【ソッカー男子】第5節 2度のビハインドを追いつき初の勝ち点1  明大戦

連休のさわやかな晴れ空の中、江戸川区陸上競技場で関東大学サッカー1部リーグ第5節が行われた。開幕4連敗中で最下位の慶大は4節終了時点で4位につける明大と対戦した。試合は立ち上がりの失点を喫するも、2度のビハインドを追いつき2-2の引き分け。第5節にして初の勝ち点1を得ることできた。

第87回関東大学サッカーリーグ戦 第5節

2013/5/3(金)13:50KO@江戸川区陸上競技馬

慶應義塾大学 2-2 明治大学

【得点者(アシスト者)】

〔慶〕=12分 端山豪 、65分 山田融  〔明〕=5分 矢田旭 、46分 三橋隼斗(八塚利朗)

◇慶大スターティングメンバー

GK 福本晋也(商4・暁星高)
DF 溝渕雄志(環1・流通経済大学付属柏校)
DF 松下純土(総4・國學院久我山高)
DF 保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)
DF 飯高颯生 (環2・大宮アルディージャユース)
MF 山内浩道(政3・国学院久我山高)→82分 望月大知(環1・静岡学園高)
MF 増田湧介(環3・清水東高)
MF 武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)→88分 川田悠介(環3・桐蔭学園高)
MF 淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)
MF 磨見朋樹(文3・横浜FCユース)→63分 山田融(総2・横浜F・Mユース)
FW 端山豪(総2・東京Vユース)

今季初出場の端山。端山が攻撃の起点となり多くのチャンスが生まれていた

今季初出場の端山。端山が攻撃の起点となり多くのチャンスが生まれていた

前節に引き続き、GKに福本(商4・暁星高)、ボランチに山内(政3・国学院久我山高)、さらに今季リーグ戦初出場となるMF淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)とFW端山豪(総2・東京Vユース)が先発に名を連ねた。試合は開始早々の5分に動く。PA内でクリアしきれず、こぼれたボールを明大の矢田に決められてしまい、慶大は今節も早々と失点を喫してしまう。嫌な空気が漂う中、今節、FWに入った端山がそれを断ち切る。12分、淡野が落としたボールの処理にPA内で明大選手がもたついたところを見逃さず、つま先でゴールにねじ込む。端山のゴールで同点とした慶大。勢いそのままに追加点を狙いたいところであったが、一進一退の攻防が続き、なかなか試合の主導権を握れないでいた。そんな中、32分に端山、淡野と繋ぎ、最後はフリーとなった増田湧介(環3・清水東高)が絶好機を迎えシュートするも、枠を外してしまう。この時間帯から端山、淡野を攻撃の中心として慶大は試合の主導権を握る。35分には増田が絶好の位置でファウルを受けこのFKを端山が蹴るも壁に当たってしまう。前半終了まで試合を支配していた慶大だったが、追加点を決めきれず、1-1のままハーフタイムに突入した。

前節に引き続き増田とボランチを組んだ山内

前節に引き続き増田とボランチを組んだ山内

迎えた後半。前半の流れそのままに逆転を狙いたいところであったが、またも後半立ち上がり46分にサイドを崩され失点。再び1点ビハインドの状況に。開幕5連敗だけは何としても避けたい慶大は、63分に磨見朋樹(文3=横浜FCユース)に代えて山田融(総2=横浜F・Mユース)を投入。すると、その山田が交代直後に結果を出してみせる。65分、武藤嘉紀(経3=FC東京U-18)がドリブルで持ち込み、強烈なミドルシュートを放つ。これは惜しくもクロスバーに弾かれるが、「本当にラッキー」(山田)とボールはそこに詰めていた山田のもとに。そのままゴールに押し込み2-2の同点。再び試合を振り出しに戻す。逆転ゴールを狙う慶大、70分には端山が左のコーナーフラッグ付近で見事にボールを奪い、そのままPA内に持ち込んでいくが、相手DFに倒される。PKかと思われたが、ここは笛は鳴らず。82分、慶大は山内に代えてDFの望月大知(環1=静岡学園高)を投入し、松下純土主将(総4=國學院久我山高)をボランチに上げて逆転を狙う。だが、終盤は明大の分厚い攻撃にさらされるも、GKの福本を中心にDF陣が体を張ってゴールは割らせない。両チーム追加点を奪えず、2-2のまま試合終了。慶大は今季初となる勝ち点1を得た。 「内容的にも我々の目指しているサッカーができた」(須田監督)と充実したゲームとなった今節。今季では初となる2得点をあげることもできた。また、端山、淡野といった今季初出場の選手たちの活躍もあり、収穫も得られたゲームであった。だが、前節に引き続いての立ち上がりの失点もあり、勝ち点3をあげることはできなかった。これから浮上していくためにも「チームとしてもっと意識を深めて」(増田)いき、悪い時間帯での失点を減らしていかなければならない。次節は中1日のハードスケジュールの中、国士館大戦。最下位脱出のためにも「チーム一つになって」(須田監督)戦い、勝利をあげたいところだ。

(記事:櫻井 悠平 )

以下監督・選手コメント

須田監督

(今日の試合を振り返って)2回ビハインドという形になったんだけど、よく追いついて。内容的にも我々の目指しているサッカーができたので、いいゲームだったと思います。(今季初の勝ち点を得ましたが)そうですね。(勝ち点が)0では何も始まらないから。勝ち点1を取ったということで、今度のゲームがこれをきっかけにチームが上昇すればいいかなと思います。次のゲームが大切だと思うので、2日後にあるのでしっかりと準備をして。今日みたいなゲームをやればたぶん勝ち点は積み上がっていくのではないかと思います。(得点シーンを振り返って)(1点目に関して)あれは狙い通り前の選手のアクションが多くなって、スペースに入ったところ、彼(端山選手)が押し込んでという感じですし、2点目は武藤も中に入ってシュート。それをしっかりとあそこに詰めていたというのがね。山田も今、すごく調子が良かったのでね。まあでも失点の時間帯があまりにも悪すぎる。これはもう何もしないで0-1で、そういう状況から始まるのは非常に苦しい。特に(2失点目は)後半立ち上がり30秒だから。(明大の)ちょうど代わったばかりで入った選手を気を付けようというときにあれだけフリーにさせるというのはもったいない。やっぱり集中力が足りないとしか言いようがないと思います。 (次節に向けて一言)今日みたいなゲームを勝っても負けてもやりたい。そのためにまた中1日しかないのでね、戦術的な部分というよりかはコンディショニングのところをしっかり整えて。我々はもうチーム全体で戦う、チーム一つになって戦うのが慶應の伝統なので、そういったチームのために戦おうという思いを持って全員で戦っていきたいと思います。

DF 松下純土主将(総4=國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)90分を通していいゲームだったんですけど、やっぱり前半の立ち上がりと後半の立ち上がりに失点してしまったという意味ではちょっと締まりの足りないゲームでした。ただ、その2回のビハインドを追いついたというのは収穫かなと思います。(今季初の勝ち点となりましたが)そうですね。勝ち点3が欲しかったんですけど1ということで、ほっとはしていないんですけど。ただ、ずっとこの4試合負けていて勝ち点0という中で勝ち点が出たというのはここから上昇気流に乗るではないですけど、ここから上がっていくいいきっかけになればいいと思います。(序盤での失点を改善するためには)

そうですね。集中してないわけではないんですけど。5試合やって立ち上がりの失点が多いので、逆に気にしてはいるんですけど、どうしても改善できていないのでやっぱりもう1個締まりという部分で、例えば前半であったらアップからもっと試合に入る気持ちで臨まなくてはいけないですし、ハーフタイムでも気が緩んでいる部分もやっぱりあると思うので、技術面というよりは気持ちだと思っているので、そこは主将として働きかけていけたらなと思います。(次節に向けて)ようやく勝ち点1が取れたんですけど、ここでほっとしないでまた2日後にも試合があるので、気持ちを切り替えて明日1日準備してまた試合に臨みたいと思います。

MF 増田湧介副将(環3=清水東高)

(今日の試合を振り返って)完全に負け試合で、二回もビハインドの状況だったのですが、粘り強く追いついて最後引き分けで勝ち点1をとれたっていうことは非常に大きいかなと思います。(初めて勝ち点を取れたことについて)何としてでも勝ち点がほしかったので、チームのために戦うことを第一に考えて今日プレーして、勝ちきることはできなかったですけれど、次からどう盛り返せるかが大事になってくると思います。(2回追いつくという試合展開だったが)いろんな人の思いを背負って自分たちはプレーしていて、ビハインドの中であきらめたら、その人たちに失礼だなということをチーム全員が共通に持って、底力を出せた結果が今日の結果だと思います。(1.2点とも早い時間帯での失点だったが)前節もそうですし、立ち上がりの失点が多かったので、そこは全員でケアしていたのですが、結果として前後半とも立ち上がりの失点ということになってしまったので、チームとしてもっと意識を深めていかないといけないと思いました。(次節に向けて)勝ち点1をとることはできたのですが、最下位であることには変わりありませんし、ここで盛り返すか、また負けてしまうかは自分たちの力量だと思うので、ここでもう一回踏ん張って、明後日の試合しっかり臨んで勝ち点3を取りたいと思います。

GK 福本晋也(4=暁星高)

(今日の試合を振り返って)4連敗していて、なんとしてもまず勝ち点1でも良いから得るという中でやっていて、勝ち点3をあげられなかったのは残念ですが、最低限のことはやってようやくスタートラインに立てたというのが正直な気持ちです。(後半押し込まれた中で1失点に抑えられたことについては)ピッチに立っている選手はもちろんですが、ベンチやスタンドの選手含めて、皆がこの試合に懸けてきた1週間の取り組みが出たと思います。(チーム全体の雰囲気を1番後ろから見ていて感じたことは)今までの4試合と比べて本当にやらなくてはいけないという危機感があって、今さら出ていては遅いと思うのですが、この一戦に懸ける気持ちが違ったとは思います。(連敗が止まって勝ち点が取れたことは)ほっとしているのが正直なところですが、また2日後に試合があって、今日負けていたら2日後もまた重い雰囲気が出ると思うので、その点では良かったと思います。自分が試合に出ているのも4年生として責任感の部分でチームを何とかしなくてはいけないということで出させてもらっていると思っているので、その責任は果たせたと思います。(次の試合に向けて)個人としてもチームとしても良い方向になっているとは思うので、勝ち点1だけじゃなくて勝ち点3を取って、昨年みたいにここから残留争いをするのではなくて、インカレとその先の日本一というのをまだ全然諦めていないので、それに向けて良い足がかりとなるような一戦になれば良いなと思っています。

MF 武藤嘉紀(経3=FC東京U-18)

(今日の試合を振り返って)開始してすぐ失点してしまいました。立ち上がりの失点はチームのムードを悪くしてしまうので、勝利するためには立ち上がりの失点を防がないといけないです。しかし、2失点してもしっかり返せたのは成長したと思います。(今日の試合に向けての意気込み)今日はチームのために戦うと決めていたので、勝ち点をとれて良かったです。(自身のプレーを振り返って)パスとかが最初出来ていませんでしたが、徐々にパスとかドリブルがきちんと出来るようになり、2点目に貢献できたので良かったです。(ミドルシュートがよく決まるが)自分としてもシュートに自信を持っていますし、前が空いたらどんどんうっていきたいです。練習後のシュート練習などの日々の積み重ねがでてきました。(明大について)FC東京ユースで一緒だった三浦には負けたくなかったです。試合前から1点決めたいと思っていました。結果的に得点はできませんでしたが、チームとして2点、勝ち点1をとれたので良かったです。(今後に向けて)ようやく勝ち点がとれたので、このまま上を向いてインカレ圏内にいきたいです。

MF 淡野晋一(文3=横河武蔵野FCユース)

(今日の試合を振り返って)今回初めて起用してもらったということで、須田監督だったり社会人スタッフに対して使ってくれたことに対する感謝とその期待に応えたいという気持ちで望んだんですけど、できた部分もありましたけどまだまだやれたという部分もあったというのが正直な感想です。(端山選手とのコンビネーションはどうだったか)自分はトップ下で、(端山)豪とは普段の試合から一緒にやることも多いので、大体どこにいるかとかは分かってたんですけど、今日はコンビネーションで崩す場面は前半途中に1回あったくらいなので、もっと出来るようにしたいです。(監督からの指示は)相手と相手の間でボールを受けて少ないタッチでリズムを作れという指示を受けて、試合に出してもらいました。(今日の課題は)間で受ける回数がまだ少なかったので、自分がリズムを作れなかったというのと、受けた後にトラップミスだったり判断ミスでボールを失うことが多かったので、そこで自分が攻撃の妨げになってしまったなと思います。(次節へ向けて)明後日また自分が出場するか分かりませんが、出場したら今日みたいにベースの部分はしっかりやって、前を向いたときの自分の良さというのを出していきたいです。

DF保田隆介(法3=横浜F・マリノスユース)

(今日の試合への意気込み) 連敗を止めるという意識はもちろんありましたが、メンバーもけっこう変わっていたし、自分たちがどういうサッカーをしたいのか、どういうゲームをしたいのか、そしてまず自分たちのサッカーをやりきるかということとあとはどんな状況になってもチーム一丸となって戦い抜くというまずはそこしか考えていなくて、結果は始まる前の時点ではそんなに強く意識してはいませんでした。(今日の試合を振り返って)失点の部分に関しては立ち上がりの2点があまり減らないなと感じましたが、さっきも言っていたように失点しても自分たちのサッカーをやりきるってことを考えていたので、失点に下向くことなくできたというのは収穫ですけど、でもそこの失点がなければもっと楽にゲームを運べたと思うので、そこは本当にディフェンスラインだけでなくチーム全員でしっかりしていきたいです。(相手(明治)の印象はどうだったか)とにかく前からプレッシャーが来て、アグレッシブにどんどん前に人数をかけてくるチームだなというイメージがあり、ディフェンスラインとしてもすごく嫌なチームだなと思い、どんどん裏に出てくるし、ボールを持ったらプレッシャーをかけてくるという感じなので、とにかく嫌なチームだなという印象です。(チームのディフェンスはどうだったか)最後の10分くらいは本当に厳しかったんですが、その前はうまく守れ、自分たちで主導権を握ってサッカーをできました。ちょっと明治のほうが1点リードしてペースを落としたという感じを受けたので、最後の10分で明治が本気で点を取りに来た時に、防戦一方になってしまったというのは、仮に守れたとしてもいい状況ではないですね。相手が前がかりになったときに逆に押し返すことができないといいディフェンスにはなっていかないと思っていて、けっこうずるずる引いてしまったこともあったし、サイドもかなりクロスまで持っていかれた部分もあったので、そこは二失点でよくおさまったという意識でチームとしてのディフェンスはもっとやらなければいけないなと思います。(今後の試合への意気込み)次の試合は本当に大事になってくると思っていて、今日の勝ち点1というのを生かすも殺すも次の試合だと思います。本当にここから一戦一戦を結果にこだわるのは僕はよくないと思っていますが、とにかく簡単に引き下がらず、最後まで戦い抜くということだけを意識してチーム一丸となって頑張ります。

FW 端山豪(総2=東京Vユース)

(今日の試合を振り返って)開幕から4試合で勝ち点が取れない中で、試合以外の部分でもチーム全体でもがいて今日の試合にぶつけようという形だったので、勝ち点3は取れなかったですけど、勝ち点1が取れたという部分で大きい一歩だと思います。(得点シーンを振り返って)あんまりゴール前の嗅覚があるタイプではないですけど、普段中盤だったら見る映像も中盤の選手のものですが、フォワードをやらせてもらっている上では、ゴール前の映像やストライカーっぽい映像を見たりして、与えられたポジションで100%役割を果たせるように意識していて、ゴール前であそこにこぼれてきて、転がしたら入りました。(約半年ぶりのリーグ戦出場だったが)昨年の後期の最後の2試合に出させてもらって、リーグのレベルをある程度理解することが出来て、その上で自分の意識とか準備とかが足りなくて開幕から自分のスタートダッシュをきることが出来ませんでした。ずっと試合に出られずチームに迷惑をかけていたのですけど、結果として今日こういう形で試合に出させてもらって、そのチャンスを勝ち点1でしたが勝ち点を取ることにつながるプレーが出来て良かったと思います。(次の試合に向けて)今日は勝ち点1だったのですが、今まで勝ち点が取れなかった中で勝ち点3を積み上げていくことが本当に重要だと思うので、次の試合は死ぬ気で勝ち点3をチームで取りにいきたいと思います。

MF 山田融 (総2・横浜Fマリノスユース)

(今日の試合を振り返って)途中から出て、監督からは自分のプレーをしてこいと言われて送り出されたので、点を取れたのは本当にラッキーでした。もっとリズムを作っていけたらと思って試合に出て、ある程度できたんですけど、勝ちきれなかったので勝ちきりたかったですね。(今季初出場だったが)今までトップの一個下のアカデミーという新たにできたカテゴリーでプレーしていて、そこではボールを持ってない時の動きを結構やっていました。そういう面では今日活かせたのかな、それを活かせて落ち着いたプレーができたかなと思います。去年1回出たんですけど、それとは全然違って落ち着いてプレーできたので良かったと思います。(ゴールを決めたことは今後につながるか)そうですね。やっぱりチームとしても勝ち点0という場面で負けていたので、こぼれ球だったんですけど1点取れて、これからチーム全体としても上向きになれればと思います。(今季初めて勝ち点1を獲得したことについて)チーム状況もあまり良くなくて厳しかったんですけど、ここから上向きにしたいです。次の試合は明後日ですけど、しっかり休んで準備して、勝ち点3取れればと思います。

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