手が、期待以上のプレーをしてくれたので、非常に嬉しいです。(佐藤選手起用の理由は)1セット目も2セット目もムードが悪く、コートの中も明るくなかったので、唯一はつらつとプレーするのが佐藤選手だったので、3月の時から良いムードを持っていた選手だったので、こういうときに使おうと思っていたんです。だから本当に期待通りの働きをしてくれました。(序盤の不調の原因は)自分たちが準備していたように相手の攻撃が来なかったり、サーブで崩れると思っていたのに崩れなかったり、要するにそれらも想定内のはずだったのに、自分たちが良い流れになることばかりを考えていたんだと思うんですよ。それは、そうでなかった時の心の準備が出来ていなかったのと、柳田選手が最初タイミングがあっていなくて、岡田選手もマークされていたので、切らないといけないところで岡田選手がつかまってしまったというのが序盤の苦戦の原因だと思います。(法大の印象は)雰囲気としては、私が学生の頃から全然変わっていないんですよ。そんなにストイックにやるタイプでもないし、みんなでまったりとやるっていう、昔からそんな雰囲気なんですよ。だからその雰囲気にのまれないようにすることだけを注意はしてたんですけど、序盤はのまれましたね。でも法政は良い選手がいっぱいいますからね。(明日に向けて)苦労しながらも勝ち星が先行してきたので、リーグの前半戦最後となるので、もっともっとのびのびと明るく、今日はなかなか火がつかない、コートもベンチも木炭に火をつけるような、いらいらするような感じだったんですけど、あんまり結果を気にしないでやってほしいですね。もっと力はあるはずなんですけど、自分たちで自分たちにプレッシャーをかけて笑顔もなくなっているので、とにかくバレーは楽しいので、のびのびやってもらいたいと思います。

岡田主将

(今日の試合を振り返って)フルセットにはなりましたが、何よりも負けずに2連勝という形で明日の中大戦に挑めるということが一番大きいですね。また苦しみながらフルセットで勝てたということが必ず自信になるので、今後のリーグ戦に生きる試合だったと思います。(チームの課題は)OBの方からも指摘を受けたんですけど、勝ってる時は良いとして負けてる時とか劣勢の時にどれだけ自分たちで自分たちを鼓舞していけるか、声を掛け合って勢いを落とさずに相手に向かえるかが今後の課題なのかなと思います。(明日の試合へ向けて)今週の3連戦が何よりも大事になると思うので、明日を勝って3連勝でリーグ後半に臨めたらなと思います。

柳田選手

(今日の試合を振り返って)自分自身の出来はあまり良くなかったんですけど、チームのみんなが支えてくれたのでこういう勝ちに繋がったと思います。(地力では上回っているが流れに乗りきれなかった要因は)僕たちの持っているものはみんな高いんですけど、まだあまり噛み合っていないということです。それでも勝てたということが一番大きいかなと思うので、それは今日のバレーということで忘れて明日また自分たちのバレーが出来るようにしたいです。(明日の試合に向けて)正直格上の相手なので、あまり考えずとにかく自分たちのバレーをしてぶつかっていけたらと思います。

佐藤選手

(今日の試合を振り返って)何をやっているか分からないくらい夢中でしたが、勝てて良かったです。(法大の印象は)高校時代からキャリアがある人がいっぱいで、すごいチームだと思っていました。慶應とは違う雰囲気でやってくるので、その雰囲気にのまれないように自分が声を出していこうと思っていました。(どのような気持ちでプレーしたか)いくぞと言われた時はとても緊張していて、どうしようという感じだったんですけど、入ったら勝負事なので切り替えられました。(課題は)最初に力が入りすぎてスパイクミスをしたり、落ち着きのないプレーがたくさんあったので、それはチームに不安を与えるので、最初から落ち着いてプレーしたいです。(明日に向けて)ここで3連勝して大阪にいけるように頑張りたいと思います。

サイド 柳田将洋(環3・東洋高)
セッター 野口剛志郎(環3・東福岡高)
センター 星谷健太朗(理4・渋谷幕張高)
サイド 岡田拓巳(商4・熊谷高)
サイド 益田万太郎(政4・慶應高)
センター 稲田聡典(環3・日向学院高)
リベロ 野瀬将平(環2・東福岡高)
途中出場  丸谷将大(環3・東筑高)
佐藤凜太郎(環2・東北高)
上田悠貴(総2・生野高)
吉田純(環2・東亜学園高)
池田裕哉(環1・北嵯峨高)


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