【バスケ】京王電鉄杯終戦。課題を残してリーグ戦を迎える。 京王電鉄杯3日目

 

ゴール下で強さを発揮した黒木。

ゴール下で強さを発揮した黒木。

 

 

京王電鉄杯最終日。グループステージで最下位に沈んだ慶大は、第1試合で東大と相対した。全敗でトヨタ府中スポーツセンターを後にすることだけは避けたい慶大は、前日と同じスタメンをコートへと送り出すことに。勝って当たり前であるこの試合では、若い力と上級生とが上手くマッチし確実に勝利を収めることに成功。最後の最後でようやく白星を手にし、本大会を昨季と同じ9位で終える結果となった。

2013/4/29(祝)@トヨタ府中スポーツセンター
第29回京王電鉄杯   3日目 vs東大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 26 27 24 27 104
専大 11 16 12 14 53
慶大スターティングメンバー
  選手名(#背番号・学部・学年・出身校)
PG #19 福元直人(環2・福大大濠高)
SG #4 蛯名涼(法4・洛南高)
SF #10 矢嶋瞭(総4・福大大濠高)
PF #11 権田隆人(政3・慶應高)
C #7 本橋祐典(環4・佼成学園高)

「スコアラーとしての自覚を持ってやりたい」と語る真木。

「スコアラーとしての自覚を持ってやりたい」と語る真木。

2日間で勝ち星を得ることが出来なかった慶大が最終日に迎えた相手は、逆ブロックで同じく最下位に終わっていた東大。地力で圧倒的に上回る相手だけに、内容・結果共に圧倒して京王電鉄杯を締めくくりたい慶大だったが、1Qでは点差こそ離れたものの内容が伴わない。立ち上がりは、高さでアドバンテージを得ている本橋がゴール下で加点。開始3分で7得点とチームを牽引する。中盤には東大のミスを見逃さず、慶大らしい速攻を立て続けに3本出すことに成功するなど、試合開始後4分間のランスコアは15-2。このまま東大を大きく引き離して行くかに思われた。だが、自分達のミスから失点し流れを手放すと、以降は思った以上に点差が離れて行かない停滞した展開に。個の能力で勝っている為、リバウンドやファウルを獲得してからの得点で点数こそ重ねたが、だからこそ単純なミスが目立ってしまっていた1Q。26-11と得点版上では圧倒しているように見えたものの、今一つの内容のまま2Qへ。大元のジャンプシュートから始まった2Qも、1Qからどことなく漂う嫌なムードを払拭しきれず。途中出場の山崎哲(環2・秋田高)が安定したディフェンスリバウンドを見せ、ようやくディフェンスからオフェンスの切り替えがスムーズに行えるようになるも、得意のブレイクは出ず。矢嶋のフラッシュから大元孝文(環2・洛南高)→山崎哲と繋がりゴール下が決まるなど、良い崩しも見られたが、これを継続することが出来ず。真木達(環2・國學院久我山高)も得意のジャンプシュートやカットインから得点を挙げるなど活躍を見せたが、良くないチーム状況を根本から変えるには至らず。53-27とリードは広げたものの、未だ納得がいくパフォーマンスは見せられないまま、前半を終える。

慶大のユニフォームに初めて袖を通した西戸。堂々のデビュー戦となった。

慶大のユニフォームに初めて袖を通した西戸。堂々のデビュー戦となった。

迎えた第3Q、慶大デビューを飾ったルーキーが、やや停滞気味の展開に風を吹き込む。京都の名門・洛南高から今年入学した西戸良(総1・洛南高)だ。初めて慶大のユニフォームに袖を通してコートに足を踏み入れた1年生が、新入生らしいハツラツとしたプレーを披露した。速攻から慶大での初得点を決めると、スティールから福元のレイアップをお膳立て。このQでは4分程度の出場時間となったが、堂々の活躍を見せる。1年生の活躍を見て黙っている訳には行かない上級生も奮起。本橋、蛯名がゴール下で連続得点を奪うと、真木や黒木亮(環2・延岡学園高)も各々の持ち味を発揮して加点。77-39とその差を確かなものにし、最終Qへと突入する。頭からメンバーを落として迎えた最終4Q。その出だしでは東大にイニシアティブを取られるものの、平石健斗(環4・慶應高)がその流れを打破する。スティールからレイアップを沈めると、その直後のプレーでも再び相手のパスをカット。ワンマン速攻に出ようとする平石を、東大側は堪らずにファールで止めてしまうが、これがアンスポーツマンライクファールに。獲得したフリースローも2本とも沈めると、更に4得点を1人で奪う活躍を見せた平石。僅か2分の間に8連続得点と奮闘し、完全に慶大に流れを引き寄せる。この平石の活躍で一気に押せ押せムードとなった慶大は、2度目の投入となった西戸が、持ち味と語る「速攻やドライブでのスピード」(西戸)を活かしてシュートを決めていく。終盤には黒木が、高さと強さ、そして上手さで東大を圧倒し、このQで貫禄の11得点。立ち上がりこそ不安定だったものの、最後はしっかりと締めて104-53。勝利を収めた。

最終日は勝利で終えることが出来た慶大。しかし、今大会は総じて納得の行く結果と内容では無かった。課題としていたディフェンスでは、要所で相手を抑えることは出来ていたものの、それを40分間継続することは出来ず。自分達よりも格上のチーム相手に、現時点での力の差を見せ付けられる試合展開となってしまった。だが、1つのきっかけには出来た」(佐々木HC)という言葉通り、普段は中々出来ない強豪との対戦により、この大会が自分達がもう1回り成長する為の試合となったことも確かだ。また、チームが浮上する為の鍵は最上級生である4年生の奮起であることも再確認出来た。蛯名・矢嶋・本橋の3本柱がちゃんとすれば上手く行く」(佐々木HC)ことは間違いない。実力は折り紙つきである彼らの更なる活躍が待たれるところだ。5月に入ってからは、関東トーナメント、早慶戦、新人戦と負けられない大会が続く慶大。最終調整の機会だったこの大会で得た課題と収穫を胸に、この悔しさを是が非でも先の大会で晴らして欲しい。

(記事: 大地一輝)

佐々木HC

目標にしていたことが(大会を通して)全然出来なかったので、最後負けなくてよかったですね。(大会を通しての反省点)ディフェンスの反省点がちょっとあったので、それをこの春はずっと練習して来たつもりなので。ある面では良かったけど、それを継続出来ないというのは、まだ力になっていないということですし。それから、ディフェンスの連携の練習をまだ行っていないので、トーナメントまで時間は無いですけれども、早慶戦までにもう少しディフェンスの方に修正を加えようと思っています。(収獲は)ディフェンスの面について、何回か僕の言ってることが体感出来たと思うので、それをもうちょっとシステム化して、チームディフェンスとしてやれるようにする、1つのきっかけには出来たかなと。それから、蛯名・矢嶋・本橋が、ファールが混んで来ると上手く回らないっていうことが自覚出来ただろうと思うので。4年生が1週間でどれだけ修正出来るかというか…3本柱がちゃんとすれば上手く行くのではないかというのが、チームとしてハッキリとしたのではないかと思うので。それが収獲ですね。(トーナメントで当たる東海大への対策は)今変えているディフェンスをやることです。それと、1日目の試合前に言ったんですけど、強いところとやるには脅威的なシュート確率が無いと勝てませんよと。ディフェンスを頑張りましょうというのはあるんだけど、ディフェンスを頑張ってというところでは相当力の差があるので、それよりかはマグレシュートが入って行かないと。そのマグレシュートを積み重ねて行くことで相手のリズムが壊れて、こっちのディフェンスが機能するということだと思うので。それは大分説明したんですけど、そこらへんが5試合の中でちょっと見えたり見えなかったり、ということがあるので。中々チームをどっちの方向に持って行くかっていうのは、上手く行かないですね。もう1つは、けが人をゼロにしたいというのはあったんですけど、試合直前でスターターが壊れちゃったり、控えで頑張ってた選手が突然来れないとか。弱いとトラブルばっかりがあるんですよね。なので、けがには気を付けて欲しいです。

[F] 真木達(環2・國學院久我山高)

もっと攻め気を持たないといけません。スコアラーとしての意識、得点を取る意識を持ってやらないといけないと思いました。(京王電鉄杯を振り返って)強いチームに対してもっとガツガツとプレーして、チャレンジしないといけないと思いました。強い相手だと自分の持ち味を発揮できていない気がしました。(ご自身の調子について)もう少しできると思うんですけど、けがして抜けたりしてたので、これからですね。向上心を持ってやっていきたいです。(電鉄杯までの調整について)普通に練習に参加してました。スタメンの相手をさせてもらったり、ちょこちょこAチームに入れてもらったりしてました。(トーナメントに向けて)出たらとりあえず得点を取ることだけを考えます。バスケットにおいて得点を取ることは一番必要ですし、常に挑戦しないといけないです。これから3年間スコアラーとしての自覚を持ってやりたいです。今は大元くんに頼ってしまっていて、彼すごいんで、ちょっと負けられないですよね(笑)ライバルがいるということはいい刺激です。矢嶋さんもいますし。今は勉強中ですね。

[G] 西戸良(総1・洛南高)

まだ大学の試合に慣れてない感じがして、自分のプレーが出来てないんで。少ない出場時間を貰った時は、自分の持ち味の攻め気だったり1年生らしいプレーをやって、経験を積んで行けたらなと思っています。(慶大を選んだ理由は)僕が高校1年生の時に3年生の時に伊藤さんがいて、プレースタイルとかを見て憧れていたのがあったことが初めなんですけど。それだけじゃなくて、文武両道だったり、スターがいなくてもチームとして戦って勝とうっていう、意識の高さに惹かれて選びました。(実際に入ってどう感じているか)今日の試合結果を見ても、今の段階ではあまり勝ちに結び付いていないんですけど、今年は選手も揃ってて1部に上がるチャンスだと思っているので、僕も少しずつ貢献出来る様に頑張りたいと思います。(自分の持ち味)自分では、速攻やドライブでのスピードを活かしたいと思っているんで。高校と大学では違うと思うんで、トレーニングも含めて、これからまた磨いて行きたいと思います。(今後の目標)今日シュートが入らなかったんで、得点力をもっと付けてたいです。東大戦はBチーム戦みたいになってしまったんで、スタメンの人達に代わって試合に出られる様な存在に頑張りたいと思います。

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