【バスケ】主将躍動!強さ見せつけ7連勝 vs国士館大

 

強靭な体を活かしたドライブから、多くの得点を生み出した主将の蛯名。

強靭な体を活かしたドライブから、多くの得点を生み出した主将の蛯名。

リーグ戦4週目を開幕からの6連勝で迎えた慶大。チームの目標として掲げる1部昇格を遂げるためにも、目の前の一戦で確実に勝利を収めたい。対するは昨年2戦2敗を喫している国士館大だ。1Q中盤から慶大のペースに持ち込むと2Qでリードを広げた。続く3Qでは苦しい場面もあったものの、逆転を許すことなく見事7連勝を決めた。流れが相手に傾きかけた際に点を入れて引き戻したり、終始粘り強いディフェンスを行うなど、慶大の良さを出して得た勝利となった。

2013/09/21(土) @東洋大学総合スポーツセンター
第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 7日目   vs国士館大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 17 26 21 20 84
国士館大 17 15 23 13 68
慶大スターティングメンバー◆
PG #21 西戸良(総1・洛南高)
SG #16 伊藤良太(環3・洛南高)
SF #14 大元孝文(環2・洛南高)
SF #4 蛯名涼(法4・洛南高)
C #23 黒木亮(環2・延岡学園高)
主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆
#16 伊藤良太:27得点

#23 黒木亮:18得点

#4 蛯名涼:13得点、9アシスト

蛯名のアシストから得点を量産した黒木は、この日18得点。

蛯名のアシストから得点を量産した黒木は、この日18得点。

7連勝をかけて臨んだ試合は、いきなり0-5と国士館大のリードを許すスタートとなり、相手に主導権を掴みかけられてしまう。しかしそこで大元が落ち着いてシュートを決め、流れを相手に明け渡すことなく、得点の口火を切る。その後、伊藤がスティールからシュートを決めると、鍛え抜かれたフィジカルを武器にドライブを仕掛ける主将の蛯名から、インサイドの黒木へのアシストが3度決まるなど、中盤からは息の合った攻撃を見せる。序盤こそ不穏な空気が流れていたものの、それを見事に断ち切って17-17の同点で1Qを終えた。2Q序盤も一進一退でお互いに譲らない展開となったが、残り6分に24-24の同点から大元が得意の3ポイントを決めると、慶大が試合のリズムを自らのものにした。伊藤の2本の3ポイントや「相手を抑えたディフェンスが勝因だった」と語る蛯名のブロック、スティールからの速攻などの身体を張ったプレーが光る。その結果、攻守が噛み合った慶大が2Qで11点のリードを奪って、43-32で後半に臨むこととなった。

現在得点ランキング2位の伊藤。名実共にチームのエースだ。

現在得点ランキング2位の伊藤。名実共にチームのエースだ。

3Q序盤、相手のキャッチミスから矢嶋瞭(総4・福大大濠高)が3ポイントを決めれば、同様にオーバータイムから速攻で権田隆人(政3・慶應高)がレイアップを決める。相手のミスを着実に点につなげ、リードを15点まで広げた。しかし、その直後の中盤の2分間で、リバウンドを取り攻めるもシュートを決めきれない中、8点を連続して奪われ、一時失速。ここで「苦しい時に得点を取るということはずっと意識していた」という伊藤がフリースローを落ち着いて入れて重くなりかけた空気をリセット。さらに伊藤はこの試合3本目となる3ポイントを決め、手から離れかけた流れを徐々にたぐりよせる。この伊藤の活躍により、慶大はリードを保ったまま最終Qを迎えた。中と外をバランスよく使った攻撃で大元の3ポイントが決まり、好調な出だしを見せた4Q。ところが開始1分で、体格で勝る国士館大の選手たちにも果敢に向かっていきリズムをつくっていた蛯名が4度目のファウルを取られ、一旦ベンチへと下がる。そうした中でも慶大は一度掴んだ流れを失わなかった。佐々木HCも「よく動いた」と評価する西戸のディフェンスや、吉川治瑛(環3・世田谷学園高)の当たり負けしない積極的なプレー。得点奪取の手を緩めない伊藤・大元・黒木、そして残り4秒にドリブルからシュートを決めた権田の攻撃力。こうしたチームの総合力で国士館大を寄せ付けず、84-68で開幕7連勝を決めた。

一昨年に2部降格が決まり、昨年は3部との入れ替え戦になんとか勝利しての2部残留決定という苦しいシーズンを過ごしてきた慶大。しかし、その経験を無駄にはしない。「克服した課題を試合で再現できるかという所で、去年からずっとできてないなと言っていた所ができ始めて」(蛯名)いること、「自分たちのバスケをもっとしっかり去年以上にやらないといけないっていう自覚」(黒木)があったことなど、去年の経験から修正すべき点を見つけ出しては課題とし、克服してきたからこそいまこの現在がある。そして、「今日の試合の中で反省点も多かったので、それを調整して明日に繋げていきたい」と伊藤が語るように、白星を着実に積み重ねている今期からも改善点を見つけ出し、慢心を許さぬ姿勢は今後の試合にも大いに期待を持たせてくれる。2009年以来となる8連勝へ、そして1部昇格へ。捲土重来、実りの秋は深まる。

(記事: 桑原楓)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

蛯名のリバウンド、それと伊藤の安定感ですね。試合を通してディフェンスがよかったがディフェンスは重きをおいて練習してるので。まだ真ん中を破られているケースがありますが、それを出ないようにしないといけないです。点差が開いてもオールコートディフェンスだったが我々はあんまり体格的に恵まれていないので、できるだけ高い位置からボールにプレッシャーをかけてというのはずっとやっていることなので、点差が開いてもそれを変えることはないですね。(3Q相手に流れを渡さなかった要因は)西戸がよくディフェンスで動いたということと、伊藤がポイントのところで苦しいシュートを決めてくれたことです。それから大元も一発決めましたが、あれがやっぱり大きいですね。去年はあれが決めきれなかったですね。(4Q勝ち切れた理由も同様か)やっぱりディフェンスですね。相手が相当重心が後ろにかかったプレーが多くて、多分プレッシャーがかかってたと思うんですが、そういうディフェンスが良かったので4Qもちゃんとできたのかなと。(次戦への意気込み)明日も今日の相手と同じようなチームカラーなので、我々にとってはゆっくりやられるのが一番不得意なバスケットなので、できるだけオールコートでディフェンスを頑張って早い展開にできるようにしないといけないです。

[G] 蛯名涼(法4・洛南高)

今年は失点を少なく、去年と比べて10点弱減らしてきているということを試合前に言って、今日もそのような試合をすれば勝てると思ってました。今日も失点を抑えることが徹底できたので、勝ちにつながったかなと思います。(春の対戦からの変化について)さらにディフェンスを厳しくできたことが違うと思います。相手が最後の3Qから4Qにかけて、ガス欠してるなというのが分かって、そこまで相手を抑えたディフェンスが勝因だったと思います。(今日のプレーで意識したこと)相手の試合を見てて、前線のディフェンスが強いなと思ってました。攻略方法ではないですけど、こう攻めようかなと思ってた所が当たって、何本か続けられたので良かったです。(今のチーム状態について)今のチーム状態はいいです。勝ち続けていますし、課題をどんどん潰せていることでみんな充実感を持って出来ているんじゃないかなと思います。克服した課題を試合で再現できるかという所で、去年からずっとできてないなと言っていた所ができ始めています。まだ相手が関学、神大と強くなっていくので、しっかり2つ勝てれば、慢心ではないですけど、また良い自信にして二週目を戦っていけると思います。もうあと一息しっかり気を引き締めて頑張りたいと思います

[G] 伊藤良太(環3・洛南高)

結果として勝ったのはいいと思いますけど、一試合を通して自分たちのやりたいことを徹底出来たかというとそうではないですし、だから、今日の試合の中で反省点も多かったので、それを調整して明日に繋げていきたいと思います。(試合の流れを引き戻す3ポイントについて)その部分に関しては、僕自身ポイントガードとして、苦しい時に得点を取るということはずっと意識していて、今日の3ポイントでも流れが悪いな、ここで流れが欲しいな、という部分でしっかり決められるように、シュートを放っています。(国士館大の印象)国士舘大学の印象は、流れがいい時はどんどんくるチームであって、それに対してはやっぱり自分たちで受けるのではなくて、自分たちの持ち味であるディフェンスをしっかりやって走るということを意識して40分間通していたというのは良かったと思うんですけど、やっぱり流れが傾いた時に、ディフェンスを5人が意思統一をしてしっかりやらないといけないと思います。(明日の試合に向けて)この良い流れを続けるためにも、自分たちのバスケットをすることが大事だと思いますし、そうすれば絶対流れが来て勝てると思います。自信はあるので、明日も絶対連勝を続けられるようにがんばっていきたいと思います。

[C] 黒木亮(環2・延岡学園高)

トーナメントで春に試合して、そのときよりかは完璧に「やってやった!」みたいな手応えはあるんですけど。でもやっぱりまだ課題として、ディフェンスの三線の下のカバーとか、あとビジョンが切れることだったりとか、あとは無駄なファールをしてしまったりだとか、そういう課題が残ってしまったので、そこはもっと修正していきたいです。手応えはもちろんガッツリあったと思います。(昨年の国士戦との違いは)国士舘も去年だったらキャプテンの平田さんだとか、センターの曹宇辰さんとか、その2人が勝負所で活躍してやられてしまって、負けムードになっちゃって・・・みたいな流れがあったので。その2人にやられて、今いる国士舘のメンバーが躍動するっていうゲーム展開で負けてしまっていたのが去年の試合だったと思います。だからその教訓を生かして、今年は向こうもほとんどメンバー的には変らないんですけど、自分たちのバスケをもっとしっかり去年以上にやらないといけないっていう自覚はありました。(蛯名選手との合わせについて)向こうもディフェンスがルーズっていう訳じゃないんですけど、自分のマークマンも蛯名さんのドライブに対して寄るので、そこをどう合わせるかということを自分の中で考えていました。今日は前半で多く合わせることが出来たので、そこは良かったと思います。(明日への抱負は)課題はさっきも言ったんですけど、自分だったらディフェンスのビジョンが切れてしまうことや、出来るのにし切れなかった部分とか、あともっとディフェンスで伊藤さんのヘルプに行くことだと思います。明日は外国人留学生もいて、自分がやっぱり付くので、そこをどう守るかが鍵だと思います。あと自分の高校の先輩もいるので、そこは燃えていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました